解説 - 洗足学園中学高等学校

第1回 国語 入試問題解説
洗足学園国語科の中島と申します。現在、受験生のみなさんが取り組んでおります国語の
問題の解説をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
お手元の問題冊子1頁をご覧ください。例年どおり、大問の1は説明文です。出典は小川
仁志『
「道徳」を疑え!』
(NHK 出版新書)です。きまりがあるから従うのではなく、なぜ
そのようなきまりがあるのかを考えてこそ道徳は身につくといったことを述べた文章です。
では、問一からはじめます。1頁上段1行目傍線1「『ハッピーマナー』というタイトルの
面白い話」が小学生に何を教えるためのものかを問う問題です。
「ということ。」に続くよ
うに本文中から 20 字以内で抜き出します。答えは、1頁上段 28 行目「仲よく生活するた
めに決まりを守ろう」です。
問二に進みます。1頁上段3行目の2に入る漢字1字を考える問題です。上段5行目に「駆
け込み乗車はいけない」とありますので、それを見て「何々を立てる」わけですから、答
えは「腹」となります。
問三に進みます。1頁上段 30 行目傍線3「それが私の疑問です」とあるように、筆者は現
在の道徳の教科書や授業に批判的ですが、それは現在の道徳の教科書や授業がどのような
内容であるからなのかを問う問題です。この文章の最後の段落、2頁上段 91 行目からの段
落に、筆者の主張がまとめられていますので、このあたりを利用します。解答の要素とし
ては、93 行目からの「正しいと思いこませる」
「決まりだといったから守るようする」を利
用し、最後を「正しく生きることに結びついていないから。
」というように記述します。な
お、問三のように、行数指定のある問題は、行数以内で欄外にはみださないように書く必
要がありますが、字数は点数には影響しません。
問四に進みます。1頁下段 52 行目傍線4「なぜそれを破る人がいるのでしょうか?」とい
う箇所の理由を問う問題です。2頁上段 69 行目に「時にはルールを破ったほうが自分のや
りたいことをよりスムーズに実現できる場合がある」を利用し、文末が理由を表す「から」
になるようにします。
問五に進みます。人が必ず「決まり」を守るためにはどうする必要があるのかを説明する
問題です。筆者の主張は、破ってもよい「決まり」ではないかを検討したうえで、破って
はいけない「決まり」こそ守ることができるということです。したがって、解答には、2
頁上段 88 行目「そうした行為(すなわち決まりを破る行為)は正しいといえる可能性」や
96 行目「根源から考え直す」といった語句を使ってまとめます。
問六に進みます。Aはエ、B はイ、C はウ、Dはアが入ります。
問七は漢字の書き取りです。楷書で丁寧に書く必要があります。
問八は本文の内容に合うものを選ぶ問題です。まず、1頁下段 55 行目に、決まりとは「み
んなが仲良く暮らすための決め事」とあり、また、2頁上段 66 行目に、
「自分がやりたい
ことをスムーズに行うためです」とありますので、正解はイです。他の選択肢を確認しま
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す。選択肢アは、
「決まりとは」
「これを決めておかないと自分がやりたいことを実現する
ことはできません」とありますが、本文によれば、
「決まり」はスムーズにするためのもの
であり、やりたいことの実現の絶対条件とまでは言っていませんので誤りです。選択肢ウ
では、
「決まりとは正しいことを守らせるためのルールであり」というのが筆者の考えに反
しています。選択肢エでは、後半の「このルールを守ることで人は本当の意味において正
しく生きることができる」とありますが、2頁上段 95 行目「私たちが教育の場で道徳を教
えるのは、本当の意味で正しくいきるためであるはずです」とあり、正しく生きるために
必要なのはルールを守ることではなく、道徳そのものということが述べられています。
続きまして、大問2物語文に移ります。出典は髙田郁(かおる)
『ふるさと銀河線』
(双葉
文庫)です。北海道を舞台とし、高校進学を前にしてふるさとに留まるのか出るのかで揺
れる、少女星子(せいこ)を主人公とした話です。
では問一です。4頁上段 2 行目傍線1「この町でそれを生かした仕事に就きたい」とあり
ますが、星子がこの町から離れまいとする理由を説明する問題です。ヒントになるのは、
4頁下段 34 行目「妹が兄である自分のことや、この町のことを想う気持ちはわかる」とあ
る箇所で、妹すなわち星子がこの町に残りたいと思う理由として、兄とこの町への想いが
