均等待遇(法 3 条)、男女同一賃金の原則(法 4 条) 中間搾取の排除(法

均等待遇(法 3 条)
、男女同一賃金の原則(法 4 条)
差別理由
均等待遇(法 3 条)
国籍、信条又は社会的身分
男女同一賃金の原則(法 4 条) 女性であること
差別禁止事項
賃金、労働時間その他の労働条件
賃金
ここもチェック!!
□ 労働基準法第3条では、使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由とした労働条件の差別
的取扱いを禁止しているが、労働者の雇入れは労働条件に含まれないものとされているため、その者
の信条を理由として採用を拒んでも労働基準法第3条には違反しないとするのが最高裁判所の判例で
ある。
〈昭和 48 年最高裁判例(三菱樹脂事件)
〉
雇入れ
解雇
▽
▽
労働者
労働条件
中間搾取の排除(法 6 条)
何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。
ここもチェック!!
□ 「法律に基づいて許される場合」⇒職業安定法による有料職業紹介事業などが該当する。
職業紹介事業者
求職の申込
紹介・斡旋
求職者
派遣元
労働契約
労働者派遣契約
求人の申込
求人者
□ 全体として派遣労働者の労働関係となるた
め、
「労働関係の外にある第三者」が他人の就業
(労働関係)に介入することにはならない。
□ 所定の手続をしていない場合も同様
派遣先
指揮命令関係
労働契約関係
派遣労働者
中間搾取(法 6 条)には該当しない。
1
労働者(法 9 条)
、使用者(法 10 条)
定義
労働者(法 9 条)
労働者とは職業の種類を問わず、事
業に使用される者で、賃金を支払わ
れる者をいう。
備考
使用者(法 10 条)
使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その
事業の労働者に関する事項について、事業主のために
行為をするすべての者をいう。
① 事務代理の委任を受けた社労士がその懈怠によ
り申請等を行わなかった場合には、当該社労士は、
法 10 条にいう「使用者」に該当するものであり、
労働基準法違反の責任を問われることになる。
② 使用者とは、労働基準法各条の義務についての履
行の責任者をいい、その認定については部長、課長
等の形式にとらわれるのではなく、各事業おいて実
質的に一定の権限が与えられているか否かで判断
する。したがって、単に上司の命令の伝達者にすぎ
ない場合には、使用者とみなされない。
ここもチェック!!
派遣元、派遣先に対する労働基準法の適用関係(責任の所在)
<派遣法 44 条>
派遣元
派遣先
労働契約、賃金、年次有給休暇、産前産後の休業、 労働時間(⇒非常災害時の時間外労働、公民権行
災害補償、就業規則、労使協定、等
使の保障、育児時間、生理休暇、等)
、休憩、休日
2
契約期間等(法 14 条)
(1) 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、
3 年(次の①又は②のいずれかに該当する労働契約にあっては、5 年)を超える期間について締結しては
ならない。
① 専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」という。)であって高度のものとして厚生労働
大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業
務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約
② 満 60 歳以上の労働者との間に締結される労働契約(①に掲げる労働契約を除く。)
(2) 厚生労働大臣は、期間の定めのある労働契約の締結時及び当該労働契約の期間の満了時において労
働者と使用者との間に紛争が生ずることを未然に防止するため、使用者が講ずべき労働契約の期間の
満了に係る通知に関する事項その他必要な事項についての基準を定めることができる。
(3) 行政官庁は、(2)の基準に関し、期間の定めのある労働契約を締結する使用者に対し、必要な助言及
び指導を行うことができる。
ここもチェック!!
□ 高度の専門的知識等を有する労働者であっても、当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就かな
い場合には、労働契約の期間は 3 年が上限である。
■ 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準
第1条(雇止めの予告)
..
使用者は,期間の定めのある労働契約(当該契約を 3 回以上更新し、又は雇入れの日から起算して 1
年を超えて継続勤務している者に係るものに限り,あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されている
ものを除く。次条第 2 項において同じ。
)を更新しないこととしようとする場合には,少なくとも当該
契約の期間の満了する日の 30 日前までに,その予告をしなければならない。
更新①
2か月
2か月
更新①
2か月
2か月
更新②
雇止め(予告不要)
2か月
更新②
雇止め(予告必要)
更新③
2か月
2か月
更新①
5か月
雇止め(予告必要)
更新②
5か月
5か月
1年
雇入れ
3
労働条件の明示(法 15 条、則 5 条)
① 使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければ
ならない。
② 明示すべき労働条件のうち、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項(⇒
.....
