Percoll を用いた細胞分画法 動的光散乱法と静的光散乱法を用いた

先端研究躍進のための情報誌
2015年 秋号
17
Topics
ユーザーインタビュー
Percollを用いた細胞分画法
福山大学薬学部免疫生物学教授 赤﨑 健司 先生
ユーザーレポート
動的光散乱法と静的光散乱法を用いた
生物系サンプルの分子量、
粒子径、
多分散性の高速・高精度測定
新製品情報
高機能高速冷却遠心機
Avanti JXN-30
561nmレーザー搭載 CytoFLEX Sと
プレートオプション
製品情報
Dry試薬 DuraClone
カスタムオーダーサービス
ラボ型 液中パーティクルカウンター
System 9703+
ベックマン博士の一口メモ
2015年後半 学会・展示会情報
RNAi研究会/JASIS
粉体工業展大阪/免疫学会
法科学技術学会/スクリーニング学研究会
BMB(分子生物・生化学会)
フロア型超遠心機 Optima XPN/XE
Ultracentrifuge
密度勾配超遠心法による
簡便な細胞小器官の分画
近年、細胞内のタンパク質の局在は、目的タンパク質を蛍光標識し共焦点顕微鏡で観察像を得る
ことで調べられています。この方法は簡便でありますが、細胞内局在のマーカーと重なるか否かでの
判断しかなく、裏付けのデータを得ることが求められることがあります。
従来、タンパク質の細胞内局在は、細胞を破砕後に、遠心機を用いた細胞分画法によって研究されて
いました。その後、ショ糖密度勾配遠心法によって、細胞小器官をより細かく分離することができるよう
になりました。ショ糖密度勾配遠心法を行うためには超遠心機が必要です。目的タンパク質が酵素の
場合はその活性を、受容体の場合はリガンド結合を測定することで、さらに特異的抗体が入手可能な
場合はウェスタンブロッティング法などにより、その局在を確認するのがショ糖密度勾配遠心法です。
Optima XPN
しかし、この方法はショ糖密度勾配を作る段階の煩雑さから、年々と研究者が避ける傾向にあります。
現在では、超遠心機の性能が向上したので、より簡便に安全に使えるようになっています。さらに密度
勾配用媒体として、ショ糖の代わりにPercoll(GE Healthcare)を用いることで予め密度勾配層を作
ることなく細胞分画を行うことができます。このため、密度勾配遠心法はイメージされているより簡
便な方法になっています。
Type 70.1 Ti
そこで、今回は、福山大学薬学部免疫生物学教授 赤﨑健司先生にPercollを用いた細胞分画法に
つきまして寄稿していただきました。
iew
User's Interv
Percollを用いた細胞分画法
CASE 5:
福山大学薬学部免疫生物学教授 赤﨑 健司 先生
私たちの研究室では、
細胞小器官であるリソソームの膜を構成する糖
ており、
その方法をご紹介いたします。
タンパク質
(LAMP)
に関する研究を行っております。
培養細胞に目的
タンパク質のcDNAをトランスフェクションし、
発現させて、
そのタンパ
ク質がリソソームへ移行しているかどうかを密度勾配超遠心法により
細胞小器官を分画して、
調べています。
私たちの研究室では、
密度勾
細胞小器官を超遠心機で採るやり方は、
本当に簡単なんです。
配用媒体であるPercoll を用いることで簡便に細胞小器官を分画し
細胞小器官の分画は、
密度勾配遠心法により行います。
通常は、
密度
の異なったショ糖溶液を積んでおいて、
その上にサンプルを乗せて、
スウィングロータで遠心します。
すると、
上昇力と下降力の釣り合うとこ
ろでゴルジ体など各小器官の層ができてきます。
しかし、
この方法で
は、
密度勾配層を作成する煩わしさがありました。
Percoll は、
シリカコロイドで、
遠心力をかけることで自動的に密度勾
配を形成します。
これはセルフグラジエント・オートフォーションと呼ば
れています。
このため、
サンプルとPercoll を混和し遠心するだけで、
自動的に密度勾配をつくりながら、
その密度にちょうど合うところにサ
赤﨑教授と超遠心機 Optima L-100 XP
2
ンプルが集まります。
しかも、
