WINGDAILY

(1)
WINGDAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 3048号 2014年(平成26年)4月4日(金曜日) WING DAILY
【HEADLINE NEWS】
★国土地理院、無人機や航空機レーザ測量活用の研究開発重点化
宇宙技術の積極活用も、5カ年研究開発基本計画(案)まとまる
国土地理院はこのほど、2014年度から2018年度までの研究
開発基本計画(案)をまとめた。同計画は、国土地理院が行う
研究開発の基本的な方向性を定める計画で、基本的課題を抽出
して今後重点的に取り組む課題を設定する。重点的に取り組む
課題としては、例えば地理空間情報の整備力向上のために、無
人航空機や地上及び航空レーザ測量などを採り入れて地理空間
情報の整備力を向上するための研究開発を進める。さらに、超
長基線電波干渉法(VLBI)や衛星測位システム(GNSS)等
の宇宙技術を活用して、位置情報を高精度に維持・更新するた
めの研究開発等を進める方針だ。
国土地理院の研究開発基本計画は、基本測量長期計画、地理
空間情報活用推進基本計画等に基づく研究開発の社会的ニーズ
及び前回の研究開発基本計画の成果と課題を踏まえつつ、今後
実施すべき研究開発と、その実施に必要な施策等を定めたも
の。
同計画(案)で今後5年間に取り組むべき基本的な課題とし
て、(1)地理空間情報の整備力・活用力向上のための研究開
発のほか、(2)次世代の地理空間情報活用社会の実現のため
の研究開発、(3)防災・減災のための研究開発、そして
(4)地球と国土を科学的に把握するための研究が挙げられて
いる。
(1)地理空間情報の整備力・活用力向上のための研究開発
に関しては、例えばモバイル/モービルマッピングシステム、
地上及び航空レーザ測量、そして無人航空機といった地理空間
情報の効果的・効率的な整備に活用が期待される計測技術を取
り入れつつ、地理空間情報の整備力を向上するための研究開発
を進めることが必要、との認識が示された。こうした新しい
ツールを活用して、これまでにない地理空間情報の作成手法や
効率的作成手法を開発・確立し、測量等に適用可能な成果が得
られることを目指す方針。
さらに宇宙技術を活用することで、位置情報を高精度に維
持・更新するための研究開発や、地下空間を含む階層化、三次
元化や時間軸を持った情報などの地理空間情報の多様化に対応
するための研究開発を進めることが必要、との認識が示され
た。
そこで、来る準天頂衛星4基体制の確立や、位置精度1ミリ
を目指す全球統合測地観測システム(GGOS)を推進するた
めの国際的VLBI観測の標準仕様VGOS、ALOS-2の打ち上げ
などの宇宙技術に関する動きに対応し、マルチGNSS解析手法
の開発及び公共測量等に適用するための技術的・制度的検討を
行い、作業規程の準則への反映及び指針案の作成を目指す。
また、高精度な高さの決定に必要な日本のジオイド・モデル
を効率的に維持・管理する手法、GNSS連続観測システム
(GEONET)の高度化、VGOS観測システム及び解析技術、
ALOS-2を利用した干渉SARによる地盤変動の広域監視など
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に関する研究開発を行い、測量などにおいて適用可能な知
見・成果が得られることを目指す方針。
(2)次世代の地理空間情報活用社会の実現のための研究開
発では、次世代衛星測位技術の効果的・効率的活用に関する
研究開発を進める。
次世代の衛星測位に関する技術の動向等を見据えつつ、精
密単独測位法(PPP)の高精度化・補正手法、次世代におけ
る高精度測位のニーズに応じた更なる高精度化の可能性、地
図等の地理空間情報と測位結果等の位置情報との整合性を高
めるための世界測地系に対応したダイナミックな測地系な
ど、次世代衛星測位技術の効果的・効率的活用に関する調
査・研究開発に着手し、今後の研究開発に必要な知見が得ら
れることなどを目指す。
(3)防災・減災のための研究開発では、東日本大震災を契
機として防災意識の高まりがみられるなか、自然災害の増大