絶対的明示事項のうち、昇給に関する事項以外のもの)については、これらの事項が明らかとなる文書
を交付することによって明示しなければならない。
絶対的明示事項
相対的明示事項
① 労働契約の期間に関する事項
① 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、
➋ (期間の定めのある労働契約であって当該労
退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退
働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新
職手当の支払の時期に関する事項
する場合があるものの締結の場合においては) ② 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)
、
期間の定めのある労働契約を更新する場合の
賞与及びこれらに準ずる賃金並びに最低賃金
基準に関する事項
額に関する事項
③ 就業の場所及び従事すべき業務に関する事 ③ 労働者に負担させるべき食費、作業用品その
項
他に関する事項
④ 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える ④ 安全及び衛生に関する事項
労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働 ⑤ 職業訓練に関する事項
者を2組以上に分けて就業させる場合におけ ⑥ 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事
る就業時転換に関する事項
項
⑤ 賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等 ⑦ 表彰及び制裁に関する事項
を除く。
)の決定、計算及び支払の方法並びに ⑧ 休職に関する事項
賃金の締切り及び支払の時期、昇給に関する事
項
⑥ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。
)
太字は、就業規則の絶対的必要記載事項に含まれていない。
<比較>
就業規則
絶対的必要記載事項
相対的必要記載事項
① 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休 ① 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、
暇並びに労働者を2組以上に分けて就業させ
退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退
る場合における就業時転換に関する事項
職手当の支払の時期に関する事項
② 賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金 ② 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)
、賞
等を除く。
)の決定、計算及び支払の方法並び
与及びこれらに準ずる賃金並びに最低賃金額に
に賃金の締切り及び支払の時期、昇給に関す
関する事項
る事項
③ 労働者に負担させるべき食費、作業用品その
③ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。
)
他に関する事項
④ 安全及び衛生に関する事項
⑤ 職業訓練に関する事項
⑥ 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
⑦ 表彰及び制裁に関する事項
⑧ その他事業場のすべての労働者に適用される
事項
4
賠償予定の禁止
労働者が就業規則に反して同業他社に就職した場合において、その支給すべき退職金につき、支給額を
一般の自己都合による退職の場合の半額と定めることも、退職金が功労報償的な性格を併せ有することに
かんがみれば、合理性のない措置であるとすることはできない。すなわち、この場合の退職金の定めは制
限違反の就職をしたことにより勤務中の功労に対する評価が減殺されて、退職金の権利そのものが一般の
自己都合による退職の場合の半額の限度においてしか発生しないこととする趣旨であると解すべきである
から、このような定めは、その退職金が労働基準法上の賃金に当たるとしても、労働基準法第 16 条、24
条等の規定にはなんら違反するものではないとするのが最高裁判所の判例である。
昭和 52 年最高裁判例(三晃社事件)
退職金➠2つの性格
賃金の後払い的な性格
功労報償的な性格
解雇予告(法 20 条)
8 月 27 日の終了をもって労働者を解雇しようとする場合において、8 月 14 日に解雇の予告をしたとき
は、少なくとも平均賃金の 17 日分の解雇予告手当を支払わなければならない。
(⇒解雇の予告をした日は予告日数に含まないため、予告日数は 13 日(8/15~8/27)となるため。
)
解雇予告
8/14
13 日
8/15
8/27
平均賃金の 17 日分の解雇予告手当の支払が必要
□ 季節的業務に4か月の期間を定めて使用される者で、最初の雇入れの日から最初の1か月を試用期間
としている場合に、雇入れの日から 20 日目に解雇するときは、解雇予告も解雇予告手当の支払いも必要
としない。
季節的業務 4 か月
引き続き使用
試用期間1か月
△
14 日 解雇
..
