12 経年比較にみる高校生の生活と意識 この章では、高校生の生活と意識について経年的な変化をみる。本調査以外の過去の調査はす べて、財団法人日本青少年研究所が実施したものである。 1)将来、受けたい教育の水準 図 12-1 は、 「四年制大学まで」、 「大学院まで」 ( 「修士」+「博士」)、 「学歴にこだわらない」 「ま だ考えていない」という回答の割合を、普通科高校生の経年比較で示したものである。これを見 ると、 「四年制大学まで」の割合が、日本の普通科高校生は、2005 年 53.0%、2011 年 63.4%、2014 年 67.3%と、年々高くなっている。米国、中国も高くなっている。一方、 「大学院まで」 (修士と 博士の合計)という回答は、日米中韓4か国とも少なくなっている。また、米国は、 「学歴にこだ わらない」と回答した者の割合が大幅に増加している。 四年制大学まで 大学院(修士+博士)まで 学歴にはこだわらない まだ考えていない 3.3 2014年 10.7 67.3 6.9 日本 日 本 2011年 63.4 2005年 2014年 米国 米 国 9.0 53.0 10.9 36.8 38.1 2011年 7.3 0.5 14.7 47.1 26.9 11.0 5.1 12.1 8.6 0.6 2005年 46.5 27.4 19.3 0.5 2014年 12.6 3.5 44.2 36.1 中国 中 国 2011年 2005年 2014年 3.6 51.3 29.3 15.3 58.8 10.9 5.9 47.6 32.8 10.9 8.8 6.2 韓国 韓 国 2011年 23.7 53.6 2005年 17.0 58.9 0% 5.5 11.9 9.2 7.6 50% 100% 図12-1 将来、どのような教育を受けたいか(普通科高校生の経年比較) ☆2011 年:「高校生の生活意識と留学に関する調査」、2005 年:「高校生の友人関係と生活意識に関する調査」 49 49 2)親子関係 「家族との生活に満足している」について、2005 年と 2011 年の調査と比較した。図 12-2 に 示しているように、 「とてもそう思う」の割合は、4か国とも増加傾向が見られた。 とてもそう思う 日本 日 本 米国 米 国 中国 中 国 2014年 39.4 2011年 26.7 2005年 26.8 韓国 国 45.4 56.1 53.1 2014年 50.4 2011年 29.4 44.8 2005年 39.0 35.3 46.3 2014年 51.0 2011年 40.4 47.3 2005年 韓 まあそう思う 44.2 33.5 2014年 51.5 39.2 2011年 46.8 30.3 2005年 53.5 27.9 0% 53.9 20% 40% 60% 80% 100% 図12-2図家族との生活に満足している (2005年、2011年:「家庭生活に満足している」) *2005 年: 「高校生の友人関係と生活意識に関する調査」 、2011 年: 「高校生の生活意識と留学に関する調査」 図 12-3 は、 「親(保護者)を尊敬しているか」の6年間の変化を示したものである。これをみ ると、 「とてもそう思う」の割合が、日本、米国、韓国は増加している。特に日本と韓国の伸びが 著しい。中国はほとんど変化がなく、高い肯定率を保っている。 とてもそう思う 2014年 日本 50.1 21.2 米国 米 2014年 国 中国 韓国 韓 国 45.8 37.1 日 本 2008年 中 国 まあそう思う 21.3 70.9 2008年 26.9 64.4 2014年 59.7 36.1 2008年 60.0 36.4 2014年 43.0 44.6 2008年 66.8 13.7 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図 12-3 親(保護者)を尊敬している *2008 年: 「中学生・高校生の生活と意識」 50 50 また、 「どんなことをしてでも自分で親の世話をしたい」の回答を 10 年前と比較してみると、 図 12-4 のとおり、日本と米国は減少しているのに対し、中国は高い水準を保っている。 37.9 日本 2014年 43.1 2004年 51.9 米国 67.9 87.7 84.0 中国 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 図12-4 どんなことをしてでも自分で親の世話をしたい *2004年:「高校生の学習意識と日常生活ー日米中3か国比較」 3)人生目標 図 12-5 は、 「高い社会的地位につくこと」について、 「とてもそう思う」と回答した割合を 2006 年、2011 年及び今回の 2014 年で比較したものである。図示したとおり、日米中韓4か国とも減 少していることがわかる。日本は 2006 年の 14.1%から 2011 年の 20.0%とやや増加したが、今回 は8年前よりも低くなっている。一方、米中韓3か国の減少が顕著である。米国と中国は8年前 より 10 ポイント以上も減少し、韓国も3年前より大きく減少している。 