に対して、安全で安心して生活できる社会を実現するため
に、事前の備えへの確実な対応、災害時の応急対応の迅速化
などに寄与する、共通基盤となる研究開発を進めていく考
え。
そこで、合成開口レーダ(SAR)による地盤変動計測精度
の向上と長期に亘る安定的な地盤変動監視、リモートセンシ
ングや航空レーザ測量の活用による国土の脆弱性把握と自然
災害発生可能性の事前予測、急激もしくは長期的な広域的な
地殻変動について、GNSSを用いた安定的な監視を行うため
の研究開発を行う方針。
加えて発災時には、被災地の状況を把握する地理空間情
報、その後の復興のために活用できる地理空間情報を速やか
に取得・共有・提供するため、航空機SARと既存の地理空間
情報の活用による災害発生箇所の抽出と地図表示、無人航空
機撮影技術などの研究開発を行う。
さらにGNSSリアルタイム解析等を活用した地震規模の迅
速な推定と火山活動の推定などの研究開発を行い、災害時に
適用可能な成果が得られることを目指す。
また(4)地球と国土を科学的に把握するための研究では、
地殻活動を解明のための研究のほか、地球と国土の科学的把
握に基づく測地基準系の高度化のための研究などを進める考
え。
【航空関連ニュース】
★改正沖振法施行、沖縄県内線航空機燃料税が9000円/klに
改正沖縄振興特別措置法が4月1日に施行された。これによ
り、航空機燃料税の軽減措置が拡充されており、軽減措置対
象に、これまでの沖縄と沖縄以外の本邦地域との間を航行す
る航空機に加えて、県内区域内の各地間を航行する航空機を
追加。沖縄本島-離島、離島−離島を結ぶ路線について、改正
前は全国の3/4に当たる1キロリットル当たり1万3500円だっ
たが、9000円となった。
さらに改正沖縄振興特別措置法では、本土と沖縄各島の航
(2)
WINGDAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 3048号 2014年(平成26年)4月4日(金曜日) 空機燃料税が、1キロリットル当たり9000円とする措置が、
2016年度末まで延長された。
また、国際物流拠点産業の振興も強化する。全日空
(ANA)が沖縄貨物ハブ事業を推進したことで、那覇空港の
貨物取扱量は、2009年に約2.2万トンだったところ昨年は15万
5000トンまで拡大した。そうしたことを踏まえ、改正沖縄振
興特別措置法では、所得控除における常時使用従業員数要件
を20人だったものを15人に緩和。投資税額控除における対象
試算の下限取得価額も1000万円超だったものを100万円超と
するなど、要件の緩和を図った。加えて、対象となる業種
に、今年度から新たに航空機整備事業を追加した。
★崇城大学、大学初の指定航空従事者養成施設に認定
崇城大学は4月2日、全国の大学で初めて指定航空従事者養
成施設の認定を取得した。同日付けで航空局安全部の島村淳
部長から、同大学の中山峰男学長に、指定書が手渡された。
今回の認定取得で、同校工学部宇宙航空システム工学科航空
整備学専攻の整備士教育では、これまでの国土交通省の試験
官による実地試験に代わり、学内の技能審査によって国家資
格を取得することができるようになった。
実地試験を受けるには3年の整備経歴を経なければならな
い。そのため、例えば崇城大学の学生4年生の5月に2週間、集
中的に実地試験を行っていた。これまで国交省の試験官が行
う実地試験では、どうしても試験官の人数やスケジュールに
限りがあって、集中的に試験を行わざるを得ない状況だった
という。
しかし、大学が指定航空従事者養成施設の認定を取得した
ことで、3年生の間に分割して試験を行うことができるように
なるなど、学生にとって負担が軽減されるメリットがあるよ
うだ。
なお整備士の人材不足が懸念されるようになった昨今、航
空局も業界の意見に耳を傾けながら、本腰を入れて整備士や
パイロット等の人材確保に向けて力を入れていて、乗員政策
等の基本的な方向性について、中間とりまとめが行われたと
ころ。
★海保ガルフV、オーストラリアから帰国
国内の長距離高速機必要性高まり
海上保安庁は4月2日、マレーシア航空370便捜索のため
