門崎 学/遠藤貴宏(RESTEC)

UAVの事故に関して
平成27年11月24日(水)
SPAR@大田区産業プラザ
⼀般財団法⼈ リモート・センシング技術センター 研究開発部 森林チームリーダー/主任
研究員
IPCC TFI 専⾨家
JICA地球環境部 インハウスコンサルタント
東京⼤学⽣産技術研究所 都市基盤安全⼯学国際研究センター 研究員
遠藤貴宏
All rights reserved RESTEC 2014
博⼠(⼯学)
発表内容
1. 調査対象の範囲
(事故・事件・ヒヤリハットとは)
2. 最近の事故事例
3. 事故の起きる概念図
4. アンケートの調査の概要
5. アンケート結果
6. まとめ
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事件・事故とは
事故
事件
ヒヤリハット
事件・・・犯罪の嫌疑がある事実(故意か過失かは問わない)
事故・・・犯罪の嫌疑のない事実
※犯罪とは、違法行為であって責任を有するもの
ハインリッヒの法則:ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが見
出した法則で、重度:軽度:ヒヤリハット=1:29:300の事象が
起きているとい法則。
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事故の起きる概念図
対象場
危険な
樹木・電線や
の存在
危険な静的
対象場
人
危険な
運転や安全体制
の状態
危険な動的
対象場
事故
ヒヤリハット
危険な
気象・電波
状態
UAS
運転者
UAS
危険な
整備状態
補助者
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事故の起きる概念図
キーとなる事象は
・静的な対象場の不安定さ
(高木や高圧電線などの)
・動的な対象場の不安定さ
(電波環境、気象など)
・人的の環境の不安定さ
(未熟な運転技術、安全管理マニュアルの未整備)
・UAS自体の不安定さ
(整備不良、部品の劣化など)
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アンケートの調査の概要
昨年度、写真測量学会の下、「空中写真測量のた
めの無人航空機安全基準策定委員会」を組織し、
“測量調査に供する小型無人航空機を 安全に運
航するための手引き”を作成しました。
基準策定部会
利用環境部会
機器性能部会
事故調査部会
遠藤貴宏(RESTEC)
吉田貴樹(Bizworks)
沼田洋一(アジア航測)
山本耕平(パスコ)
石川紀明(イメージワン)
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アンケートの調査の概要
UAV事故調査部会として、事故・ヒヤリハットの事例調査のため
のアンケートを実施しました。
アンケート期間: 2014年11月15日から2015年9月22日
(部会としては、約1カ月の期間実施した。)
アンケート対象:
JSPRSのHPにて周知。
ただし、委員会のメンバを主に情報取集。
アンケート方法:
Google formを利用。
アンケート項目:
Q1
Q2
Q3
Q4
Q5
Q6
Q7
【事故・事故未遂の概要】
【事故・事故未遂の発生場所】
【事故・事故未遂の発生時の気象状況】
【事故・事故未遂の発生時の電波状態】
【事故・事故未遂の発生時の運転者・補助者の体調】
【事故・事故未遂を未然に防ぐ体制】
【事故・事故未遂の主たる原因】
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アンケートの調査の概要
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Q1 【事故・事故未遂の概要】
一例
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まとめ(1/2)
• 事故・ヒヤリハットの原因を調査した。サンプル数は、
46件と多くは無かったが、ハインリッヒの法則の法則
により、約300倍のヒヤリハットが起きていると考え
られる。
• 主たる事故の原因は、人的由来、ハードウェア由来、電
波環境由来、気象環境由来、UAV由来の順であった。
整備ミスや緊急対応操作ミス等の人為的原因により、結
果、墜落事故等が発生していることが示唆されていた。
• 整備ミスとして、部品の劣化やバッテリの周辺の問題を
想定していたが、Q7.1のその他を選んだ回答が33%も
あることから、個別の問題だけでなく、システムとして
組み上げる時に問題が発生している可能性が高いことが
推察される。
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まとめ(2/2)
• 外的要因として、電波環境や気象環境に関してGPSの
シグナル低下、シグナルロスト、混線および低温、突風、
視程以外の要因(その他)を選択している回答も多い、
その他の原因を考える必要があると考える。
• 補助者なし、保険なし、飛行禁止区域の事前調査なしな
ど、UAVを利用した計測に関して専門的でない運用者
が1割から2割程度存在するため、これらの状況を改善
するためのルール作りが必要かと考えらえる。
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Sense your Earth
https://www.restec.or.jp/