大豆情報 No.4 平成 27 年9月 25 日 収穫適期の判断方法と収穫作業の注意点 大豆の成熟期は「平年並」の見込みです。 ただし、生育状況、排水の良否、地力差などにより、ほ場間で成熟に差がでるため、ほ場ごと に黄葉期を把握し、刈遅れないよう収穫計画を立てましょう。 1 適期収穫のポイント ・ 連作ほ場や生育量が小さいほ場ほど成熟が早まります。 ほ場ごとに黄葉期・落葉期を確認し、収穫計画を立てましょう。 ・ コンバインの能力と収穫面積を確認し、適正な利用計画となるよう調整しましょう。 [収穫期の目安] 早刈りは汚損 粒が発生 2週 間 遅刈りは腐敗粒、 しわ粒が増加 約 5日 黄葉期(9月下旬) ・ほ場内 80%以上の葉が黄化 収穫適期は 約 10日 間 成熟期(10 月中旬) 収穫期(10 月中~下旬) ・茎を振ると莢内で カラカラと音がする。 ・茎全体が褐色になる。 ・茎がポキッと折れる。 ※収穫晩限は成熟期後 15 日頃までです。 [収穫までの流れ] ◇ 黄葉期から収穫期までの日数目安 ①黄葉期 ほ場内の着生葉の 80~90% 落葉期 ④成熟期 ②ほ場内の株の3割が葉柄 ほ場内の大豆の莢が 80~90%褐変し、粒の大部分 が黄化した状態 も含め完全に落葉 が品種固有の色を呈し、莢を振って音のする状態 ③同8割が落葉 収穫期 ⑤収穫開始 ⑥収穫限界 子実水分 22%以下、茎水分 60%以下 これ以降は品質が大幅に低下する。ただし、収穫限界は腐敗粒 等による品質低下の限界であり、しわ粒増加は考慮されていな いことから、可能な限り速やかに収穫する。 【日数の目安】 ① ② 5日間程度 5日間程度 ③ 5日間程度 ④⑤ ⑥ 15~18 日間程度 2 高品質に仕上げるためのポイント (1)しわ粒の発生防止対策 ・ 刈り遅れにより亀甲じわの発生が多くなるので適期収穫に努めましょう。 ・ 乾燥は子実水分が 20%以下になるまでは「送風のみ」で行い、その後は「加温乾燥」として、送風温 度は気温+10℃未満(30℃を超えない)としましょう (2)汚粒粒の発生防止対策 ・ 雑草や青立ち株は刈り取り前に取り除きましょう。 ・ コンバイン収穫は最初に試し刈りを行い、汚損粒の発生がないか確認しましょう。 ・ コンバインの刈り刃は地上 10cm 程度とし、土のかき込みを防止します。 土をかき込んだ場合は、すぐに刈り取りを止めて土をかき出しましょう。 なお、土のかき出し作業は必ずエンジンを停止して行いましょう。 ・ 倒伏しているほ場では、特に刈り取り位置と刈り取り速度に十分注意しましょう。 ・ 収穫作業は、降雨の翌日や午前 11 時より前は、茎水分が高く汚損粒が発生しやすくなるので下記の時 刻を守りましょう。 ・前日、当日とも晴天の場合 → ・前日が晴れ、当日が曇りの場合 → ・前日が雨、当日が晴天の場合 → 3 11 時から 17 時まで 11 時から 15 時頃まで 不可能な場合が多い その他注意事項 (1)有毒植物の除去 ・ ヨウシュヤマゴボウ(赤紫色)、イヌホオズキ(紫色)の果実汁が付着した大豆は農産物検査の対象 外となるので収穫までに除去を徹底しましょう。 ヨウシュヤマゴボウ イヌホオズキ (2)収穫前の除草剤の使用 ・ 収穫前の除草剤の使用については、除草剤ごとに使用時期(収穫前日数)、使用回数が定められている ので、収穫前日数・使用回数を確認して間違いのないよう使用しましょう。 (3)ほ場内の生育差が大きい場合 ・ 可能な限り刈り分けを行ってください。 ・ 刈り分けができない場合は、ほ場全体の概ね9割以上が適期に達したら、事前に青立ち株を抜いて収 穫しましょう。 4 次年度の大豆作に向けて ・ ほ場の団地化を図りましょう。 ・ 排水不良地では、春先のほ場の乾きを促進するため、秋のうちに弾丸暗きょ等を実施しましょう。 <この情報紙についてのお問い合わせ先 → 上越農業普及指導センター作物担当 025-526-9406 >
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