オーストラリアで捜索飛行を行っていたガルフV機および現地
調整本部要員を帰国させると発表した。今回の帰国は沖の鳥
島での桟橋転覆事故などにより、国内での長距離高速航空機
の必要性が高まったためという。
ガルフVは展開先のオーストラリアのパース近郊ピアース空
軍基地を3日に出発し、4日午前1時30分頃に羽田航空基地に帰
国した。現地調整本部要員は民間機で4日に帰国予定。
政府の国際緊急援助隊の枠組みで派遣された海上保安庁の
ガルフVは、3月13日にマレーシアのパダン空港に派遣され、
マレー半島東側海域で2日間、インドネシア南方海域で4日
間、オーストラリアに移動してインド洋南部で5日間の捜索飛
行を実施した。
★JAL、アディダスとサッカー日本代表を応援
SAMURAI BLUE応援ジェット2号機を国際線へ
日本航空(JAL)は4月5日から、アディダス・ジャパンと
の共同企画としてサッカー日本代表を応援する特別塗装機
「SAMURAIBLUE応援ジェット2号機」を国際線に就航させ
る。
この応援ジェット2号機については、JALのボーイング777300型機(JA740J)へ特別塗装が施され、羽田とパリ・ロン
ドンなどを結ぶ路線で、7月末まで運航する予定となってい
る。デザインは日本代表とサポーターがともに戦う姿勢をイ
メージした円陣を表現する。
JALとアディダスはこれまでにも、日本代表へのメッセージ
募集や観戦ツアーのプレゼントなど、共同企画としてサッ
カー日本代表の応援を行ってきたが、今回も共同企画を通
じ、共同での特別塗装機就航が決定した。
★ピーチ、GW含む「桜満開セール」6日まで販売
ピーチ・アビエーションは4月14日から6月30日を対象搭乗
期間とした「桜満開セール」を4月6日まで実施する。
このセールは1480円からの運賃で、GW期間も含めて販売
している。国内線は最安の那覇−石垣線が4月14日から5月31
日で1480円とし、最高で関西−石垣線の4980円。国際線で最
も安いのは釜山線で月曜から木曜の運航便は2780円で販売、
最高では5月8日からの香港線が5980円となっている。
★関空、GWゆるキャラが大集合、地元野菜の物産展も
大学初の指定航空従事者養成施設認定を取得
(提供:崇城大学)
関西国際空港は4月29日、5月4・5日に、ゆるキャラを集め
たイベントを開催するのにあわせて、大阪と和歌山の物産展
の特別版も実施するとして「ゆるキャラカーニバル&地元のえ
えもん市スペシャルinSkyView」を開催する。
4月29日には「ふなっしー」が登場して、関空展望ホール
SkyViewのキャラクター「ブービィ」と共演する。5月4日に
は人気のスマートフォンアプリのキャラクター「なめこ」が
展望ホールの1日館長を務め、来場者には特製のステッカーの
贈呈も行う。5日には地元のゆるキャラが集合して各地のピー
アールを行うほか、館内グリーティングなどを実施する。
また5日には地元のええもん市スペシャルとして、地元農家
(3)
WINGDAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 3048号 2014年(平成26年)4月4日(金曜日) 直送の野菜などを販売して、泉州野菜をアピール。さらに野
菜ソムリエによる野菜料理教室も3回に分けて実施、着席での
見学には事前予約が必要となる。
※SkyView
http://www.kansai-airport.or.jp/skyview/skyview.htm
【航空工業/宇宙関連ニュース】
★Jフォージ、JISQ9100を取得
日本エアロフォージ(Jフォージ)が、航空宇宙品質認証の
JISQ9100を取得した。認証を取得したのは今年1月15日付け
のこと。同社によれば、目標よりも1ヵ月半ほど前倒しで認証
を取得したという。
日本エアロフォージは岡山県倉敷市の玉島ハーバーアイラ
ンドに拠点を構えていて、世界最大級の5万トン級の鍛造プレ
ス機を導入している。
同社は2011年3月1日に、日立金属、神戸製鋼、IHI、そして
川崎重工の4社により、航空機・電力プラント向け大型鍛造品
を製造することを目的として共同で設立された。
国内で初めてとなる5万トン級の大型鍛造プレスを導入し、