解雇予告不要
解雇予告必要
5
労働時間
労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、この労働
時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか
否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定さ
れるべきものではない。労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使
用者から義務づけられ、又はこれを余儀なくされたときは、当該行為を所定労働時間外において行うもの
とされている場合であっても、当該行為は、特段の事情がない限り、使用者の指揮命令下に置かれたもの
と評価することができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、
労働基準法上の労働時間に該当するとするのが最高裁判所の判例である。
平成12年最高裁判例(三菱重工長崎造船所事件)
□ 例えば、運転手が2名乗り込んで交替で運転に当たる場合において運転しない者が助手席で休息し、
又は仮眠をとっているときであってもそれは労働であり、その状態にある時間は労働基準法上の労働時
間である。
□ 労働者が使用者の実施する教育、研修に参加する時間を労働基準法上の労働時間とみるべきか否かに
ついては、就業規則上の制裁等の不利益な取扱いの有無や、教育・研修の内容と業務との関連性が強く、
それに参加しないことにより本人の業務に具体的な支障が生ずるか否か等の観点から、実質的にみて出
席の強制があるか否かにより判断すべきものである。
<法定労働時間>
① 原則
② 特例事業場
(常時 10 人未満の労働者を使用する商業、映画・演
劇、(映画の製作の事業を除く)、保健衛生、接客
娯楽の事業)
③ 児童の労働時間
6
1週 40 時間、1日 8 時間
1 週 44 時間、1日 8 時間
(注意)
年少者には、この特例措置は適用されない
..
修学時間を通算して、1週 40 時間、1日 7 時間
休憩
労働基準法 34 条3項に基づく休憩時間の自由利用は、
時間を自由に利用することが認められたものに過
ぎず、その利用が企業施設内で行われる場合には施設管理権の合理的な行使として是認される範囲内の適
法な規制による制約を免れず、また企業秩序維持の要請に基づく規律による制約を免れないから、企業施
設内における演説、集会、貼紙、掲示、ビラ配布等を休憩時間中であっても使用者の許可にかからしめる
ことは合理的な制約であるとするのが最高裁判所の判例である。
昭和 52 年最高裁判例(電電公社目黒電報電話局事件)
□ 労働基準法第 34 条に定める「休憩時間」とは、単に作業に従事しないいわゆる手待時間は含まず、労
働者が権利として労働から離れることを保障されている時間をいう。
(1)付与時間(労働時間の途中で付与)
労働時間が6時間を超え8時間以下の場合
45 分
労働時間が8時間を超える場合
1時間
※ 法別表第1第4号(運輸交通業)の事業又は郵便若しくは信書便の事業に使用される特定の労働者
(乗務員等)で長距離にわたり継続して乗務するもの並びに屋内勤務者 30 人未満の日本郵便株式会社
の営業所(郵便窓口業務を行うものに限る。
)において郵便の業務に従事するもの
⇒休憩時間を与えなくてもよい
(2)一斉休憩
工業的業種のうち
非工業的業種のうち
法別表第1第 4 号(運輸交通業)
、
第 8 号(商業)
、第 9 号(金融保険業)
、第 10 号(興行)
、 一斉休憩の規定は
第 11 号(郵便通信業)
、第 13 号(保健衛生業)
、第 14 号(接 適用されない
客娯楽業)並びに現業以外の官公署の事業
ここもチェック!!