この遠心分離では固定角ロータを使う
ため、
沈降距離が短く短時間で分離が終了します。
本当に簡単に分画
することができます。
培養細胞をナイトロジェンキャビテーション法
プロトコールをFig.1に示しました。
本プロトコールは、
リソソームに最
により破壊
適化してありますが、Percollの濃度と遠心力を調整することで、
その
ペレット
650 xg,
(核やデブリス)
10 min
他の細胞小器官の分画に応用することができます。
培養細胞ですと、少ししかタンパク質が取れませんので、
どこに何が
存在するか解りません。
このため、
マーカーエンザイムを測るようにし
上清に最終濃度30%になるようPercollを加えて、
ています。
私たちの研究室ではリソソームをターゲットとしているので、
良く混ぜる。
(全量9 mL)
マーカー酵素として、
β- グルクロニダーゼという酵素を測定していま
す。
その分布から実験の成否を判断しています。
β- グルクロニダーゼ
が一番重い画分に70%程度あれば成功と判断して、
次のステップに
<固定角ロータ>
25,000 rpm,
Type 70.1 Ti
57,400 xg
進むようにしています。
<チューブ>
セルフグラジエント・オートフォーションの再現性はとても良いですが、
PC ボトルアッセンブリ
40 min
細胞を壊す際に細胞小器官を傷ついてしまうことがあります。
その場
合、
本来持っている密度ではないところにその細胞小器官が移動して
密度勾配層が自動的に形成される。
上からサンプルを500 µLずつ採取し、
しまうことがあります。
このため、
マーカー酵素を必ず測定します。
18フラクションに分ける
Fig.2には細胞分画の結果の一例を示しました。△がβ-グルクロニ
ダーゼ活性で、
一番密度の大きい17と18フラクションの活性が高い
ことがわかります。
このことから、
リソソームの分画がうまくいっている
マーカーエンザムを測定し、
ことが わかります。●は 発 現させ たリソソーム膜 糖タンパク質
細胞破砕の成否を判断する
LAMP-1の濃度を示しています。
LAMP-1の15%程度がリソソーム
画分
(#16-18)
に存在していることがわかります。
ウェスタンブロッティング法などで、
目的タンパク質を解析する
超遠心機での細胞分画による結果と
共焦点顕微鏡の結果を併せることで
より正確なエビデンスが 得られます。
Fig.1:Percollを用いた細胞分画法のプロトコール 1)
1 2 3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
が多いようですが、
細胞分画をしてタンパク量を定量したデータと併
せることで、
より正確なエビデンスが得られると考えております。
細胞小器官の分画は、
細胞を壊す道具と超遠心機があれば簡単に
できますので、
チャレンジしてみてください。
35
25
30
△ β-glucuronidase(% of total)
最近では、
このような研究は共焦点顕微鏡の実験のみで行うケース
● Amount of WT-LAMP-1(% of total)
WT-LAMP-1▶
20
25
20
15
15
10
10
5
5
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
0
Fraction number
Fig.2: Percollを用いた細胞分画例 2)
PercollはGE Healthcareの登録商標です。
参考文献
福山大学薬学部免疫生物学研究室の皆様
1. Tabuchi N et al ., Ile (476), a constituent of di-leucine-based motif of a
major lysosomal membrane protein, LGP85/LIMP II, is important for its
proper distribution in late endosomes and lysosomes. Biochem
Biophys Res Commun. 2002;295(1):149-156.