世界で需要拡大が見込まれる航空機向けを中心に大型鍛造品
の製造事業を展開することが狙い。
これまで国内では不可能であった大型鍛造品の製造を行う
ことで、需要拡大が見込まれるチタン・ニッケル・高合金等
の大型鍛造品の国内での安定生産が可能となるほか、国内で
一貫製造を行うことで、製造過程で大量に発生する加工屑等
のスクラップを高効率で再生利用する体制を整え、レアメタ
ルの使用削減に寄与すると共にコスト競争力向上が期待でき
る。
日本エアロフォージに出資する神戸製鋼は先ごろ、エアバ
スで開発中のA350XWB向けの降着装置部品を供給することが
決定。降着装置大手のメシエ・ブガッテイ・ダウティ社との
間で、チタン大型鍛造品を供給することが決定した。これに
伴って日本エアロフォージが、チタン大型鍛造品を製造する
ことになっている。
【防衛関連ニュース】
★ロシアTU-142型機が2日に日本海側領空近くを飛行
31日のにIL-38に続き、類似ルートで
統合幕僚監部は4月2日、ロシア軍のTU-142型機2機が日本
海側の領空線に沿って北上したため、戦闘機を緊急発進させ
て対応したと発表した。3月31日に日本海側を飛行したIL-38
型機2機と類似した飛行ルートではあるが、今回のTU-142は
北海道西方の奥尻島、積丹半島付近では領海線から数十キロ
まで接近して飛行していることが注目される。
TU-142型は4発高速ターボプロップ爆撃機TU-95の対潜哨
戒型と言われ、主に海洋哨戒に用いられ、電波情報収集能力
もかなりあるものと見られる。外形的には垂直尾翼の先端の
後方に長く伸びるフェアリングが特徴。これは磁気探知器と
見られる。今回の機体では操縦席横にカラフルなロゴが見ら
れる。31日に飛行したIL-38型も対潜哨戒機だが、ターボプ
ロップ4発機でP-3Cに相当する民間期改造型。
この2回飛行では何れも竹島と朝鮮半島の間の海域で大きく
旋回飛行を行っており、監視対象がこの海域にあることを示
している。米韓合同演習関連か、北朝鮮ミサイル発射監視活
動の偵察かと見られる。その後の日本海沿岸飛行は、日本側
の防空体制の反応を見ているようにも見える。
4月2日のTU-142型機の航跡図(提供:統合幕僚監部)
★防衛省、マイクロミサイルシステムを研究試作
三菱重工が担当、無人機搭載目指す
防衛省は遠隔操縦プラットフォーム(無人機)や個人携行
も可能な超小型ミサイルと簡易発射機の研究を2012年度から
開始していたが、2014年度に主要構成要素1式が担当会社の三
菱重工から納入されることになった。また、2014年度予算は
約2億円と予算額を増加して試作を本格化していく。
2012年度の初度契約となる「マイクロミサイルシステム
(その1)の研究試作」1式は7350万円で三菱重工が受注して
おり、2015年度に掛けてシステム設計が行われ、2015、16年
度で発射試験を行い、研究を完了する予定としている。
搭載ペイロードが限られる無人の航空機や車両に搭載する
ためには、既存のミサイルは重量、寸法が大きすぎるため、
より小型のミサイルを試作し、将来の実用化を目指す研究で
ある。
航空自衛隊が撮影したTU-142型機(提供:統合幕僚監部)
【海外メーカーニュース】
★ボーイング第1四半期、民間機161機納入
次世代737が115機、防衛はF/A-18E/Fを11機
ボーイングはこのほど、2014年第1四半期(1−3月)の航
空機納入実績を発表した。それによれば、次世代737型機を計
115機納入したほか、787ドリームライナーを18機納入した。
(4)
WINGDAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 3048号 2014年(平成26年)4月4日(金曜日) バーウィーク」を実施し、来年の
ゴールデンウィークまでには、賛
同企業を100社に増やすことをめ
ざす。
最終的には、休暇制度改革に
よって、「大型連休の地域別取得
による休暇分散化」の実現を目標
に掲げる。そのためにも、まずは
民間レベルで実施可能な取組を進
め、休暇分散化による従業員満足
度や経済効果などを数字で示すこ
とで、社会的関心を高め、議論を
再活性化させ、「休暇制度改革の