2014年 12.3 日本 日 本 2011年 20.0 2006年 14.1 2014年 26.2 米国 米 国 2011年 33.2 2006年 38.2 2014年 23.3 中国 中 国 2011年 34.0 2006年 36.2 2014年 20.2 韓国 韓 国 2011年 34.9 2006年 27.3 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 図12-5 高い社会的地位につくこと(「とてもそう思う」と回答した者の割合) *2006 年: 「高校生の意欲に関する調査」 、2011 年:「高校生の生活意識と留学に関する調査」。以下同様。 51 51 図 12-6 は、 「お金持ちになること」について、「とてもそう思う」という割合を示したもので ある。日本は、2006 年と 2011 年では3割強の割合が、2014 年で2割へ減少している。中国は前 回の調査より大きく減少している。韓国は3年前より 15 ポイント減少している。米国は 2006 年 と 2014 年では、いずれも5割強の肯定率となっている。 2014年 20.4 日本 日 2011年 本 31.4 2006年 33.7 2014年 米国 51.3 米 2011年 国 43.2 2006年 54.4 2014年 38.0 中国 中 国 2011年 50.4 2006年 61.7 2014年 35.8 韓国 韓 2011年 国 51.3 2006年 44.0 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 図12-6 お金持ちになること(「とてもそう思う」と回答した者の割合) 「円満な家庭を築くこと」については、 「とてもそう思う」と回答した割合が、日本は 2006 年 67.1%、2011 年 64.3%、2014 年 59.6%と、年々低くなっている。米国と中国も似た傾向を示し ている。韓国は 2011 年で5年前より伸びていたが、今回は3年前よりやや減少している(図 12 -7) 。 2014年 59.6 日本 日 本 2011年 64.3 2006年 67.1 2014年 78.1 82.1 2006年 82.8 米国 米 国 2011年 2014年 71.2 中国 中 国 2011年 76.2 2006年 77.1 2014年 68.0 韓国 韓 国 2011年 71.2 2006年 59.9 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図12-7 円満な家族を築くこと(「とてもそう思う」と回答した者の割合) 52 52 「自分の趣味を生かす暮らしをすること」について、3年前と比較した。 「とてもそう思う」と 回答した割合は、日中韓3か国とも減少傾向を示しているのに対し、米国はやや増加している(図 12-8) 。 2014年 米 国 2014年 中 国 2014年 日本 日 本 47.3 米国 2011年 58.9 86.5 中国 2011年 84.5 57.7 69.9 韓 2014年 国 2011年 70.5 韓国 2011年 74.2 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 図12-8 自分の趣味を生かす暮らしをすること(「とてもそう思う」と回答した者の割合) 「のんびりと気楽に暮らすこと」については、 「とてもそう思う」と回答した割合が、日米中韓 4か国とも3年前より低くなっている(図 12-9) 。 2014年 米 国 2014年 中 国 2014年 日本 日 本 50.7 米国 2011年 57.0 59.2 中国 2011年 65.4 53.1 2011年 65.7 2014年 韓国 韓 国 56.6 2011年 67.2 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 図12-9 のんびりと気楽に暮らすこと(「とてもそう思う」と回答した者の割合) 「社会のために役立つ生き方をすること」については、 「とてもそう思う」と回答した者の割合 が、日本と韓国では、3年前より1割弱増加している。米国もやや高くなっている。反対に、中 国は大きく減少している(図 12-10) 。 2014年 米 国 2014年 米国 日本 日 本 中国 中 国 韓国 韓 国 31.9 2011年 25.1 56.0 2011年 54.3 2014年 31.5 2011年 42.9 2014年 42.7 2011年 34.1 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 図12-10 社会のために役立つ生き方をすること(「とてもそう思う」と回答した者の割合) 53 53 「たくさんの友達をもつこと」については、図 12-11 のとおり、「とてもそう思う」と回答し た者の割合が、日米中韓4か国とも大きく減少している。 