2. Akasaki K et al ., COOH-terminal isoleucine of lysosome-associated
membrane protein-1 is optimal for its efficient targeting to dense
secondary lysosomes. J. Biochem. 2010;148(6):669–679
3
New! 高機能高速冷却遠心機
Avanti JXN-30
Centrifuge
最大遠心力11万xg
超遠心領域に迫る高速冷却遠心機
1台あれば幅広い研究に対応できます
最大遠心力 110,500 xg, 最高回転数 30,000 rpmの圧倒的なスペック
高い遠心力により、
エクソソーム・ウイルス・ナノ粒子の回収も可能です。
●
110,500 xg : スウィングロータ JS-24.15(6本×15 mL)
●
103,900 xg : スウィングロータ JS-24.38(6本×38.5 mL)
●
108,860 xg : 固定角ロータ JA-30.50 Ti(8本×50 mL)
最大容量 4本×1,000 mL、
少量から大容量までをカバー
固定角ロータ JLA-9.1000により、
最大容量 4本×1,000 mLを一度に処理可能です。
様々なロータにより、汎用機としても使用できます。
フットペダルによるドアオープン
両手でロータを保持した状態で遠心機の蓋が開けられ、
ロータのセットが容易です。
GLP/GMPに対応
GLP/GMPに最適なトレーサビリティ機能を標準搭載しています。
FDA 21 CFR Part 11準拠へのサポートが可能です。
煩雑なノートでの使用履歴管理から解放されます。
豊富で高性能なロータラインアップ
100,000 xgを超える
固定角ロータで、細胞小器官、
微粒子の迅速分離も可能
JA-30.50 Ti
最高回転数:30,000 rpm
最大遠心力:108,860 xg
容量:8本×50 mL
100,000 xgを超えるスウィングロータは、
ウイルスやエクソソームの回収も可能
JS-24.38
最高回転数:24,000 rpm
最大遠心力:103,900 xg
容量:6本×38.5 mL
スウィングロータ JS-24.38
JS-24.15
最高回転数:24,000 rpm
最大遠心力:110,500 xg
容量:6本×15 mL
アプリケーション例
ウイルス:Baculovirus
Avanti JXN-30とスウィングロータ JS-24.15やJS-24.38を用いて、Baculovirusなどのウイルスを精製することができます。
昆虫細胞発現系で使用されるAutographa californica nuclear polyhedrosis virus(AcNPV)の精製の一例を下図に示しました。
デブリ除去した
ウイルス含有培地
33 mL
4
2 mL PBS懸濁後、
13 mL 25~60% w/w ショ糖
密度勾配に重層
3 mL 25%ショ糖に
重層
ペレット
JS-24.38 ロータ
JS-24.15 ロータ
24,000 rpm,
104,000 xg
75 min, 4℃
24,000 rpm,
110,500 xg
4 hr , 4℃
47-49% w/w
ショ糖の層を回収する
(AcNPV分画)
15 mLまでPBSで
メスアップ
JS-24.15 ロータ
24,000 rpm,
110,500 xg
75 min, 4℃
ペレット
(AcNPV)
モ
ベックマン博士の一口メ
Centrifuge
遠心分離法の種類について
レートゾーナル法と
密度勾配遠心法(等密度遠心法 (
その3
遠心分離法の3回目になります。今回は密度勾配遠心法をご紹介します。
分画遠心法
(Differential Centrifugation)
ペレッティング
(Pelleting)
遠心分離法
浮上分画法
(floating)
密度勾配遠心法
(Density Gradient Centrifugation)
レートゾーナル法
(Rate Zonal Technique)
等密度遠心法
(Isopycnic technique)
粒子の大きさや密度に大きな差がなく分画遠心法では分離ができない場
合には、密度勾配遠心法が用いられます。
今回ご紹介の
遠心法
密度勾配遠心 – レートゾーナル法 –
1
密度勾配遠心法はレートゾーナル法(Rate Zonal Technique)
と等密度
2
3
遠心法(Isopycnic Technique)に分類されます。
遠心力
レートゾーナル法は主にスウィングロータを使用します。密度勾配用媒体の
代表例はショ糖です。密度勾配は連続的な勾配の場合と、
ステップ毎(例え
ば5%刻み)の場合とがあります。遠心チューブ中にショ糖などの密度勾配溶
液を作製しておき、その上に全体量の数%程度のサンプルを重層して遠心
します。遠心後サンプル中の粒子は、その大きさや密度によって分離しバン
ドを形製します。
このいくつかのバンドは、時間の経過とともにチューブの底
に向かって沈降していき、最終的にはすべて沈降してしまいます。
このような
1
方法は沈降速度法とも呼ばれます。
アプリケーションの例としては、細胞小器官の分離などがあります。
3
遠心チューブの中にあらかじめショ糖などで、密度勾配を作製しておきます。
全体の量の数%程度のサンプルをショ糖密度勾配溶液の上に重層します。
上記 2 のチューブを遠心することによってサンプル粒子の大きさや密
