9月政府月例経済報告:景気の基調判断について

平成27年9月25日
セントラル短資株式会社
総合企画部・企画調査グループ
★9月政府月例経済報告:景気の基調判断について「緩やかな回復基調が続いて
いる」との表現を維持したが、「このところ一部に鈍い動きもみられる」との弱めの
文言を加えた。
9月25日、内閣府は月例経済報告を発表し、景気の基調判断について「緩やかな回復基調が続いている」との表現を維持したが、
「このところ一部に鈍い動きもみられる」との弱めの文言を加えた。
・ 個別項目では、「業況判断」「国内企業物価」が下方修正された。一方で、「企業収益」は上方修正された。「設備投資」の表現が、「このところ持
ち直しの動きがみられる」から「総じて持ち直しの動きがみられる」に変更された。
・ 先行きの留意事項について、「金融資本市場の変動」が「金融資本市場の変動が長期化した場合の影響」に変更された。
以下、国内の変更点を青文字で表示
景気は、このところ一部に鈍い動きもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
企業収益は、改善してい
る。
設備投資は、総じて持ち
直しの動きがみられる。
公共投資は、総じて弱い
動きとなっている。
雇用情勢は、改善傾向
にある。
個人消費は、総じてみ
れば底堅い動きとなっ
ている。
住宅建設は、持ち直し
ている。
企業の業況判断
は、一部に慎重さ
がみられるもの
の、おおむね横ば
いとなっている。
倒産件数は、おお
むね横ばいとなっ
ている。
生産は、このところ
横ばいとなってい
輸出は、このとこ
ろ弱含んでいる。
輸入は、このとこ
ろ弱含んでいる。
貿易・サービス収支
の赤字は、おおむ
ね横ばいとなってい
る。
国内企業物価は、
このところ緩やか
に下落している。
消費者物価は、緩
やかに上昇してい
る。
先行きについては、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、
アメリカの金融政策が正常化に向かうなか、中国を始めとするアジア新興国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクが
ある。こうしたなかで、金融資本市場の変動が長期化した場合の影響に留意する必要がある。
<政府の基本的態度>
政府は、大震災からの復興を加速させるとともに、デフレからの脱却を確実なものとし、経済再生と財政健全化の双方を同時に実現していく。このため、「経済財政
運営と改革の基本方針2015」、「『日本再興戦略』改訂2015」、「規制改革実施計画」及び「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」を着実に実行する。
好調な企業収益を、政労使の取組等を通じて、設備投資の増加や賃上げ・雇用環境の更なる改善等につなげ、地域や中小・小規模事業者も含めた経済の好循環
の更なる拡大を実現する。経済の脆弱な部分に的を絞り、かつスピード感を持って、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」及びそれを具体化する平成26 年
度補正予算を迅速かつ着実に実行するとともに、平成27 年度予算を円滑かつ着実に実施する。日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標
を実現することを期待する。
(月例経済報告における基調判断の推移)
7月 ↑ 8月 →
9月
わが国経済の基調判断
景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動も和ら
ぎつつある。
景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
10月
景気は、このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
10月 ↓
年月
26年
11月
27年
7月
~
3月
5月
1.
・
・
・
・
・
・
2.
・
・
・
・
3.
・
・
4.
・
~
8月
27年2月
~
4月
~
7月
景気は、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
判断の方向性
9月 ↓
11月 ~ 27年2月 →
景気は、企業部門に改善がみられるなど、緩やかな回復基調が続いている。
3月 ↑ 4月 →
景気は、緩やかな回復基調が続いている。
5月 ~ 7月 →
8月
景気は、このところ改善テンポにばらつきもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
8月 →
9月
景気は、このところ一部に鈍い動きもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
9月 →
・ アメリカでは、景気は回復が続いている。先行きについては、回復が続くと見込
各論
まれる。ただし、金融政策正常化に向けた動きの影響、原油価格下落の影響、
消費・投資などの需要動向
ドル高の影響等に留意する必要がある。
個人消費は、総じてみれば底堅い動きとなっている。
設備投資は、総じて持ち直しの動きがみられる。
・ アジア地域については、中国では、景気は緩やかに減速している。先行きにつ
住宅建設は、持ち直している。
いては、各種政策効果もあり、安定的な成長は維持されるものと見込まれる。た
公共投資は、総じて弱い動きとなっている。
だし、不動産価格や金融市場の動向等によっては、景気が下振れするリスクが
輸出は、このところ弱含んでいる。輸入は、このところ弱含んでいる。
ある。
貿易・サービス収支の赤字は、おおむね横ばいとなっている。
・ 韓国では、景気は減速している。台湾では、景気は弱い動きとなっている。イン
企業活動と雇用情勢
ドネシアでは、景気はやや減速している。タイでは、景気は減速している。インド
では、景気は持ち直している。
生産は、このところ横ばいとなっている。
企業収益は、改善している。
・ ヨーロッパ地域については、ユーロ圏では、景気は緩やかに回復している。先行
企業の業況判断は、一部に慎重さがみられるものの、おおむね横ばいとなっ
きについては、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、ギリシャ問題へ
ている。 倒産件数は、おおむね横ばいとなっている。
の対応やその影響、失業率や物価の動向、地政学的リスクの影響に留意する
雇用情勢は、改善傾向にある。
必要がある。
物価と金融情勢
・ 英国では、景気は回復している。先行きについては、回復が続くと見込まれる。
消費者物価は、緩やか
国内企業物価は、このところ緩やかに下落している。
に上昇している。
国際金融情勢等
株価(日経平均株価)は、17,400 円台から19,100 円台で推移した。対米ドル
・ 金融情勢をみると、世界の主要な株価は、アメリカでは上昇、英国及びドイツで
円レートは、119 円台から121 円台で推移した。
はおおむね横ばい、中国ではやや上昇した。短期金利についてみると、ユーロド
ル(3か月物)は、おおむね横ばいで推移した。主要国の長期金利は、アメリカで
海外経済
はやや上昇、英国及びドイツではおおむね横ばいで推移した。ドルは、ユーロ及
世界の景気は、アジア新興国等において弱さがみられるものの、全体として
びポンドに対してはおおむね横ばい、円に対してはやや増価した。原油価格(W
は緩やかに回復している。
TI)は大幅に上昇、金価格はやや下落、小麦価格は下落した。
先行きについては、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、アメリカ
の金融政策正常化に向けた動きの影響、中国を始めアジア新興国等の経済
の先行き、原油価格下落の影響、地政学的リスク等について留意する必要が
ある。
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