日本 日 2014年 本 41.5 2006年 68.0 米国 米 2014年 国 33.8 2006年 70.9 中国 中 2014年 国 41.5 2006年 72.6 韓国 韓 2014年 国 38.6 2006年 66.5 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 図12-11 たくさんの友達をもつこと(「とてもそう思う」と回答した者の割合) 以上のように、2006 年以来の調査と比較してみると、日本では、「社会のために役立つ生き方 をする」という目標が増えているが、 「高い社会的地位につく」 「お金持ちになる」 「円満な家庭を 築く」「自分の趣味を生かす暮らしをする」「のんびりと気楽に暮らす」「たくさんの友達をもつ」 といった項目が減少の傾向にある。韓国も同じ傾向が見られた。 米国では「社会のために役立つ生き方をする」のほかに、「お金持ちになる」「自分の趣味を生 かす暮らしをする」も増加傾向にある。中国では、「社会のために役立つ生き方をする」「高い社 会的地位につく」 「お金持ちになる」 「円満な家庭を築く」 「自分の趣味を生かす暮らしをする」 「の んびりと気楽に暮らす」 「たくさんの友達をもつ」といった項目がすべて減少の傾向にある。 4)国への意識 図 12-12 は、 「自国で暮らすことに満足している」への回答を示したものである。3年前に比 べて、日本と中国の肯定率が伸びていることに対し、米国と韓国の高校生の満足感は、低くなっ ていることがわかる。 とてもそう思う 日 2014年 本 2011年 日本 43.9 47.6 44.5 米 2014年 国 2011年 43.0 41.5 米国 中国 まあそう思う 40.4 64.7 2014年 25.5 29.3 中 国 2011年 52.6 30.9 韓 2014年 国 2011年 43.4 韓国 7.8 47.0 17.5 0% 48.4 20% 40% 60% 80% 100% 図12-12 自国で暮らすことに満足している *2011 年: 「高校生の生活意識と留学に関する調査」。以下同様。 54 54 「外国の生活に憧れている」については、 「とてもそう思う」と回答した割合が、3年前に比べ て、日本と中国は低くなっている。 「まあそう思う」を合わせると、米国と韓国は増加している(図 12-13) 。 日本 とてもそう思う 2014年 20.3 米国 日 本 2011年 中国 30.3 28.0 2014年 22.9 28.8 米 国 2011年 38.5 27.3 2014年 23.8 22.8 中 国 2011年 韓国 まあそう思う 35.3 33.6 2014年 31.1 24.4 韓 国 2011年 39.1 20.9 0% 33.8 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 図12-13 外国の生活に憧れている 「国の発展は自分の発展につながっている」については、 「とてもそう思う」と「まあそう思う」 と回答した合計が、日本は高くなり、韓国は低くなっている。米国と中国は大きな変化がみられ なかった(図 12-14) 。 とてもそう思う 日本 日 本 米国 米 国 中国 中 国 2014年 8.1 2011年 8.2 2014年 31.1 33.8 10.8 41.0 2014年 30.3 2011年 46.5 24.3 2014年 54.0 8.7 韓 国 2011年 韓国 34.9 14.9 2011年 まあそう思う 38.8 9.9 0% 43.4 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 図12-14 国の発展は自分の発展につながっている 5)成功の要因 日本では、1997 年調査で成功の要因について尋ねている。図 12-15 に示しているように、 「努 力すること」の割合が1割以上も増加している。一方、 「運に恵まれること」「健康であること」 「生まれもった才能があること」の割合が減少している。 55 55 努力すること 68.6 53.9 51.5 52.2 人柄がよいこと 17.1 運に恵まれること 22.9 15.2 健康であること 13.0 生まれもった才能があること 28.0 19.1 9.9 9.3 高い学歴をもっていること 2014年 7.9 5.9 お金があること 家族に恵まれること 4.8 1.8 有力なコネをもっていること 3.1 5.7 0% 1997年 20% 40% 60% 80% 図12-15 社会で成功するために重要なこと(二つまで、日本) *1997 年: 「中学生・高校生の生活と意識に関する調査」 6)自分について 図 12-16 は、 「自分の希望はいつか叶うと思う」というポジティブな自己評価に対する回答で ある。 「とてもそう思う」だけをみると、今回の調査では、日本、米国、韓国とも4年前より増加 しているが、中国はやや減少している。 とてもそう思う 25.2 日本 日 2014年 本 42.6 19.0 2010年 37.1 49.1 米国 米 2014年 国 中国 34.8 42.2 2010年 35.0 34.2 中 2014年 国 2010年 37.3 韓 2014年 国 36.3 韓国 まあそう思う 46.5 42.9 46.3 17.4 2010年 0% 10% 51.4 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 図12-16 自分の希望はいつか叶うと思う *2010 年:「高校生の心と体の健康に関する調査」 56 56 「私は人並みの能力がある」については、日本は、6年前より肯定率がやや伸びている。