議論に一石を投じたい」(星野リ
ゾート星野佳路代表)考えだ。
■防衛・宇宙・安全保障部門
こうした一連の取組を民間主導
▼空中早期警戒管制機=1機
左から、日本交通の川鍋一朗社長、ポピンズの中村
で進めるため、『休日分散化推進
▼新造アパッチ=10機
紀子代表取締役CEO、星野リゾートの星野佳路代
事務局』を新設。日本交通に事務
▼新造チヌーク=17機
表、ベネッセコーポレーションの村上久乃取締役人
局を置いて、取組を進めることも
▼C-17=3機
財部部長、ベネフィット・ワンの白石徳生社長
発表した。
▼F-15=4機
会見した星野リゾートの星野佳路代表は、「日本の観光消
▼F/A-18E/FおよびEA-18G=11機
費額の大半は日本人が占めており、外国人消費は5%程度。当
▼P-8=0機
面は、国内需要を維持していくことが大事。そのためには、
▼衛星=0機
供給側が抱える生産性の問題があり、政策的に生産性を上げ
★ミシュラン、737MAX用純正タイヤに選定
るためには、需要を平準化し、年間100日の黒字で265日の赤
ボーイングとサプライヤー契約を締結
字を埋めるという経営のアンバランスを解消し、消費者に
とっても渋滞や混雑の少ない快適な休暇を実現することで、
ミシュランは3月31日、ボーイング社の737MAXの純正タイ
潜在的内需を顕在化させていく必要がある」と述べ、休暇分
ヤサプライヤーに選ばれたと発表した。今後、同社の変形の
散化の意義を改めて訴えた。
少ないNZG技術を採用した最新航空機用ラジアルタイヤを、
かつて民主党政権下では、休暇制度改革が本格的に検討さ
737MAX7および737MAX8型機に提供していく。
れ、ゴールデンウィークの地域ブロック別の分散化や、秋の
ミシュランでは737MAX装着専用のタイヤを開発するとし
大型連休の導入が遡上にのぼったが、経済活動の停滞等を懸
ており、新製機に装着のほか、各航空会社へのアフターマー
念する経済界の慎重意見に加えて、観光業界からも、需要平
ケット向けとしても販売していく方針。ボーイングによると
準化による中小施設等への集客面での影響を懸念する声など
787MAXの受注数は既に1300機を上回っている。ミシュラン
が出て、一枚岩になれなかった経緯がある。
のNZG技術を適用したラジアルタイヤは、耐用命数が長くな
星野代表は本紙に対し、「そうした反対意見があることは
り、顧客の総所有コストの低減に貢献するとしている。具体
承知している」とした上で、「しかし、健全な競争環境を作
的には、異物損傷耐性が50%以上向上し、バイアスタイヤに
り、努力して頑張って消費者に対して価値を提供する事業者
比べて20%以上の軽量化による燃費向上、バイアスタイヤに
が、しっかりと成長できる産業に変えていかなければ、日本
比べて着陸回数を最大2倍増加させ航空会社の整備時間を短縮
は真の観光立国にはなれない」と強調。
する、などの利点を挙げている。
その上で、今後、賛同企業100社をめざす活動の中で、宿泊
NZG技術とは、ミシュランが特許をもっている技術で、高
業界への働きかけも「是非やっていきたい」として、「ゴー
内圧で使用される航空機用タイヤの寸法が拡大(成長)する
ルデンウィークの次の週に休みを取る社員を積極的に集客し
傾向を抑えて、タイヤの耐久性を高める効果が期待されると
たい企業にどんどん参加してもらい、そのメリットを感じて
いうもの。タイヤの成長を限りなくゼロに近づける独自技術
もらいたい。そうすれば、休暇分散化で顧客が減ると心配し
だという。 ている施設にも、分散化のメリットを分かって頂けると思
う」と見通した。
【旅行関連ニュース】
GW出勤すると翌週5連休に、3430名対象に選択制
★星野リゾートなど5社共同で「後ろ倒しGW」実施
割安宿泊プランなど提供Ă臨時託児所サービスも
賛同企業100社目標、休暇制度改革に一石投じる
防衛・宇宙・安全保障部門は、
F/A-18E/Fを11機納入したほ
か、新造のチヌークを計17機、
アパッチを10機納入するなどし
ている。
なお、各機の第1四半期納入実
績は以下の通り。
■民間航空機部門
▼次世代737=115機
▼747=4機
▼767=0機
▼777=24機
▼787=18機
