第3回大牟田・みなまたエコタウン連絡会 開催報告 平成27年12月8日 ■九州経済産業局(以下「九州経済局」という。)は、平成27年10月27日(火)、大牟田市において、第3回目の連絡会を開催※1。 ■本連絡会は、平成26年3月、九州経済局が大牟田市、水俣市と合意の下、大牟田・みなまた両エコタウンの立地企業相互の連携に よるリサイクルビジネスの高度化や市場拡大等を図るための検討の場として発足したもの。 ■今回の連絡会は、これまで2回の開催結果を踏まえ、よりビジネスライクな協議を実施。「大牟田・みなまた両エコタウンのフィールド や立地企業相互のネットワークの積極的活用」により、リサイクル産業の市場拡大や協働プロジェクトのために各主体が行う具体的なア クションなどについて協議。 ■今回の連絡会には、大牟田市、水俣市の産学官のほか、初めて北九州市や北九州エコタウン企業にもオブザーバー参加をいただき 総勢52名(九州経済局含む)が参加。管内3つのエコタウン連携も視野に検討の深掘りを実施。 ※1 九州経済産業局は、みなまた、大牟田の両エコタウンのフィールドや立地企業相互のネットワークの積極的活用による、新たなビジネスや協 働のプロジェクトの創出等を後押しする立場として、本会を主催 (将来的に自律的交流を目指す)。 連絡会(会議 結果報告) 1.管内3つのエコタウンの近況及び立地企業の活動状況等の共有 Ø 大牟田エコタウンからは、今年ユネスコの世界遺産に登録された「産業革命遺産」の紹介を通じ、今に繋げる大牟田の取組として、リ サイクルプラザなどの活動状況や企業化支援施設での事業・実証等(廃プラ等の燃料化、使用済み紙おむつリサイクル等)を紹介。 みなまたエコタウンからは、循環型社会形成に係る次世代の人材教育(小中学生向け体験学習)への取組等を紹介。北九州エコタ ウンからは、独自の取組として「北九州市環境未来技術開発助成」による成果を始め、国等の支援施策の獲得状況・成果等を紹介。 Ø 立地企業等の活動状況として、三池製錬(株)(大牟田市)から、平成26年度、(一社)産業環境管理協会の資源循環技術・システム表 彰において経済産業大臣賞に輝いた「三井式亜鉛半溶解炉(MF炉)※2」を紹介。(株)高野環境(大牟田市)から、廃プラ類、紙くずな どの原料から製紙工場などのボイラー燃料となるRPFの製造事業の紹介と水俣市のアクトビーリサイクリング(株)で発生する処理困 難な廃ウレタン受入れ等のエコタウン連携事例を紹介。また(株)水俣アスコン(水俣市)から、アスファルト廃材、溶融スラグを再利用 するための最新プラント及びカラー合材などの新商品を紹介。 ※2 ごみ焼却施設の溶融炉から発生する溶融飛灰や製鋼煙灰(電気炉ダスト)等から、それらに含まれる金属類(亜鉛、鉛、鉄など)を粗 酸化亜鉛、マット、スラグとして回収するリサイクルシステム。 1 2.エコタウン連携等に係る協議(概要) (1)大牟田、みなまた各エコタウン企業の課題やニーズに対する協議 Ø 前回の連絡会の結果を踏まえ、今回の開催に先立ち、大牟田市、水俣市は7月から9月にかけて、立地企業に対するニーズ調査及びヒアリン グ等を実施。 Ø 具体的な調査項目は、①事業資金等に係る助成制度、②域外・海外展開のための環境整備、③人材育成・人材活用、④連携して取り組むべ きイベント・事業、⑤国・自治体・立地企業の取組、⑥連絡会での取組等に係るもの。 Ø 調査結果を踏まえ協議を行った結果、助成制度や域外・海外展開については、申請の簡素化、情報発信強化などへのニーズが高い。これま で行ってきた情報発信が立地企業に十分届いていない現状もあり、局のリサイクル施策メルマガの周知及びこれら関連情報の自治体からの 積極的な展開などを確認。 