あることがわかります。兄に関していえば、4頁上段 18 行目「未だに両親が健在であった
なら」とありますので、兄妹は両親のいない境遇であることがわかります。したがって、
解答の要素の1つとして、
「両親が亡くなった後、兄を一人残しては行かない」といったこ
とが必要になります。もう1つの要素として「この町への想い」があります。町の説明と
しては、6頁上段 158 行目「星子を形作り、これからも星子を支え続けるに違いない」と
いったことを書きます。そして、星子の思いとしては、4 頁上段 16 行目「同級生たちの意
識が町の外にあるからこそ、星子は町の中に目を向けていた」といったことを解答に盛り
込みます。
問二に進みます。4頁上段 3 行目傍線2「兄は不服なのだろうか」とありますが、兄は星
子にどのようにしてほしいと思っているのかを説明する問題です。傍線の次の行に「陸別
に縛られなくても良い」とあり、また、4 頁下段 36 行目「妹には自分の人生を懸けて夢に
向かって行く勇気を持ってほしい」とあります。ここでいう夢とは、4頁上段 21 行目から
始まる担任の先生の台詞から、具体的には演劇の道に進むことだとわかりますので、それ
らを併せますと、
「自分の進路を考えるときに、故郷に残ることを優先せず、自分のやりた
い演劇を続けてほしいと思っている」といったことが答えとなります。
問三に進みます。5頁上段 65 行目傍線3「真っ暗な舞台に立つ星子を、ピンスポットが眩
しく照らしていた」の意味を問う問題です。現実に星子がいるのはロケの現場のはずです
から、この「舞台に立つ星子」は想像の姿になります。そして、これは夢である演劇の光
景ですから、解答としては、「憧れの舞台に立って演じている自分を、星子が心に思い浮か
べたということ。
」といった内容になります。
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問四に進みます。6 頁上段 143 行目4に入れるのにふさわしい表現を選ぶ問題です。星子
は直前の天文技師青柳のことばに感銘を受けていますので、正解はアの沁(し)みたです。
問五は語句問題で、血を使った慣用句に関する問題です。一がイ、二がエ、三がオ、四が
ア、五がウとなります。
問六に移ります。6 頁下段傍線5「もう一度、繰り返した」の理由を問う問題です。この文
章の前半で、星子がこの町に留まり、演劇ではなく福祉の仕事をすると一旦は決めたこと
が書かれており、後半で、青柳の話を聞いて、夢に向かって進むことの大切さを教えられ、
将来について考え直そうという気持ちなっている様子がうかがえますので、正解はウです。
他の選択肢を見てみますと、アでは、「青柳の言った言葉や生き方にあこがれの気持ち」と
なっていて、星子の気持ちへの言及がありません。イも、「青柳と自分は違う世界に住んで
いる」というように同じく星子の気持ちへの言及がありません。エでは、
「青柳の言葉によ
って、兄や先生たちの言っていたことが初めて理解できた」とありますが、ここでは兄や
先生たちの言っていたことには結びついていません。
問七に進みます。本文を場所の変化という点で四つの場面に分けた場合、第四場面はどこ
かという問題です。第一場面は、ガンビー周辺や帰路の場面、第二場面は学校の場面、第
三場面は、星子が学校を出てから青柳に会うまでの場面、第四場面が天文台での場面とな
りますので、正解は、5頁上段 92 行目冒頭の「銀河の森天」です。
問八に進みます。本文の内容に合うものを選ぶ問題です。星子の進路に関する助言のなか
で、星子が素直に話を聞いていたのは青柳だけですので、正解はエです。他の選択肢を確
認します。アでは、
「それぞれ言うことが異なり」とありますが、兄と先生は同じ助言をし
ていますので誤りです。イでは、兄、先生たち、青柳の助言に対して「最初は反発してい
た」とありますが、青柳には反発をしていません。ウでは、
「福祉を学びたいという星子の
思いを」
「青柳だけはその思いを受け入れ」たとありますが、青柳の助言は福祉を学ぶ方向
ではないので誤りです。
以上で解説を終了いたします。洗足学園では明日第2回の入学試験を行います。国語の問
題は第1回同様、説明文と物語文の大問2題の形式で行い、字数ではなく行数指定の記述
問題も出題されます。説明文においては繰り返し出て来る表現に着目し主張を読み取るよ
うに、また、物語文においては中心となる登場人物の心情に注意しながら概要をつかむよ
うに、取り組んでほしいと思います。ご清聴ありがとうございました。
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