度によって分離するバンドを形成します。
等密度遠心法は、
主に近垂直あるいは垂直ロータを用いて、
代表的な密度勾配用
密度勾配遠心 – 等密度遠心法 –
1
2
媒体は塩化セシウム
(CsCl)
になります。
サンプルと塩化セシウム溶液を予め混和
2
してから遠心すると、
遠心チューブの中で自動的に密度勾配が形成され、
サンプル
中の粒子はその等密度の位置に集まりバンドを形成します。
このバンドは時間の
遠心力
経過とともにさらに収束したシャープなバンドになります。
このような方法は沈降
平衡法とも呼ばれます。
アプリケーション例としては、
プラスミドDNAの分離などがあります。
Progresso今号のユーザーインタビュー
(p2-3)
で、密度勾配遠心法による簡便
な細胞小器官の分画法を福山大学赤崎健司教授からご紹介いただきましたが、
1
2
塩化セシウム溶液とサンプル溶液を予め混和しておきます。
この溶液を遠心すると、塩化セシウムの密度勾配が自動的に形成
され、
その等密度の位置に粒子が集まってバンドを形成します。
この方法は密度勾配用媒体にPercoll を使用した等密度遠心法になります。
5
ハイパフォーマンス コンパクトフローサイ
トメーター CytoFLEX
Flow
Cytometry
561nmレーザー搭載 CytoFLEX Sと
プレートオプション登場
CytoFLEX S
NEW
ハイパフォーマンスでコンパクトな CytoFLEXに新しい仲間が加わりました。561 nmレーザーを
搭載し、最大 4レーザーまで対応するCytoFLEX Sです。
CytoFLEX Sは、43 cm×43 cmの設置スペースの中に、MESFが FITC<30、PE<10の高感度
検出系を搭載し、4レーザー 13カラーまで測定できる高性能です。さらに、必要最少サンプル量は
10 μLとわずかなサンプル量でも測定可能です。測定条件設定も直観的に操作できるGUIツールに
よりヒストグラム上で目的の細胞集団をGrab&Dropするだけです。
CytoFLEX Sは、488 nm、642 nm、405 nm、561 nmの 4 本レーザーまで搭載でき、eGFP、
DsRed、dTomato、mCherry などの蛍光タンパクと同時に細胞マーカー測定ができます。
CytoFLEX
CutoFLEX Sは、
さらなるマルチカラーフローサイトメーターの可能性を拓きます。
405nm
PC5, PerCP
PE, PI
ECD
ECD, PE-Texas Red,PE-CF594, PI, DsRed, dTomato, mCherry
PC5.5
PC5.5, PC5, PerCP,PerCP-Cy5.5, PI
lnst2 30 mW final Bac mCherry 1: P1
APC, Alexa Fluor 647, eFluor 660
APC-A700
APC-A700, Alexa Fluor 700
APC-A750
APC-A750, APC-Cy7, APC-H7,APC-eFluor 780
PB450
Pacific Blue dye, V450, eFluor 450, BV421
KO525
Krome Orange, AmCyan, V500,BV510
Violet610
BV605, Qdot 605
Violet660
BV650, Qdot 655
200
Count
PC7
APC
100
PC7
200
300
PC5/perCP
PE
561nm Laser
lnst2 30 mW final Bac mCherry 1: P1
0
638nm
488 nm Laser
FITC, Alexa Fluor 488,CFSE, Fluo-3, GFP, eGFP
Count
561nm
FITC
Commonly used Fluorescent Dyes
100
488nm
CytoFLEX
Channel
Names
0
Laser
0
103
104
PerCP-A
105
106
0
103
104
ECD-A
105
106
mCherry Bacteria 測定例
プレートオプション
NEW
CytoFLEX、CytoFLEX S のプレートオプションが登場しました。
96ウエルプレートからのサンプリングが可能になります。プレートオプションは本体内蔵タイプなの
で設置面積は変わりません。さらに、サンプルタイプに合わせて、各ウエルの撹拌時間、バックフラッ
シュ時間も設定可能です。コンパクトなフローサイトメーターでスクリーニングなどの多検体の自動
測定ができます。
製品番号
製品名
レーザー数
検出器数
Blue
Red
Violet
Yellow
B75408
CytoFLEX S System B2-R3-V4-Y4
3
2
3
4
4
¥18,300,000
B75811
CytoFLEX S System B2-R3-V0-Y4
3
2
3
―
4
¥11,250,000
B75812
CytoFLEX S System B2-R0-V0-Y4
2
2
―
―
4
¥8,250,000
B63215
CytoFLEX Plate Loader
―
―
―
―
―
¥1,850,000
実機体験展示会/デモ 実施中!
お客様先にCytoFLEXをお持ちし、実機体験展示会/デモを行います。
お問い合わせ・お申し込みは、http://u111u.info/mjcから
6
価格(税別)
QRコードから
簡単アクセス!