□ 一斉休憩の規定が適用される事業において、一斉休憩を適用しないこととする場合には、労使協定の
締結が必要。(行政官庁への届出は不要)
□ 満 18 歳に満たない労働者については、休憩の特例は適用されないため、一斉に与えないこととする場
合には、労使協定の締結が必要となる。
(3)自由利用
次の者には、休憩の自由利用の原則は適用されない。
所轄労働基準監督署長の許可
警察官、消防吏員、常勤の消防団員、児童自立支援施設に勤務する職
員で児童と起居をともにする者
乳児院、児童養護施設、障害児入所施設に勤務する職員で児童と起居
をともにする者
居宅訪問型保育事業において保育を行う家庭的保育者
(同一の居宅に
おいて、
一の児童に対して複数の家庭的保育者が保育を行う場合を除
く。
)
7
―
必要
―
休日
所定休日
法定休日
日
月
8時間
火
8時間
水
8時間
木
8時間
金
8時間
土
36 協定
労働基準法第 32 条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が当該事業場の労働者の過半
数で組織する労働組合等と書面による協定を締結し、これを労働基準監督署に届けた場合において、使用
者が当該事業場に適用される就業規則に当該 36 協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に
定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の
内容が合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、当該就業規則の規定の適用を
受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負うと
するのが最高裁判所の判例である。
平成3年最高裁判例(日立製作所事件)
36 協定を締結した労働者側の当事者が労働者の過半数を代表する者ではない場合、36 協定が有効であ
るとは認められず、労働者は使用者の時間外労働命令に従う義務があったということはできないとするの
が最高裁判所の判例である。
平成 13 年最高裁判例(トーコロ事件)
8
事業場外のみなし労働時間制
(例)所定労働時間
7.5 時間
【原則】
・・・労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時
間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。
① 直行直帰型
→7.5 時間
② 一部内勤型
内勤
外勤
→7.5 時間
2時間
【例外】
・・・ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる
場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要
とされる時間労働したものとみなす。
③ 直行直帰型
→10 時間
④ 一部内勤型
内勤
外勤
2時間
→12 時間(=2+10)
9
専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制
対象
業務
対象者
適用事
業場
専門業務型の裁量労働制
企画業務型の裁量労働制
業務の性質上その遂行方法を大幅に当該業務に従
事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、
当該業務の遂行手段及び時間配分の決定等に関し
具体的な指示をすることが困難なものとして厚生
労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせる
こととする業務
<厚生労働省令で定める業務>
① 新商品、新技術の研究開発の業務
② 情報システムの分析、設計の業務
③ 取材、編集の業務
④ デザイナーの業務
⑤ プロデューサー、ディレクターの業務
⑥ コピーライターの業務
⑦ 情報システムの考案等の業務
⑧ インテリアコーディネーターの業務
⑨ ゲームソフトの創作の業務
⑩ 公認会計士の業務
⑪ 弁護士の業務
⑫ 建築士の業務
⑬ 不動産鑑定士の業務
⑭ 弁理士の業務
⑮ 税理士の業務
⑯ 中小企業診断士の業務
⑰ 大学における教授研究の業務(主として研究
に従事するものに限る。
)
、等
上記の業務を遂行する専門性を有する者であれ
ば、それ以上の制限はない
事業運営に関する事項についての企画、立案、調査及
び分析の業務であって、業務の性質上、これを適切に
遂行するためには、その遂行方法を労働者の裁量に委
ねる必要があるため、業務の遂行手段及び時間配分の
決定等に関し使用者が具体的な指示をしないことと
する業務
制限なし
制限なし
指針
定められていない
導入
要件
労働者の過半数で組織する労働組合があるときは
その労働組合、これがないときは労働者の過半数
を代表する者との労使協定で次の事項を定める
① 対象業務
② みなし時間(対象業務に従事する労働者の労
働時間として算定される時間)
③ 対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等
に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し
使用者が具体的な指示をしないこと
④ 対象業務に従事する労働者の労働時間の状況
に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保す
るための措置を当該協定で定めるところによ
り使用者が講ずること
⑤ 対象業務に従事する労働者からの苦情の処理
に関する措置を当該協定で定めるところによ
り使用者が講ずること
⑥ その他厚生労働省令で定める事項
届出
労使協定を行政官庁に届け出る
定期報
告
なし
10
知識、経験等を有する者
本人の同意が必要
対象事業場、対象業務の具体例、対象労働者の範囲等
に関し、指針が示されている。
労使委員会で、委員の 5 分の 4 以上の多数による議決
により次の事項を決議し、行政官庁に届け出る
① 対象業務
② 対象労働者
③ みなし時間
❹ 対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に
応じた健康、福祉を確保する措置
⑤ 苦情処理の措置
⑥ 本人同意の原則及び同意しなかった労働者に対
する解雇その他の不利益変更の禁止
⑦ 決議の有効期間
【労使委員会】
次の要件を満たす必要がある
① 委員の半数が、過半数労組(これがない場合は過
半数代表者)に任期を定めて指名されていること
② 議事録の作成、保存(決議の有効期間中及びその
後 3 年間)、周知がなされていること
委員会の決議を届け出る
(⇒決議の届出を行わなければ、企画業務型裁量労働
制の効力は生じない。
)
上記❹の実施状況を、当分の間は、6 か月に 1 回、所
轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
変形労働時間制
1か月変形
就業規則その他これに準ずるもの
労使協定
届出
起算日
変形期間
1 週平均の労働時間
特例事業場
1日の労働時間の上限
1週間の労働時間の上限
連続して労働させる日数の限度
フレックスタイム
○
○(どちらかで)
○
○(労使協定の場合)
―
○
○
1 か月以内
1 か月以内
40 時間
40 時間
44 時間
44 時間
なし
なし
なし
なし
1年変形
―
○
○
○
1 か月超 1 年以内
1週間変形
―
○
○
―
1 週間
40 時間
40 時間
10 時間※3
52 時間※3
6日
(特定期間
⇒1 週間に1日の
休日が確保でき
る日数)※3
10 時間
40 時間
なし
なし
規模・業種制限
なし
なし
なし
特別の配慮
妊産婦
年少者の特例
変形休日制
○※1
△
〇※2
〇
―
○
×
〇
○※1
△
〇※2
×
なし
30 人未満の小売
業、旅館、料理店
及び飲食店
○※1
△
×
〇
△ 妊産婦が請求した場合においては、1週間及び1日について、法定労働時間を超えて労働させること
はできない。
..