Ø 人材育成・人材活用については、高度海外人材の自社での活用に対する関心が高く、みなまたエコタウンのアクトビーリサイクリング(株)から 「HIDAの海外産業人材育成補助金(低炭素技術輸出促進人材育成支援事業」の活用事例等を紹介。また、九州経済局から中企庁の海外展 開支援事業を活用した自動車整備業者の事例等を紹介。施策活用の裾野拡大のため、九州経済局のプラットフォームの活用を確認。 Ø 連携して取り組むべきイベント・事業については、ⅰ)環境見本市への共同出展、ⅱ)リサイクル材輸送の連携、ⅲ)異業種連携による再生紙 新商品化(高付加価値トイレットペーパー)の事例等を下に検討。共同出展については、各見本市のターゲットとなる客層の違いによる各社の 目的感の共有が困難なため、それぞれの自治体とエコタウン協議体が協力して地域のブランド力向上のための出展戦略を図ることが必要と 確認。また、リサイクル材輸送の連携については、混載可能なもの、排出元、荷積み・荷下ろし場所等の検討が必要との課題を共有。さらに、 異業種連携については、みなまたエコタウンの田中商店から、北九州市環境産業推進会議での講演を契機に異業種企業との新商品開発に 繫がった事例が報告され、管内3エコタウンの連携したブランドの立ち上げ、新商品のグリーン購入法を使った販路拡大等などのアイディアを 提示。 (2)連絡会設置後1年半の各主体の取組結果の共有と今後の連絡会の取組検討 Ø 各主体(大牟田市、大牟田エコタウン事業所連絡会、水俣市、みなまたエコタウン協議会、九州経済局)によるこれまでの具体的取組・活動内 容の報告と共有。(ネットワークの基盤強化、今後の各主体の取組への参考材料の共有) ①エコテクノ2015への出展(大牟田)、②研修事業、異業種交流会の開催(大牟田、水俣)、③技術アドバイザー支援(大牟田)、④北九州 市環境産業推進会議でのみなまたエコタウン企業による講演(連携・ブランドデザインなどの提言)(みなまたエコタウン田中商店)、⑤次 世代への環境・リサイクル教育の開始(水俣)、⑥大牟田エコタウン企業とみなまたエコタウン企業の一部で技術・ビジネス交流の開始 (大牟田、水俣)、⑦管内エコタウンPR資料の作成及び自治体担当者メーリングリストの公開並びに環境リサイクル関連支援施策等の情 報発信(九州経済局)など。 Ø 例えば、平成27年度管内のエコタウン立地企業において、国等の支援施策に7件が採択。また一部の企業では、(公財)産業廃棄物処理事 業振興財団など関係団体の支援施策についても提案中。支援施策への頼りすぎは禁物であるが、立地企業は高度化のための有効なツール として支援施策を効果的に活用する意欲も必要ではないか。キャッシュフローの向上により最新鋭の設備導入等も実現し競争力強化に貢献。 Ø これらの取組を参考に支援施策(設備導入、調査・モデル実証事業等)の活用ノウハウの水平展開を図ってはどうか、また、本連絡会に参画 する産学官の協力をもって、管内エコタウンにおける「支援施策活用事例」を作成してはどうかといった意見あり。 2 3.総 Ø Ø Ø Ø Ø Ø 括 本連絡会は設立してようやく1年半が経過。ネットワークの活用や支援施策の活用により、一部に新たなビジネスへの取組が生まれ つつある。 企業は課題解決のために、本連絡会やネットワークを活用することも可能であり、積極的に活用していただくことが大切。また企業は 地元自治体と政策的な連携を深めて、企業ニーズを発信し続けることが重要ではないか。 ネットワークの更なる強化対応として、現在各エコタウン自治体間のメーリングリストを、両エコタウンの企業同士が気兼ねなく連携で きるような企業担当者メーリングリストを共有してはどうか。 