DuraClone CDS
Dry試薬 DuraClone
カスタムオーダーサービス
Flow
Cytometry
ベックマン・コールターから、ワークローを改善し、データの誤差要因を最小化する細胞解析用の新しいツールをご紹介
します。
Take dry
unitized dried-down
reagent tube
Dry試薬 DuraClone
Dry試薬 DuraCloneは、
ワークフローを簡素化し、Hands-onの時間を最小限に抑えます。室温に
よる配送および保管が可能であり、長期間の安定性を確保しています。Dry 試薬である新しい
Add blood
sample
DuraClone 製品は、液状試薬と同じ性能を実現しつつ、サンプル調製および取り扱いを簡素化・
迅速化することが可能です。
DuraCloneは細胞表面抗原の染色だけではなく、PerFix-ncを用いた細胞内染色も可能です。
Vortex &
incubate
Acquire &
analyze by flow
cytometry
Add lysis solution
& incubate
さらに、
ご希望の抗体を自由に添加することもできます。
試薬分注によるエラーをなくすDry試薬 DuraCloneカスタムオーダーをベックマン・コールター社
製抗体から組み合わせていただく場合は、最少100テストからご提供する新しいサービスを開始
しました。プロジェクトのサイズに合わせて、
カスタムオーダーが可能です。
蛍光補正
DuraCloneの特長
マルチカラーフローサイトメトリーでの蛍光補正も問題
― 正確性と再現性 ―
ありません。DuraClone CDS には、パネルにあった
● 抗体のタイトレーション不要
蛍光補正用のシングルカラー抗体のチューブが添付
● 乾燥形態における凝集リスクなし
されています。各シングルカラー抗体のチューブは、
― 安定性と使いやすさ• 室温で安定 ―
チューブごとに色分けされており間違えないように
● ユニット化され、
事前に分注された試薬
(ピペッティングエラーの
なっています。
低減)
● 乾燥試薬-冷蔵不要
[Ungated]
[Scatter]
1000
800
600
600
600
Scatter
200
0
SS INT
800
400
400
200
400
600
800
Ly
0
1000
102
0
103
[C+-]
B-+
103
B++
102
CD16-FITC
CD56-PE
5
101
0
コンペンセーション用チューブで自動設定し、
DuraClone 試薬で8カラー測定した例
-5
100 D-B--
B+0
101
102
103
[Mono]
103
D++
102
101
102
CD14-PC7
[Ly no Mono]
D-+
101
100
CD45-KrO
102
CD8-A700
101
100
FS INT
103
Mono
400
200
200
0
[Ungated]
1000
800
SS INT
SS INT
1000
H
101
I
E
100
D+-
0
103
CD4-APC
0
100
101
102
103
CD3-APCA750
100
101
102
103
CD14-PC7
製品名
蛍光標識
容量
価格(税別)
DuraClone CDS
2カラー以上
(ベックマン・コールター社製抗体から選択)
100テスト~
お問い合わせください
ベックマン・コールター社製以外の抗体製品との組み合わせの場合は、500テストから受注可能です。
7
光遮蔽粒子計測法のパイオニア
Particle
Counting
ラボ型 液中パーティクルカウンター
System 9703+
ベックマン・コールターの HIAC(ハイアック)
ブランドは、1962 年に世界で初めて光遮蔽原理に基づいた粒子計測器を
リリースしたのが始まりです。それ以来 USP/EP はもちろん、第16 改正日本薬局方の「一般試験法 6.07 注射剤の
不溶性微粒子試験法」の第 1 法に指定されている測定方式 “ 光遮蔽粒子計測法 = HIAC 法 ”として、50 年以上経過した
今でもグローバルスタンダードとしてマーケットリーダであり続けています。
また、2014 年 8 月にリリースされた新規格「USP <787> SUBVISIBLE PARTICULATE MATTER IN
THERAPEUTIC PROTEIN INJECTIONS」のバイオ医薬品(タンパク製剤)に関する小容量(0.2 〜 5.0mL)の試験
にもいち早く対応しており、お客様にとって最善の環境をご提供します。
System 9703+の特長
■ 日本薬局方「一般試験法6.07 注射剤の不溶性微粒子
試験法」に準拠
■ 最少 0.1 mLのサンプルをバイアルから直接測定可能
■ センサーにより最小 0.5 μm~最大350 μmまでの
粒子を測定可能
業界最少
(0.091 mL)
のデッドボリュームを誇る
短くて細いニードルプローブ
1 mLの
バイアルから
“そのまま
測定”
System 9703 +
小バイアル用クランプキット
(1 mLシリンジ付き)
ベックマン・コールターは、
粒子測定に関するあらゆるソリューションをご提供します!