※1 フレックスタイム制を除く変形労働時間制を採用する場合、使用者は、育児を行う者、老人等の介護
を行う者、職業訓練又は教育を受ける者その他特別の配慮を要する者については、これらの者が育児等
に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならない。
※2 満 15 歳以上満 18 歳未満の者(15 歳に達した日以後最初の 3 月 31 日までの間にある児童を除く)につ
いて、
「1 週間について 48 時間、1 日について 8 時間を超えない範囲内」において、1か月単位変形労働
時間制又は 1 年単位の変形労働時間制の例により労働させることはできる。
※3 対象期間における1日及び1週間の労働時間の限度並びに連続して労働させる日数の限度
1日
1週間
①原則 (対象期間が3か月を超える場合は一定の制約あり※)
10 時間
②積雪地域の建設業の屋外労働者等 (則 65 条)
52 時間
③タクシー業の隔日勤務者 (則 66 条)
16 時間
6日 (特定期間については、1 週間
④連続労働日数の限度
に1日の休日が確保できる日数)
※ 対象期間が「3か月を超える」場合 (上記表中②の場合には、(イ)の要件のみ)
対象期間について1年当たり、原則と
(イ)労働日数の限度
して、280 日とすること
(ロ)対象期間において、
その労働時間が 48 時間を超える週が連
3以下であること
続する場合の週数
(ハ) 対象期間をその初日から3か月ごとに区分した各期間(3
か月未満の期間を生じたときは、当該期間)において、その労 3以下であること
働時間が 48 時間を超える週の初日の数
11
◆ 1か月単位の変形労働時間制
□ 常時 10 人未満の労働者を使用する事業場において、
「就業規則その他これに準ずるもの」において、1
か月単位の変形労働時間制を採用した場合には、これを行政官庁に届け出る必要はない。
事業場の規模
常時10人未満の労働者を使用
常時10人以上の労働者を使用
①
②
労使協定
採用
方法
就業規則
④
その他これに準ずるもの
③
①又は②による場合には届出が必要
③による場合には、届出は不要
④による場合には法 89 条(⇒就業規則の変更)により届出が必要
■ 時間外労働の判断
① 1日⇒1日8時間を超える所定労働時間を定めた日はその時間、それ以外の日は1日8時間を超えて
労働した時間
② 1週⇒1週 40 時間(特例事業場は 44 時間)を超える所定労働時間を定めた週はその時間、それ以外
の週は1週 40 時間(特例事業場は 44 時間)を超えて労働した時間(①で時間外労働となる時間を除
く。
)
③ 変形期間⇒変形期間の法定労働時間の総枠を超えて労働した時間(①又は②で時間外労働となる時間
を除く。
)
□ 使用者は、労働基準法別表第 1 第 4 号に掲げる事業において列車、気動車又は電車に乗務する労働者
で予備の勤務に就くものについては、労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにおいて具体的な
労働時間の定めをすることなく、1 か月以内の一定の期間を平均し 1 週間当たりの労働時間が 40 時間を
超えない範囲内で、1 か月単位の変形労働時間制の例により労働させることができる。
□ 勤務ダイヤによるいわゆる 1 か月単位の変形労働時間制を就業規則によって採用する場合に、業務の
実態から月ごとに勤務割を作成する必要があるときには、就業規則において各直勤務の始業・終業時刻、
各直勤務の組合せの考え方、勤務割表の作成手続及びその周知方法等を定めておき、それにしたがって
各日ごとの勤務割は、変形期間の開始前までに具体的に特定すればよい。
12
◆ フレックスタイム制
□ フレックスタイム制を採用した場合であっても、法定時間外労働が発生する場合には、36 協定を締結
する必要があるが、この場合、1 日について延長することができる時間を協定する必要はなく、清算期
間を通算して時間外労働(及び 1 年間について延長することができる時間)をすることができる時間を
協定すれば足りる。
(例)
労働者A 8時間、8時間、8時間、8時間、
・・・
労働者B 10 時間、6時間、10 時間、6時間、
・・・
□ 労働時間に「過不足」があった場合
(イ) 清算期間における実際の労働時間に「過剰」があった場合
総労働時間として定められた時間分はその期間の賃金支払日に支払うが、それを超えて働いた時間分を
次の清算期間中の総労働時間の一部に充当することは、その清算期間内における労働の対価の一部がその
期間の賃金支払日に支払われないことになり、法 24 条(賃金の全額払い)に違反し許されない。
清算期間における総労働時間
賃金
11 月
過剰
30 万円(不足)
12 月
30 万円 ×
(ロ) 清算期間における実際の労働時間に「不足」があった場合
総労働時間として定められた時間分の賃金はその期間の賃金支払日に支払うが、それに達しない時間分
