【第4章以降】 [ PDF 1.4MB]

Ⅱ 第4章 高齢者の将来推計
第4章
高齢者の将来推計
第1章で明らかにした高齢者数や要介護認定者数の現状などを踏まえ、さらに、これか
らの高齢者数や要介護認定者数などの将来推計を行います。
第1節
人口及び被保険者数の推計
本計画では、今後の高齢者数を、国勢調査結果と住民基本台帳搭載者数を基に、国立
社会保障・人口問題研究所の推計等を参考に見込みました。平成 29 年には、高齢者数は
12,647 人、高齢化率は 27.5%に達すると見込んでいます。
【高齢者数及び高齢化率の推計(各年度8月末現在)】
前期高齢者と後期高齢者を分けた推計についても、いわゆる「団塊の世代」が 65 歳以
上の高齢者になることもあり、両者とも毎年度増加するものと見込んでいます。
【前期高齢者数及び後期高齢者数の推移(各年度8月末現在)】
― 74 ―
Ⅱ 第4章 高齢者の将来推計
第2節
要介護(要支援)認定者数の推計
第6期介護保険事業計画における要介護認定者等の推計については、直近の要介護(要
支援)認定の実績、介護予防事業の実施状況及び日常生活圏域ニーズ調査の結果などを
勘案し推計しました。
要介護(要支援)認定者の将来推計は、以下のとおりです。
【要介護度別認定者数の推計(各年度の平均的な数値)】
【要介護度認定者に対する認知症高齢者の割合】(各年度4月1日現在)
H24
H25
61.3%
33.1%
H26
65.2%
32.9%
H27
66.0%
33.3%
H28
66.8%
33.7%
H29
認知症高齢者自立度Ⅲ以上
58.9%
32.5%
※認知症高齢者自立度Ⅱ以上
→
何らかの介護・支援を必要とする認知症のある高齢者
認知症高齢者自立度Ⅲ以上
→
一定の介護を必要とする認知症のある高齢者
認知症高齢者自立度Ⅱ以上
67.7%
34.2%
第1章に示した高齢者数の現状分析で、前期高齢者は微増傾向、後期高齢者は増加傾
向とあったため、軽度の要介護(要支援)認定者は少しずつ増加し、後期高齢者の増加
から、中・重度の要介護認定者や認知症高齢者も増加するものと推計しています。
認知症高齢者については、認知症高齢者自立度Ⅱ以上、つまり、なんらかの介護・支
援を必要とする認知症にある高齢者は、平成 28 年度には全体の要介護認定者の3分の2
になると推計しています。
― 75 ―
Ⅱ 第5章 地域包括ケアシステムの構築
第5章
地域包括ケアシステムの構築
本計画のはじめ(「Ⅰ総論 第1章 第8節 介護保険事業計画の方向性と日常生活圏
域」)に、介護保険事業計画の方向性として「地域包括ケアシステムの構築に向けた計画
となるよう推進していく必要がある」と述べているように、本計画にとっても、平成27年
度改正の介護保険制度でも、「地域包括ケアシステム」の構築については、大きな柱となっ
ています。
国が示した制度改正においては、地域支援事業の包括的支援事業に新たな事業として追
加し、全ての市町村で実施することによって、「地域包括ケアシステム」の構築につなげ
るとしています。本市でも、この制度改正にならい、平成27年度からすぐに実施できる事
業から段階的に実施し、ある程度事前準備をした方が事業開始の混乱等が生じないと考え
られる事業については、十分な準備の後に実施するような形で、遅くとも国の基準までに
は、新たな事業として位置づけられた全事業を実施できるよう取り組んでいきます。
なお、本計画における新たな事業の概要は、以下のとおりです。
①在宅医療・介護連携の推 在宅医療・介護連携の推進や、在宅介護を支える介護保険
進
サービスの整備が促進されることにより、自分の状況にあった
≪在宅を支えるサービス
在宅サービスを利用することができます。
が充実します≫
取組みの一例 ◇在宅医療機関や介護サービス事業所を
一括して把握し、可視化(マップ化)する事業
取組みの一例 ◇医療と介護の関係者による相互研修会
②認知症施策の推進
認知症の早期対応・早期受診の支援や、認知症生活機能障害
≪認知症対策が充実しま
に合わせたサービス体制が整備されることで、住み慣れた地域
す≫
での生活を継続することができます。
取組みの一例 ◇認知症地域支援推進員の設置
取組みの一例 ◇徘徊高齢者への対策
取組みの一例 ◇認知症ケアパス※の普及
③地域ケア会議の推進
市、地域包括支援センターを中心に、多職種協働による個別
≪在宅生活が継続できる
ケースの処遇検討や自立支援に係るケアマネジメント支援を行
よう支援します≫
うことにより、高齢者の在宅生活が継続できるよう支援します。
取組みの一例 ◇個別ケア検討会議、地域ケア総合調整会議
の効果的な開催
④生活支援サービスの充
高齢者サロンや見守り・安否確認活動、外出支援、家事支援な
実・強化
どについて、公的サービス、民間サービスを問わず、地域活動
≪地域の支援と介護予防
を含めた多様な主体による提供体制を構築し、高齢者の在宅
が充実します≫
生活を支援します。
取組みの一例 ◇高齢者見守りネットワーク・配食サービス
取組みの一例 ◇社会参加促進事業・移動サービス事業
※認知症ケアパス…認知症の人の生活機能障害の進行状況に合わせ、どのような医療・介護サービスがあるの
かを可視化したものをあらかじめ作成し、サービス等を選択できるよう周知する資料。
― 76 ―
Ⅱ 第5章 地域包括ケアシステムの構築
第1節 在宅医療・介護連携の推進
(1)制度の概要
在宅医療と介護の連携推進について、今回の制度改正により恒久的な制度として位置
づけられ、全国的に取り組むこととされています。また、地域支援事業の包括的支援事
業ではあるものの、地域包括支援センター以外でも適切に実施できる事業体に別に委託
できることとされています。
在宅医療と介護の連携推進の目的としては、医療と介護の両方を必要とする状態の高
齢者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、
在宅医療と介護サービスを一体的に提供するために、居宅に関する医療機関と介護サー
ビス事業者などの関係者の連携を推進することです。
なお、事業内容としては、以下の8事業が設定されており、原則、全ての事業を実施
することとされていますが、本市では、取り組むことのできる事業から順次開始し、国
が定める期限には全ての事業を実施するよう取り組んでいきます。
(ア)地域の医療・介護の資源の把握
(イ)在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討
(ウ)切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築推進
(エ)医療・介護関係者の情報共有の支援
(オ)在宅医療・介護連携に関する相談支援
(カ)医療・介護関係者の研修
(キ)地域住民への普及啓発
(ク)在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携
(2)事業の方向性について
(ア)地域の医療・介護の資源の把握
「往診」
「訪問診療」
「看取り」のできる医師(在宅療養支援診療所等)を把握し、
介護サービス事業所とともに一覧化やマップ化を行なう。
(イ)在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討
医療側と介護側のメンバーによる検討委員会等を開催し、課題の把握と情報共有
を行う。
(ウ)切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築推進
訪問看護ステーションの活用、並びに、休日診療や夜間診療、時間外診療などと
介護サービス事業所の連携について検討を行なう。
必要に応じて、在宅医療(往診、訪問診療、看取りのできる診療所等)や主治医、
副主治医制度等についても検討する。
(エ)医療・介護関係者の情報共有の支援
主治医とケアマネの連携強化として、両者が集まっての勉強会を実施し、顔の見
える関係づくりや情報提供方法の統一化を図る。また、
(イ)の検討委員会等におい
ても、情報の共有を図る。
― 77 ―
Ⅱ 第5章 地域包括ケアシステムの構築
(オ)在宅医療・介護連携に関する相談支援
医療側、介護側のそれぞれの疑問解決やコーディネート(連絡調整)のため、独
立した事務局体制をつくり、専門的な人員を配置して、相談受付を行なう。
(カ)医療・介護関係者の研修
医療側、介護側のお互いの制度理解や専門知識習得を目的に研修会を開催する。
(キ)地域住民への普及啓発
在宅医療・介護連携に関した市民参加の講演会やシンポジウム等により、普及啓
発を図る。また(ア)における一覧やマップやパンフレット等の配布を行なう。
(ク)在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携
保健所が開催する会議等を活用し、周辺市町村にある病院、診療所との関係強化
を検討するため、二次医療圏内市町村との情報共有や共通ルール化の検討を図る。
第2節 認知症施策の推進
(1)制度の概要
認知症総合支援事業についても、今回の制度改正により地域支援事業の包括的支援事
業に位置づけられ、恒久的な制度として、全国的に取り組むこととされています。
事業内容としては、以下の3事業が設定されており、国が定める期限には、原則とし
て、認知症初期集中支援チーム及び認知症地域支援推進員を配置する必要があります。
本市では、取り組むことのできる事業から順次開始し、国が定める期限には必須の2事
業(以下の(ア)
、(イ)
)を実施できるよう検討し、取り組んでいきます。
(ア)認知症初期集中支援推進事業
(イ)認知症地域支援推進員等配置事業
(ウ)認知症ケア向上推進事業
(2)事業の方向性について
(ア)認知症初期集中支援推進事業
以下の条件を満たす、医師1名と保健師・看護師・作業療法士等の2名、計3名か
らなる認知症初期集中支援チームを設置し、家族の訴え等により認知症が疑われる人
や認知症の人及びその家族を訪問し、アセスメント、家族支援などの初期の支援を包
括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行なう事業。
【条件:医師】
日本老年精神医学会もしくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑
別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれ
かに該当し、かつ、認知症の確定診断を行なうことのできる認知症サポート医であ
る医師。
【条件:保健師等】
以下の①から③の要件を全て満たす者
①「保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、介護福祉士」等の医療保健
― 78 ―
Ⅱ 第5章 地域包括ケアシステムの構築
福祉に関する国家資格を有する者
②認知症ケア実務経験3年以上又は在宅ケア実務経験3年以上を有する者
③国が別途定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、試験に合格し
た者
本市においては、以上の条件を満たす者がいないため、国が定める期限までに事業
開始できるよう検討していきます。
(イ)認知症地域支援推進員等配置事業
認知症地域支援推進員は、地域の実情に応じた医療機関・介護サービス事業所や地
域の支援団体等の連携支援や認知症の人やその家族を支援する相談業務等を行います。
本市では、第6期介護保険事業計画期間から地域包括支援センターに配置し、認知
症高齢者に関する諸事業を担当しながら、認知症高齢者及びその家族の支援につなが
る取り組みを実施していきます。
(ウ)認知症ケア向上推進事業
この事業は、認知症地域支援推進員等により、地域の実情に応じて、認知症の人と
その家族を支援するために、任意に実施されるものです。具体的例としては、①病院・
介護保険施設などでの認知症対応力向上、②介護保険施設や介護事業所などでの在宅
生活継続支援、③認知症の人の家族に対する支援、④認知症ケアに携わる多職種協働
研修などがあります。
本市では、認知症地域支援推進員の配置後に、業務の実情に合わせて、事業内容を
検討し、必要に応じて実施を検討していきます。
(3)その他認知症関係施策
地域支援事業の包括的支援事業に位置づけられた認知症総合支援事業による支援のみ
ならず、認知症高齢者に対する支援は他にもあります。老人福祉事業における在宅福祉
サービスに位置づけられている支援もありますので、包括的、総合的に認知症高齢者や
その家族の希望も取り入れながら、その方に合った支援を実施していきます。
なお、その他の認知症関係施策は以下のとおりです。(事業については、在宅福祉サー
ビス等の他の項目にも記述があります。)
(ア)認知症ケアパスの作成と周知
認知症ケアパスとは、認知症の人の生活機能障害の進行状況に合わせ、どのような
医療・介護サービスがあるのかを可視化したものをあらかじめ作成し、サービス等を選
択できるよう周知する資料のことです。平成26年度に一度認知症ケアパスを公表して
いますが、第6期介護保険事業計画期間内に詳細版を再度作成し、周知を図っていき
ます。
(イ)SOSネットワーク事業
徘徊(はいかい)のおそれのある方の情報等を事前に登録し、徘徊があったときに
早期発見につなげる事業です。捜索の必要性が出た場合を考慮し、段階的に地域の互
助力が発揮できるような体制づくりを検討していきます。
― 79 ―
Ⅱ 第5章 地域包括ケアシステムの構築
(ウ)はいかい高齢者家族等支援事業
徘徊(はいかい)のおそれのある方を在宅で介護する家族等が、居場所を特定する
ためのGPS端末(位置情報システム端末機)の付いた機器を民間事業者から貸与す
る場合、その初期費用や月額基本料の一部を補助して、認知症高齢者の安全で安心な
在宅生活を支援し、介護家族の心理的な不安を解消することを目的とする事業です。
(エ)認知症サポーター養成講座
認知症サポーターとは、認知症を正しく理解している認知症の人の「応援者」です。
2時間ほどの講座を受講すればどなたでも認知症サポーターになることができます。
本市では、広く受講者を募集し、自治会や会社、サークル単位での申込みを勧めてい
ます。また、福祉教育のため、小学校や中学校での講座も推進していきます。
(オ)医療との連携
認知症は病気です。服薬等により、症状が緩和されたり、症状の進行が緩やかにな
ることもあります。そのため、受診を促すことや服薬管理、医療系デイケア等も含め、
総合的に支援が必要となります。
また、認知症のみならず、その他の精神的症状を有する高齢者もいます。そういっ
た高齢者も地域で生活する際、介護サービスや高齢者福祉サービス等が有効な支援の
手段となるよう留意していきます。
第3節 地域ケア会議の推進
(1)制度の概要とその方向性
地域ケア会議は、本市においては、これまで地域包括支援センターで実施し、処遇の
困難な高齢者等について市、地域包括支援センターを中心に、多職種協働で検討する「個
別ケア検討会議」や、個別ケア検討会議で多く取り上げられた事項や市全域で問題となっ
ている事項、全国的に話題となっている事項等を各種団体の代表者とともに話し合う「地
域ケア総合調整会議」により実施してきました。
保険者ごとの任意実施であった地域ケア会議は、平成27年4月施行の介護保険法改正
により、法的に規定され、その機能等も位置付けられました。
そのため、本市でも、今後の地域ケア会議については、規定された機能(地域に必要
な資源開発や地域づくり、政策形成機能等)を発揮できるよう、本市の規程や運営方法
を整備し、実施していきます。
なお、全国的に複数の自治体で見られるようになった、「高齢者の自立を促すサービ
スづくりを検討する(自立支援型ケアマネジメントに向けた)地域ケア会議」について、
本市の地域性や特性とマッチするのかを見極め、第6期介護保険事業計画期間中の実施
が可能かどうかも含めて検討していきます。
第4節 生活支援サービスの充実・強化
(1)制度の概要
生活支援サービスとは、介護が必要とはならないまでも、何らかの軽度な支援がなけ
― 80 ―
Ⅱ 第5章 地域包括ケアシステムの構築
れば自立した在宅生活が送れない高齢者に対する、様々な手助けや社会参加を図るよう
な支援サービスのことを言います。具体的には、高齢者サロンや見守り・安否確認活動、
外出支援、家事支援などです。ただし、これらの提供するサービスそのものについては、
「第7章 第2節
地域支援事業の展開」に記述している「介護予防・日常生活支援総
合事業(新しい総合事業)」により提供されることになっているため、ここでは、生活
支援サービスの開発・発掘のための取組みについて記述していきます。
(2)生活支援体制整備事業
生活支援体制整備事業は、生活支援サービスの開発・発掘のための取組みを、本市を
中心として公的サービス、民間サービスを問わず、地域活動を含めた多様な主体による
支援体制の充実強化を図り、地域全体で様々な形によるサービス提供を推進していくこ
とです。
本市では、開発・発掘のための取組みのために、協議体(検討委員会)等を設置し、
各種団体や民間サービス、地域活動等で、高齢者のための軽度生活支援に成り得る支援
を把握できるようにしていきます。
また、これらの取組みにより支援サービスを把握した場合、以下の取組みについても
総合的に推進し、「介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)」により提供
される生活支援サービスがより有効なものとなるよう図っていきます。なお、以下の取
組みが総合的な取組みとなるよう、必要に応じて「生活支援コーディネーター(地域支
え合い推進員)」の配置について検討します。
①地域のニーズと資源の状況の見える化、問題提起
②地縁組織等多様な主体への協力依頼などの働きかけ
③関係者のネットワーク化
④目指す地域の姿・方針の共有、意識の統一
⑤生活支援の担い手の養成やサービスの開発
⑥ニーズとサービスのマッチング
これらの取組みにより、様々な形によるサービス提供体制を構築し、高齢者の在宅生
活を支援します。
(3)住民主体の支援活動の推進
生活支援サービスは、様々な主体によるサービス提供ができるため、元気な高齢者が、
軽度な支援を必要とする高齢者へのサービス提供者になることも想定されます。そのた
め、元気な高齢者が継続してサービス提供し、社会参加につなげ、さらに介護予防に資
するためにも、その活動支援を図っていきます。
具体的には、活動サークルやシルバー人材センター等への加入促進、健康づくりやボ
ランティア活動等を行なった場合にポイントを付与して特典等を受けられる仕組みを創
設していきたいと考えています。(「第6章 第2節 高齢者の社会参加の促進」にも
記述あり。)
― 81 ―
Ⅱ 第6章 老人福祉事業の見込み
第6章
老人福祉事業の見込み
第1節 高齢者の健康増進に関する事業
(1)健康手帳交付事業
健康手帳は、健康診査の記録等を記載し、自らの健康管理に役立てるための冊子です。
今後も、健診会場等における配布事務の改善を図り、交付事業の推進に努めます。
