小ボ ボール状の の玩具、小 小さな玩具 具/部品の の安全につ いて

N
NPO 法人 保育の安全研
保
研究・教育セ ンター
2015/01/05
小ボ
ボール状の
の玩具、小
小さな玩具
具/部品の
の安全について(欧州
州規格から
ら)
これま
まで、
「直径
径 39 ミリの
の筒(ほぼ、 トイレット
トペーパーの
の芯)に入る
るものは、子
子どもが
飲み込め
めてしまうの
ので危険」とされてき ました。し
しかし、現在
在の欧州規格
格、国際規格
格や米国
「45 ミリ
の規格で
では、39 ミリではなく、
リ(44.5 ミリ
リ)」と「32
2 ミリ(31 .7 ミリ)
」の
の2つが
使われて
ています。日本でも、この数字を
を見るように
になってきま
ました。これ
れまでは、単
単に「飲
み込む」ということ
とで一括して
て扱われてい
いたハザード(危害を及
及ぼす可能性
性のある物の
の条件)
が、種類
類の異なる 2 つのハザードに分け
けられた結果
果です。
下に、この 2 つの
の数字を解説
説します。
「
「注釈」以外
外の内容はす
すべて、EN771-1:2005+A
A8:2009
と EN7
71-1:2005+A
A9:2009 から翻訳した
か
たものです。
1.小ボール状の
の玩具
ここ
こでいう「小
小ボール」とはその玩
玩具の用途で
ではありませ
せん。形とし
して、球形、
、卵型、
楕円の
のボール、ま
または、48
8 面体以上の
の球形、卵型
型、楕円形を
をした物体を
を指します(注釈:
つまり、必ずしも「真ん丸」ではない
いということ
とです。また
た、おままご
ごとの卵のよ
ように半
分に切
切れる玩具で
であっても、一方の先
先端は球形、卵型または
は楕円です)
。
下の
の定義にあて
てはまる玩具
具は、36 か
か月以下の子
子どもの玩具
具としては適
適しません。
。
(36 か
月以上
上を対象とす
する場合も)危険を明
明示する警告
告を付ける必
必要がありま
ます。
の大きさの穴
穴を通り抜けるボール
ル状のものは
は、すべて「小ボール状
状の玩具」と
とみなさ
下の
れます
す。他の玩具
具の一部であっても、 とりはずし
しのできるも
もの、力を入
入れたり落と
としたり
すれば
ばボール状の
の部分がはずれてしま うものは、
「小ボール状
状の玩具」 とみなされ
れます。
直
直径 44.5(45
5 ミリ)の円
円を
通
通りぬけるボ
ボール状の玩
玩具
は
は、36 か月以
以下の子ども
もに
適
適さない。
これ
れは、この計測
測に用
いら
られる測定板
板の厚
さで
です。
EN
N71-1:2005+A
A8:2009 の 72
2 ページ
1
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また
た、ヒモやゴ
ゴムなどで玩
玩具の他の 部分からつ
つながってい
いるボール状
状のものも、下のよ
うに、
、A の長さが
が 30 ミリを
を超えた場合
合には、単体
体の「小ボー
ール状の玩具
具」と同等、
、とみな
されま
ます。
●ヒモやゴムで
で、ボールの
の部分が他の
の物(玩具の
の取っ手、本
本体等)に接
接続している場合
前ページと同じ測定板
板を使って、 計測する。
かかった状態
態にしてぶら
ら下げる。
1)ボールが付いている「他の物」が測定板の穴にひっか
態で、下図の
のAの長さを
を測る。
2)その状態
3)Aの長さ
さが 3 センチ
チ以上の場合
合、単体の「小ボール状
状の玩具」と
と同等にみなす。
玩具
具の本体など
ど
この
の長さが 3 センチ以上
セ
の場
場合、単体の
の小ボール
状玩
玩具と同等とみなし、
36 か
か月以下には不適とす
る(ヒモでつな
ながってい
ても
も、口の中に
に入って咽
頭に
にはさまる可
可能性があ
るた
ため)
。
前ペ
ページの測定
定板
ヒモ
モ、ゴムなど
ど
EN7
71-1:2005+A88:2009 の 73 ページ
危険で
である理由:こうした玩具は、口 のすぐ裏側
側または上咽
咽頭部をふさ
さぎ、呼吸を
をできな
くする
る可能性があります。咽頭部の筋
筋肉の収縮を
を起こす反射
射があるため
めに、硬口蓋
蓋の突起
部分に
にはさまった
た物は取り除くのが非
非常に難しくなります。ボール状の
の玩具は、ど
どの向き
でも詰
詰まりうるた
ため、玩具に通気用の
の穴を開けれ
ればよいとい
いうことでも
もありません
ん。
また
た、他の部分
分からヒモや
やゴムでつ ながってい
いる場合も、ヒモやゴム
ムが長ければ
ば(上の
図参照
照)
、同じよ
ように窒息を
を起こし得ま
ます。下のよ
ように握る部
部分からヒモ
モでつながっ
っている
玩具も
も、ここで言
言う「小ボール状の玩
玩具」に含ま
まれます。
EN71-1:2005+A8:22009 の 88 ページ
ペ
注釈
釈:日本小児
児科学会の『傷害速報』
』47 に掲載
載された事例
例は、このハ
ハザードによ
よるもの
です。この玩具は、上の基準
準よりも小さ
さいものです
すが、2 歳児
児ですので飲
飲み込む
ことはできず、上咽頭部をふ
ふさぎました
た。
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2.小さな玩具/
/部品
従来
来、「39 ミリ
リ」とされて
てきた基準 は、現在、
「31.7 ミリ(32 ミリ)」
、下の図の
のように
なって
ています。日本で販売されている 「誤飲チェ
ェッカー」を
を見たことが
がある方はお
おわかり
と思い
いますが、下
下の図は、3
36 カ月の子
子どもの口を
を模した筒を
を横から見た
たものです(もとに
なった
た米国の基準
準がインチを使ってい
いるために、31.7 ミリと
という数字に
になっていま
ます)
。
の筒に入る玩
玩具や玩具の部品、小
小物は(形状
状、大きさ、素材にかか
かわらず)す
すべて、
この
36 か月以下の子
子どもの玩具
具としては適
適しません。玩具の一部
部分であって
ても、とりは
はずしが
できる
る、または、
、なんらかの場合に取
取れてしまう場合には同
同様です。
( 36 か月以上
上を対象
とする
る場合も)危
危険を明示する警告を
を付ける必要
要があります
す。
直径
径 31.7(32
2 ミリ)の筒
筒に入
る玩
玩具、部品、
、小物などは
は、36
か月
月以下にとって危険。
EN71-1:2
2005+A8:20099 の 44 ページ
ジ
危険である理由:口に入れ
れて飲み込み
み、下咽頭部
部にはさまっ
って窒息、あ
あるいは誤飲
飲(食道
側に行
行った場合
合)、誤嚥(気
気道側に行っ
った場合。窒
窒息の可能性
性もある)が
が起こるため
めです。
★
★
★
★
★
注釈:上
上の基準は、
、あくまでも
も 36 か月を
をもとにした
たものです。子どもが大
大きくなれば
ば、口に
入る大き
きさも飲み込
込む大きさも大きくな
なります。数
数字は大事で
ですが、数字
字に縛られず
ず、保育
園等では
はあくまでも「今、目の前にいる 子ども、子
子どもたち」を見ながら
ら、数字や事
事例を活
かしてく
ください。(記・掛札逸
逸美)
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