一方、九州経済局は、環境・リサイクル関連の支援施策やトピックスに特化した情報発信を企業、自治体へタイムリーに発信するとと もに、公募に係る提案等についてはハンズオン支援を続ける。大牟田市、水俣市は、今回のニーズ調査を契機として、企業ニーズに マッチした「支援施策情報」を立地企業に展開いただくことにより、提案公募のアライアンスの強化を図ってはどうか。 さらに、環境省では、重点施策として平成28年度もエコタウンの高度化のためのモデル事業(調査・実証)を予定。大牟田市地域活 性化センター、みなまた環境テクノセンターが受け皿となり「広域連携の可能性に係る調査・実証」の提案なども検討してはどうか。 今回の連絡会での協議結果を踏まえ、今後一年間の各主体の取組状況や成果等を次回の開催地※3に持ち寄り、支援施策等で得ら れた成果、支援施策の活用ノウハウなどを共有するとともに、水平利用が可能なものについて、積極的に各エコタウンにも取り込むな どの検討を行う。個社の競争力の更なる強化・高度化とともに、エコタウン全体のボトムアップを促進する(複数企業の連携による新 事業創出のモデルケースが創出されることがベストだが、まず最初のステップとして、支援施策への積極的な玉出しや提案等の取り 組等を通じ、エコタウン連携のカギを掴む工夫をしてはどうか。)。※3 来年度開催地は水俣市、再来年度開催地は北九州市で今後調整予定。 連絡会開催風景 (各エコタウン企業・機関との意見交換等) ◆【大牟田市川村課長】 開催地挨拶 ◆大牟田・みなまたエコタウン連絡会 での意見交換風景 本連絡会は、両エコタウンが具体的なビ ジネスに取り組む際の基盤となるネット ワーク。今回は北九州エコタウンにもオ ブザーバー参加をいただき、管内3つの エコタウンの産学官メンバーが情報を共 有し、それぞれの立場でこのネットワー クを活用していくことを確認しました。 両エコタウンの高度化に 向けて、共に協議できる 場を有効に活かしたいと ご挨拶いただきました。 ◆【大牟田市村上参事】 大牟田エコタウンの最近 の取組状況を説明 ◆【北九州市齊村課長】 北九州エコタウンの近況 を説明 ◆【(株)高野環境 森主任】 RPF製造の先端技術を紹 介 写真 ◆【みなまたエコタウン 協議会長渡邊会長】 みなまたエコタウンの最 近の取組状況を説明 ◆【三池製錬(株)藤川 常務取締役】 自社独 自開発MF炉を紹介 ◆【(株)水俣アスコン 高 橋取締役】 再生材の利 用技術を紹介 3 大牟田・みなまたエコタウン連絡会 参加企業・機関等 大牟田エコタウン事業所連絡会 (組織別・順不同) みなまたエコタウン協議会 柴田産業株式会社 株式会社 アール・ビー・エス 大牟田リサイクル発電株式会社 アクトビーリサイクリング株式会社 株式会社 成田美装センター 株式会社 木村 株式会社 田中商店 株式会社 高野環境 株式会社 水俣アスコン トータルケア・システム株式会社 株式会社 みなまた環境テクノセンター 株式会社 ジェイ・イー・ピー 株式会社 平尾自動車商会 大牟田市リサイクルプラザ 水俣市役所 産業建設部 経済観光課 北九州エコタウン企業 株式会社 九州新エネルギー機構 西日本オートリサイクル株式会社 三池製錬株式会社 西日本ペットボトルリサイクル株式会社 大牟田エコタウン地元環境調査委員会 大牟田市役所 北九州市エコタウンセンター 北九州市役所 産業経済部 産業振興課 環境部 環境業務課 環境部 廃棄物対策課 環境未来都市推進部 環境産業推進課 九州経済産業局 リサイクル推進課 ※北九州エコタウン企業及び北九州市にはオブザーバー参加いただきました。 4
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