【 健康手帳交付事業の見込量 】
平成 27 年度
健康手帳交付
300 件
平成 28 年度
300 件
平成 29 年度
300 件
(2)健康診査事業
健康診査事業のうち、40 歳から 74 歳までの国民健康保険加入者を対象としている特
定健診については、国が示す平成 27 年度の目標値を達成するために、取り組みを強化し
ています。
特定健康診査、後期高齢者健診、歯周疾患検診とも、見込量については横ばいで推移
すると見込みます。
【 健康診査事業の見込量 】
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
特定健診(特定健康診査)
4,050 人
4,100 人
4,200 人
後期高齢者健診
1,450 人
1,480 人
1,500 人
70 人
70 人
70 人
歯周疾患検診
(3)特定保健指導事業
特定保健指導事業は、特定健診の結果から、生活習慣病の発症リスクが高いと診断さ
れた健診者のうち、生活習慣の改善による予防効果が期待できる対象者に対し、生活習
慣の見直しを支援する事業です。対象者に対しては積極的に勧奨するとともに、メタボ
リックシンドローム予防の指導を実施します。
また、特定保健指導は、発症リスクの程度に応じ、動機づけ支援と積極的支援に分け
られます。これまでの実績から、動機付け支援は微増、積極的支援は横ばいで推移する
と見込みます。
【 特定保健指導事業の見込量 】
平成 27 年度
動機付け支援
積極的支援
― 82 ―
平成 28 年度
平成 29 年度
150 人
160 人
170 人
30 人
30 人
30 人
Ⅱ 第6章 老人福祉事業の見込み
(4)健康教育
生活習慣病の予防や健康の維持、増進を図るためには、それらに対する正しい知識を
得ることは重要です。健康教育は、生活習慣病予防や健康増進を図るため、全市民を対
象として講演会や講座を行います。現在の開催状況を維持する見込みです。
【 健康教育の見込量 】
平成 27 年度
健康教育
50 回
平成 28 年度
平成 29 年度
50 回
50 回
(5)健康相談
健康相談は、心身の健康に関する個別の相談に応じ、必要な指導や助言を行うことで、
家庭における健康管理を支援する事業です。
高血圧や糖尿病等の各種病態別に相談を受ける重点健康相談と、各種教室等で開催す
る総合健康相談の両事業とも、これまでの実績から横ばいと推計します。
【 健康相談の見込量 】
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
重点健康相談
30 回
30 回
30 回
総合健康相談
100 回
100 回
100 回
(6)訪問指導
健康診査等の結果により、直接的な指導が必要な人に対して健康に関する指導や助言
を行う訪問指導については、現在の提供体制やこれまでの実績から、40 歳から 64 歳ま
では横ばい、65 歳以上は倍増すると見込みます。
【 訪問指導の見込量 】
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
40~64 歳
40 人
40 人
40 人
65 歳以上
80 人
80 人
80 人
第2節 高齢者の社会参加の促進
高齢化が進む現在では、高齢者であっても生きがいを見い出し、社会の一員として地
域等に貢献する活動も含めて、元気にいきいきと生活することが重要です。そうするこ
とで、介護予防にもつながるため、本計画でも、社会で活動できる体制を積極的に支援
していきます。
また、老人クラブや高齢者サロン、スポーツ活動による「生きがい」づくり、シルバー
人材センター等による「就労支援」も積極的に推進していきます。
― 83 ―
Ⅱ 第6章 老人福祉事業の見込み
(1)老人クラブの育成
老人クラブは、地域の高齢者の自主組織です。
「健康」「友愛」「奉仕」の三大運動を基本とし、高齢者が互いに支え合いながら、創
造と連帯を合言葉に「生活を豊かにする活動」
「地域を豊かにする活動」を展開し、地域
でいきいきと生活していくことを目指した活動を行っています。
本市では、単位老人クラブ及び市老人クラブ連合会の各種事業を、高齢者の生きがい
づくりの重要な活動と捉え、事業運営に対し助成を行っています。
今後も、高齢者が老人クラブの活動を通して、住み慣れた地域で生きがいを感じる機
会や交流が得られるよう、老人クラブの主体性を尊重しながら、活動の支援と運営費の
助成を継続して実施していきます。
老人クラブは、地域における高齢者の課題や悩みなどを共有し、発信できる場となり
得ることから、地域福祉の重要な担い手と位置付け、相互の見守りや他組織との連携等
を支援します。
(2)高齢者サロンの推進
多くの高齢者は、住み慣れた地域での在宅生活を望んでいますが、社会との接触が少
なくなるにつれ、うつや認知症等が進行し、閉じこもりの生活になりがちです。
一方では、いわゆる「団塊の世代」が高齢期に移行し始め、高齢者において、価値観
の多様化が一層進展するものと考えられます。
そこで、身近な場で気軽に立ち寄り、地域の人たちとのふれあいの輪を広げ、心身と
もに健康で生きがいと潤いのある生活を送るために、高齢者サロンを推進することは、
認知症の予防や在宅生活を支援するための重要な施策といえます。
本市では、市社会福祉協議会との連携のもと、各地区で地域の特性を活かした「ふれ
あい・いきいきサロン推進事業」を実施しています。地区公民館等を拠点とした高齢者
サロンへの支援を行うことで、高齢者同士や地域社会における相互扶助、明るい長寿社
会の実現を図ります。なお、第4次東根市総合計画では、高齢者サロンの設置数を、平
成 32 年までに 50 団体とすることを目指しています。
(3)敬老事業
多年にわたって社会に貢献してきた高齢者を敬愛し、長寿を祝う事業を引き続き実施
します。
具体的には、大けやき長寿祝や高齢者記念品支給事業、敬老会共催事業を開催し、生
きがいづくりに関してのサービスの充実、高齢者の社会参加を促進していきます。
(4)シルバー人材センター
シルバー人材センターは、定年退職者などの高齢者に、そのライフスタイルに合わせ
た就業を提供するとともに、ボランティア活動をはじめとする様々な社会参加を通じて、
健康で生きがいのある生活の実現と、地域社会の福祉の向上に貢献しています。
― 84 ―
Ⅱ 第6章 老人福祉事業の見込み
少子高齢化が進む中、高齢者の能力活用と定年退職後の生きがいづくりと就業機会の
確保は重要な課題であり、特に、就労意欲があり健康で元気な高齢者は、豊富な経験と
知識を活かすことのできる機会を求めています。
そのようなことからも「自主、自立、共働、共助」の基本理念のもとに、高齢者の意
欲と能力に応じた就業機会を提供し、高齢者の社会参加を促進する重要な役割を担って
いるシルバー人材センターに対して、運営事業を支援し、高齢者の就労を通して生きが
いづくりや社会参加を促進していきます。
(5)スポーツ活動への参加促進
スポーツは、健康で明るく、豊かな日常生活をおくるために重要であり、高齢者にとっ
ても健康づくりや介護予防に有効といえます。
市内では、誰もがスポーツに親しむことを目的に、総合型地域スポーツクラブ「マイ・
スポーツひがしね」が活動を行っています。総合型地域スポーツクラブは、幼児から高
齢者まですべての年代の人々に、生涯スポーツを行う場を提供するなど、地域に密着し
た非営利の団体です。特に、数あるプログラムの中でも、スポーツ吹き矢やグラウンド
ゴルフ、カローリングは高齢者に人気があり、健康づくり、運動の習慣化を支援してい
ます。今後、この総合型クラブ等を拠点とし、高齢者がスポーツに親しみやすい環境づ
くりを進めていきます。
また、軽スポーツ大会の開催やグラウンドゴルフ場の整備などを通し、高齢者のスポー
ツ活動への参加を促進していきます。
(6)「元気高齢者」の活動支援
高齢者が住み慣れた地域で、元気にいきいきと生活するためには、高齢者自身が生き
がいを見い出し、積極的に社会参加するなど、高齢者が健康に活動を続けていくことが
望ましいと考えます。また、そうなることで、高齢化社会を活力あるものに変えていく
こともでき、併せて介護予防の観点からも、大変重要な意義を持っていると思われます。
前期(第5期)計画期間では、積極的な社会参加を促進する各種施策に取り組んでき
ました。引き続き本計画でも、高齢者自身が健康を維持しながら、これまで培ってきた
豊富な知識や経験、技能を存分に発揮するためにも、社会で活動できる体制を積極的に
支援していきます。
具体的に、本計画期間中の新たな取り組みとして、健康づくりやボランティアを行っ
た際にポイントを付与して特典等を受けられる仕組みづくりや、元気高齢者の集う場や
事業を創設していきたいと考えています(「第5章 第4節 生活支援サービスの充実・
強化」にも記述あり。)
。
また、シルバー人材センターとタイアップした新規事業に取り組み、高齢者の在宅生
活の継続支援に取り組むことはもちろんのこと、それらの高齢者を支える元気高齢者の
就労の場として、シルバー人材センターの事業拡大やサービスの質の向上に取り組む活
動を支援します。
― 85 ―
Ⅱ 第6章 老人福祉事業の見込み
第3節 在宅福祉サービス
在宅で生活する高齢者のみの世帯や、在宅で要介護高齢者を介護する家族等が引き続
き地域での在宅生活を安心して継続できるよう支援するため、これまでの高齢者在宅福
祉サービスを継続し、さらに「地域包括ケアシステム」の中の「生活支援」分野を担う
よう、新たな事業も取り入れながら推進していきます。
なお、「地域包括ケアシステム」の構築に係る生活支援サービスを充実させるため、
シルバー人材センターとタイアップして、これまでの軽度生活援助事業を発展させ、「ヘ
ルプアップ住ま居る事業」としてリニューアルし、より多くの支援ができるよう取り組
んでいきます。また、高齢者にとって大きな問題となる「雪対策」についても、これま
での継続でヘルプアップ住ま居る事業、高齢者世帯等雪下ろし支援事業にて取り組み、
在宅生活の継続を支援します。
(1)ヘルプアップ住ま居る事業
これまでの軽度生活援助事業をリニューアルし、平成 27 年度から実施する事業です。
介護保険法の改正に伴い、生活支援サービスの充実とサービス提供体制の基盤づくり
を図るため、時限的に職員をシルバー人材センターに配置し、新たな事業の企画・開発
と専門的なコーディネートを行います。
また、これまでの軽度生活援助事業に、在宅高齢者を災害から守るサービスや、日常
生活での環境整備・家事援助サービスを加えてリニューアルし、高齢者の生活支援サー
ビスをより充実させ、高齢者が住み慣れた地域で生活できるよう支援していきます。
【ヘルプアップ住ま居る事業の見込量 】
平成 27 年度
ヘルプアップ住ま居る事業の利用人数
平成 28 年度
300 人
300 人
平成 29 年度
300 人
(2)生きがい活動支援通所事業(新愛称:いきいきまじゃ~れ)
在宅で暮らす高齢者が、健康で元気に生活することを支援するため、さくらんぼ東根
温泉を会場に、高齢者間の交流や健康づくり、介護予防等を中心とした生きがい活動支
援事業を実施していきます。
高齢者人口が今後増加する見込みですが、介護予防事業等の充実等により、計画期間
における利用は、横ばいで推移すると見込みます。
なお、これまで「いきいきデイサービス」という愛称で親しまれてきましたが、今後
は新たに「いきいきまじゃ~れ」という愛称で活動していきます。
【 生きがい活動支援事業の見込量 】
平成 27 年度
生きがい活動支援通所事業
平成 28 年度
平成 29 年度
延回数
480 回
480 回
480 回
延人数
8,850 人
8,850 人
8,850 人
― 86 ―
Ⅱ 第6章 老人福祉事業の見込み
(3)ふれあい配食サービス事業
民生委員・児童委員等が、栄養のバランスに配慮した食事の提供と安否確認を行うこ
とで、高齢者が自立した在宅生活を送れるように支援します。
一人暮らし高齢者等が今後増加する見込みであることから、計画期間における利用は、
年々微増していくと見込みます。
【 ふれあい配食サービス事業の見込量 】
平成 27 年度
ふれあい配食サービス事業
平成 28 年度
平成 29 年度
総配食数
7,920 回
8,030 回
8,150 回
利用人数
340 人
345 人
350 人
(4)緊急通報体制等整備事業
急病や事故等の緊急事態が発生した場合に迅速で適切な対応ができるよう、一人暮ら
し高齢者世帯等に緊急通報機器を貸し出し、在宅生活の安全の確保と不安の解消を図り、
自立した生活を送れるよう支援していきます。
一人暮らし高齢者等が今後増加する見込みであることから、計画期間における利用は、
年々微増していくと見込みます。
【 緊急通報体制等整備事業の見込量 】
平成 27 年度
緊急通報機器の利用人数
130 人
平成 28 年度
135 人
平成 29 年度
140 人
(5)家族介護用品支給事業
常時失禁状態にある要介護高齢者等を在宅で介護している家族を対象として、紙おむ
つ等を購入できる介護用品助成券を支給することにより、経済的負担の軽減を図ります。
日常生活圏域ニーズ調査の結果では、在宅福祉サービスとして利用割合が最も高く、ま
た、今後利用したいサービスとしても高い割合を示しており、在宅における介護を支援
する重要な事業であると考えています。平成 27 年度から、対象商品を拡充し利便性の向
上を図ります。
介護保険施設の整備など、利用者数が減少する要因はありますが、高齢者人口が今後
増加する見込みであることから、計画期間における利用は微増で推移すると見込みます。
【 家族介護用品支給事業の見込量 】
平成 27 年度
家族介護用品支給事業の利用人数
870 人
― 87 ―
平成 28 年度
890 人
平成 29 年度
900 人
Ⅱ 第6章 老人福祉事業の見込み
(6)在宅家族介護者支援事業
要介護高齢者等を在宅で介護する家族に対して、介護保険外のサービスを提供するこ
とにより、身体的、精神的負担の軽減を図り、要介護者と家族が在宅生活を継続できる
ように支援していきます。
平成 24 年度から委託先事業所を拡大しました。今後とも、利用者の拡大が図られるよ
う検討していきます。
【 在宅家族介護者支援事業の見込量 】
平成 27 年度
在宅家族介護者支援事業の利用人数
平成 28 年度
80 人
80 人
平成 29 年度
80 人
(7)高齢者移動サービス事業
要介護4・5の認定を受けた高齢者が、医療機関への通院などでリフト付きタクシー
やストレッチャー装着車を利用した場合、その利用料金の一部を助成し、交通手段の確
保と経済的負担の軽減を図ります。
介護保険施設の整備など、利用者数が減少する要因はありますが、計画期間における
要介護4・5の認定者数が微増すると見込まれることから、利用は横ばいで推移するも
のと見込みます。
【 高齢者移動サービス事業の見込量 】
平成 27 年度
高齢者移動サービス事業の利用人数
150 人
平成 28 年度
150 人
平成 29 年度
150 人
(8)高齢者社会参加促進事業(おでかけさぽーとタクシー事業)
要介護認定を受けていない満 70 歳以上の高齢者で、70 歳から 79 歳にあっては本人及
び同居の家族が、80 歳以上にあっては本人及び配偶者が普通自動車免許を持っていない
場合に、小型タクシーの基本料金の一部を助成し、高齢者が積極的に社会参加できるよ
う支援していきます。
平成24年度から実施した事業で、事業の定着とともに年々利用者数が増加しています。
今後も高齢者人口が増加する見込みであることから、計画期間における利用は年々増加
すると見込みます。
【 高齢者社会参加促進事業の見込量 】
平成 27 年度
高齢者社会参加促進事業の利用人数
910 人
平成 28 年度
1,000 人
平成 29 年度
1,050 人
※高齢者運転免許証自主返納者支援事業(運転リリーフ事業)は、高齢者の交通安全
対策として、運転免許証の返納により失った移動手段の支援を行っていきます。
― 88 ―
Ⅱ 第6章 老人福祉事業の見込み
(9)高齢者世帯等雪下ろし支援事業
65 歳以上の高齢者世帯等を対象に、現に居住する家屋の雪下ろし等に要した費用の一
部を助成することにより、安全で安心な在宅生活を送れるよう支援していきます。
この事業の利用は、積雪状況により大きく影響されますが、現時点では横ばいで推移
すると見込みます。
【 高齢者世帯等雪下ろし支援事業の見込量 】
高齢者世帯等雪下ろし支援事業の利用人数
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
100 人
100 人
100 人
(10)はいかい高齢者家族等支援事業
認知症高齢者の徘徊は、在宅で認知症高齢者を介護する家族にとって非常に大きな問
題となっており、本市においても近年徘徊事案が発生しています。
この事業は、徘徊(はいかい)のおそれのある方を在宅で介護する家族等が、居場所
を特定するためのGPS端末(位置情報システム端末機)の付いた機器を民間事業者か
ら貸与する場合、その初期費用や月額基本料の一部を補助して、認知症高齢者の安全で
安心な在宅生活を支援し、介護家族の心理的な不安を解消することを目的としています。
平成 26 年 10 月から実施しており、事業の周知を図っていきます。
【 はいかい高齢者家族等支援事業の見込量 】
はいかい高齢者家族等支援事業の利用人数
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
5 人
10 人
15 人
第4節 地域生活の支え合い体制
住み慣れた地域でできる限り長く暮らしたいと望む高齢者は多いと思います。そのた
めには、必要なサービスが適切に提供されるとともに、地域住民をはじめ保健・医療・
福祉の関係機関、福祉関係団体その他多数のボランティアなどが連携して、地域全体で
高齢者の自立を支えていくことが必要です。
今後も、各種団体の活動等との連携を深めるとともに、地域支援体制の充実により、
高齢者の福祉に地域全体で取り組むよう、体制の構築に努めていかなければなりません。
なお、「地域包括ケアシステム」の構築における「住み慣れた地域での生活継続」に
は、高齢者のみになる世帯や認知症高齢者にとって、このようなネットワーク支援体制
は必要不可欠です。地域としての「互助」機能も含め、地域がその変化に早く気づき、
支え合う仕組みづくりを支援しながら、高齢者見守りネットワーク事業や認知症高齢者
に特化したSOSネットワーク事業への登録を促進し、地域での生活を支える取り組み
を強化していきます。
― 89 ―
Ⅱ 第6章 老人福祉事業の見込み
(1)老人福祉相談員事業
本市では、民生委員・児童委員を老人福祉相談員に任命し、見守りが必要な高齢者を
「高齢者見守りネットワーク」に登録し、担当区域内の高齢者世帯を訪問し日常生活を
支援する活動を行っています。
高齢者にとって、身近で地域の実情を把握している老人福祉相談員の活動は、高齢者
が安心で安全な生活を送るための重要な役割を担っています。
