食の未来を変える

食の未来を変える
古賀産業 株式会社
代表取締役 古賀 靖
近年、
わが国に限らず世界中の食文化は、冷凍食
冷凍」
という従来なかった冷凍加工方法を広めてい
品抜きでは考えられないほど冷凍食品が浸透してい
る最中です。3D冷凍は自然の食材・食品・調理品等
ます。現在の冷凍食品は、調合添加物等に代表され
を添加物なしで冷凍しても、限りなくパーフェクトに近
る化学技術や冷凍加工技術の発達により店舗や家
い再現性を実現します。
この再現性こそが消費者側
庭で調理してもかなり美味しい物が食せるようになっ
の立場で非常に重要なファクターであり、冷凍食品を
ています。
解凍して食しても冷凍食品であると判別がつかない
しかしどうでしょう? 一昔前までは、冷凍食品とい
ほどの高品質は消費者を十分に満足させます。私は
えば不味い食べ物の代名詞のように思われていまし
この特性を最大限に活かせる場所は、
インターネット
た。私は昭和34年生まれですが、同年代の方なら食
による通信販売ではないかと思っております。地産地
べる前や食べた後に冷凍と聞かされると必ず「冷凍
消も大事なことですが、各地方での美味しい特産物
かぁ…」
と妙に納得して心の中で味に期待せず食べ
を全国の人々に地元と変わらない味でお届けするこ
ていたのではないかと思います。
とが可能となれば生産者も消費者も両方ベネフィット
化学技術はさて置き、加工技術の観点から見ますと
を得ることになり理想的な食の好循環が生まれること
現在主流として用いられている食品凍結装置は、50
になります。加えて、従来では不可能とされていた食
年前にはほぼ出揃っており、
それから大きく変わってい
材も3D冷凍では冷凍可能となる物もあるため、
ここに
ません。当時より機械メーカーの開発ベクトルは、消費
もまた一つ、食の好循環の芽があります。
者側の立場に立った食品の味にあらず、生産者側の
現在3D冷凍食品は徐々に流通しており、みなさん
立場にあり、如何に大量に、如何に素早く凍結させる
も知らないうちに一度は口にしているはずです。人間
かであり、冷凍食品の品質は置き去りにされ我々の記
は美味しい物を食べる時は笑顔であり、上機嫌であ
憶に冷凍食品は不味いという常識を植付けてしまいま
り、平和そのものです。みなさんが美味しい食品を安
した。私自身も10年ほど前まではそのように思っており
価でタイムリーに食することが可能な時代を目指し、
ましたが、
現在は全く反対の考えに変わっております。
会社を通じ食の未来に少しでも貢献できるよう努力し
弊社は「3DFreezer」
という急速凍結装置で「3D
てまいります。
ワイエムビジネスレポート 2014. 12月号 No.75
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