Adobe Acrobat 導入事例:エーザイ株式会社

CASE STUDY
Adobe Acrobat 導入事例
日本を代表する製薬会社であるエーザイ株式会社(以下エーザイ)。日本以外にもアメリカ、イギリスなどに研究開発拠点や生
産拠点を、また営業拠点を海外各所に有しグローバルな展開をしており、グローバルな視点から
「コミュニケーション」
「コラボ
レーション」
「文書管理」
「申請業務」などで電子化を促進している。
エーザイ株式会社
国際市場での企業間競争が
激しい医薬品業界で
加速する文書電子化の動き
研究資料や報告書など大量の文書やデータが存在する
新薬の開発。その申請業務は既存の電子申請の仕組み
を介して、膨大な情報を迅速かつ確実に共有すること
が必須となっている。
http://www.eisai.co.jp/
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
PROFILE
エーザイ株式会社
ソリューション
業種
•研究開発、本社機能組織に限定したエンタープライズ契約
•医薬品、医薬部外品の製造販売
主な利点
課題
•AcrobatにおけるeCTD要件のプリフライトチェック
•増え続ける紙文書の電子化
•EDMSと連携したオンラインレビュー
•新医薬品の承認申請資料eCTDの要件を満たすPDFの迅速
•エンタープライズ契約による導入コスト、管理コストの削減
な作成
•グローバルな申請業務、文書管理、レビューのプラットフォー
ムの作成
•Adobe からのサポート
使用したアドビ製品
•Adobe Acrobat Pro
CASE STUDY
審査当局
臨床試験
GCP文書
承認申請
改訂PI
改訂PI
発売
(上市)
原薬製造
研究月報
研究計画書
研究報告書
投稿論文
特許
市場調査書
会議資料
議事録 etc.
試験計画書
試験報告書
標準作業手順書(SOP)
IND 資料
(治験届)
GLP 関連文書
投稿論文
会議資料
議事録 etc.
治験薬製造
臨床試験関連文書
標準作業手順書(SOP)
契約書
GCP 関連文書
規格書
治験薬概要書
会議資料
議事録 etc.
販売/マーケティング
市販後調査
製剤研究(CMC)
R&D文書
CTD
再評価
PI
非臨床試験
改訂CTD
適合性調査
eCTD
創薬研究
CTD
再審査
IB
情報公開
IB
PC
申請
XML および関連ファイル
(DTD,
スタイルシート,MD5
チェックサムファイル)
PC
治験相談
PDF ファイル
(文書)
治験届
申請文書作成
(コンテンツの再利用・編成)
スケール
アップ
NDA 資料
(承認申請)
機構相談資料
GxP 関連文書
各種届出文書
会議資料
議事録 etc.
PMS
再審査
製造
流通
業務依頼書
GxP 関連文書(GMP、GQP、GVP)
各種届出文書
各種報告書・回答書
契約書
添付文書 etc.
医薬品の開発から販売までの、社内文書の流れと審査当局提出
■医薬品業界に求められていること
文書
(研究資料、報告書)
を作成または
い薬品が世に出るまでには、創薬研究の
日本の経済再生に向けた取り組みの
提出しなければならない。電子化が進め
開始から十数年という膨大な時間と労
中、医薬品産業は、経済成長の牽引役を
られる前は、承認申請に必要な文書だ
力が費やされているのである。
果たすと共に、日本を真に魅力ある創薬
けでも、当局への提出にトラックを利用
の場とすることが期待されている。新薬
していたほどである。また、申請資料や
の研究開発は、病気で困っている患者の
開発過程で必要な文書は、ただ作成す
力になるという
「患者への貢献」
はもちろ
るだけでなく、監査証跡を残しながらレ
新薬の承認申請に提出する資料は、
んのこと、
「基幹産業としての育成」
「科
ビューを行う必要もある。ひとつの新し
ICH
(日米EU医薬品規制調和国際会議)
■電子化が必須となった新薬の申請
業務。ポイントはPDF
学技術
(技術革新)
への貢献」
という役割
も担っている。
有効でかつ安全性の高い新薬をいか
に早く患者に提供できるかは、医薬品業
界に求められている重要な使命であり、
国内のみならず、欧米や各国に対応する
グローバリゼーションも必要である。
PDFファイル(文書)
XMLおよび関連ファイル
(DTD,スタイルシート,
MD5チェックサムファイル)
■グローバリゼーションを意識した新
薬の承認申請の迅速化が鍵
新薬を市場に提供するには、審査当局
(独立行政法人医薬品医療機器総合機
構
(PMDA)
/ 厚生労働省)
の承認が必
要であるが、承認申請には長年にわたる
開発や治験の過程で生じる膨大な量の
eCTDのフォルダ構造
文書の電子化前
文書の電子化後
で合意されたコモンテクニカルドキュメ
マンエラーを最小限に食い止める機能
はや限界に達している。承認申請資料を
ント(CTD)が用いられている。現在は
が必須である。
紙で管理していた5年前頃までは、印刷
CTDを電子化したeCTDが世界中で共
通利用されており、日米欧では多くの新
薬申請がeCTDで行われている。eCTD
のために数千万円以上という莫大なコス