今後も、老人福祉相談員、地域包括支援センター、市が情報を共有し、相互の連携を
図りながら、高齢者の在宅生活を支援していきます。
(2)福祉推進員事業
「福祉推進員」制度は、支え合う地域づくりを目的とし、高齢者世帯などの見守り活
動や、高齢者サロンなどへの参加・協力を行っています。近隣住民の協力を得て、区長
や民生委員・児童委員と連携し、高齢者世帯などへの見守り、声かけ、安否確認を行う
ことで、地域住民の連絡調整機能が高まったネットワークが構築できれば、地域の福祉
力は格段に高まります。
担当区域は、行政区の実情を勘案して定めますが、概ね 100 世帯程度です。市社会福
祉協議会の会長が委嘱し、任期は2年となっています。
平成 22 年度に、モデル区の市内 14 カ所の行政区(自治組織)から始めました。平成
26 年 10 月末時点で 137 地区に配置されていますが、できる限り早い時期に市内全地区
に配置できるよう取り組んでいきます。
なお、福祉推進員事業を含め、市民と地域、福祉行政等が協力することで地域の福祉
力を高めていくための指針を、
「東根市地域福祉計画」に定めています。そして、その福
祉活動の行動計画として、東根市社会福祉協議会は「東根市地域福祉活動計画」を平成
26 年3月に策定しました。
(3)高齢者見守りネットワーク事業
見守りが必要な高齢者とは、一人暮らしの高齢者や高齢者のみで構成される世帯、日
中高齢者のみになる世帯などが想定されます。高齢者の増加に伴い、認知症高齢者が今
後ますます増加していくことが想定されることから、高齢者やその家族を支援するネッ
トワークを充実していくことが重要な課題となっています。
老人福祉相談員、地域包括支援センター、市が連携し、高齢者の様々な相談への対応
や生活支援に取り組み、日々の見守りを通して「地域の見守り力」の向上を図り、高齢
者が住み慣れた地域で安心して生活できる環境づくりを行っていきます。
(4)SOSネットワーク事業
認知症による徘徊の不安がある高齢者を「SOSネットワーク」に登録し、行方不明
になった場合、警察等の関係機関に登録情報を提供し、早期解決を図ることを目的とし
― 90 ―
Ⅱ 第6章 老人福祉事業の見込み
た事業で、平成26年10月から実施しています。
今後、認知症高齢者がますます増加することが想定されることから、SOSネットワー
ク事業への登録を促進し、地域での生活を支える取り組みを強化していきます。
また、捜索の必要性が出た場合を考慮し、段階的に地域の互助力が発揮できるような
体制づくりを検討していきます。
第5節 施設福祉サービス(介護保険事業以外)
高齢者が安心して生活を継続するためには、安全で安心な「住まい」を持つことがそ
の根幹となります。本市では「持ち家率」も高く、比較的「住まい」は確保されていま
すが、地域における在宅生活の継続が難しい高齢者もおり、常に見守りや援助等を必要
としているため、希望に応じて、施設への入所も考えなければなりません。
(1)養護老人ホーム入所措置
養護老人ホームへの入所措置は、環境上の理由等から、在宅における日常生活が困難
な高齢者を対象に、心身や生活環境の状況等を総合的に勘案して行われます。
本市では、養護が必要な高齢者に対し、今後も継続して、近隣市町に所在する養護老
人ホームへの入所措置を行っていきます。
【 養護老人ホーム入所措置の見込量 】
平成 27 年度
入所者数
24 人
平成 28 年度
24 人
平成 29 年度
24 人
(2)その他高齢者施設への入所相談受付
軽費老人ホームなどの高齢者施設への入所についても、希望に応じて、可能な範囲で
相談受付を行っていきます。
第6節 高齢者の権利擁護の推進
加齢に伴う判断力の低下や認知症の発症などにより、自らの権利主張や権利行使をす
ることができない状況にある高齢者に対して、権利侵害の予防や対応、権利行使の支援
を行っていきます。近年ますます増加している悪徳商法といった金銭トラブルや、近親
者からの経済的搾取、介護放棄、身体的虐待といったさまざまな権利侵害に適切に対応
し、高齢者の権利擁護を推進していきます。
なお、本人及び家族が気軽に相談できるよう、また、認知症高齢者の福祉推進のため、
地域包括支援センターや関係団体と連携して権利擁護や後見活動に取り組みます。
(1)高齢者虐待防止対策
平成 18 年4月に「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援に関する法律」が
― 91 ―
Ⅱ 第6章 老人福祉事業の見込み
施行され、高齢者虐待をはじめ要援護者の迅速かつ適切な保護、及び養護者に対する支
援が、市の役割として規定されました。
本市では、複雑で多岐にわたる問題をさまざまな視点から分析し解決を図るため、民
生委員・児童委員、警察、医療機関、介護サービス事業所、地域団体等で組織する「高
齢者虐待防止協議会」を設置し、相互連携の中で虐待防止対策に取り組んでいきます。
具体的には、虐待に関する通報があった場合に、
「山形県高齢者虐待対応マニュアル」
等に基づき、地域包括支援センターや他の関係機関と連携し、情報収集、事実確認、個
別ケース会議などを実施し、緊急に保護が必要な場合は速やかに保護の手配と必要な支
援を行います。一方、養護者に対しては、心身の疲労の回復と介護負担の軽減のため、
介護サービス等の利用促進を図るとともに、抱えている不安や悩みの解消につながるよ
う、相談体制の充実に努めます。
地域住民一人ひとりが高齢者虐待に関する認識を深めることが、高齢者虐待の防止と
早期発見の第一歩となることから、地域住民に対する知識や理解の普及、啓発に積極的
に取り組みます。
(2)成年後見制度の推進
高齢者の財産を守り、安定した生活を保障するとともに、その権利を擁護するため、
成年後見制度が創設されました。まだまだ制度の理解が不十分な状況ですが、少しずつ
活用例が増えている状況にあります。
また、認知症高齢者や一人暮らし高齢者等の増加に伴い、成年後見制度の必要性はよ
り一層高まり、介護サービスの利用契約や財産管理等を中心に、制度の利用が今後ます
ます増加していくことが予想されます。
このことから、地域包括支援センターや地域の権利擁護関係団体と連携して、財産管
理や福祉サービスの利用などを自分で行うことが困難で判断能力が十分でない認知症高
齢者などを援助する成年後見制度の周知と活用を進めていきます。
また、家庭裁判所への申立てを行う親族がいない等の理由で、制度利用が困難な高齢
者については、市長申立てや成年後見人等報酬の助成を実施し、制度の円滑な利用を支
援していきます。
― 92 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
第7章
介護保険事業の見込み
これまで述べてきた高齢者や要介護認定者の将来推計等を参考に、今後必要となる介護
保険サービスの制度や量を計画します。
第1節 介護給付費等対象サービスの計画
いわゆる「団塊の世代」が平成 27 年には 65 歳に、平成 37(2025)年には 75 歳以上の
後期高齢者に到達し、医療や介護の需要が急激に伸びると予測されている「2025 年問題」
があります。高齢者数や要介護(要支援)認定者数もこれまで以上の伸び率で増加するこ
とが想定されているため、認知症高齢者や一人暮らし高齢者もさらに増加し、介護サービ
スの需要も増加するものと想定されています。しかし、介護や支援が必要になっても、で
きる限り住み慣れた地域で生活できるようにしていくことが必要です。この仕組みを「地
域包括ケアシステム」といい、システム構築のための新たな制度(「第5章 地域包括ケア
システムの構築」に記述)だけでなく、介護保険給付サービスとしても、
「地域包括ケアシ
ステム」のため、在宅系サービスと施設系サービスのバランスを考えなければなりません。
前期(第5期)計画では、超高齢化社会への突入を前にして、日常生活圏域を考慮した
適正なサービス基盤の整備、在宅サービスの充実に取り組んできました。
第6期介護保険事業計画では、
「団塊の世代」が 65 歳以上の高齢者になる現実と、その
10 年後には 75 歳以上の後期高齢者になるという現実を率直に受け止め、介護需要の急増
に対応できるような計画性のあるサービス提供を図ることが重要となってきます。
(1)居宅系サービス(介護給付)の見込量
居宅系サービスについては、前期(第5期)計画期間におけるサービス受給者数、利
用回数等の実績値、サービス基盤の整備計画、日常生活圏域ニーズ調査からみえてきた
需要動向を考慮しています。
また、被保険者数と要介護認定者数が引き続き増加傾向であるため、各事業によりば
らつきはあるものの、全体的には同様にサービス量も増加するものと見込まれます。
① 訪問系介護サービス
被保険者数と要介護認定者数が伸びることから、居宅系サービスは増加すると示し
たところですが、訪問介護については、これまでの実績や地域密着型サービスの小規
模多機能型居宅介護事業所による訪問介護サービスの強化等により、減少する年度も
あるものと想定されます。
訪問入浴介護についても、これまでの実績等から、減少傾向と想定しています。
訪問診療における居宅療養管理指導については、医療機関からのサービス提供が十
分に供給されており、これまでの実績も考慮し、増加するものと思われます。
訪問看護と訪問リハビリテーションは、需要は増加すると予想され、さらに、訪問
看護については、平成 26 年6月に市内に新規事業所が開設したため、自然増よりも多
くサービス量を見込みました。
― 93 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
② 通所系介護サービス
通所介護は、日常生活圏域ニーズ調査において高い利用率となっており、サービス
の浸透を窺うことができます。このような状況から今後も増加すると見込みました。
通所リハビリテーションは、その果たす役割が大きくなっており、要介護認定者数
の増加から増加傾向と見込みました。さらに、市内事業所への調査において今後定員
の増加が見込まれることから、その分についても見込量を増やして推計しています。
③ 短期入所系介護サービス
短期入所生活介護は、通所系介護サービスと同様に、利用実績が高いサービスです。
また、日常生活圏域ニーズ調査において、これから整備すべきサービスとして比較的
高いニーズがありました。市内事業所への調査で増床の見込みがあったため、その分
見込量を増加としています。
短期入所療養介護は、老人保健施設の空きベッドを利用し、サービスを提供してい
ます。これまでの実績から、微増で推移すると考えます。
④ 特定施設入居者生活介護
本市においては、事業所が1箇所あり、いわゆる「有料老人ホーム」で介護保険の
指定も受けてサービスを提供しています。
特定施設入居者生活介護は、第6期介護保険事業計画期間で他市町村でのサービス
基盤の整備が見込まれ、本市被保険者の入所割合が高くなると予想されることから、
サービス見込量は増加すると見込んでいます。
⑤ 福祉用具貸与、特定福祉用具販売
福祉用具貸与、特定福祉用具販売は、継続するサービスではなく、年度によって変
動があります。ただし、利用者数はこれまでも一定であること、要介護(要支援)認
定者数が増加することから、増加傾向で推移すると見込みました。
⑥ 住宅改修
住宅改修については、手すりの設置や段差解消工事等をした場合に、その費用を限
度額まで給付費から支給するものです。転倒予防や介護負担の解消につながっており、
介護度の重度化を防ぐ効果もあります。原則的には、利用者が全額を事業者に支払っ
た後申請し、保険給付分を利用者に支給する「償還払い」制度ですが、本市では、平
成 26 年度から、経済的な負担を少しでも無くし、重度化を防ぐために、給付費の受領
の権限を事業者に委任し、利用者は事業者に費用の1割のみを支払い、その後申請し
て残りの9割分を市から事業者に直接支払う「受領委任払い」制度もはじめました。
そのため、利用しやすさから一旦利用は増えると思われますが、その後は、要介護
認定者数の増加と同じ傾向になると見込みました。
― 94 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
⑦ 居宅介護支援
居宅介護支援については、居宅サービスの受給率に連動すると想定されます。
被保険者数と要介護認定者数が伸びることから、居宅系サービスは増加すると示し
たところであり、居宅介護支援も同様に増加するものと推計しています。
【居宅系介護サービスの見込量】
(年間)
平 成 27 年 度
平 成 28 年 度
平 成 29 年 度
居宅サービス
訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
回
数
29,471
回
30,162
回
27,960
回
人
数
1,440
人
1,536
人
1,524
人
回
数
1,780
回
1,649
回
1,201
回
人
数
408
人
372
人
276
人
回
数
5,771
回
7,344
回
8,755
回
人
数
648
人
780
人
912
人
回
数
3,131
回
3,944
回
4,600
回
人
数
228
人
252
人
252
人
人
数
1,044
人
1,284
人
1,500
人
回
数
62,021
回
65,710
回
73,121
回
人
数
6,528
人
6,732
人
7,284
人
回
数
14,443
回
16,428
回
21,282
回
人
数
1,752
人
2,004
人
2,604
人
日
数
25,561
日
28,026
日
30,323
日
人
数
3,012
人
3,300
人
3,612
人
日
数
763
日
1,352
日
2,008
日
人
数
48
人
48
人
60
人
福祉用具貸与
人
数
5,052
人
5,844
人
6,456
人
特定福祉用具販売
人
数
84
人
84
人
108
人
住宅改修
人
数
156
人
216
人
276
人
居宅療養管理指導
通所介護
通所リハビリテーション
短期入所生活介護
短期入所療養介護
特定施設入所生活介護
居宅介護支援
人
数
444
人
468
人
528
人
人
数
10,416
人
11,712
人
12,792
人
(2)居宅系サービス(予防給付)の見込量
介護予防サービスは、要介護(要支援)認定者のうち、要支援者へのサービスになり
ます。予防給付サービスの制度がはじまったころは、利用者数等は低調でしたが、要介
護状態になる前から、効果的に予防サービスを提供する体制整備を推し進め、現在は安
定した実績を示しています。
第6期介護保険事業計画期間において、介護予防サービスの需要に大きく影響を与え
る、特定施設等の開設は見込まれていませんので、介護予防サービスの見込量は、個別
の要因は以下に記しますが、全体的には微増と推計しています。
― 95 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
① 訪問系介護予防サービス
全体的に、被保険者数と要介護(要支援)認定者数が伸びることから、介護予防訪
問介護は増加するものと推計しました。しかし、平成 29 年度については、介護予防訪
問介護サービスを同年度より「介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)」
に移行する予定としていることから、前年度と比較して少額になっています(平成 28
年度からの継続で介護予防訪問介護を利用する者は、本予防給付サービスを提供。)
。
介護予防訪問看護については、介護サービスと同様、要介護(要支援)認定者数の
伸びと、市内新規事業所の開設により、見込量は増加するものと推計しました。
訪問リハビリテーションについては、第5期介護保険事業計画期間の実績から、見
込量は減少すると予想されます。
訪問診療における居宅療養管理指導は、介護サービスと同様の理由で、見込量は増
加すると予想されます。
② 通所系介護予防サービス
介護予防通所介護は、介護給付の通所介護と同様に、高い利用率となっています。
また、要介護(要支援)認定者数が伸びることから、微増傾向と推計しました。しか
し、平成 29 年度については、介護予防通所介護サービスを同年度より「介護予防・日
常生活支援総合事業(新しい総合事業)」に移行する予定としていることから、前年度
と比較して少額になっています(平成 28 年度からの継続で介護予防通所介護を利用す
る者は、本予防給付サービスを提供。)。
介護予防通所リハビリテーションは、前期(第5期)計画期間の実績から、見込量
は減少すると予想されますが、介護サービスと同様に、今後定員の増加が見込まれる
ことから、その分は見込量を増やして推計しています。
③ 短期入所系介護予防サービス
介護予防短期入所生活介護は、通所系介護サービスと同様に、利用実績が高いサー
ビスです。ただし、他の居宅サービスの充実等の影響により、近年の実績が減少して
いるため、見込量も減少傾向と見込んでいます。
④ 介護予防特定施設入居者生活介護
介護サービスと同様に、他市町村でのサービス基盤の整備が見込まれ、また、サー
ビスも浸透してきていることから、本市被保険者の入所割合が高くなると予想され、
サービス見込量は増加すると見込んでいます。
⑤ 福祉用具貸与、特定福祉用具販売
介護予防福祉用具貸与、特定介護予防福祉用具販売については、前期(第5期)計
― 96 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
画期間に大きな伸びを示した年度がありました。しかし、継続するサービスではなく、
年度によって変動があることや、特定福祉用具販売は、原則1人年1回の条件がある
ことから、微増もしくは横ばいと想定しています。
⑥ 介護予防住宅改修
介護予防住宅改修については、介護給付の住宅改修と同様に、
「受領委任払い」制度
の開始により、利用しやすさから利用は増えると思われますが、その後は、要介護認
定者数の増加と同じ傾向になると見込みました。
⑦ 介護予防支援
介護予防支援については、居宅介護支援と同様に、居宅サービスの受給率に連動す
ると想定されます。被保険者数と要介護(要支援)認定者数が伸びることから、居宅
サービスも増加し、介護予防支援も同様に増加するものと想定されます。
【居宅系予防サービスの見込量】
(年間)
平 成 27 年 度
平 成 28 年 度
平 成 29 年 度
介護予防サービス
人
数
612
人
648
人
324
人
回
数
1,853
回
2,370
回
2,996
回
人
数
156
人
192
人
240
人
回
数
650
回
491
回
396
回
人
数
72
人
60
人
60
人
介護予防居宅療養管理指導
人
数
108
人
132
人
144
人
介護予防通所介護
人
数
1,932
人
1,972
人
853
人
介護予防通所リハビリテーション
人
数
552
人
516
人
792
人
日
数
1,075
日
923
日
778
日
人
数
216
人
192
人
168
