Decaying Gravitino Dark Matter 松本 重貴 (富山大学) K. Ishiwata, S. Matsumoto and T. Moroi arXiv:0805.1133 [hep-ph]. 1.暗黒物質について 2.超対称模型と暗黒物質 3.Decaying Gravitino DM 暗黒物質について 暗黒物質の存在する証拠 1.渦巻銀河の回転曲線 2.銀河団内の(光度/質量)比 3.Big Bang 元素合成 4.宇宙の大規模構造形成 5.Type IIA 超新星観測 6.重力レンズ観測 7.宇宙背景放射の揺らぎ観測 宇宙背景放射の揺らぎ観測 1.T = 3000 K の時のプラズ マ振動のスペクトルを観測。 2.スペクトルはプラズマの構成 (物質の種類や量)に依存。 3.揺らぎスペクトルを精密に 観測することにより、バリオ ンや暗黒物質の量が分かる。 WMAP ΩDEh2 = 0.365 ΩDMh2 = 0.110 Ωbh2 = 0.023 暗黒物質について 暗黒物質の正体は謎 1.暗黒物質はバリオンではない。 2.初期宇宙において作られた 水素やヘリウムから作られた 物質・天体(ガス、塵、褐色矮星、 惑星、ブラックホール等)ではない。 3.上記はMACHO実験で確認済み。 4.暗黒物質は素粒子の可能性大 暗黒物質は未知の素粒子 1.電気的、色的に中性。 2.ニュートリノではない。 (大規模構造形成より) 3.充分に安定な素粒子。 4.SMのなかに候補なし。 暗黒物質の正体は、SMを 超える素粒子模型を探る鍵 標準模型の粒子たち 暗黒物質について 宇宙の大規模構造形成 1.宇宙初期には物質は一様等方。 (10-5程度の揺らぎは有り) 2.重力不安定性により宇宙の 構造が形成される。 3.宇宙に存在する物質の大部分 (質量的にみて)は暗黒物質。 4.構造形成に重要な役割を担う。 冷たい暗黒物質 1.構造形成の理論(シミュレー ション)と銀河観測に比較 2.現在の宇宙を良く再現する。 暗黒物質は宇宙物理学に とっても重要な粒子! [暗黒物質は構造形成時に 非相対論的な運動をしてる!] 冷たい SDSS 観測 熱い 暗黒物質について 暗黒物質の分布@現在の宇宙 1.シミュレーションと観測の比較か ら、現在の宇宙では暗黒物質は 銀河に付随するハローとして存在。 (渦巻銀河の回転曲線を説明) 2.暗黒物質分布は、シミュレーション から分布関数を決定し、関数に 含まれるパラメータを観測で固定。 銀河円盤 DM ハロー 銀河ハローの証拠写真 [暗黒物質は殆ど相互作用しない物質!] 暗黒物質について 暗黒物質の検出観測 1.ハロー中の暗黒物質が対消滅や 崩壊を通して高エネルギー粒子 線を生成。 2.粒子線として、ガンマ線や反粒子 (陽電子や反陽子)に注目。 3.宇宙線中(各成分における) フラックス異常として観測。 DM 対消滅 DM 崩壊 We are here! γ, e+, p Cosmic Ray Flux Anomaly! EGRET SM 粒子達 (q, l, W, Z ) HEAT 暗黒物質の正体解明の手掛かり? 暗黒物質について 暗黒物質についてのまとめ 1.我々の宇宙に、暗黒物質が存在することは確立。 (平均質量密度:ΩDMh2 ~ 0.11 Æ ρDM~2.2×10-6 GeV/cm3) 2.暗黒物質は未知の素粒子。SMには暗黒物質候補はない。 3.暗黒物質の満たすべき性質; (a) 電気的(色的)に中性 (b) 冷たい(構造形成時の運動は非相対論的)Æ重い (c) 相互作用が弱いÆ重い 4.現在の宇宙では、暗黒物質は銀河に付随するハローとして存在 5.暗黒物質はハロー中で、対消滅あるいは崩壊を通じて 高エネルギー粒子線を放出。これらは宇宙線中の 異常フラックスとして観測される可能性あり。 6.実際、ガンマ線観測(EGRET)及び陽電子観測(HEAT)で、 高エネルギー領域(E > 10 GeV)で異常フラックスが 観測されている。 超対称模型と暗黒物質 標準模型を超える素粒子模型 1.標準模型に暗黒物質候補なし 「標準模型は100GeV以下の 物理を記述する有効理論」 2.Hierarchy 問題を考えると 100 GeV - 1 TeVに新しい 物理が現れる可能性大! 3.数多くのNew Physics 模型 I.超対称標準模型 II.余剰次元模型 III.