ここで、相続税の納税猶予制度における後継者である相続人の要件と先代経営者である被 相続人の要件について、纏めておきます。(前回の図も参考にして下さい。 ) 被相続人の要件 相続人(経営承継相続人等)の要件 ① 相続開始前において、その認定承継会社 ① 相続開始の直前において、被相続人の親 の代表権を有していたこと。 族であること。 ② 相続開始の直前において、その被相続人 ② 相続開始の日から5か月を超過する日 の同族関係者と合わせて 50%超の議決 において、その認定承継会社の代表権を 権を有していたこと。 有していること。 ③ 相続開始の直前において、その被相続人 ③ 相続開始の時において、その相続人の同 が同族関係者(経営承継相続人となる者 族関係者と合わせて 50%超の議決権を を除く)内で筆頭株主であること 有すること。 (注) 被相続人が相続の開始の直前におい ④ 相続開始の時において、その相続人が同 て、その認定承継会社の代表権を有していな 族関係者内で筆頭株主であること。 かった場合には、代表権を有していた期間の ⑤ 相続開始の時から相続税の申告期限ま いずれかの時点と相続開始の直前の双方に で、相続などにより取得した「特例非上 おいて、①と②の要件を満たす必要がある。 場株式等」のすべてを有していること。 ⑥ 相続開始の時において、経済産業大臣の 認定を受けた特例後継者であり、かつ、 相続開始の直前において、その認定承継 会社の役員であったこと。 <事業継続要件> 5 年間の経営承継期間のうちで、経営承継相続人や認定承継会社について、諸々の事由が発 生した場合には、そこで納税猶予が確定し、原則として、諸々の事由が生じた日から 2 ヶ 月以内に利子税とともに納税猶予税額の全額を納付しなければなりません(租税特別措置 法 70 の 7 の 2③、同施行令 48 の 8 の 2 等) 。 この辺りは、図(前回からの続き)に簡潔に纏められていますので、参考にして下さい。 また、<納税猶予継続中の届出><納税猶予税額の免除>についても、同様に参考にして 下さい。 <納税猶予制度の適用株式> 適用株式の範囲は、認定承継会社の発行済株式等の 3 分の 2 に達するまでの部分が納税猶 予制度の対象となります(租税特別措置法第 70 の 7 の 2①等) 。 また、相続税の申告期限時において、いわゆる「未分割」の非上場株式等は、納税猶予 制度は適用されません(租税特別措置法第 70 の 2 の 2⑦) 。 (図1) 出典:国税庁HP 「非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予の特例のあらまし」 後半部分 <禁:無断掲載(ネット上も含む)>
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