人
介護予防福祉用具貸与
人
数
996
人
1,152
人
1,320
人
特定介護予防福祉用具販売
人
数
48
人
48
人
48
人
住宅改修
人
数
84
人
108
人
120
人
介護予防特定施設入所生活介護
人
数
120
人
168
人
192
人
人
数
3,240
人
3,336
人
3,420
人
介護予防訪問介護
介護予防訪問看護
介護予防訪問リハビリテーション
介護予防短期入所生活介護
介護予防支援
(3)地域密着型サービスの見込量
地域密着型サービスは、要介護や要支援状態となっても可能な限り、住み慣れた地域
で生活できるようにするためのサービスで、原則として、要支援、要介護認定を受けた
本市の被保険者が利用できます。
― 97 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
平成 18 年度から創設されたサービスであるため、未整備のサービスもありますが、小
規模多機能型居宅介護サービスや認知症対応型共同生活介護サービスなどの比較的多く
整備されているサービスは、今後も増加すると見込んでいます。
① 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
高齢者の保健・医療・福祉を取り巻く環境の変化等に適切に対応し、高齢者が要介
護状態になっても、可能な限り住み慣れた地域において継続して生活をするためには、
地域包括ケアの考え方に基づいた取り組みの必要があります。
重度者を始めとした高齢者の在宅生活を支えるため、日中、夜間を通じて、定期巡
回訪問と随時の対応を行うものとして、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、平成
24 年4月から制度化されました。
現在も市内に事業所が無いこと、事業者を対象に実施した意向調査において開設の
見込みが無いことから、計画期間内の利用はないと見込みました。
② 夜間対応型訪問介護
夜間対応型訪問介護については、日常生活圏域ニーズ調査の結果によると、需要は
あると思われます。しかし、事業者を対象に実施した意向調査において開設の見込み
がないことから、計画期間内の利用はないと見込みました。
③ 認知症対応型通所介護
現在、1事業所がサービスを提供しています。被保険者数と要介護認定者数の増加
により、認知症高齢者も増加傾向と予想されますが、施設整備計画の影響を勘案して
見込量を算出しました。
④ 小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護とは、住み慣れた地域での生活をできるだけ維持するため
に、
「通い」を中心に「訪問」
「宿泊」の3つのサービス形態が一体となって、24 時間
切れ間なくサービスを行うものです。在宅生活を全面的に支援するサービスとして、
全ての日常生活圏域に対して整備され、サービスの受給が受けられることが理想と考
えます。
現在、市内においては、東根、神町、大富地区においてサービスを提供しています
が、事業者を対象に実施した意向調査において新たな地区にも開設の見込みがあるた
め、見込量はその分もさらにプラスとして推計しました。
⑤ 認知症対応型共同生活介護
前期(第5期)計画期間までに、3事業所が整備されています。
― 98 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
また、本市の被保険者が他市の施設の入所していることや、第6期介護保険事業計
画期間中に新規事業所が開設(2ユニット)される予定であり、増加するものと推計
しています。
⑥ 地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型特定施設入居者生活介護は、入居に関して、施設が所在する市町村に住
む被保険者に限定した小規模な特定施設です。
本市には事業所はなく、併せて、施設整備の予定もないことから、計画期間内にお
いて見込量はないものとしました。
⑦ 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
常に介護を必要とする人を対象に、可能な限り居宅生活への復帰を念頭において、
日常生活の世話をする生活重視の施設です。
本市においては、東根地区に定員 29 人の施設が1事業所あるため、その分の見込量
を推計しました。
⑧ 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
平成 24 年4月に創設された複合型サービスは、平成 27 年4月から「看護小規模多
機能型居宅介護」と名称が改められることになりました。小規模多機能型居宅介護と
訪問看護を組み合わせて、比較的医療依存が高い高齢者にも対応するサービスを提供
する、新しい形のサービスです。
事業者を対象に実施した意向調査において開設の見込みがないことから、計画期間
内の利用はないと見込みました。
⑨ 地域密着型通所介護(仮称)
平成 28 年4月から開始予定の新規サービスですが、これまでの通所介護事業所で定
員が 18 人以下の小規模事業所について、居宅サービスから地域密着型サービスに移行
するものです。
現在の市内事業所において、上記の条件に該当する事業所もあるため、その分、平
成 28 年度からの見込量として推計しました。
― 99 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
【地域密着型サービスの見込量】
平 成 27 年 度
平 成 28 年 度
0
0
2,548
336
972
756
0
348
0
0
0
2,533
288
1,176
756
0
348
0
4,946
504
(年間)
平 成 29 年 度
地域密着型サービス
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
人 数
夜間対応型訪問介護
人 数
認知症対応型通所介護
回 数
人 数
小規模多機能型居宅介護
人 数
認知症対応型共同生活介護
人 数
地域密着型特定施設入居者生活介護
人 数
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 人 数
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
地域密着型通所介護(仮称)
人 数
人
人
回
人
人
人
人
人
人
回 数
人 数
人
人
回
人
人
人
人
人
人
回
人
0
0
3,029
288
1,416
972
0
348
0
5,503
552
人
人
回
人
人
人
人
人
人
回
人
(4)地域密着型介護予防サービスの見込量
地域密着型介護予防サービスは、地域密着型サービス同様、要支援状態となっても可
能な限り、住み慣れた地域で生活できるようにするためのサービスで、原則として、施
設が所在する市町村の被保険者が利用できます。
利用実績等から見込量のないサービスもありますが、重要なサービスと考えます。
① 介護予防認知症対応型通所介護
介護予防認知症対応型通所介護については、これまで実績がなかったことから、そ
のままの見込量としました。
② 介護予防小規模多機能型居宅介護
現在、市内においては、東根、神町、大富地区においてサービスを提供しています
が、第6期介護保険事業計画期間の利用実績見込みにより見込量を推計しました。
③ 介護予防認知症対応型共同生活介護
介護予防認知症対応型共同生活介護については、これまで実績がなかったことから、
そのままの見込量としました。
【地域密着型介護予防サービスの見込量】
平 成27 年度
(年間)
平 成29 年度
平 成28 年度
地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型通所介護
回 数
人 数
介護予防小規模多機能型居宅介護
人 数
介護予防認知症対応型共同生活介護
人 数
― 100 ―
0
0
156
0
回
人
人
人
0
0
144
0
回
人
人
人
0
0
132
0
回
人
人
人
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
(5)日常生活圏域別の見込量
地域密着型(介護予防)サービス事業所は、日常生活圏域ごとのサービス提供地域を
設定しているため、その設定状況にあわせて、以下のとおり日常生活圏域ごとのサービ
スの見込量を推計しました。
東根地区
(年間)
平成29年度
平成27年度
平成28年度
回 数
988 回
982 回
1,174 回
人 数
130 人
112 人
112 人
小規模多機能型居宅介護
人 数
240 人
291 人
350 人
認知症対応型共同生活介護
人 数
187 人
187 人
240 人
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 人 数
86 人
86 人
86 人
地域密着型サービス
認知症対応型通所介護
地域密着型通所介護(仮称)
回 数
-
回
1,222 回
1,360 回
人 数
-
人
125 人
136 人
0 回
0 回
0 回
地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型通所介護
東根中部地区
回 数
人 数
0 人
0 人
0 人
介護予防小規模多機能型居宅介護
人 数
39 人
36 人
33 人
介護予防認知症対応型共同生活介護
人 数
0 人
0 人
0 人
平成27年度
平成28年度
平成29年度
回 数
510 回
507 回
607 回
人 数
67 人
58 人
58 人
小規模多機能型居宅介護
人 数
124 人
150 人
181 人
認知症対応型共同生活介護
人 数
97 人
97 人
124 人
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 人 数
44 人
44 人
44 人
地域密着型サービス
認知症対応型通所介護
地域密着型通所介護(仮称)
回 数
-
回
632 回
703 回
人 数
-
人
64 人
70 人
0 回
0 回
0 回
地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型通所介護
東郷地区
回 数
人 数
0 人
0 人
0 人
介護予防小規模多機能型居宅介護
人 数
20 人
18 人
17 人
介護予防認知症対応型共同生活介護
人 数
0 人
0 人
0 人
平成27年度
平成28年度
(年間)
平成29年度
回 数
0 回
0 回
人 数
0 人
0 人
0 人
小規模多機能型居宅介護
人 数
93 人
113 人
136 人
認知症対応型共同生活介護
人 数
73 人
73 人
93 人
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 人 数
33 人
33 人
33 人
地域密着型サービス
認知症対応型通所介護
0 回
回 数
-
回
475 回
529 回
人 数
-
人
48 人
53 人
回 数
0 回
0 回
0 回
人 数
0 人
0 人
0 人
介護予防小規模多機能型居宅介護
人 数
15 人
14 人
13 人
介護予防認知症対応型共同生活介護
人 数
0 人
0 人
0 人
地域密着型通所介護(仮称)
地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型通所介護
― 101 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
高崎地区
平成27年度
平成28年度
平成29年度
回 数
0 回
0 回
0 回
人 数
0 人
0 人
0 人
小規模多機能型居宅介護
人 数
49 人
59 人
71 人
認知症対応型共同生活介護
人 数
38 人
38 人
49 人
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 人 数
17 人
17 人
17 人
地域密着型サービス
認知症対応型通所介護
回 数
-
回
248 回
276 回
人 数
-
人
25 人
28 人
回 数
0 回
0 回
0 回
人 数
0 人
0 人
0 人
介護予防小規模多機能型居宅介護
人 数
8 人
7 人
7 人
介護予防認知症対応型共同生活介護
人 数
0 人
0 人
0 人
平成27年度
平成28年度
平成29年度
回 数
0 回
0 回
0 回
人 数
0 人
0 人
0 人
小規模多機能型居宅介護
人 数
210 人
254 人
306 人
認知症対応型共同生活介護
人 数
163 人
163 人
210 人
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 人 数
75 人
75 人
75 人
地域密着型通所介護(仮称)
地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型通所介護
地域密着型サービス
神町地区
認知症対応型通所介護
回 数
-
回
1,069 回
1,190 回
人 数
-
人
109 人
119 人
回 数
0 回
0 回
0 回
人 数
0 人
0 人
0 人
介護予防小規模多機能型居宅介護
人 数
34 人
31 人
29 人
介護予防認知症対応型共同生活介護
人 数
0 人
0 人
0 人
平成27年度
平成28年度
回 数
389 回
387 回
人 数
51 人
44 人
44 人
小規模多機能型居宅介護
人 数
95 人
115 人
138 人
認知症対応型共同生活介護
人 数
74 人
74 人
95 人
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 人 数
34 人
34 人
34 人
地域密着型通所介護(仮称)
地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型通所介護
大富地区
(年間)
平成29年度
地域密着型サービス
認知症対応型通所介護
463 回
回 数
-
回
482 回
536 回
人 数
-
人
49 人
54 人
回 数
0 回
0 回
0 回
人 数
0 人
0 人
0 人
介護予防小規模多機能型居宅介護
人 数
15 人
14 人
13 人
介護予防認知症対応型共同生活介護
人 数
0 人
0 人
0 人
地域密着型通所介護(仮称)
地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型通所介護
― 102 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
小田島地区
平成27年度
平成28年度
平成29年度
回 数
373 回
371 回
443 回
人 数
49 人
42 人
42 人
地域密着型サービス
認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護
人 数
91 人
110 人
132 人
認知症対応型共同生活介護
人 数
71 人
71 人
91 人
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 人 数
32 人
32 人
32 人
回 数
-
回
462 回
514 回
人 数
-
人
47 人
52 人
回 数
0 回
0 回
0 回
人 数
0 人
0 人
0 人
介護予防小規模多機能型居宅介護
人 数
15 人
13 人
12 人
介護予防認知症対応型共同生活介護
人 数
0 人
0 人
0 人
平成27年度
平成28年度
平成29年度
回 数
288 回
286 回
342 回
地域密着型通所介護(仮称)
地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型通所介護
長瀞地区
地域密着型サービス
認知症対応型通所介護
人 数
38 人
33 人
33 人
小規模多機能型居宅介護
人 数
70 人
85 人
102 人
認知症対応型共同生活介護
人 数
54 人
54 人
70 人
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 人 数
25 人
25 人
25 人
回 数
-
回
356 回
396 回
人 数
-
人
36 人
40 人
回 数
0 回
0 回
0 回
人 数
0 人
0 人
0 人
介護予防小規模多機能型居宅介護
人 数
11 人
10 人
10 人
介護予防認知症対応型共同生活介護
人 数
0 人
0 人
0 人
地域密着型通所介護(仮称)
地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型通所介護
(6)施設系サービスの見込み
施設系サービスである、介護老人福祉施設と介護老人保健施設、介護療養型医療施設
については、施設入所待機者調査や日常生活圏域ニーズ調査のほかに、各事業所に今後
の整備意向を調査し、さらに、現在の本市の介護サービス提供状況を勘案しながら、そ
れぞれのサービス基盤整備予定を見込みました。
そして、この整備見込みと現在の床数(利用者数)とを合わせて、第6期介護保険事
業計画期間におけるサービス見込量を推計しました。なお、本市における施設入所待機
者も多いことから、施設系サービスについては今後ともサービス量が増加するものと見
込んでいます。
① 介護老人福祉施設
介護老人福祉施設の整備見込みに関しては、前期(第5期)計画現在、市内で4か
所の事業所が計 300 床のサービスを提供していること、また、これまで生活支援サー
ビスや在宅介護サービスの充実を図ってきてもなお施設入所待機者が全体で 400 人ほ
どであることを勘案し推計しました。
なお、介護老人福祉施設の入所者は、本市のみを対象としているわけでなく、他市
町村も含めた広域を対象としています。また、介護保険法の改正により、平成 27 年度
― 103 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
以降の介護老人福祉施設の入所者は原則要介護3以上の方とされ、要介護1・2の方
は認知症などにより在宅生活が困難であるなどとされる特例入所の場合に限られるこ
ととなったことも整備見込みに勘案しました。
また、介護老人福祉施設における入所待機者数から、緊急性のある待機者数を推計
します。今後の入所先等としては、
「介護保険3施設」
「居住系施設」
「在宅」が考えら
れますが、要介護度別から緊急度を「高」、「中」、「低」の3つに区分し、想定入所先
を次の表のとおり推計します。
緊急度
高
人数
介護実態の状況
から緊急を要す
る待機者割合
想定入所先
148 人
103 人(70%)
135 人
中
107 人
低
155 人
32 人(30%)
介護保険
不足数
6割
3施設
81 人
居宅系施設・在宅での介護
