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「攻める防犯」
過日、防犯についての研修会に参加してきました。その講師の先生は、東京未来大
学こども心理学部長兼犯罪心理学教授の出口保行先生です。テレビでもレギュラーと
して数本の出演もしている有名な先生です。「攻める防犯」という先生のお話を紹介
します。
まずは、次の質問で、○か、×か、判断してみてください。
問1:世の中でもっとも多い犯罪は、どろぼうである。
問2:小さい子どもを狙った犯罪は、午後5時台が最も起こりやすい。
問3:小さい子どもを狙った犯罪は、公園で起こりやすい。
問4:小さい子どもを狙った犯罪は、5歳未満の子どもが対象である。
問5:小さい子どもを狙った犯罪は、月曜日に多い。
最も多い犯罪は、交通事故です。問2は、午後3時台。問3は、路上。問4は、7
歳。問5は、水曜日ということで、結局全て×です。ここから見えてくるものは、水
曜日の、午後3時頃に路上にいる7歳の子どもが危ないということです。これは、ち
ょうど下校時や下校後の小学校の低学年に当てはまります。子どもを狙った犯罪だけ
でなく、交通事故も多いことにも注意が必要です。また、犯罪が、水曜日に多い理由
は、職員会議など先生方が外にいない時だそうです。(本校は月曜日です)
そこで、防犯のための策として、物理的防犯と心理的防犯をあげています。物理的
防犯は、登下校の道や遊び場の環境をきれいにすること、防犯ブザーを見えるように
持たせることなどです。心理的防犯は、犯罪者の心理を逆手にとることです。具体的
に効果が高いのは、「挨拶」です。犯罪をしようと企む人は、地元を離れます。誰も
知らないところなのに、挨拶など声をかけられると目が合います。顔を見られ、記憶
に残されたと判断し、犯罪を断念する効果があるそうです。統計学上では、「挨拶」
をするだけで、犯罪は、20分の1に減少するといわれています。
人間として、心を育て、コミュニケーションを深めるために大切な「挨拶」。なん
と、防犯にも役立つということです。これからは、学校や家の周りでは、すれ違う人
に積極的に「挨拶」をしていきましょう。