■文書の電子化は、製薬企業が取り組
まざるを得ない至上命題
トがかかるうえに、文書を保管するため
に社内にかなりのスペースを確保するこ
では、個々の文書のフォーマットにPDF
近年、企業で扱う情報量
(文書量)
は劇
とも必要だった。紙による承認申請に要
が採用されており、それらPDFをICH で
的に増加しており、製薬企業においても
する支出は相当な額であったことは容
定められたフォルダ構造に格納し、XML
膨張する情報を紙で管理することはも
易に想像できる。
で目次を作成して個々の文書を閲覧で
きるようにしている。
文書は単純にPDFであればよいわけ
ではない。審査するレビュワーが効率
的に見られるように、eCTDで利用する
PDFにはいくつかの要件がある。例え
ば、Web最適化、しおりの設定、使用す
るフォント、ハイパーテキスト、リンクな
どである。
このような要件に適合した高い品質
のPDFを迅速かつ正確に作成すること
が、eCTD作成
(新薬承認申請資料)
業
務の効率化や時間短縮につながる。そ
のため、
「eCTDの仕様に沿ったPDFで
あるか否か」
などを容易に確認し、ヒュー
eCTDに適合するPDFであるかのフォントをチェックするプリフライトの設定画面
CASE STUDY
新薬の承認申請におけるeCTDの利
■文書原本をPDF化し、ペーパーレス
いる。社内でのAcrobatの活用がます
用、さらにグローバル環境下での文書
を実現することで、大幅なコスト削
ます広がっているため、Acrobatを個別
の効率的な管理運営の必要性も相まっ
減に成功
購入から会社規模で使えるエンタープ
て、製薬企業での文書の電子化は取り
エ ー ザイでは 、文 書 管 理システム
ライズ契約へ変更した。これにより、最
組まざるを得ない至上命題だったので
(EDMS)
の導入で電子化が進んだこと
新バージョンへの無償アップグレード、
もあり、2009年4月より日本の臨床部
エンタープライズサポート、契約・維持
門での承認申請に関連した文書の原本
コストの低減、ライセンス管理の容易
をPDF化することによって、紙原本の廃
化を実現している。
「申請資料の電子化
止を可能にし、ペーパーレス化を実現し
において、PDFは根幹を支えている必
eCTDで求められるPDFは、前述した
た。各部署で保管していた膨大な紙文
須の技術です。PDFの高度な仕様が求
ように多くの要件をクリアしたものでな
書そのもの、さらに印刷費用や保管ス
められる申請資料関連業務において、
ければならない。エーザイでは、この要
ペースが不要となり、かなり大きな費用
Acrobatを使用することで品質保証上
件を満たすPDFを作成・編纂・チェックす
削減にも成功している。
のリスクが低減されるメリットは大きい
るためのツールとしてAcrobatを導入し
PDF化した申請資料や治験薬概要書
と考えています。」
と比留間氏は語る。
ている。
の閲覧は、アクセス権を設定したサー
Acrobatを選択した大きな理由は、求
バーにコピーを保存し、Webページか
製薬業界において、日本のみならず
められている各種項目に設定するため
らリンクを作成することで、資料を必要
世界中でPDFは必須のフォーマットと
の機能や、eCTDの仕様になっているか
なユーザーのみが簡単に目的の文書を
なっており、Acrobatの担う役割は大き
をチェックする機能
(プリフライト)
が装
閲覧できるように整備。ペーパーレス化
い。これからの新薬開発にいっそう貢献
備されているからだ。
とともに、ユーザーにとって使い勝手の
できるよう、Adobe Acrobatが文書電
「Acrobat以外のPDFツールには、こ
良い環境も構築した。
子化をサポートしていく。
ある。
■種々の要件が求められるPDF作成に
はAcrobatが必須
のような高度な機能が充実していない
ため、Acrobatは申請資料を扱うための
必要不可欠なソフトです。」
と比留間氏
■ 全 社 規 模 で 広 が りを 見 せ て い る
Acrobat
は語る。
エーザイでは、グローバルでの申請
また、書類のレビューにもAcrobat
業務や文書管理、レビューのプラット
の注釈機能が利用され、申請資料作成
フォームとしてPDFをフル活用してお
の効率化に貢献している。
り、Acrobatは欠かせない存在になって
※事例中に記載の肩書や数値、固有名詞などは取材当時のものであり、配布される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
※会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。 ※このカタログの内容は、予告なく変更することがあります。
※このカタログに記載されている内容は、2015年12月現在のものです。
アドビプロモーション
エーザイ・プロダクトクリエーション・システムズ
グローバル・レギュラトリー・ユニット
オペレーション部
日本サブミッションマネジメント室 室長
比留間 良一(薬学博士)
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