※緊急度「高」
:要介護4・5の待機者、緊急度「中」
:要介護3の待機者、緊急度「低」
:その他の待機者
緊急度により「介護保険3施設」や居宅系施設(有料老人ホーム等)、在宅での介護
などに分かれますが、その方の現在おかれている状況(入院中など)により想定入所
先の割合で人数を推計します。さらに、その方の現状や環境的側面、経済的側面など
から、すぐにでも入所できる方の割合で、施設不足数を上表のとおり推計しました。
第6期介護保険事業計画期間におけるサービス見込量については、この施設不足数
と現在の床数を合わせて推計します。
② 介護老人保健施設
現在、市内においては、1施設でサービスを提供しています。事業所に対する意向
調査から、計画期間内の整備計画がなかったことなどから、これまでの実績等をもと
に、横ばいと推計しました。
③ 介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、本市に該当する事業所がありません。そのため、給付実績
は非常に低い状況となっていますので、過去の給付実績などを考慮し、横ばいで推移
すると想定しました。
なお、このサービスについては、介護老人保健施設等への転換が進められており、
介護療養型医療施設の新設は認められていません。
【施設系サービスの見込量】
平成27年度
(年間)
平成29年度
平成28年度
介護老人福祉施設
3,732
人
4,056
人
4,872
人
介護老人保健施設
1,176
人
1,176
人
1,176
人
12
人
12
人
12
人
介護療養型医療施設
― 104 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
第2節 地域支援事業の展開
(1)地域支援事業の改正
地域支援事業とは、給付事業が介護や支援が必要な方のサービス費用そのものである
ことに対し、高齢者の相談支援や介護予防、家族介護者の支援など、高齢者の介護等に
関わる事業のことで、地域支援事業も介護会計で賄われ、多少の違いはあるものの、財
源も給付事業と同じく、公費と保険料となっています。
また、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、
医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される仕組みを「地域包括ケアシ
ステム」といい、その構築が重要視されています。
平成27年度施行の介護保険法改正により、その「地域包括ケアシステム」の構築のた
めの具体的な事業が新たに制度化され、全国的に実施されることとなりました。その新
たな制度は、地域支援事業の制度として位置づけられ、地域支援事業はこれまでと違い、
以下のとおり大きく変わることとなりました。
【地域支援事業の改正】
これまで(~H26)
包
括
的
支
地域包括支援センター(基本4事業)
地域包括支援センター(基本4事業)
1.介護予防ケアマネジメント
1.介護予防ケアマネジメント
2.総合相談支援
2.総合相談支援
3.権利擁護
3.権利擁護
4.包括的・継続的ケアマネジメント支援
4.包括的・継続的ケアマネジメント支援
★地域包括支援センターの機能強化
援
新 在宅医療・介護連携推進事業
○
事
新 認知症総合支援事業
○
地 業
新 地域ケア会議の法定化
○
域
支
援
事
業
これから(H27~)
新 生活支援体制整備事業
○
任意事業(地域の実情に応じ実施)
任意事業(地域の実情に応じ実施)
介護予防事業【本市実施】
介護予防・日常生活支援総合事業(新し
または
い総合事業)※
介護予防・日常生活支援総合事業
1.訪問型サービスと通所型サービス
2.生活支援サービス
3.介護予防支援事業
4.介護予防事業対象者把握事業
5.介護予防普及啓発事業
6.地域介護予防活動支援事業
7.一般介護予防事業評価事業
8.地域リハビリテーション活動支援事業
※新しい総合事業…本市においては平成29年度から実施。平成27・28年度は、引き続き介護予防事業を実施。
― 105 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
新 」と付いたもの)については、
包括的支援事業の新たな4つの事業(上記の表の「○
「第5章
地域包括ケアシステムの構築」で前述しましたので、ここでは、介護予防事
業並びに介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)と地域包括支援センター、
任意事業について考えます。
(2)介護予防事業と介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)の展開
本市では、第6期介護保険事業計画期間のはじめ2年間(平成27から28年度)は、こ
れまでと引き続き介護予防事業を実施し、計画期間最終年(平成29年度)から介護予防・
日常生活支援総合事業(新しい総合事業)に取り組みます。
平成29年度は、新たに介護予防等のサービスを受ける高齢者から随時新しい総合事業
によるサービスを開始し、前年度からの継続で介護予防事業等のサービスを受けている
高齢者は、更新時期もしくは年度末に新しい総合事業によるサービスに更新します。
なお、年度別の各事業の考え方(概要)は以下のとおりです。
介護予防事業と介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業) (概要)
①介護予防事業の
誰もが参加しやすい介護予防の場を拡充し、また、市民の自主
推進
的な取組みとして予防の活動が定着するように、普及啓発に取
(平成27年度、平
組みます。
成28年度)
1.一次予防事業【介護予防普及啓発事業、地域介護予防活動
支援事業】
2.二次予防事業【対象者把握事業、通所型介護予防事業、訪
問型介護予防事業】
②介護予防・日常生 地域の実情に応じて効果的かつ効率的に介護予防や生活支援
活支援総合事業(新 サービスを提供できるようにします。
しい総合事業)の実 1.介護予防・生活支援サービス事業
施
イ.訪問型サービス【現行に準じた介護事業所によるサービ
(平成29年度以
ス、現行基準を緩和したサービス、住民主体によるサービ
降)
ス(実施未定)、短期集中予防サービス(現行の二次予防
事業)、移動支援(実施未定)】
ロ.通所型サービス【現行に準じた介護事業所によるサービ
ス、現行基準を緩和したサービス、住民主体によるサービ
ス(実施未定)、短期集中予防サービス(現行の二次予防
事業)】
ハ.生活支援サービス【配食・見守りなど(実施未定)】
ニ.介護予防支援事業【介護予防・生活支援サービス事業の
み利用の場合に、地域包括支援センター等が介護予防ケア
マネジメントを実施】
2.一般介護予防事業
イ.介護予防事業対象者の把握事業【基本チェックリストを
― 106 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
活用して介護予防事業に参加すべき高齢者を把握】
ロ.介護予防普及啓発事業【介護予防教室や講演会開催、パ
ンフレットの配布など】
ハ.地域介護予防活動支援事業【高齢者向けサロンの開催、
ボランティア講座の開催など】
ニ.介護予防事業評価事業【介護保険事業計画に定める目標
値の達成状況等を検証し、一般介護予防事業の評価を行う】
ホ.地域リハビリテーション活動支援事業【リハ職等を活か
した自立支援に資する取組】
★要支援者の訪問介護と通所介護が、いわゆる「市町村事業(新しい総合事業)」に
なりますが、希望により「現行に準じたサービス」を受けられれば、現在と同等の
サービスが提供されます。
(3)介護予防事業の推進
介護予防事業は、高齢者人口の増加に伴い、軽度の要介護認定者、特に体を動かさな
いことが原因で、心身の機能が低下した認定者が増加してきたことを背景に、平成 18 年
度に創設されました。
介護予防事業には、高齢者全般を対象とした「一次予防事業」と、要介護状態になる
危険性が高い人を対象とした「二次予防事業」があります。このうち二次予防事業は、
国の指針では、全高齢者人口の5%の参加率を目標としていますが、まだまだ低い状況
です。
介護予防事業を積極的に展開し、元気でいきいき過ごす高齢者が増えることを目指し
ていきます。
① 一次予防事業
一次予防事業は、高齢者の生活機能の維持または向上のため、介護予防に関する知
識の普及啓発を行い、地域における自発的な介護予防に資する活動の育成・支援を行
います。
リスクアセスメントに基づく予防の視点で、高齢者を取り巻く環境を変えることで、
将来にわたる介護予防を図っていきます。
A 介護予防普及啓発事業
介護予防普及啓発事業として、さくらんぼタントクルセンターや地域公民館等を会
場にした介護予防教室や講演会、パンフレットの配布などを実施して知識の普及啓発
に努めます。
介護予防教室の開催回数と参加人数の見込量は、実績をもとに横ばいと推計しまし
た。
― 107 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
【 介護予防教室の見込量 】
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
開催回数
110 回
110 回
110 回
参加人数
2,200 人
2,200 人
2,200 人
※平成 29 年度は、介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)による実施。
B 地域介護予防活動支援事業
閉じこもり傾向にある人は、通常より要介護(要支援)状態になりやすいとい言わ
れています。これらを未然に防止するためには、ボランティアや地域住民の協力が必
要です。
今後も市社会福祉協議会と連携を図り、高齢者向けサロンの開催や介護予防に資す
るボランティア活動を支援していきます。
ボランティア講座の開催回数の見込量は、横ばいで推計しました。
【 地域介護予防活動支援事業の見込量 】
平成 27 年度
6 回
ボランティア講座
平成 28 年度
平成 29 年度
6 回
6 回
※平成 29 年度は、介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)による実施。
② 二次予防事業
二次予防事業は、生活機能が低下し要介護(要支援)状態等になるおそれが高い高
齢者を把握し、そのハイリスク者に対して、通所型・訪問型介護予防事業を実施しま
す。
生活機能が低下したときに、速やかに支援する体制づくりや、対象者の経年的な経
過把握を行う必要があります。
A 二次予防事業の対象者把握事業
平成 27 年度からは、75 歳以上の高齢者(要介護・要支援認定者は除く)に対して、
基本チェックリストを郵送で配布・回収を行い、二次予防事業の対象者把握の充実を
図ります。
見込量については、平成 26 年度実績値より大幅な減少を見込みました。
(平成 26 年
度までは、全高齢者に対して基本チェックリストを実施していたため)
【 二次予防事業対象者把握事業の見込量 】
平成 27 年度
二次予防事業対象者の把握
1,000 人
平成 28 年度
平成 29 年度
1,000 人
※平成 29 年度は、介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)による実施。
― 108 ―
1,000 人
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
B 通所型介護予防事業
二次予防事業対象者として決定された人に対して、運動機能の維持・向上と口腔機
能の維持・向上及び栄養改善に関する事業を実施します。
運動機能向上事業に対する参加希望が多いことから、大幅な増加を見込みました。
今後は、二次予防事業対象者の大幅な増加に対応するために、事業の定員増加が必
要と思われます。
【 通所型介護予防事業の見込量 】
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
運動機能向上
110 人
110 人
120 人
口腔機能向上
30 人
30 人
30 人
栄養改善
10 人
10 人
10 人
※平成 29 年度は、介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)による実施。
C 訪問型介護予防事業
二次予防事業対象者であり、閉じこもり、うつ、認知症のおそれがあるなどの心身
の状況により、通所型介護予防事業への参加が困難な高齢者を対象に、保健師等が自
宅を訪問して必要な相談・指導を行います。
訪問型介護予防事業の実施人数は、実績をもとに横ばいと見込みました。
【 訪問型介護予防事業の見込量 】
平成 27 年度
5 人
保健師等訪問
平成 28 年度
平成 29 年度
5 人
5 人
※平成 29 年度は、介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)による実施。
(4)包括的支援事業(地域包括支援センター)
これまで、本市では、市域全体を圏域とする地域包括支援センターを1か所設置し、
また、地域の相談窓口として市内5か所にブランチを設置して、高齢者が日々の生活を
安心して送ることができるように支援してきました。
①地域包括支援センターの機能強化
現在、
「地域包括ケアシステム」の構築が図られている状況で、高齢者・要介護認定
者・認知症高齢者数が増加し、刻々と変わる社会情勢の中で高齢者を取り巻く環境も
ますます厳しくなっており、地域包括支援センターに寄せられる相談内容も複雑化し、
かなり難しい課題に直面しています。センターでは、こうした課題や処遇に対応する
時間も長くなり、そうしたことでセンターの正常な機能・業務に支障がでる可能性も
高くなっている現状があります。
また、平成 27 年4月施行の改正介護保険法では、地域包括支援センターの機能強化
を図ることを法的に位置づけており、本市としても、こうした状況を重要な課題と捉
― 109 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
えながら、抜本的な機能強化を図る必要があると考えています。
そのような中で、高齢者がますます増加している現状もあり、その能力を最大限発
揮するためには、現在の1か所から2か所に増設し、これらの課題に対応していかな
ければならないと考えています。
なお、これに伴い、市内5か所のブランチは、平成 26 年度末をもって廃止します。
また、包括的支援事業に位置づけられた新たな事業についても、地域包括支援セン
ターが中心となって推進し、「地域包括ケアシステム」の構築に繋げなければなりま
せん。そのためにも、センターの機能強化は不可欠であり、市や医療・保健・介護等
の各分野の機関と連携を密にし、運営していかなければなりません。
地域包括支援センターが行う基本的な業務は、以下の表のとおりです。
【包括的支援事業(地域包括支援センターによる基本4事業)】
地域包括支援センター(基本4事業)
要介護状態等になることを予防するため、介護予防事業を
介護予防ケアマネ 含めた適切なサービスが心身の状況に応じて、その対象者
ジメント業務
の選択により包括的かつ効率的に提供されるよう、必要な
援助や調整を行う業務
総合相談支援業務
権利擁護業務
包括的・継続的ケ
アマネジメント業
務
高齢者を対象に、保健医療の向上や福祉の増進を図るため
総合的な支援を行う業務
高齢者を対象に、権利擁護のため必要な援助を行う業務
高齢者を対象に、保健医療・福祉の専門家がケアプランを
検証し、心身等の状況を定期的に協議するなどの取組を通
じて、地域において自立した日常生活を送ることができる
ように包括的・継続的な支援を行う業務
以上の体制に基づき、基本4事業の見込量を下記のとおり推計します。
② 介護予防ケアマネジメント
第6期介護保険事業計画期間における介護予防ケアマネジメントの見込量について
は、これまでの二次予防事業対象者の把握数及び利用者数の実績値と今後の受け皿と
なるサービス基盤整備計画を勘案し、次のように推計しました。
【 介護予防ケアマネジメントの見込量 】
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
140 人
140 人
150 人
二次予防事業対象者に対するケアマネジメント
※平成 29 年度は、介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)による実施。
③ 総合相談支援・権利擁護
総合相談支援・権利擁護事業の見込量については、高齢者を取り巻く環境が刻々と
― 110 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
変化し、厳しい社会情勢になってきていることや、地域包括センターが市民に対し非
常に浸透してきたこと、さらには前期(第5期)計画期間における実績値等から、増
加傾向にあるものと見込みました。
また、平成 21 年度から実施している高齢者見守りネットワークについては、関係機
関や団体等の連携をより一層強化しつつ、高齢者が安心して生活できる地域づくりの
ために推進していきます。
【 総合相談支援・権利擁護事業の見込量 】
平成 27 年度
総合相談支援(相談件数)
2,700 件
平成 28 年度
2,750 件
平成 29 年度
2,800 件
④ 包括的・継続的ケアマネジメント
包括的・継続的ケアマネジメントとは、地域における連携・協働の体制づくりや介
護支援専門員に対する支援等を行い、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることが
できるようにしていくものです。
第6期介護保険事業計画期間における見込量については、実績から横ばいと見込み
ましたが、サービス事業所連絡会議等のネットワーク作りだけでなく、困難事例を抱
えているケアマネジャーへの助言といった支援策についても強化していきます。
【 包括的・継続的ケアマネジメントの見込量 】
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
サービス事業所連絡会議
3 回
3 回
3 回
介護支援専門員研修会
1 回
1 回
1 回
地域ケア総合調整会議
2 回
2 回
2 回
⑤ 地域包括支援センターの運営
地域包括支援センターは、先に記載した基本4事業のほかに、介護予防支援事業所
としての役割も兼ね備えています。
介護予防支援事業は、要支援1及び要支援2の認定を受けた被保険者に対するケア
マネジメントを指しますが、先の介護予防ケアマネジメント業務と一体的に実施する
ことにより、連続的で一貫性のあるケアマネジメントの実施が可能となっています。
ケアマネジメントの必要性は、基本的には年々高まっていきますが、平成29年度から
の「介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)」の実施により、介護予防