星野リゾート、日本交通、ベネッセコーポレーション、ベ
ネフィット・ワン、ポピンズの民間企業5社が連携し、従業員
3000名強を対象に、休暇分散化に向けたトライアルとして
「後ろ倒しゴールデンウィーク」を選択制で実施すると発表
した。効果測定結果を6月に公表、9月にも「後ろ倒しシル
今回実施する「後ろ倒しゴールデンウィーク」とは、4月29
日(火・祝日)、5月5日(月・祝日)、5月6日(火・振替休
日)の3日間全てを出勤した従業員に対し、ゴールデンウィー
ク翌週の月~水曜日にあたる5月12日、13日、14日の3日間を
「後ろ倒しゴールデンウィーク」として、土日を含めた5連休
(5)
WINGDAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 3048号 2014年(平成26年)4月4日(金曜日) とするもの。
「後ろ倒しゴールデンウィーク」を選択するか否かは、選
択式とするが、賛同企業が用意する特典を利用できるなど、
GWを後ろ倒しするメリットを提供して分散化を促す。
5社合計の従業員約1万3400名のうち、3430名が「後ろ倒し
ゴールデンウィーク」を選択可能な対象者となる。内訳は、
日本交通100名、ポピンズ100名、ベネフィット・ワン280
名、ベネッセ・コーポレーション2950名。なお、星野リゾー
トは既に休日が分散化しており対象外となる。
提供する特典としては、星野リゾートは運営する全宿泊施
設で、「後ろ倒しGW宿泊プラン」(5月10日~14日の5日間
限定)を設定し、予約専用ページで販売する。GWの宿泊価格
帯より最大68%オフで宿泊できるほか、「例年の同時期の宿
泊料金に比べても、8~20%程度安い価格で宿泊できる」(星
野代表)と説明している。
また、福利厚生サービスを提供するベネフィット・ワン
は、通常は会員専用の宿泊施設のうち、直営7施設の利用を可
能とする。宿泊価格も1泊朝食付きで4000円台~と、リーズナ
ブルに宿泊できる。なお、福利厚生施設のため、もともと
ピーク料金の設定はなく、価格は通常通りだが、会員外での
利用を可能とした点がポイントとなる。
さらに、祝日に出勤するとなると、子供を持つ従業員は預
け先に困るが、育児介護サービスを提供するポピンズがベ
ビーシッターを職場に派遣し、会議室等を借りて臨時託児所
を開設するサービスを提供する。料金例は、東京で子供5人
(3~6歳)を預かる場合、ベビーシッター2名派遣で8万9000
円~(税別・備品代込)。
今回、まずはベネッセ・コーポレーションに3カ所の臨時託
児所を設け、1カ所につき子供5人としてベビーシッターを派
遣する予定とした。
ベネッセは全社員2950名対象、分散化に前向き
賛同企業100社目標に手応え、企業の関心高く
この取組のポイントは、参加企業が従業員に対し、混雑を
避けて休みを取れるという福利厚生面でのメリットを提供で
きることに加えて、自社の営業面でも、GW明けの閑散期に利
用促進を図れる点が大きなポイントとなる。
今回の参加企業のうち、対象者数が最も多いベネッセ・
コーポレーションの村上久乃取締役人財部部長は、「社員、
契約社員を含めて全社員を対象に選択式で実施する。もとも
と企画系業務が多く、在宅勤務なども採用しており、休暇分
散化は馴染みやすい」とした上で、「今後は、例えばチーム
毎、部門毎に休むことで、会議などにも支障のない形にでき
るのではないか」と前向きに検討していく姿勢を示した。
また、『休日分散化推進事務局』を担当するタクシー・ハ
イヤー大手の日本交通の川鍋一朗社長は、「今後、賛同企業
100社をめざすが、実は当たりが非常に良い。知り合いの経営
者に話しても、今のところ打率7割。5社で声を掛ければ、100
社は行くだろう」と手応えを感じている。
その際、製造業や金融業は直ぐには難しいものの、サービ
ス業などは分散化しやすいと指摘。「国全体での制度改革と
なると、難しい課題になるが、まずは民間主導で一歩を踏み
出したい。それによって、社員も幸せだと示せれば、社会的
関心も高まるはず」と期待を寄せた。
効果測定結果は、後ろ倒しGWを取得した従業員を対象にア
ンケート調査を行い、6月上旬に公表する予定だ。星野代表