テクニカラー模型 IV.Little Higgs 模型 V.Gauge-Higgs 模型 VI.Twin-Higgs 模型 VII.L-R 模型 超対称模型における暗黒物質候補 暗黒物質の満たすべき性質 (a) (b) (c) (d) 電気的(色的)に中性 冷たい暗黒物質 相互作用が弱い 安定 Æ R-parity (1) (2) (3) (4) (5) Neutralino L-hand sneutrino Gravitino R-neutrino R-sneutrino … 超対称模型と暗黒物質 超対称模型における暗黒物質(考察) ニュートリノ質量と宇宙のバリオン数 重い(Majorana)質量を持つR-neutrinoが存在すると、 (a) ニュートリノの質量がなぜ軽いのかを自然に説明 (Seesaw 機構) (b) 宇宙のバリオン数を生成 (Thermal leptogenesis) → R-(s)neutrino は他の超対称粒子に比べかなり重い 宇宙初期に T>109 GeV の時代があった (1) (2) (3) (4) (5) (6) Neutralino: OK! L-hand sneutrino: No! (暗黒物質の直接測定から) Gravitino: OK! R-neutrino: No! (LSP にならない) R-sneutrino: No! (LSP にならない) … Gravitino 問題 (1) Neutralino DM: Gravitino が BBN後に崩壊 → No! (2) Gravitino DM: NLSPがGravitinoにBBN後に崩壊 → No! 超対称模型と暗黒物質 (1) (2) (2) (3) Way Out! Gravitinoの質量を重くする (10 TeV以上) 暗黒物質の正体を他に求める (Axion, …) 宇宙のバリオン数の起源を他に求める R-parityを破る 暗黒物質の安定性? LSPがGravitinoで、R-parityの破れが十分に小さいと、 Gravitinoの寿命は宇宙年齢に比べずっと長くなる! BBNに対する影響? NLSPは、重力相互作用を通じたGravitinoへの崩壊ではなく、 R-parityを破る相互作用を通じてSMにすばやく崩壊する。 高エネルギー宇宙線への影響 ハロー中に存在するGravitinoがごく稀に崩壊し宇宙線の源となる。 → EGRET及びHEATの異常フラックスを同時に説明する! Decaying Gravitino DM Super Potential Model without R-parity R-parity violation bi-linear LH ⊂ W No mixing terms in fermion mass Baryon # is conserved. Redefinition of L and H Soft-breaking terms Lepton と χ0(+)がmix EW symmetry breakingで Sneutrino がVEVを持つ Decaying Gravitino DM Decay Processes with the R-parity violation Gravitino Decay NLSP Decay 宇宙年齢~4.3×1017 sec Κが10-11より大きければNLSPはBBN前に崩壊 Decaying Gravitino DM Cosmic Ray from the Gravitino ~ G Æ W(Z) + l π0 Æ 2γ Æγ+ν γ ~ G Æ W(Z) + l π+ Æ l e+ γ e+ Decaying Gravitino DM e+ EGRETとHEATを説明する パラメータ領域(95%C.L.) 95% 近い将来の実験での 本シナリオの検出可能性 95% GLAST PAMELA γ Summary & Discussions Summary 1. 暗黒物質の正体を超対称模型に枠内で考えた。 2. ニュートリノ質量の起源をSeesaw機構に、宇宙のバリオン数を熱的 レプトン生成に求めると、R-parityがわずかに破れたシナリオにお けるGravitinoは魅力的な暗黒物質候補 3. 本シナリオは、暗黒物質問題、宇宙のバリオン数、ニュートリノ質量 の問題を全て説明可能のみならず、現在EGRET及びHEATで観 測されている異常宇宙線フラックスも説明可能! Discussions 1. 本シナリオのLHCにおける特徴的なシグナルはNLSP生成とその 崩壊。NLSPの荷電粒子のときは、荷電トラックが見える。またRparityを破る相互作用を通じNLSPは崩壊(寿命は10-5sec)。 2. ハロー中で電子を放出。電子は銀河磁場中を運動し、シンクロトロ ン放射を起こす(放射光の波長をサブミリ)。宇宙背景放射の観測 でシグナルを検出可能。実際、WMAPのフォアグラウンドで、正体 不明の電波(Haze)が見えており、これを説明できるk脳性あり。
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