(不足分)
を翌月の総労働時間に上乗せして労働させることは、
法定労働時間の総枠の範囲内である限り、
差し支えない。
清算期間における総労働時間
賃金
11 月
不足
30 万円(過払い)
12 月
30 万円 ○
法定労働時間の総枠
13
労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準(平成 13.4.6 基発第 339 号)
労働基準法においては、労働時間、休日、深夜業等について規定を設けていることから、使用者は、労
働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務を有していることは明らかである。
しかしながら、現状をみると、労働時間の把握に係る自己申告制(労働者が自己の労働時間を自主的に
申告することにより労働時間を把握するもの。以下同じ。
)の不適正な運用に伴い、割増賃金の未払いや過
重な長時間労働といった問題が生じているなど、使用者が労働時間を適切に管理していない状況もみられ
るところである。
こうした中で、中央労働基準審議会においても平成 12 年 11 月 30 日に「時間外・休日・深夜労働の割増
賃金を含めた賃金を全額支払うなど労働基準法の規定に違反しないようにするため、使用者が始業、終業
時刻を把握し、労働時間を管理することを同法が当然の前提としていることから、この前提を改めて明確
にし、始業、終業時刻の把握に関して、事業主が講ずべき措置を明らかにした上で適切な指導を行うなど、
現行法の履行を確保する観点から所要の措置を講ずることが適当である。
」
との建議がなされたところであ
る。このため、本基準において、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置を具体的に明らか
にすることにより、労働時間の適切な管理の促進を図り、もって労働基準法の遵守に資するものとする。
1 適用の範囲
本基準の対象事業場は、労働基準法のうち労働時間に係る規定が適用される全ての事業場とすること。
また、本基準に基づき使用者(使用者から労働時間を管理する権限の委譲を受けた者を含む。以下同じ。
)
が労働時間の適正な把握を行うべき対象労働者は、いわゆる管理監督者及びみなし労働時間制が適用され
る労働者(事業場外労働を行う者にあっては、みなし労働時間制が適用される時間に限る。
)を除くすべて
の者とすること。
なお、本基準の適用から除外する労働者についても、健康確保を図る必要があることから、使用者にお
いて適正な労働時間管理を行う責務があること。
2 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置
(1)始業・終業時刻の確認及び記録
使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・ 終業時刻を確認し、これを記
録すること。
(2)始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
イ タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。
(3)自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
上記(2)の方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は次の措置
を講ずること。
ア 自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正
に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
イ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実
態調査を実施すること。
14
ウ 労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講
じないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係
る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認する
とともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。
(4)労働時間の記録に関する書類の保存
労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第 109 条に基づき、3年間保存すること。
◆ 1 年単位の変形労働時間制
● 対象期間を 1 か月以上の期間ごとに区分することとした場合
最初の期間を除く各期間
労
使
協
定
最初の期間
労働日
労働日ごとの労働時間
..