8
ユーザーレポート
Particle
Characterization
DelsaMax CORE
動的光散乱法と静的光散乱法を用いた生物系サンプルの
分子量、粒子径、多分散性の高速・高精度測定
ライフサイエンス分野では、タンパク質、DNA、RNAそしてタンパク質複合体と多岐にわたるナノオーダーサンプルを取り
扱っています。サンプルの状態を正しく認識することは研究を進めるうえで非常に重要なことです。
しかしながら、物性、特に分
子量や大きさを正確に測定することは、難易度が高く、多くの時間を必要とすることから、敷居が高いものと考えられがちです。
当社の最新機種 DelsaMax COREは、素早く簡単にそして精度よく分子量、大きさを測定することができます。特に、僅か1µL
で測定できるため、貴重なサンプルを無駄にしません。
今回は、
ドイツ・マールブルク大学 Gert Bange博士が実際に行っている測定について先生のお声と共にご紹介します。
背景
光散乱法とは
粒子に光を照射したとき、粒径が光の波長と比較し極めて小さい場合、入
射光が四方八方に散乱
(レイリー散乱)
します。この時の散乱光強度が、静
濃度を決定しようとしたところ、測定結果に非常に大きなバラつきが
見られたため、私たちのサンプルに対しては適していないと判断しま
した。
4. サンプル分析
測定前にキュベットをフィルターろ過した滅菌水で慎重に洗浄し、バッ
的および動的な光散乱技術
(SLSおよび DLS)
の生データとなります。SLS
ファーで共洗いを行いました。DelsaMax COREで正確な結果を出す
は、散乱光強度を一つもしくは複数の角度で測定することで、溶液中のサ
ため、5 〜 20 mg/mL 濃度のサンプルを50 ~ 100 µL 使用しました。
ンプルの絶対分子量
(濃度情報が必須になります)
、RMS 半径
(回転半径)
通常2 ~ 5 分の測定で正確な値が得られます。
そして第 2ビリアル係数
(A2)
を求めます。
DLSは、溶液中のサンプルのブラウン運動により絶えず変動する散乱光強
度を測定し、時間当たりの変化量に変換します。求めた自己相関関数から
ストークス・アインシュタイン方程式により粒子径
(大きさ、通常球として計
算します)
に変換します。
結果
FliIサンプルの多分散インデックスは 0.03であり、単一で非常に均一な状
態である事が分かります。分子量は 47.4 kDaと測定され、モノマーの分子
量計算値 49 kDaと近似した結果となりました。サンプルの直径は、10 nm
六量体タンパク質の場合
と測定され、結晶構造解析から得られた9 nmという結果と一致していまし
FliIは、べん毛のアッセンブリを調整し、モーターを推進させるバクテリアタン
た。この2つの測定結果は、今回精製したリコンビナントFliIタンパク質は、
パク質です。自然界において、このタンパク質は、6量体として存在し、安定し
活性を持つ 6 量体構造ではなく、モノマーであることを示しています。私
たリング状構造をとります。この研究において、私たちは、大腸菌で過剰発現
たちは、6量体を形成するリコンビナントタンパク質の精製条件を探す必要が
させ、精製したリコンビナントFliIタンパク質のフォールディングと立体構造を
あります。DelsaMax COREで分子量やサイズを計測することは、活性を
評価しました。精製したリコンビナントタンパク質がネイティブタンパク質と同
持つタンパク質の精製条件の検討のために、非常に有益です。
様に 6 量 体 構 造をとっているのかという疑 問は 常について回ります。
DelsaMax COREのDLSとSLS測定技術によって、このタンパク質サンプル
の分子量、
サイズ
(粒子径)
そして多分散インデックスを簡単に測定しています。
材料と方法
1. タンパク質の精製
BL21
(DE3)
大腸菌でFliIタンパク質を過剰発現させ、金属アフィニティ
ステップとサイズ排除クロマトグラフィーステップで構成したツーステッ
プ・プロトコルで精製しました。
2. サンプルとDelsaMax CORE の準備
精度の高い測定には、混入した塵やその他のコンタミネーションを除去
する必要があるため、
サンプルを0.1µm径のフィルターでろ過しました。
また、レーザーと温度が安定した状態で測定を行うため、使用する20分
前に電源を入れました。
3. タンパク質濃度の正確な決定
測定データを正しく解釈するため、サンプル濃度を正しく測定することが
最も重要です。不正確な濃度情報により、結果の解釈を間違える可能性が
あります。タンパク質濃度は、分光光度計を用いて280 nmの吸光度を
