daily コラム 〒810-0001 2015 年 3 月 18 日(水) 福岡市中央区天神 2-8-49 税理士法人かさい会計 TEL 092-771-4421 FAX 092-771-1417 Email H28.1.1 以後の譲渡から適用 上場株と非上場株の損益通算不可 H25 改正 株式譲渡損益通算ルールの変更 ヒューリック福岡ビル 7 階 [email protected] 渡の税法の取扱いです。 「時価」取引でない 場合、課税トラブルを招くことがあり、特 に譲渡損が生じるときには注意が必要です。 (1)個人株主から個人へ低額譲渡 個人株主が時価の 1/2 以下で譲渡した場 平成 28 年から「金融所得一体課税」が導 合には「譲渡損はなかったもの」とみなさ 入され、株式の譲渡損益の通算ルールが変 れます。この場合「上場株式の譲渡益と非 わります。今年のうちは上場株式の譲渡で 上場株式の譲渡損を通算する」というプラ も非上場株式の譲渡でも同じ「株式等に係 ンは成立しません。買手個人側も「著しく る譲渡所得」 (分離課税)に変わりがありま 低額」な譲り受けは贈与税が課税されます。 せんので、同一所得内で損益として通算が (2)個人株主から法人への低額譲渡 可能です。ただ年明け後は「上場株式等(上 個人株主が法人へ低額譲渡した場合には、 場株式+特定公社債)に係る譲渡所得」と 「非上場株式等(非上場株式+一般公社債) 時価で譲渡したものとみなして課税されま す(「みなし譲渡」)。また、買手法人側も受 に係る譲渡所得」に建付けが変わることに 贈益課税を受けます(自己株式等を除く)。 なります。 従って H28.1.1 以後の譲渡については、 「時価」課税トラブルを避けるには 上場株式と非上場株式の譲渡損益を通算す この非上場株式の「時価」の算定につい ることはできません。株価低迷期の事業承 ては、所得税・法人税・相続税の各通達規 継策で行われていた「非上場の自社株譲渡 定が絡んだ専門的な知識が必要となります。 で生じた益を上場株の譲渡損とぶつける」 非上場株式の取引をお考えの際には、事前 などのプランは実行できなくなります。 に税理士に御相談下さい。 非上場株譲渡の「損出し」は要注意! この新法適用までは 1 年間の時間があり ますので、当年中に上場株式を譲渡して、 そこで生じた益をできるだけ非上場株の譲 渡で生じた損で相殺しよう―と考える方も いるかもしれません。 ここで気をつけたいのは、非上場株式譲 個人間取引では、売手の「み なし譲渡」課税はないので、 「相続税評価額」での取引なら ば、売手・買手双方に課税ト ラブルが少ないです。
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