訪問介護と介護予防通所介護が予防給付サービスから外れるため、柔軟な対応をとる
必要があります。
また、地域包括支援センターの運営に関し、中立性や公平性を確保する目的で、地
域包括支援センター運営協議会を設置しています。各専門分野の代表者14人の委員会
定数で構成されており、地域包括支援センターの過去の運営を評価するとともに、本
― 111 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
計画の進捗状況や介護サービスに対する評価、さらには地域密着型サービスの指定に
関する審議等も実施しています。
(5)任意事業
地域の実情に応じ、介護保険の安定的運営を図るとともに、高齢者本人や高齢者を介
護する家族等に対し必要な支援を行う事業が任意事業です。
任意事業を構成する各事業は以下のとおりで、第6期介護保険事業計画期間も継続し
て実施していきます。
① 介護給付等費用適正化事業
現在実施している介護認定審査会委員に対する独自の研修会や、事業者に対する制
度の周知徹底をさらに推進するとともに、介護保険制度を活用した住宅改修の適正化
やケアプランの精度を上げるための事業等を行い、介護給付費の適正化を図ります。
また、これらを具体化するため「東根市介護給付費適正化計画」を策定し、実施して
いきます。
② 家族介護支援事業
家族介護支援事業については、これまでの実績等を勘案し、横ばいで推計しますが、
在宅介護者の正しい理解やレスパイトに繋がる事業として有効であるため、さらなる
事業の拡大を図ります。
【 家族介護支援事業の見込量 】
平成 27 年度
家族介護教室事業
家族介護者交流激励支援事業
平成 28 年度
平成 29 年度
4 回
4 回
4 回
150 人
150 人
150 人
3 回
3 回
3 回
80 人
80 人
80 人
③ その他の事業
成年後見制度利用支援事業及び福祉用具・住宅改修支援事業については、実績から
見込値を推計していますが、制度が広く市民に浸透するよう、より一層の周知を図り
ます。
また、家族介護支援事業における家族介護教室での講義内容や、認知症サポーター
養成講座により、総合的な認知症高齢者の支援の1つとして有効なものと考え、さら
に、地域における相互扶助力の醸成を図ります。
― 112 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
【 成年後見制度の見込量 】
平成 27 年度
成年後見制度利用支援事業
1 件
平成 28 年度
1 件
平成 29 年度
1 件
【 福祉用具・住宅改修支援事業の見込量 】
平成 27 年度
住宅改修支援事業
10 件
平成 28 年度
10 件
平成 29 年度
10 件
【認知症サポーター養成事業の見込量 】
平成 27 年度
認知症サポーター養成講座
― 113 ―
平成 28 年度
平成 29 年度
6 回
6 回
6 回
350 人
350 人
350 人
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
第3節 第1号被保険者保険料の見込み
(1)標準給付見込額の推計
「第7章 第1節 介護給付費等対象サービスの計画」で推計した事業量に基づき、
第6期介護保険事業計画の介護(予防)給付費を以下のように見込みました。
【介護給付費の推計】
介護給付費については、高齢者や要介護認定者の増加、サービス受給者の増加が大き
く、全体として増加していく見込みとしています。
(単位:円/年)
平成27年度
居宅サービス
平成28年度
平成29年度
1,113,458,674
1,204,998,622
1,335,727,677
訪問介護
80,799,989
84,152,327
79,320,015
訪問入浴介護
20,010,887
18,488,333
13,453,244
訪問看護
28,721,046
37,194,994
44,458,988
訪問リハビリテーション
7,634,686
8,203,282
8,834,100
居宅療養管理指導
8,007,507
9,884,713
11,684,043
通所介護
474,151,435
497,371,000
546,698,000
通所リハビリテーション
128,706,547
144,968,460
185,636,584
短期入所生活介護
212,949,401
235,081,915
254,769,706
短期入所療養介護
5,441,610
9,653,673
14,339,243
特定施設入所者生活介護
79,422,958
82,896,843
93,942,808
福祉用具貸与
65,747,008
75,010,730
80,086,540
特定福祉用具販売
1,865,602
2,092,353
2,504,405
地域密着型サービス
450,962,326
519,904,659
612,652,643
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
0
0
0
夜間対応型訪問介護
0
0
0
26,385,397
25,314,025
29,884,869
小規模多機能型居宅介護
158,424,678
191,515,554
224,272,138
認知症対応型共同生活介護
181,513,527
181,162,868
232,871,424
0
0
0
84,638,723
84,475,212
84,475,212
0
0
0
37,437,000
41,149,000
8,988,804
12,580,057
17,128,471
137,481,492
154,290,176
167,825,297
1,233,706,437
1,310,707,105
1,512,568,236
介護老人福祉施設
925,848,710
1,003,444,118
1,205,305,249
介護老人保健施設
304,415,370
303,827,280
303,827,280
3,442,357
3,435,707
3,435,707
2,944,597,733
3,202,480,619
3,645,902,323
認知症対応型通所介護
地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
地域密着型通所介護(仮称)
住宅改修
居宅介護支援
介護保険施設サービス
介護療養型医療施設
介護給付費計
※地域密着型通所介護(仮称)は、平成 28 年度からの新規サービス。これまでの通所介護事業所で定員
が 18 人以下の小規模事業所について、居宅サービスから地域密着型サービスに移行。
― 114 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
【予防給付費と総給付費の推計】
予防給付費の第6期介護保険事業計画における見込量は、平成28年度までは微増、平
成29年度に減少すると推計しています。介護予防訪問介護と介護予防通所介護サービス
を平成29年度より「介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)」に移行する
予定としていることから、前年度と比較して少額になっています(平成28年度からの継
続で介護予防訪問介護と介護予防通所介護を利用する者は、本予防給付費より支出。)。
なお、総給付費(合計)としては、毎年度増加するものと見込んでいます。
(単位:円/年)
平成27年度
介護予防サービス
平成28年度
平成29年度
126,967,976
131,770,871
103,580,310
10,377,787
11,143,796
5,494,796
0
0
0
介護予防訪問看護
5,761,310
7,191,517
8,921,967
介護予防訪問リハビリテーション
1,293,845
660,457
187,607
介護予防居宅療養管理指導
1,276,494
1,526,436
1,799,512
介護予防通所介護
61,775,717
62,793,000
27,635,538
介護予防通所リハビリテーション
21,162,259
19,050,358
28,265,712
介護予防短期入所生活介護
6,270,540
5,201,649
4,182,059
介護予防短期入所療養介護
0
0
0
11,608,248
15,873,789
18,017,772
介護予防福祉用具貸与
6,146,073
7,024,005
7,989,306
特定介護予防福祉用具販売
1,295,704
1,305,865
1,086,041
地域密着型介護予防サービス
10,497,731
9,466,594
8,482,264
0
0
0
10,497,731
9,466,594
8,482,264
0
0
0
0
0
介護予防訪問介護
介護予防訪問入浴介護
介護予防特定施設入所者生活介護
介護予防認知症対応型通所介護
介護予防小規模多機能型居宅介護
介護予防認知症対応型共同生活介護
介護予防地域密着型通所介護(仮称)
住宅改修
5,219,915
6,760,848
8,227,509
13,485,573
13,864,604
14,185,074
156,171,196
161,862,917
134,475,156
3,100,768,929
3,364,343,536
3,780,377,480
介護予防支援
予防給付費計
総 給 付 費 ( 合 計 )
【標準給付費の推計】
総給付費に、特定入所者介護サービス費、高額介護サービス費、高額医療合算介護サー
ビス費等給付費、審査支払手数料を加えた額が、標準給付費となります。
なお、平成27年度施行の介護保険法改正により、一定以上所得者は利用者負担割合が
これまでの1割から2割に変更され、特定入所者介護サービス費等給付額では配偶者の
所得や資産なども勘案して該当者を決めることとなるため、それらの影響額も以下のと
おり推計し、標準給付費を算出しています。
― 115 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
(単位:円/年)
平成27年度
総給付費(一定以上所得者負担の調整後)
平成28年度
平成29年度
合計
3,091,651,835 3,349,318,010 3,763,748,432 10,204,718,277
3,100,769,000 3,364,344,000 3,780,378,000 10,245,491,000
総給付費
9,117,165
15,025,990
16,629,568
40,772,723
135,108,050
126,252,826
128,047,196
389,408,071
特定入所者介護サービス費等給付額(※2)
152,657,845
157,237,580
161,954,707
471,850,132
補足給付の見直しに伴う財政影響額(※3)
17,549,795
30,984,754
33,907,511
82,442,061
高額介護サービス費等給付額
53,865,648
57,582,378
61,555,562
173,003,588
高額医療合算介護サービス費等給付額
13,381,042
14,304,333
15,291,332
42,976,707
3,978,302
4,252,727
4,546,267
12,777,297
53,761件
57,469件
61,436件
172,666件
一定以上所得者の利用者負担の見直しに伴う財政影響額(※1)
特定入所者介護サービス費等給付額(資産等勘案調整後)
審査支払手数料
支払件数
標準給付費
3,297,984,877 3,551,710,275 3,973,188,789 10,822,883,940
※1.一定以上所得者の利用者負担の見直しに伴う財政影響額
・・・・・利用者負担割合が2割になった場合、その分総給付費から差し引かれる額。平成
27 年8月施行のため、平成 27 年度は8カ月のみの影響となり、平成 28 年度以降
は 12 カ月の影響となる。
※2.特定入所者介護サービス費(補足給付)
・・・・・低所得者等に対して、施設サービス・短期入所サービスの食費・居住費(滞在費)
の一定の額を介護報酬で補足するもの。
※3.補足給付の見直しに伴う財政影響額
・・・・・特定入所者介護サービス費等給付額については、これまで利用者本人やその同一世
帯員の住民税非課税により該当者を判定していたが、平成 27 年8月以降は配偶者
の所得や預貯金等の資産を勘案して該当者を判定するため、これまでと比較して該
当しない場合の影響額が出る。なお、平成 27 年8月施行のため、平成 27 年度は8
カ月のみの影響となり、平成 28 年度以降は 12 カ月の影響となる。また、平成 28
年8月からは、非課税年金も勘案して判定することとなる。
【地域支援事業の事業規模】
新しい総合事業開始前
地域支援事業(全体)
介護予防事業
包括的支援事業+任意事業
新しい包括的支援事業
平成27年度~平成28年度
介護保険事業計画で推計された給付見込額の 3.0% 以内
介護保険事業計画で推計された給付見込額の 2.0% 以内
平成26年度の上限額 × 65歳以上高齢者の伸び率など
4つの各事業に係る算定式の合計額
新しい総合事業開始後
平成29年度
地域支援事業(全体)
(上限設定なし)
新しい総合事業
平成28年度の予防給付等の実績額 × 75歳以上高齢者の伸び率など
包括的支援事業+任意事業
新しい包括的支援事業
平成26年度の上限額 × 65歳以上高齢者の伸び率など
4つの各事業に係る算定式の合計額
地域支援事業費は、前期(第5期)計画までは、包括的支援事業と任意事業の事業費
の合計、介護予防事業の事業費は、それぞれ事業計画の給付予想額に2%を乗じた額の
― 116 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
範囲内とし、さらに、地域支援事業費全体として、事業計画の給付予想額に3%を乗じ
た額が上限とされていました。
しかし、平成27年度施行の介護保険法改正の大きな柱ともなっている「地域包括ケア
システム」の構築のため、地域支援事業が大きく改正されたため、上表のとおり上限計
算を3つの事業に分け、新しい総合事業開始後は、全体での上限は設定しないこととさ
れました。
大きく改正された地域支援事業ですが、今後の事業費を下表のとおり推計しています。
【地域支援事業費の推計】
地域支援事業費
介護予防事業・新しい総合事業
(参考)推計上限額
(参考)保険給付費見込額に対する割合
包括的支援事業(基本事業分)・任意事業
(参考)推計上限額
(参考)保険給付費見込額に対する割合
包括的支援事業(重点事業分)
(参考)推計上限額
(参考)保険給付費見込額に対する割合
地域支援事業費 合計
(参考)保険給付費見込額に対する割合
平成27年度
平成28年度
平成29年度
(単位:円)
合
計
21,263,000円
22,333,000円
70,101,000円
113,697,000円
65,959,697円
71,034,205円
74,977,677円
211,971,579円
0.6%
0.6%
1.8%
1.1%
25,100,000円
25,070,000円
44,074,000円
94,244,000円
63,261,730円
63,383,709円
63,087,887円
189,733,326円
0.8%
0.7%
1.1%
0.9%
3,624,000円
7,659,000円
7,659,000円
18,942,000円
20,893,000円
20,893,000円
20,893,000円
62,679,000円
0.1%
0.2%
0.2%
0.2%
49,987,000円
55,062,000円
121,834,000円
226,883,000円
1.5%
1.6%
3.1%
2.1%
【介護給付費の動向】
これまでに示した【介護給付費の推計】【予防給付費と総給付費の推計】【標準給付
費の推計】【地域支援事業費の推計】を基にして、第6期介護保険事業計画期間におけ
る介護保険料を推計します。なお、高齢者の増加に伴い介護サービスの利用量も増えて
おり、その分、介護保険料も高くなる傾向にあります。
また、介護給付費総額のこれまでの決算額及び第6期介護保険事業計画期間の推計を
グラフにしてみると、次のとおりとなりますが、前述の高齢者や要介護認定者の増加を
加味した介護サービスの計画により、介護給付費も年々増加することがわかります。
「介護給付費の動向(第 4 期~第 6 期)」
第4期
第5期
※平成21~25年度は実績値、平成26~29年度は見込値。地域支援事業費を除く。
― 117 ―
第6期
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
【介護給付費の主な増加要因】
上記のグラフのように、年々介護給付費が上昇するのは、以下のような要因があると
考えられます。
① いわゆる「団塊の世代」が65歳以上の高齢者になることなどにより、高齢者が増加
し、それに比例して要介護・要支援認定者も増加するため。
② 介護保険制度が高齢者に浸透し、サービス受給の割合も増えているため。また、サー
ビスが多様化し、個々の高齢者に合ったサービスが見つけやすくなったため。
③ 特別養護老人ホームなどの入所施設が年々整備され、施設サービス費に直接反映さ
れてくるため。
④ 高齢者の状況に合わせ、介護報酬の単位数や単価も変更され、また、様々な加算も
新設されるなど、サービス内容に応じた介護報酬単価の設定になってきているため。
⑤ 認知症や医療対応の必要な方の在宅介護を支える介護保険サービスが充実するな
ど、様々な状況に対応できるよう、新たな介護保険サービスも増えているため。
(2)介護保険料段階設定
介護給付費の増加に伴い、保険料負担も増大しています。より安定的な介護保険制度
の運営のためには、これまで以上に、それぞれの被保険者の負担能力に応じて保険料を
設定する必要があります。そのため、国が定めた基準として、現在の6段階から9段階
に細分化し、負担の公平化を図っています。なお、所得の低い方(第1から3段階の方)
については、別途公費により軽減を強化するという仕組みも規定されています。
本市でも、国の基準に従い、9段階に細分化したうえで、各被保険者の負担能力に応
じた保険料を設定していきます。
― 118 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
【介護保険料段階移行のイメージ】
生活保護者等
【
世帯全員住民
税非課税かつ
本人年金収入
等80万円以下
等
標
準
6
段
階
1.5
1.25
1.0
】
第
5
期
世帯全員住民
税非課税かつ
本人年金収入
等80万円超
120万円以下
0.83
0.75
0.65
0.5
第3段階
0.5
世帯全員住
民税非課税
第1段 第2段 特例第3段階 かつ年金収