米国 と中国は「とてもそう思う」の割合が減少しているが、韓国は1割強も増加している(図 12-17) 。 とてもそう思う 日本 日 本 米国 米 国 中国 中 国 2014年 7.4 2008年 8.4 48.3 44.1 2014年 32.6 55.9 2008年 27.9 61.1 2014年 57.2 33.4 2008年 44.1 41.0 韓 2014年 国 韓国 まあそう思う 51.1 16.7 2008年 63.4 5.6 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図12-17 私は人並みの能力がある *2008 年:「中学生・高校生の生活と意識」 「自分はダメな人間だと思うことがある」について、 「とてもそう思う」と回答した者の割合は、 日本は3年前より1割減少している。米国もやや減少傾向である。中国と韓国は3年前より増加 している。特に中国の肯定率( 「とてもそう思う」と「まあそう思う」と回答した割合の合計)が、 2011 年の 39.2%から 2014 年の 56.4%と大きく上昇した(図 12-18) 。 とてもそう思う 日本 日 2014年 本 25.5 2011年 2014年 米国 中国 韓国 47.7 14.2 30.9 19.4 2014年 33.4 13.2 中 国 2011年 2011年 47.0 36.0 米 国 2011年 韓 2014年 国 まあそう思う 43.2 11.5 27.7 5.0 30.2 3.7 0% 28.2 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 図12-18 自分はダメな人間だと思うことがある *2011年:「高校生の生活意識と留学に関する調査」 57 57 「私は将来に不安を感じている」については、2008 年と 2011 年の調査と比較すると、 「とても そう思う」と回答した者の割合が、日本は減少している。米中韓は 2011 年が 2008 年より減少し ているが、2014 年はいずれも 2011 年より高くなっている(図 12-19) 。 とてもそう思う 26.7 2014年 日本 日 32.3 45.9 2008年 32.2 45.5 30.1 2014年 米国 米 中 2011年 国 13.6 中国 14.3 33.2 34.0 32.7 16.5 2008年 韓国 38.0 27.4 2014年 国 32.9 22.5 2011年 2008年 韓 44.3 2011年 本 国 まあそう思う 41.5 28.8 2014年 49.2 21.9 2011年 51.3 27.7 2008年 0% 51.8 20% 40% 60% 80% 図12-19 私は将来に不安を感じている *2008 年:「中学生・高校生の生活と意識」、2011 年:「高校生の生活意識と留学に関する調査」 「周りの人の意見に影響されるほうだ」については、図 12-20 のとおり、 「とてもそう思う」 と答えた割合が、日本では今回は6年前より減少しているが、米中韓では逆に高くなっている。 とてもそう思う 日本 日 本 米国 米 国 中国 中 国 韓国 韓 国 2014年 まあそう思う 45.5 18.2 2008年 45.2 23.0 2014年 33.9 13.1 2008年 35.9 10.7 2014年 42.4 15.9 2008年 41.2 13.2 2014年 58.5 14.9 2008年 56.2 13.5 0% 20% 40% 60% 80% 図12-20 周りの人の意見に影響されるほうだ *2008 年:「中学生・高校生の生活と意識」 58 58 「現状を変えようとするよりも、そのまま受け入れるほうがよいと思う」については、 「とても そう思う」と答えた割合が、日本は 2008 年の 14.0%、2011 年の 11.4%、2014 年の 6.4%と年々 減少している。 「まあそう思う」を加えると、日本は 2008 年と 2011 年の5割台から今回の3割台 へと減少している。また、米国と中国も前回の調査より肯定率が低くなっている。韓国ではあま り変化が見られない(図 12-21)。 とてもそう思う 日本 日 本 米国 米 国 2014年 29.8 6.4 2011年 2008年 14.0 2014年 13.3 中国 韓国 国 29.6 38.3 26.3 30.5 19.2 26.4 11.4 2011年 33.9 20.6 2008年 韓 41.1 2011年 2014年 国 45.3 11.4 2008年 中 まあそう思う 28.0 11.0 2014年 5.8 2011年 5.6 2008年 34.9 32.0 37.7 7.0 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 図12-21 現状を変えようとするよりも、そのまま受け入れるほうがよいと思う *2008 年:「中学生・高校生の生活と意識」、2011 年:「高校生の生活意識と留学に関する調査」 「あまり勉強しなくても将来が困らない」については、 「とてもそう思う」 「まあそう思う」と 回答した者の割合が、日本は9年前より減少しているが、米中韓は増加している。