労働日数
総労働時間
..
労働日数
総労働時間
..
労働日数
総労働時間
各期間の初日の少なくとも 30 日前に過半数労働組合又は労働者の過半
数を代表する者の同意を得て、書面により、労働日・労働日ごとの労働
時間を定める
15
□ 1 年単位の変形労働時間制を採用する事業場において、その対象となる労働者が対象期間中に退職し
た場合、当該労働者について、当該労働させた期間を平均し 1 週間当たり 40 時間を超えて労働させた場
合(※1)においては、その超えた時間(※2)(法 33 条又は法 36 条第 1 項の規定により延長し、又は休
日に労働させたことにより、すでに時間外労働・休日労働として扱われている時間を除く。)の労働につ
いては、法 37 条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない。
(⇒これを支払わない場合には、
法 24 条(賃金の全額払い)違反となる。
)
【例】対象期間=1/1 から 12/31
1月
180 時間
180 時間
2月
180 時間
180 時間
(3/31 で定年退職)
3月
・・・
11 月
180 時間
・・・
140 時間
180 時間
-
(イ)所定労働時間
(ロ)実労働時間
※1
① 実労働期間(1/1 から 3/31)における法定労働時間の総枠
40 時間×90 日(実際に労働した期間の総暦日数)/7 日=514 時間
② 実労働期間(1/1 から 3/31)における実労働時間=540 時間
12 月
150 時間
-
※2
②-①=540 時間-514 時間=26 時間→法 37 条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない
16
年次有給休暇
労働基準法 39 条1項及び2項における前年度の全労働日に係る出勤率が8割以上であることという年
次有給休暇権の成立要件は、法の制定時の状況等を踏まえ、労働者の責めに帰すべき事由による欠勤率が
特に高い者をその対象から除外する趣旨で定められたものと解される。このような同条1項及び2項の規
定の趣旨に照らすと、前年度の総暦日の中で、就業規則や労働協約等に定められた休日以外の不就労日の
うち、労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえないものは、不可抗力や使用者側に起因する経営、管
理上の障害による休業日等のように当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労
働日から除かれるべきものは別として、上記出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとし
て全労働日に含まれるものと解するのが相当である。
無効な解雇の場合のように労働者が使用者から正当な理由がなく就労を拒まれたために就労することが
できなかった日は、労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえない不就労日であり、このような日は、
使用者の責めに帰すべき事由による不就労日であっても、当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入す
るのが相当でなく全労働日から除かれるべきものとはいえないから、
労働基準法 39 条第1項及び2項にお
ける出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものというべきで
ある。
年次有給休暇請求権存在確認等請求事件、平成 25 年 6 月 6 日最高裁判
□ 出勤率の基礎となる全労働日(平成25年基発0710第3号)
年次有給休暇の請求権の発生について、労働基準法 39 条が全労働日の8割出勤を条件としているのは、
労働者の勤怠の状況を勘案して、特に出勤率の低い者を除外する立法趣旨であることから、全労働日の取
扱いについては、次のとおりとする。
① 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除い
た日をいい、各労働者の職種が異なること等により異なることもあり得る。
したがって、所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれないものである。
② 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日は、③に該当する場合を除き、出勤率の算定
に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものとする。
例えば、裁判所の判決により解雇が無効と確定した場合や、労働委員会による救済命令を受けて会
社が解雇の取消しを行った場合の解雇日から復職日までの不就労日のように、労働者が使用者から正
当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日が考えられる。
③ 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日であっても、次に掲げる日のように、当事者
間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でないものは、全労働日に含まれないものとする。
ア 不可抗力による休業日