階
階
入等120万円
超等
第1・第2
の統合
特例第4段階
本人住民税
非課税かつ
年金収入等
80万円以下
本人住民税
非課税(世帯
に課税者が
いる)
第6段階
第5段階
第4段階
住民税課税か
つ基準所得金
額190万円以
上
住民税課税か
つ基準所得金
額190万円未
満
第6の一段上
の多段階化を
標準化
第5の
分割
特例第3
特例第4
の標準化
1.7
1.5
【
】
第
6
期
標
準
9
段
階
※第1段階は
H27・28年度
は基準の
0.45。H29年
度は0.3。
※第2段階は
H27・28年度
は基準の
0.75。H29年
度は0.5。
※第3段階は
H27・28年度
は基準の
0.75。H29年
度は0.7。
0.75
0.75
1.3
1.2
1.0
0.9
0.7
0.5
0.5
0.45
新
第3段階
新
第4段階
新
第5段階
新
第2段階
0.3
新
第1段階
新
第6段階
新
第7段階
段階分け
基準所得
金額120万
円
新
第8段階
段階分け
基準所得
金額190万
円
新
第9段階
段階分け
基準所得
金額290万
円
※
の部分は、平成27~29年度において、別枠の公費投入による軽減を行うもの。
※
の部分は、平成29年度において、別枠の公費投入による軽減を行うもの。
なお、消費税税率10%分を財源としているため、実施については未定。
(3)介護保険給付にかかる財源構成
右のグラフは介護給付費に係る費用の財源(負
担割合)になります。
必要な費用の半分を公費(国・県・市町村)で
負担し、残る半分を保険料で負担します。
公費のうち、国がその半分、残りの半分を県と
市で折半しています。
保険料は、65歳以上の方(第1号被保険者)の
第1号保険料と、40から64歳の方(第2号被保険
者)の第2号保険料があり、第6期介護保険事業
計画期間の第1号保険料の負担割合は、現行(第5期期間)の21%から22%に変更(第
2号保険料の負担割合は、29%から28%となります)となる見込みです。これは、高齢
者が増加し、人口構成割合が変化したことへの対応であり、高齢者1人当たりの負担を
― 119 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
増やす趣旨ではありません。
(4)介護サービス見込に基づく第1号介護保険料の算定
前述の「介護給付費の動向」における第6期介護保険事業計画期間の介護給付費の22%
相当分を賄えるように、第1号介護保険料を算定しなければなりません。第6期介護保
険事業計画期間の介護給付費は、前期(第5期)計画期間と比較し約21億円増える見込
みです。そのため、第1号介護保険料も、前期(第5期)計画期間中の保険料より高く
算定しなければなりません。
なお、高齢者を取り巻く環境が日増しに厳しくなっている状況を踏まえ、本市設置の
介護保険給付基金から47,000千円を繰り入れ、第6期介護保険事業計画における保険料
上昇抑制のために活用します。
以上により、第6期介護保険事業計画(平成27~29年度)の介護保険料基準額(月額)
は4,900円とします。(現在の介護保険料基準額(月額)は3,680円です。
)
【介護保険料の推移】
計画期間
介護保険料
(基準額)
増減額
H12~14
2,612円/月
-
H15~17
2,864円/月
252円
3,107円/月
512円
3,293円/月
H18~20
3,080円/月
216円
3,799円/月
692円
4,090円/月
H21~23
3,180円/月
100円
3,902円/月
103円
4,160円/月
H24~26
3,680円/月
500円
4,784円/月
882円
4,972円/月
H27~29
4,900円/月
1,220円
5,644円/月
860円
-
県平均額
2,595円/月
増減額
全国平均額
-
2,911円/月
第4節 費用負担の公平化
(1)費用負担の公平化(概要)
平成27年度施行の介護保険法改正のもう一つの柱が「費用負担の公平化」です。介護
保険制度の安定した運営や持続性を高めるため、被保険者の能力に応じた負担が求めら
れ、平成27年度以降、主に以下の改正が行われます。
利用者負担割合の見直
し
高額介護サービス費の
見直し
平成27年8月から、65歳以上の利用者のうち一定以上の所得
がある方については、サービスを利用する際の負担割合が2
割になります。
平成27年8月から、65歳以上の利用者のうち一定以上の所得
がある方については、高額介護サービス費の月額上限を
37,200円から44,400円に引き上げます。
― 120 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
補足給付※の見直し
第一号介護保険料の多
段階化・軽減強化
平成27年8月から、補足給付の判定に世帯外の配偶者の所
得、預貯金等の資産を勘案します。平成28年8月から負担段
階の判定に遺族年金等の非課税年金を勘案します。
平成27年度から、第1号介護保険料の標準段階を6段階から
9段階に見直します。また、住民税非課税世帯の介護保険料
の軽減割合を拡大します。
※「第3節
(2)介護保険料段階設定」に記述しています。
※補足給付…低所得者等に対して、施設サービス・短期入所サービスの食費・居住費(滞在費)の一定の額を
介護報酬で補足するもの
(2)利用者負担割合の見直し
介護保険制度の創設以来、利用者負担を1割とし、高額介護サービス費の負担限度額
も据え置いてきましたが、その間、高齢者医療制度では、負担割合も、負担限度額も順
次引き上げられてきました。今後、高齢化の更なる進展に伴い、介護保険制度の持続可
能性を高めるためにも、費用負担の公平化が必要な状況となっています。
なお、高額介護サービス費の仕組みに基づき、利用者負担には月額上限が設けられて
いますので、負担割合が2割となっても、対象者全員の負担が必ずしも2倍となる訳で
はありません。
【負担割合2割の対象者】
○65歳以上の被保険者のうち合計所得金額160万円以上の方。
(例:単身で年金収入のみの場合、年金収入280万円以上の方。)
ただし、合計所得金額が160万円以上であっても、
「年金収入とその他の合計所得金額」
の合計が単身世帯の方で280万円、2人以上世帯の方で346万円未満の場合を除きます。
※単身世帯=第1号被保険者が1人のみの世帯。2人以上=第1号被保険者が2人以上。
【その他事項】
○住民税で用いる前年所得に係るデータに基づき、保険者にて判定します。
○要介護(支援)認定を受けている者が他市町村に転出する際は、受給資格証明書に、
負担割合及び当該負担割合を1割とした場合の判定要件等の情報を記載します。
― 121 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
○介護サービス事業所等が確認できるよう、利用者負担割合証を認定者全員に交付しま
す。(有効期間は当該年度の8月1日から翌年度の7月31日まで)
○住民税の所得申告内容の変更、転出入、死亡等による世帯の状況の変更があった場合
には、遡って負担割合が変更になる場合があります。
○要介護(要支援)認定を受けた第2号被保険者に発行する負担割合証に、65歳到達後
の負担割合を併記します。
(3)高額介護サービス費の見直し
介護保険の高額介護サービス費の限度額は、介護保険制度創設時の医療保険の高額療
養費に合わせて設定しましたが、医療保険の一般世帯の限度額が既に引き上げられてい
ることもあり、介護保険では、現役並み所得者に相当する方がいる世帯に限定して、医
療保険並みの限度額に引き上げます。
【現役並み所得の判定基準】
○同一世帯内の第1号被保険者に現役並み所得相当の者がいる場合に、その世帯の負担
の上限額を44,400円とします。
○現役並み所得相当の方の基準は、高齢者医療と同様とし、住民税申告内容の課税所得
145万円以上の方となります。(課税所得とは、所得金額から所得控除を差し引いた、
いわゆる「課税標準額」になります。)
ただし、課税所得145万円以上の場合でも、同一世帯内の第1号被保険者の収入が、
1人のみの場合 383万円
2人以上の場合 520万円
に満たない場合を除きます。
自己負担限度額(月額)
現役並み所得相当
44,400円(世帯)
一般
37,200円(世帯)
住民税世帯非課税等
24,600円(世帯)
年金収入80万円以下等
→ 追加された限度額
これまでの限度額
15,000円(個人)
【その他事項】
○高額介護サービス費の支給を受けるには、申請が必要です。
○上記判定基準のただし書きによる収入の判定(以下、「ただし書き判定」という。)
にも、被保険者による申請が必要です。
○ただし書き判定の申請により、基準を下回る場合には、申請があった月の翌月初日か
ら上限を37,200円とします。
(4)補足給付の見直し
補足給付とは、低所得者等に対して、施設サービス・短期入所サービスの食費・居住
― 122 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
費(滞在費)の一定の額を介護報酬で補足するもので、「特定入所者介護(予防)サービ
ス費」といいます。
この特定入所者介護サービス費は、低所得者等に対するものであるため、介護給付と
は異なった福祉的な性格や経過的な性格を持っており、①食費や居住費を負担して在宅
で生活する方との公平性を図る必要があること、②預貯金等を保有し負担能力が高いに
もかかわらず、保険料を財源とした補足給付が行われる不公平を是正する必要があるこ
とといった観点から以下の見直しを実施します。
【概要】
①配偶者の所得の勘案【平成27年8月施行】
世帯分離(施設入所と居宅など)していても配偶者の所得を勘案して対象者を判定
します。
②預貯金等の勘案【平成27年8月施行】
預貯金等について、単身の場合は1,000万円以下、夫婦の場合は2,000万円以下であ
ることを対象者の該当要件に追加します。
③非課税年金の勘案【平成28年8月施行】
第2段階と第3段階は、年金収入及び合計所得金額の合計額で判定していますが、
遺族年金及び障害年金などといった非課税年金の額もこの額に含めて対象者を判定し
ます。
【各事項の詳細】
①配偶者の所得の勘案
A
配偶者の確認方法
基本的には、申請書に配偶者の氏名、生年月日、住所等の欄を設けて、記入してい
ただきます。なお、必要に応じて戸籍調査や所得調査を実施します。
B
配偶者の範囲
婚姻届を提出していない事実婚も含みます。ただし、①DV防止法における配偶者
からの暴力を受けた場合や、②行方不明の場合などは対象外とします。
②預貯金等の勘案
A
預貯金等の範囲
資産性があるもの、換金性が高いもの、かつ価格評価が容易なものを資産勘案の対
象とします。また、価格評価を確認できる書類の入手が容易なものについては添付を
求めます。
― 123 ―
Ⅱ 第7章 介護保険事業の見込み
種類
預貯金(普通・定期)
対象か否か
○
有価証券(株式・国債・地方債・
社債など)
金・銀(積立購入を含む)など、
購入先の口座残高によって時価評
価額が容易に把握できる貴金属
投資信託
○
○
確認方法
通帳の写し(インターネットバ
ンクであれば口座残高ページの
写し)
証券会社や銀行の口座残高の写
し(ウェブサイトの写しも可)
購入先の銀行等の口座残高の写
し(ウェブサイトの写しも可)
タンス預金(現金)
負債(借入金・住宅ローンなど)
生命保険
○
○
×
銀行、信託銀行、証券会社等の
口座残高の写し(ウェブサイト
の写しも可)
自己申告
借用証書など
―
自動車
×
―
×
―
×
―
○
貴金属(腕時計・宝石など、時価
評価額の把握が困難であるもの)
その他高価な価値のあるもの(絵
画・骨董品・家財など)
B
適正な申告の確保方策
通帳の写しについては、申請の際、申請日の直近から、原則として2か月前までの
写しを添付します。また、提出は必要に応じ求めます(毎年までは求めないことも可)。
不正行為があった場合は、給付した額の返還に加えて給付額の最大2倍の加算金(給
付額含め3倍)を課すことができることとなっています。
また、法の規定に基づき銀行等への預貯金の照会を行うことが可能で、必要に応じ
て実施します。
③非課税年金の勘案
A
勘案する年金の範囲
・国民年金法による遺族基礎年金・障害基礎年金
・厚生年金保険法による遺族厚生年金・障害厚生年金
・共済各法による遺族共済年金・障害共済年金
― 124 ―
等
Ⅱ 第8章 次期計画(第7期)以降の将来推計
第8章
次期計画(第7期)以降の将来推計
高齢者が増加する主な要因として、いわゆる「団塊の世代」が65歳以上の高齢者になる
ためと述べてきました。また、「地域包括ケアシステム」の構築が広く叫ばれるようになっ
たのも、「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者になり、医療や介護、保健などの多方面
で、現在の様々な制度では支えきれない要介護者等が出てくるといわれている「2025年問
題」があるためで、そのようなことにならないよう、現時点から社会の仕組みや我々住民
の意識そのものを変え、皆で課題解決に向けて推進していかなければならないからです。
そのため、本計画における介護給付費や介護保険料だけでなく、第7期介護保険事業計
画期間における将来推計や平成37(2025)年の将来推計も見据え、前述の課題解決に向か
う姿勢を示さなければなりません。また、これらの将来推計も加味したうえで、第6期介
護保険事業計画の介護保険料等も算定しなければなりません。
第1節
高齢者と要介護(要支援)認定者の中長期的推計
前述の「第4章
第1節 人口及び被保険者数の推計 及び 第2節 要介護(要支援)
認定者数の推計」で平成29年度まで推計したグラフに、第7期介護保険事業計画期間最
終年の平成32年度と「2025年問題」と言われている平成37年度の将来推計をプラスし、
中長期的推計を計ります。
【高齢者数及び高齢化率の将来推計(各年度8月末現在)】
― 125 ―
Ⅱ 第8章 次期計画(第7期)以降の将来推計
【要介護度別認定者数の将来推計(各年度の平均的な数値)】
第2節
介護給付費と介護保険料の中長期的推計
「第7章
第3節
第1号被保険者保険料の見込み」で示したグラフ「介護給付費の
動向(第4期~第6期)」に追加し、平成 32 年度(第 7 期介護保険事業計画期間最終年)
及び平成 37(2025)年度の将来推計も以下に示します。
第4期
第5期
第6期
第7期
第9期
※平成21~25年度は実績値、平成26~37年度は見込値。地域支援事業費を除く。
このグラフからわかるように、平成 32 年度、平成 37 年度は、さらに多くの介護給付
費が必要と見込まれます。介護給付費の増加に伴い、介護保険料も高額になります。
あくまでも現時点での将来推計では、平成 32 年度(第7期介護保険事業計画)は約
7,000 円、平成 37 年度(第9期介護保険事業計画)は約 9,000 円と見込んでいます。
要介護高齢者を増やさず、また、経済的負担を増やさないためにも、今から「地域包
括ケアシステム」の構築を目指し、課題解決に推進していかなければなりません。
― 126 ―
Ⅱ 第9章 普及啓発と達成状況評価
第9章
普及啓発と達成状況評価
第1節 地域住民等との連携及び普及啓発
本計画は、いわゆる「地域包括ケア計画」となるよう医療、介護、予防、住まい、生
活支援が包括的に提供される体制を構築できるよう、老人福祉計画と介護保険事業計画
を一体的に策定するものです。そのため、
「地域包括ケアシステム」の構築に向けて、本
市の実態に即した実効性のある計画としていくことが必要であり、高齢者を支える計画
として多方面からのアプローチを必要としているため、様々な関係機関・団体と連携し
て、支援体制を整備していく必要があります。
また、サービスを受ける高齢者も、本計画の趣旨を理解し、自ら行動し、介護予防に
つなげなければなりません。そのためにも、本計画について既存のネットワークや各種
協議会、団体等も利用しながら普及啓発に努めなければなりません。
さらに、今後、介護保険法改正による生活支援サービス充実のため、多様なサービス
を提供する多様な団体とも協議が必要なことから、これまであまり連携のなかった団体
や協議会、さらには新たな団体等とも連携できるように努め、本計画を実行性のあるも
のにしていかなければなりません。
そして、団体、協議会等との連携も重視しつつ、そこから地域の連携も強固にしてい
かなければなりません。そうすることによって、社会からの孤立者を無くし、相互扶助
や互助の精神で高齢者の安心、安全な生活に結びつくものと考えます。
(1)既存サービスの充実
現在、
「高齢者見守りネットワーク」や「SOSネットワーク」等と連携を図りながら、
高齢者にさまざまな支援を行っています。
今後は、地域包括支援センターを中心とした「地域包括ケアシステム」の構築を目指
し、他の機関等との連携を行い、計画の円滑な推進を図ります。
また、介護職のスキルアップを目的とした研修会の開催や、行政等の助言、指導を適
宜実施するとともに、行政及び利用者やその家族、第三者機関等による多面的なチェッ
ク体制を構築します。さらに、平成 27 年度施行の介護保険法改正があったことから、制
度の周知と利用者・サービス事業所への支援を図ってまいります。
(2)地域資源との連携
誰もが、
「健康で充実した毎日」、
「安心で自立した毎日」及び「自分にふさわしい生活」
を送るためには、制度に基づく行政からの支援だけではなく、地域住民や関係機関・団
体の活動を適切に組み合わせて、生活支援を行っていくことが重要です。
高齢者本人が自分で自分の身体と心を気遣うのはもちろんのこと、地域としても、常
に隣人を気遣うなど互いに支え合うことで、地域福祉は真価を発揮します。
ボランティア団体やNPO法人は、社会的貢献によって達成しようとする自己実現の
意欲を大切にしています。その活動が、地域の福祉に有効に作用し、専門性が活かせる
― 127 ―
Ⅱ 第9章 普及啓発と達成状況評価
ようであれば、支援される側にとって有効な活動であるといえます。また、その支援活
動が高齢者自ら行われれば、社会参加の促進となり、介護予防にもつながります。
このことからも、地域資源は地域福祉に結びつくものといえます。これまで以上に、
市社会福祉協議会やNPO法人等が中心となって行っているボランティア養成を一層支
援するとともに、現在、希薄になりつつある、地域がもつ相互扶助の再構築をさまざま
な機会などで捉え図っていきます。
第2節 計画の点検と評価
本計画が有効に普及しているかどうかや、介護保険事業計画の進捗状況における点検
と評価については、各種協議会等において実施し、本計画の推進に活かしていきます。
老人福祉計画についても、介護保険事業計画と一体的に策定することから、同様に点
検及び評価を実施します。
― 128 ―
参 考 資 料
参考資料
東根市老人福祉計画及び介護保険事業計画策定委員会設置要綱
(目的)
第1条
この要綱は、本市の高齢者が各々の状態にふさわしい環境のもと、安らかで健全な