測定し、ProtParamツール
(www.expasy.org)
でタンパク質の吸光
係数を計算し、
ランベルト・ベール法で決定しました。ブラッドフォード法で
総評
生体サンプルを素早く、高精度に測定できるDelsaMax COREは、日々の
研究において非常に有用な測定器です。DelsaMax COREを使用するこ
とで、簡単にサンプルの状態をパラメータ化して評価できます。DelsaMax
COREは、静的光散乱法および動的光散乱法を1台で行うことができます。
特に、300 ~ 1,000,000 Da の範囲の分子量と0.4 ~ 10,000 nm の
範囲のサイズ
(粒子径)
を、1.25μLというごくごく少量で測定することが
できます。
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2015年後半の学会・展示会をご紹介
Exhibition
Information
RNAi研究会、JASIS、粉体工業展大阪、免疫学会、
法科学技術学会、スクリーニング学研究会、BMB 出展
第7回 日本RNAi研究会・第2回Japanese Society of Extracellular Vesicles 共催展示会
会期:8/26
(水)~28
(金)
会場:グランドプリンスホテル広島
エクソソーム精製に必須な超遠心機、および粒径測定を簡便に行える動的光散乱測定装置をご紹介いたします。
当日、国立がん研究センター研究所 落谷先生・吉岡先生のインタビュー記事を配布いたします。
Optima MAX-XP
DelsaMax CORE
Optima XPN-100
JASIS 2015
会期:9/2
(水)
~4
(金)
会場:幕張メッセ国際展示場 ホール7(7B-703)
新製品のハイパフォーマンス コンパクトフローサイトメーター CytoFLEXをはじめ、リアルタイム粒子径測定装置
DelsaMaxシリーズ、精密粒度分布測定装置 Multisizer 4e、パーティクルカウンター、分析用超遠心機などの様々なライン
アップをご紹介いたします。ダナハーグループ ライカマイクロバイオロジー、エービー・サイエックスの展示ブースにもぜひ
お立ち寄りください。
DelsaMax PRO
CytoFLEX
粉体工業展大阪 2015
9703+
DelsaMax ASSIST
会期:10/14
(水)
~16
(金)
会場:インテックス大阪
(南港)4号館(4-15)
粉体サンプルの測定に最適な LS13 320トルネードドライパウダーモジュール、
リアルタイム粒子径測定装置 DelsaMax
シリーズ、精密粒度分布測定装置 Multisizer 4e、パーティクルカウンターなどの様々なラインアップをご紹介いたします。
HHPC+シリーズ LS 13 320 乾式システム
(トルネードドライパウダーモジュール装着)
10
Multisizer 4e
日本法科学技術学会第21回学術集会
会期:11/12
(木)
~13
(金)
会場:柏の葉カンファレンスセンター
DNA型鑑定の前処理などの様々なアッセイの自動化をサポートする自動分注システム Biomekシリーズと、自動化に最適
で高機能、低コストのDNA抽出試薬 DNAdvanceをご紹介いたします。
Biomek FX P
Agencourt DNAdvance
第44回 日本免疫学会学術集会
会期:11/18
(水)
~20
(金)
会場:札幌コンベンションセンター
免疫学の研究に必須のツール、フローサイトメーターがさらにハイパフォーマンス、コンパクトになりました。設置スペース
43×43 cmのコンパクトサイズに4レーザーを搭載した CytoFLEX Sと、一秒間に7万個の細胞を分取できる MoFlo
Astrios EQ を展示いたします。ランチョンセミナーも予定しておりますので、ぜひご参加ください。
抗体試薬
MoFlo Astrios EQ/EQs
CytoFLEX
第6回 スクリーニング学研究会
会期:11/27
(金)
会場:大宮ソニックシティ
ハイスループットスクリーニング(HTS)
、ハイコンテンツスクリーニング(HCS)向けの自動化システムをご紹介いたします。
自動分注システム Biomek FXPを中心とするインテグレーションシステムと、それらをコントロールする SAMI EX Software
の展示を行います。
Biomek FX P
SAMI FX Software
BMB2015
(第38回 日本分子生物学会年会・第88回 日本生化学会大会 合同大会)
会期:12/1
(火)
~4
(金)
会場:神戸国際展示場