は、「今回はとくに、GWを後ろ倒ししたことで、こんなに快
適な休暇だったという消費者側の声を出していきたい。同時
に、正しい議論をするためにも、何が課題だったのかも含め
てきちんと公表し、乗り越えるべき課題も明確にしていきた
い。その上で来年につなげたい」と意欲を示した。
★2014年GW旅行需要、海外は11%減の47万人台に
JTBまとめ、日並びでショート堅調、ロング苦戦
JTBがまとめた2014年ゴールデンウィーク(4月25日~5月
5日の11日間)の旅行需要見通しによると、期間中の海外旅行
人数は前年同期比11.4%減の47万4000人と推計し、前年より
約6万人減少する厳しい予想となった。前半が飛び石連休で、
さらに後半との間に3日間の平日を挟む日並びの悪さや、円安
と消費増税も影響を及ぼす見通し。ただし、台湾、シンガ
ポール、グアム・サイパンなどの短い日程で旅行できる方面
は堅調に動くと予測している。
国内旅行については、日並びに加え節税志向の高まりか
ら、期間中の人数を同3.6%減(82万人減)の2196万2000人
とマイナス予想を立てた。しかし、昨年のGW国内旅行者が過
去最高の2278万人だったことを考えると、旅行への意欲は堅
調に推移していると見られる。
国内と海外を合わせた総旅行人数は、同3.8%減(88万1000
人減)の2243万6000人となり、減少はあるものの、2013年
(2331万人)、2012年(2260万人)に次いで過去3番目に多
い水準を維持する見通し。
これらのデータは、1200人から回答を得た旅行動向アン
ケートや、グループの販売状況、航空会社の予約状況、業界
動向から推計したもの。アンケートは全国200地点、今年3月
5~17日に全国15歳以上79歳以下の男女を対象に実施した。
海外旅行の平均費用は8%上昇して24万9500円
方面別は台湾好調、タイとハワイは低調な動き
GWの海外旅行をさらに詳しく見ると、平均費用は前年同時
期より8.1%上昇して24万9500円になる見通し。ランド料金の
上昇や燃油サーチャージの高止まりが影響していると見られ
るが、旅行各社が推進する高品質・高付加価値戦略も平均費
用の押し上げに働いていると見られる。
旅行人数に平均費用を掛け合わせた海外旅行消費額は、前
年より4.2%減の1183億円を予想している。
方面別の予想を見ると、アジアでは台湾が前年比5.3%増の
4万人と増加の見通し。また、シンガポールも前年並みを維持
して1万4000人を予想している。ただ、韓国と中国は依然低調
で、香港もマイナスの見通し。タイは3月中に非常事態宣言が
解除されたものの、現時点での予想は17.1%減の2万9000人と
なった。
リゾート方面は、好調が続くハワイが前年比8.7%減の4万
2000人とやや鈍い動き。近場のグアム・サイパンは前年並み
の2万8000人を予想している。
このほか、ヨーロッパ方面が8.2%減の5万6000人、米国本
土が9.8%減の3万7000人、オーストラリアが11.1%減の8000
人など、日並びの悪さから長距離方面が苦戦している。
ルックJTBの予約状況を元に割り出した海外旅行の出発ピー
ク日は、近隣アジアやグアム・サイパン方面が5月2・3日。欧
州方面は4月26・27日となっている。
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WINGDAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 3048号 2014年(平成26年)4月4日(金曜日) 【JTB:2014年GWの海外旅行方面別人数推計】
《総数》47万4000人(11.4%減)
■アジア合計=28万7000人(13.6%減)
▼韓国=7万4000人(23.7%減)
▼中国=6万8000人(11.7%減)
▼香港=2万人(13.0%減)
▼台湾=4万人(5.3%増)
▼タイ=2万9000人(17.1%減)
▼シンガポール=1万4000人(前年並み)
▼インドネシア=1万1000人(15.4%減)
▼マレーシア=1万人(9.1%減)
▼その他=2万1000人(12.5%減)