生活を送るため、老人福祉法(昭和 38 年法律第 133 号)第 20 条の8及び介護保険法(平
成9年法律第 123 号)第 117 条の規定に基づき、本市の老人福祉及び介護保険事業の基盤
となる計画策定を目的とした東根市老人福祉計画策定及び介護保険事業計画策定委員会
(以下「委員会」という。)の設置について必要な事項を定めるものとする。
(所掌事項)
第2条
委員会は、次に掲げる事項を調査及び審議する。
(1)
老人福祉計画の策定に関すること。
(2)
介護保険事業計画の策定に関すること。
(3)
前2号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項。
(委員会の組織)
第3条
委員会の委員は、15 名以内とし、別表第1に掲げる者をもって組織する。
2
前項に規定する委員は、市長が委嘱する。
3
委員会に委員長及び副委員長各1名を置くものとする。
4
委員長は、委員の互選により選出し、副委員長は委員の中から委員長が指名するものと
する。
(委員長及び副委員長の職務)
第4条
2
委員長は、委員会を代表し会を運営する。
副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるときはこれを代理する。
(会議)
第5条
委員会の会議は、必要に応じ委員長が招集する。
2
委員長は、会議の議長を務めるものとする。
3
会議は、委員の過半数の出席をもって成立するものとする。
4
会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数の場合は議長の決するところによる
ものとする。
5
委員長が必要と認めるときは、委員会の会議に委員以外のものを出席させ、説明及び意
見を求めることができるものとする。
(委員の任期)
第6条
委員の任期は、平成 27 年3月 31 日までとする。
(庶務)
第7条
委員会の庶務は、健康福祉部福祉課において処理する。
(委任)
第8条
この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が委員会
に諮って定める。
附
則
1
この要綱は、平成 26 年4月1日から施行する。
2
この要綱は、平成 27 年3月 31 日限り、その効力を失う。
― 131 ―
参考資料
東根市老人福祉計画及び介護保険事業計画策定委員会
№
選
出
区
分
氏
名
1
東根市医師会代表
柴 田 健 彦
2
東根市歯科医師会代表
星 川 知佳子
3
理学療法士会代表
今 野 珠 美
4
介護施設代表
矢 作
5
地域密着型サービス事業代表
渋 谷 久美子
6
東根市老人クラブ連合会代表
安 達 好 悦
7
東根市民生委員児童委員連絡協議会代表
植 松 誠 二
8
サービス調整会議代表(居宅介護支援専門員代表)
網 干
9
サービス調整会議代表(居宅サービス事業所代表)
菊 池 弘 子
10
東根市地域包括支援センター運営協議会委員代表
髙 橋 直 人
11
東根市社会福祉協議会代表
菅 原 有 美
12
介護予防事業実施事業所
滝 口 典 子
13
識見を有する者
肌 附 英 幸
14
識見を有する者
斎 藤 貞 雄
15
識見を有する者
横 尾 京 子
隆
康
東根市老人福祉計画及び介護保険事業計画策定幹事会
役 職
幹事長
選
出
区
分
氏
名
東根市副市長
間木野 多加志
幹事
東根市総務部長
半 田
幹事
東根市市民生活部長
矢 萩 和 広
幹事
東根市健康福祉部長
髙 橋
幹事
東根市総務部総合政策課長
石 垣 裕 之
幹事
東根市総務部財政課長
芦 野 耕 司
幹事
東根市総務部税務課長
天 野 政 実
幹事
東根市子育て健康課長
梅 津 佳 之
― 132 ―
博
昇
参考資料
用
語
解
説
あ行
・アセスメント
介護過程の第一段階において利用者が何を求めているのか正しく知ることや、それが生
活全般の中のどんな状況から生じているかを確認し、援助活動を行う前に行う評価のこと。
利用者の問題の分析から援助活動の決定までの事をさし、援助活動に先立って行われる一
連の手続きを言います。
・生きがい活動支援通所事業(新愛称:いきいきまじゃ~れ)
さくらんぼ東根温泉を会場として、高齢者を対象に交流や簡単な日常動作訓練を実施し、
高齢者の自立を支援する事業です。
・往診
突発的な病状の変化に対して緊急的に家に伺って診療を行うものです。
か行
・介護給付
要介護1~5の対象者に実施される給付を指します。
なお、要支援1~2の対象者に実施される給付は、予防給付に分類されます。
・介護予防
要介護状態にならないよう、元気な状態の維持や増進、または要支援から要介護状態に
移行しないように適切な取り組みを行うことです。
・介護療養型施医療施設
介護保険施設の一つで介護サービスを受けられる医療機関です。他施設への転換が進め
られています。
・介護老人福祉施設
特別養護老人ホームとも言います。介護保険施設の一つで、常に介護を必要とする高齢
者が入所します。入浴や排泄、食事などの日常生活をサポートするとともに、必要に応じ
て身体の機能訓練や健康管理などを行います。
・介護老人保健施設
通称「老健」と呼ばれる施設で、病院と施設の中間的な施設と位置づけられています。
施設内では、在宅復帰を目指した集中的なリハビリテーションを受けることが出来きます。
・家族介護教室
高齢者を介護している家族等を対象に、介護方法や介護予防、健康づくり等に関する教
― 133 ―
参考資料
室を開催します。
・家族介護者交流激励支援事業
家族介護者のリフレッシュを図るため、介護者相互の交流会を実施します。
・家族介護用品支給事業
常に失禁状態にある高齢者等を介護する家族に対して、紙おむつ等の介護用品を購入で
きる介護用品助成券を支給します。
・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
平成 27 年度から名称が「複合型サービス」から「看護小規模多機能型居宅介護」に変更
されました。小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせ、比較的医療依存が高い高
齢者にも対応するサービスを提供します。
・基本チェックリスト
生活機能低下を確認するため、運動、口腔、栄養、物忘れ、うつ、閉じこもり等の全 25
項目について記入する質問表です。65 歳以上の人(要介護(要支援)認定者を除く)を対
象に実施します。
・居宅介護支援
要介護者の心身に状況、環境、意向を勘案して居宅サービス計画(ケアプラン)を作成
し、事業者との連絡調整その他サービスの提供などを行います。
・居宅サービス
介護保険の給付対象であるサービスのうち、在宅で受けるサービスのことで、通所介護
や訪問介護、福祉用具貸与など 12 種類のサービスがあります。
・(介護予防)居宅療養管理指導
居宅で暮らす要介護者に対して、医師、歯科医師、薬剤師等が療養上の管理や指導を行
います。
・緊急通報体制整備事業
一人暮らし高齢者等の急病や災害等の緊急時に、迅速かつ適切な対応を図るため、通報
装置やセンサーを設置します。
・ケアプラン
介護保険において要支援、要介護者に対して作成される援助計画です。施設サービスの
場合には施設に作成が義務付けられています。
本計画のサービス見込量においては、要支援1~2の居宅サービス利用者に対する計画
は「介護予防支援」、要介護1~5の居宅サービス利用者に対する計画は「居宅介護支援」
として計上しています。
― 134 ―
参考資料
・軽費老人ホーム
高齢者が低額な料金で入所し、日常生活を送ることを目的とする施設です。
・高齢者移動サービス事業
高齢者が、リフト付き車両を利用して外出する場合の利用料金に対して、一部助成を行っ
ています。
・高齢者虐待防止法
平成 18 年4月に施行された「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関す
る法律」の略称です。
高齢者虐待の定義を明確にした上で、養護者や要介護施設従事者従事者等による高齢者
虐待の防止、養護者に対する支援のための国民や国、地方公共団体の責務等が規定されて
います。
・国立社会保障・人口問題研究所
人口・経済・社会保障の相互関連についての調査研究を通じて、福祉国家に関する研究
と行政を橋渡しし、国民の福祉の向上に寄与することを目的に設立された機関です。
さ行
・在宅介護
介護が必要な高齢者や障害者などが、長年住み慣れた居宅や地域で安心して暮らしてい
くことができるよう、提供されるサービスです。
・在宅家族介護者支援事業
要介護者と家族が在宅生活を継続できるように支援を行っています。
・在宅療養支援診療所
自宅療養をされる方のために、その地域で主たる責任をもって診療にあたる診療所のこ
とで、地方厚生(支)局長に届出て認可される病院・医院の施設基準のひとつです。
・GPS
カーナビゲーション・システムなどに用いられている人工衛星を利用した位置情報計測
システムのことです。地球上空の軌道を飛んでいるGPS衛星からの電波を受信すること
で、地球上のどの地点でも高精度で位置(経度・緯度・高度)を測定できます。全地球測
位システムとも言います。
・(介護予防)住宅改修
要介護の認定を受けた高齢者が暮らす居宅において、生活をおくるうえで必要な手すり
の取り付け、段差の解消、洋式便器への取替え等の小規模な改修について、費用の一部を
支給します。
― 135 ―
参考資料
・
(介護予防)小規模多機能型居宅介護
「通い」のサービスを基本として、本人や家族等の状態にあわせ「泊まり」や「訪問」
を柔軟に組み合わせ実施するサービスです。登録定員は平成 27 年度から 29 名以下となり
ました。
・成年後見制度
認知症高齢者・知的障害者・精神障害者等の精神上の障害によって判断能力が十分でな
い人たちの判断能力を補い、権利を保護する制度です。
た行
・団塊の世代
戦後の第1次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代で、人口が突出して多く、様々
な面で影響を与えている世代です。人口が突出して多いため、高齢者になり、医療や介護
等に係る費用が多くなった場合、その負担もこれまでにない費用になると言われています。
・
(介護予防)短期入所生活介護
居宅で暮らす要介護者に対して、特別養護老人ホーム等に併設された施設に短期間入所
し、入浴、排泄、食事等の介護その他日常生活上の世話や機能訓練を行います。
・
(介護予防)短期入所療養介護
居宅で暮らす要介護者に対し、短期入所した介護老人保健施設等の施設において、医学
的管理の下で介護及び機能訓練その他必要な医療を行います。
・地域支援事業
65 歳以上の高齢者が、要介護状態になることを予防するとともに、可能な限り地域で自
立した日常生活を送ることが出来るように支援します。内容としては、介護予防事業、包
括的支援事業、任意事業に分けられます。
・地域包括支援センター
地域における総合的なマネジメントを担う中核機関です。総合的な相談窓口機能(地域
の高齢者の実態把握等)、虐待への対応などの権利擁護、介護予防ケアマネジメント、包括
的・継続的ケアマネジメント(介護サービスのみならず、介護以外の様々な生活支援を含
む)の4つの基本機能を有し、高齢者が安心で安全な在宅生活を継続できるよう支援しま
す。
・地域密着型サービス
要介護者等の住み慣れた地域での生活を支えるという観点から、提供されるサービスで
す。地域密着型サービスとしては、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問
介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地
域密着型特定施設入所者生活介護(定員 29 名以下)
、地域密着型介護老人福祉施設入所者
生活介護(定員 29 名以下)、看護小規模多機能型居宅介護、さらに、平成 28 年度から始ま
― 136 ―
参考資料
るサービスとして、地域密着型通所介護があります。
・地域密着型通所介護(仮称)
平成 28 年度からの新規サービスで、これまでの通所介護事業所で定員が 18 人以下の小
規模事業所について、居宅サービスから地域密着型サービスに移行することになりました。
・地域密着型(小規模)特別養護老人ホーム
定員 29 名以下の小規模な特別養護老人ホームです。
・(介護予防)通所介護
日帰りの日程で通い、または、送迎を受けたデイサービスセンターにおいて、入浴及び
食事の提供、その他日常生活上の世話や機能訓練を行います。
・(介護予防)通所リハビリテーション
介護老人保健施設や医療機関等において、心身の機能の維持回復及び日常生活の自立を
助けるため、必要なリハビリテーションを行います。
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
平成 24 年度から新設された地域密着型サービスです。重度者を始めとした要介護高齢者
の在宅生活を支えるため、日中、夜間を通じて、訪問介護と訪問看護を一体的に、定期巡
回訪問と随時の対応を行います。
・特定入所者介護サービス費
施設入所の居住費・食費が利用者の自己負担となったことにともない創設された低所得
者対策のひとつです。利用者負担が過重とならないように、居住費・食費の負担には上限
が設定され、実際の居住費・食費との差額を補うために給付されます。
・
(介護予防)特定施設入居者生活介護
指定を受けた有料老人ホームやケアハウス等において、または外部のサービスを導入し
て、入浴、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練等を行います。
な行
・二次医療圏
特殊な医療を除く一般的な医療サービスを提供する医療圏で、地理的条件や交通事情等
の社会的条件を考慮して、病院における入院に係る医療を提供する体制の単位として設定
されています。複数の市町村を一つの単位として認定されます。
・認知症
一度獲得した知能が、後天的に脳や身体疾患を原因として慢性的に低下をきたした状態
で、社会生活、家庭生活に影響を及ぼす状態と定義されています。
― 137 ―
参考資料
・認知症高齢者自立度
認知症の状態を表すスケールで、ランクⅠ~ⅣとMの5段階に分けられており、ランク
Ⅰがもっとも自立度が高いことを意味します。
・認知症サポート事業
認知症について理解を深め、認知症高齢者や家族を支援する事業を検討しています。
・認知症生活機能障害
認知症の人にみられ、個人的・家庭的活動と社会的参加を困難にする日常生活上の障害
です。
・(介護予防)認知症対応型共同生活介護
認知症高齢者が、介護スタッフにより入浴、排泄、食事等の介護その他日常生活の世話
及び機能訓練を受けながら共同生活を営むサービスです。
・(介護予防)認知症対応型通所介護
認知症高齢者を対象に、通常の通所介護と同様に、入浴や食事の提供その他日常生活の
世話や機能訓練を実施するサービスです。
は行
・パブリックコメント
公的機関が規則などを制定しようとするときに、広く公に(=パブリック)に、意見・情
報・改善案など(=コメント)を求める手続を言います。公的な機関が規則などを定める前
に、その影響が及ぶ対象者などの意見を事前に聴取し、その結果を反映させることによっ
て、よりよい行政を目指すものです。通称パブコメ。
・複合型サービス
平成 24 年度から新設された地域密着型サービスで小規模多機能型居宅介護と訪問看護
など、複数の居宅サービスや地域密着型サービスを提供します。平成 27 年度から名称が「複
合型サービス」から「看護小規模多機能型居宅介護」に変更されました。
・福祉用具
主に、介護ショップや在宅サービス事業所が取り扱っている、身体の不自由な部分を補
う用具です。
・(介護予防)福祉用具購入(販売)
心身の機能の低下による日常生活の支障を補う用具や機能訓練のための用具について、
購入費の一部を支給します。(腰掛便座、簡易浴槽、入浴補助具等)
― 138 ―
参考資料
・
(介護予防)福祉用具貸与
心身の機能の低下による日常生活の支障を補う用具や、機能訓練のための用具について、
貸与します。(車椅子、介護用ベッド、歩行器、手すり等)
・ふれあい配食サービス事業
一人暮らし高齢者の安否確認及び栄養改善を目的とした配食サービスです。
・(介護予防)訪問介護
ホームヘルパー等が居宅を訪問し、入浴、排泄、食事等の介護その他日常生活の世話を
行います。
・(介護予防)訪問看護
医師の指示に基づき看護職員が、自宅療養をしている人を定期的に訪問し、健康チェッ
クや療養の世話、助言を行います。
・訪問診療
病気や障害があっても、住み慣れた家で過ごしたいという方が、自宅に居ながら医療を
受けることが出来る仕組みです。医師が自宅を定期的に訪問し、診療、治療、薬の処方、
療養上の相談、指導等を行います。
・(介護予防)訪問入浴介護
自宅で入浴できない高齢者に対し、要介護者の居宅を訪問し、浴槽を提供して入浴の介
護を行います。
・(介護予防)訪問リハビリテーション
理学療法士等が居宅を訪問し、心身の機能の維持回復及び日常生活の自立を助けるため
に、必要なリハビリテーションを行います。
ま行
・モニタリング
ケアマネジメントの一過程で、ケアプランに照らして状況把握を行い、決められたサー
ビスや支援が計画どおり提供されているかどうか、介護提供者の活動と利用者の生活を見
守ることです。
や行
・夜間対応型訪問介護
平成 24 年から新設された地域密着型サービスです。介護福祉士などが、夜間の定期的な
巡回、または通報によって居宅を訪問し、対応などを行います。
― 139 ―
参考資料
・有料老人ホーム
入居している高齢者に、入浴・排泄・食事等の介護の提供、食事の提供、その他日常生
活上の便宜としての洗濯・掃除等の家事、健康管理を行う施設です。
・要介護度
訪問調査の結果をコンピュータで判断する一次判定と、主治医の意見書を加えて医療や
福祉の専門家が判断する二次判定の結果によって決定される要介護状態区分です。
・養護老人ホーム
身体的・精神的な理由や、経済的・家庭環境などの理由によって自宅で生活ができない
と判断された、自立した高齢者を受け入れる福祉施設のことです。社会復帰の促進や自立
した生活を送ることができるよう、必要な訓練などを行います。
・予防給付
要介護度区分のうち、要支援1~2の対象者に実施される給付内容を指します。具体的
な内容としては、介護予防通所介護や介護予防福祉用具貸与等です。
ら行
・リスクアセスメント
リスク特定、リスク分析、リスク評価を網羅するプロセス全体を指し、通常は、リスク
アセスメントの後で、リスク対応をします。
・レスパイト
高齢者などを在宅でケアしている家族を癒やすため、一時的にケアを代替し、リフレッ
シュを図ってもらう家族支援サービスです。施設への短期入所や自宅への介護人派遣など
があります。
わ行
― 140 ―
ிఌࠊᎊʴᅦᅍᚘဒӏƼᇹᲰ஖ʼᜱ̬ᨖʙಅᚘဒ
ႆᘍଐ ࠯঺ ࠰ உ
ႆ ᘍ ிఌࠊ ͤࡍᅦᅍᢿ ᅦᅍᛢ ᧈ‫ݤ‬ʼᜱ̞
Ƅ ‫࢟ޛ‬Ⴤிఌࠊɶ‫ځ‬ɟɠႸ ဪ ӭ
ë ϋዴ