特に米国の増 加率が顕著である(図 12-22) 。 とてもそう思う 日 2014年 本 2005年 10.6 日本 3.2 15.8 4.6 米 2014年 国 2005年 米国 7.7 4.1 中 2014年 国 2005年 中国 23.7 11.0 5.2 12.2 6.2 韓 2014年 国 2005年 まあそう思う 9.9 韓国 10.3 27.5 8.8 0% 22.2 10% 20% 30% 40% 図12-22 あまり勉強しなくても将来が困らない *2005 年:「高校生の友人関係と生活意識」 59 59 このように、過去の調査結果と比較することによって、日本の高校生たちは、自分の価値にや や肯定的になり、将来への不安が少なくなり、自分の意見を持つようになり、また現状の受容よ り少し変革を求めるようになっている、というような傾向が読み取れる。 7)生活への満足感 学校生活への満足感について、2005 年と 2011 年の調査と比較してみると、日本の満足感は高 くなっている。米国と中国は、2011 年に高くなっているが、2014 年には両国とも 2005 年の水準 まで減少している。韓国は大きな変化が見られない(図 12-23) 。 とても満足 2014年 24.2 日本 日 2011年 本 米国 国 2014年 2011年 中国 韓国 国 49.9 30.3 51.5 21.2 58.6 16.8 2011年 58.4 31.5 2005年 57.8 15.1 2014年 韓 57.2 23.1 2014年 国 58.1 17.6 2005年 中 55.9 20.7 2005年 米 まあ満足 59.6 18.4 2011年 16.8 2005年 17.9 0% 10% 61.5 62.0 63.0 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 図12-23 学校生活への満足 *2005 年:「高校生の友人関係と生活意識」、2011 年:「高校生の生活意識と留学に関する調査」 自分自身への満足感を 2005 年と 2011 年の調査と比較してみる。日本の高校生は、自分に対す る満足感が米中韓より低いが、2005 年と 2011 年調査に比べ、2014 年は高くなっている。中国と 韓国も同じ傾向であるが、米国は 2011 年に比べてやや低くなっている(図 12-24) 。 60 60 とても満足 2014年 まあ満足 41.9 10.6 日本 日 2011年 本 35.6 4.8 2005年 37.1 6.3 2014年 32.9 49.1 米国 米 2011年 国 36.2 51.7 2005年 49.2 34.1 2014年 49.2 中国 27.2 中 2011年 国 56.1 18.2 2005年 52.2 15.6 2014年 49.0 23.1 韓国 韓 2011年 国 45.0 8.4 2005年 45.9 11.1 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 図12-24 自分自身への満足 *2005 年:「高校生の友人関係と生活意識」、2011 年:「高校生の生活意識と留学に関する調査」 友人関係に対する満足感について、2005 年と 2011 年調査と比較してみると、日本は大きな変 化が見られなかった。米国と中国は 2011 年より「とても満足」の割合が減少しているが、韓国は やや増加している(図 12-25) 。 とても満足 日本 日 本 2014年 32.8 2011年 33.1 2005年 32.6 2014年 米国 米 国 まあ満足 55.7 57.3 54.9 48.1 2011年 38.3 55.7 2005年 35.5 45.7 2014年 45.2 28.8 中国 中 2011年 国 59.1 42.9 49.1 2005年 29.3 58.4 2014年 29.1 59.6 韓国 韓 国 2011年 23.2 2005年 65.0 31.3 0% 59.7 20% 40% 60% 80% 100% 図12-25 友人関係への満足 *2005 年:「高校生の友人関係と生活意識」、2011 年:「高校生の生活意識と留学に関する調査」 61 61 学業の成績への満足感については、5年前の調査と比較すると、学業の成績への満足感が、日 中韓の3か国では高くなっている。米国は、「とても満足」が増えているが、「まあ満足」がやや 減少している(図 12-26) 。 とても満足 日本 日 2014年 本 2009年 4.2 米国 23.8 2014年 31.3 46.2 20.9 2014年 59.1 8.6 中 0.5 国 2009年 中国 31.7 3.6 米 国 2009年 韓国 まあ満足 2014年 38.1 15.3 6.1 韓 1.8 国 2009年 0% 26.8 16.9 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 図12-26 学業の成績 への満足 *2009 年:「高校生の勉強に関する調査」 62 62
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