■北米州合計=11万2000人(6.7%増)
▼ハワイ=4万2000人(8.7%増)
▼グアム・サイパン=2万8000人(前年並み)
▼米国本土=3万7000人(9.8%増)
▼カナダ=5000人(前年並み)
■欧州合計=5万6000人(8.2%減)
■大洋州合計=1万2000人(7.7%減)
▼オーストラリア=8000人(11.1%減)
▼ニュージーランド=2000人(前年並み)
▼南太平洋=2000人(前年並み)
■その他(アフリカ・中近東・中南米)=7万人(22.2%減)
【組織・人事】
★防衛省人事
(4月1日付)
▼第6航空団副司令(統幕防衛計画部計画課分析室長)1空佐
高橋豊
▼第6航空団基地業務群司令(西部航空方面隊司令部防衛部防
衛課長)1空佐 岡田雄志
▼第7航空団副司令(空自幹部学校主任教官)1空佐 橋口裕
則
▼中部航空警戒管制団第1警戒群司令兼笠取山分屯基地司令
(防衛監察本部統括監察官付第5監察班監察調査官)2空佐 岩井田智
▼第1高射群副司令(第1高射群)2空佐 東征一郎
▼西部航空方面隊司令部防衛部防衛課長(航空教育集団司令
部教育部教育第2課長)1空佐 増田信行
▼第5航空団飛行群司令(統幕運用部運用1課総括班長)1空佐
壁島栄一
▼第5航空団整備補給群司令(空幕整備・補給課整備1班長)1
空佐 伊藤政文
▼第8航空団飛行群司令(第5航空団飛行群司令)1空佐 西野
一行
▼第8航空団付(第12飛行教育団副司令)1空佐 宮野智加良
▼第83航空隊副司令(中部航空方面隊司令部監理監察官)1空
佐 福永充史
(次号以降に続く)
★国土交通省人事
(4月1日付)
▼大臣官房福利厚生課企画専門官(観光庁総務課調整室課長
補佐)福島稔
▼出向・観光庁総務課調整室課長補佐(大臣官房福利厚生課
企画調整官)秋本正夫
▼大臣官房技術調査課付出向・文部科学省初等中等教育局教
科書調査官(国土地理院企画部地理空間情報政策調整官)岡
谷隆基
▼国土地理院企画部地理空間情報政策調整官(水管理・国土
保全局防災課災害対策室課長補佐)石関隆幸
▼大臣官房運輸安全監理官付課長補佐(大臣官房運輸安全監
理官付専門官)山西光一
▼大臣官房運輸安全監理官付次席運輸安全調査官(大臣官房
運輸安全監理官付運輸安全調査官)木下典男
▼3月31日付辞職・自動車事故対策機構安全調査室アシスタン
トマネージャー(大臣官房運輸安全監理官付運輸安全調査
官)北村一人
▼大臣官房運輸安全監理官付運輸安全調査官
(自動車事故対策機構東京主管支所アシスタントマネー
ジャー)三ツ木康智
▼大臣官房官庁営繕部管理課付・即日辞職(国土交通政策研
究所総務課長)箱田妃富美
▼国土交通政策研究所総務課長(国土政策局総務課企画室課
長補佐)関根清人
▼3月31日付辞職・福島県保健福祉部自立支援総室子育て支援
課主幹兼副課長(航空局交通管制部交通管制企画課長補佐)
増田久和
▼航空局交通管制部交通管制企画課長補佐(中部地方整備局
建政部計画管理課長)太田喜久
▼土地・建設産業局総務課調整室課長補佐(観光庁観光産業
課長補佐)塩野進
▼出向・観光庁観光産業課長補佐(国土交通大学校計画管理
部企画情報科長)堀江直宏
▼水管理・国土保全局防災課長補佐(国土地理院地理空間情
報部情報普及課長補佐)北村京子
▼自動車局技術政策課専門官(航空局安全部運航安全課乗員
政策室乗員資格基準係長)谷口正信
▼港湾局港湾経済課港湾情報化企画調整官(茨城県企画部空
港対策課長)高橋良正
▼3月31日付辞職・茨城県企画部空港対策課長(航空局航空
ネットワーク部空港施設課空港施設高度利用推進室課長補
佐)鈴木賢治
▼航空局航空ネットワーク部空港施設課空港施設高度利用推
進室課長補佐(九州地方整備局港湾空港部港湾物流企画室
長)森住直樹
▼九州地方整備局港湾空港部港湾物流企画室長(国際協力機
構経済基盤開発部運輸交通・情報通信グループ運輸交通・情
報通信第三課)温品清司
▼3月31日付辞職・国際協力機構経済基盤開発部運輸交通・情
報通信グループ運輸交通・情報通信第三課(航空局航空ネッ
トワーク部空港施設課大都市圏空港調査室専門官)黒田優佳
▼航空局航空ネットワーク部空港施設課大都市圏空港調査室
専門官(港湾局計画課施設評価係長)清貞将平
(次号以降に続く)