再生、発生など様々な細胞研究をサポートするハイパフォーマンスな細胞解析機能をコンパクトなボディで実現したフロー
サイトメーター CytoFLEXを展示いたします。1秒間に7万個の細胞を分取できる MoFlo Astrios EQ もご紹介いたします。
ランチョンセミナーも予定しておりますので、ぜひご参加ください。
MoFlo Astrios EQ/EQs
CytoFLEX Plate Loader
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展示会 / セミナー 展示
第7回 日本RNAi研究会・第2回Japanese Society of Extracellular Vesicles 共催展示会
8月26(水)∼ 28(金) 会場:グランドプリンスホテル広島
展示
展示
JASIS 2015
粉体工業展大阪 2015
9月2日(水)∼ 4日(金) 会場:幕張メッセ国際展示場
10月14日(水)∼ 16日(金) 会場:インテックス大阪(南港)
展示
展示 / セミナー
日本法科学技術学会第21回学術集会
第44回日本免疫学会学術集会
11月12日(木)∼ 13(金) 会場:柏の葉カンファレンスセンター
11月18日(水)∼ 20日(金) 会場:札幌コンベンションセンター
展示
展示 / セミナー
第6回 スクリーニング学研究会
BMB 2015(第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同大会)
11月27日(金) 会場:大宮ソニックシティ
12月1日(火)∼ 4日(金) 会場:神戸ポートピアホテル 神戸国際展示場
ベックマン・コールター 社内セミナー / トレーニング
アナライザー One Day スクール
http://www.bc-cytometry.com/support&service/oneday_school.html
Cytomics FC 500 基礎コース
<東京ビジョンセンター> 9 月7 日
(月)、9 月25(金)、10 月6 日
(火)、10 月20 日
(火)
、11 月13 日
(金)、11 月24 日
(火)、12 月14 日
(月)
Gallios 基礎コース
<東京ビジョンセンター> 9 月17 日
(木)、10 月22 日
(木)、11 月5 日
(木)、12 月16 日
(水)
Galliosプロトコル作成パーソナルトレーニング
<東京ビジョンセンター> 9 月17 日
(木)、10 月22 日
(木)、11 月5 日
(木)、12 月16 日
(水)
アナライザー Half Day スクール
http://www.bc-cytometry.com/support&service/cytoflex_halfday_school.html
CytoFLEX 基礎コース
<東京ビジョンセンター> 9月17日(木)、25日(金)、10月2日(金)、22日(木)、11月5日(木)、6日(金)、12月16日(水)、21日(月)
<大阪ビジョンセンター> 9月25日(金)、10月2日(金)、11月6日(金)、12月21日(月)
セルソーター Two Day スクール
http://www.bc-cytometry.com/support&service/oneday_school.html
MoFlo XDP 基礎コース
<東京ビジョンセンター> 9月10日(木)∼ 11日(金)、10月13日(火)∼ 14日(水)、11月9日(月)∼ 10日(火)
、12月10日(木)∼ 11日(金)
MoFlo Astrios 基礎コース
<東京ビジョンセンター> 9月29日(火)∼ 30日(水)、10月29日(木)∼ 30日(金)、11月26日(木)∼ 27日(金)、12月17日(木)∼ 18日(金)
フローサイトアプリケーションセミナー
http://www.bc-cytometry.com/support&service/flowcyto_seminar.html
第67回 FCMの基礎 2015年9月18日(金)
第68回 細胞周期解析の基礎と応用 2015年10月21日(水)
第70回 FCMの基礎 2015年11月4日(水)
※ベックマン・コールター 社内セミナー /トレーニングは、Webサイトからお申し込みください。
編集後記
今年2回目のProgresso、秋号が発刊となりました。現在Progressoのパワーアップに
向けて準備を進めており、年内は今号でひとまずお休み。来年からもっともっと待ち遠しくなる
Progressoになって帰ってきます。どうぞご期待ください。
2015.8-13500
(L)