イ 使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日
ウ 正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日
17
平成 23 年 4 月 1 日に雇い入れられた労働者であって、週所定労働日数が 5 日であるものが、平成 24 年
10 月 1 日から 1 年間休職し、平成 25 年 10 月 1 日から勤務を再開して平成 26 年 9 月 30 日までに全労働日
の 8 割以上出勤した場合、使用者は、平成 26 年 10 月 1 日に、当該労働者に、14 労働日の年次有給休暇を
与えなければならない。
<継続勤務年数>
雇入れ
6 か月
1 年 6 か月
<出勤率>8 割以上
<付与日数>
休職
8 割未
8 割以上
10 労働日
2 年 6 か月
3 年 6 か月
8 割以上
(12 労働日)⇒なし
(12 労働日)
11 労働日
14 労働日
□ 紹介予定派遣により派遣される派遣労働者と派遣先との間には雇用関係が存在しないため、紹介予定
派遣されていた期間については、継続勤務として取り扱う必要はない。
□ 休職期間も在籍期間であることにかわりないので、継続勤務年数に含めなければならない。
□ 年次有給休暇は、基準日において発生するものであるため、たとえ年度途中で退職することが明らか
な労働者について、予定勤務月数に応じて減ずることはできない。
□ 斉一的取扱い、分割付与
年次有給休暇について法律どおり付与すると年次有給休暇の基準日が複数となる等から、
「斉一的取扱
い」
(原則として全労働者につき一律の基準日を定めて年次有給休暇を与える取扱い)や「分割付与」
(初
年度において法定の年次有給休暇の付与日数を一括して与えるのではなく、その日数の一部を法定の基準
日以前に付与する。
)も、以下の要件に該当する場合には、そのような取扱いをすることも差し支えない。
(イ) 斉一的取扱いにより法定の基準日以前に付与する場合の年次有給休暇の付与要件である 8 割出勤
の算定は、短縮された期間は全期間出勤したものとみなすものであること。
(ロ) 次年度以降の年次有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた
期間と同じ又はそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げること(例えば、斉一的取扱いとして、4
月 1 日入社した者に入社時に 10 日、1 年後である翌年の 4 月 1 日に 11 日付与とする場合、また、分割
付与として、4 月 1 日入社した者に入社時に 5 日、法定の基準日である 6 か月後の 10 月 1 日に 5 日付
与し、次年度の基準日は本来翌年 10 月 1 日であるが、初年度に 10 日のうち 5 日分について 6 か月繰
り上げたことから同様に 6 か月繰り上げ、4 月 1 日に 11 日付与する場合などが考えられる。
)
。
【斉一的取り扱いの例】
入社日
繰り上げられた基準日
1/1
本来の基準日
4/1
7/1
短縮された期間
実際の出勤状況
すべて出勤したものとみなす
出勤率
18
□ 比例付与
1 週間の所定労働時間
が 30 時間未満
..
かつ
(イ)週の所定労働日数が 4 日以下
又は
(ロ)週以外の期間で所定労働日数が定められている場合は
年間所定労働日数が 216 日以下
週所定労働日数
比例付与日数=通常の労働者の付与日数×
5.2
<注意>
比例付与の適用を受ける労働者について、年度途中で週所定労働日数が変更された場合であっても、
年度の途中で付与日数は変更されない。
【具体例①】
1 日の所定労働時間が 7 時間、1 週の所定労働日数 4 日の勤務形態で採用されたパートタイム労働者が、採
用後 5 か月を経過した時点で、週 4 日の勤務のままで、1 日の所定労働時間が 8 時間に変更になった。こ
の労働者がその雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した場合においては、
使用者は、当該労働者に対し、10 日の年次有給休暇を付与しなければならない。
【具体例①】
雇入れ時(4/1)
基準日(10/1)
採用 5 か月経過時点(9/1)
▼
週 4 日勤務
1 日の所定労働時間7時間
1 日の所定労働時間8時間
全労働日の 8 割以上出勤
付与日数=10 労働日
【具体例②】
基準日(10/1)
雇入れ時(4/1)
1 か月後(11/1)
▼
週 4 日勤務
1 日の所定労働時間7時間
8時間
全労働日の 8 割以上出勤
付与日数=7労働日
3 労働日の追加は不要
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□ 年次有給休暇の期間について、就業規則により所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を
支払うこととしている場合には、いわゆる変形労働時間制を採用していることにより各日の所定労働時
間が異なる場合であっても、時給制の労働者に対しては、変形期間における各日の所定労働時間に応じ
て算定される賃金を支払わなければならず、変形期間における1日当たりの平均所定労働時間に応じて算
定される賃金を支払うことはできない。
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