「来る人、来られない人」 - 東北教区被災者支援センター・エマオ

第5号
2013年9月11日 発行
Vol.5
「来る人、来られない人」
この夏も「被災者支援センターエマオ」を訪れる人びとが絶えま
せん。全国各地からはもちろん、海外からも東日本大震災に関わる
課題を憶え、支え続けてくれています。
片岡 謁也
(東北教区宣教部委員長・若松栄町教会牧師)
事務局集計によると8月31日付けで「4,948名(累計人数)」になります。震災後二年半を経て従来の活動を終結
し閉鎖するボランティア拠点も生じるなか、これだけ多くのワーカーが関わり、そして今もエマオを目指して来てく
ださることに心から感謝いたします。励まされます。繰り返し触れていることですが、エマオのモットー「スロー
ワーク」に共鳴しリピーターとして幾度も来てくださる皆さん、ありがとうございます。これからもどうぞよろし
く。
「原子力行政を問い直す宗教者の会」の繋がりで、この夏北海道に行ってきました。会津放射能情報センターのメ
ンバーである親子26名の保養プログラムで、深川市の浄土真宗の寺院「一乗寺」の皆さんが招いてくださいました。
言うまでもなく、放射能汚染に晒されているフクシマの子どもたちにゆったり伸びやかに過ごしてもらいたい、と整
えてくださったのです。
出かける前に参加者が出席した若松栄町教会の礼拝で「派遣の祈り」を捧げ、教会員の祈りに送り出されました。
そして到着は先述のようにお寺……。教会からお寺へと、この課題に向き合い生命に寄り添う営みは教団教派はもち
ろん宗教も越えた具体的な拡がりのなかにおかれています。朱鞠内(しゅまりない)湖畔のレイクハウスで前半を、
そして開放された一乗寺の本堂で後半を過ごし、心も身体も解き放たれた素敵な時を過ごしました。
そこでのSさんとの出会いが忘れられません。Sさんは深川の出身で高校卒業後、東海村を皮切りに全国各地の原発
で働いてきました。やがて保守管理部門の「親方」として責任を担い、その経験と手腕を買われて各地の原発に赴く
のです。そしてあの地震と津波……。Sさんはあの日、東京電力福島第一原子力発電所にいました。
重大な事態を察知し、お身体の不自由なお連れ合いさんとお義母さんをかばいながら避難所から避難所へ転々と、
実に9箇所も移り続けました。最後の避難所は会津若松、それまで移動を強いられてきたお義母さんが遂に会津で召
されたのです。やがて、Sさんご夫妻は生まれ故郷の深川市に戻ってきました。約50年ぶりのことです。職場と仲間
を、もうひとつの故郷双葉町を見捨てて避難した、と自らを責め続けるのです。そのSさんが私たちを迎えてくれまし
た。自分は二度と東北には、フクシマには行けない……と呟くSさんが忘れられません。
エマオに来てくださるワーカーの皆さん、ありがとうございます。ここまで来なくともワーカーを励まし祈りつつ
送り出してくださる皆さん、本当にありがとうございます。そして、この課題を憶えながらどうしてもここに来られ
ない人びとが全国各地にいる……ということも、どうか忘れないでいてください。
秋・冬のボランティア大募集
秋になり、また寒い冬がやってきます。夏の時期と比べボランティアに参加される方も少なくなります。ご協力をお願いいたします。
<エマオの主な活動内容(火から土まで)>
生活再建のお手伝い
被災された方の住まいや田畑などの復旧作業、石巻では漁業の復旧支援など
仮設住宅での交流支援 心のケア・孤立防止 毎朝のラジオ体操、お茶っこに参加
教育支援 ささっこクラブ&いしのまきっこ広場 子どもたちの居場所づくり・長期休み期間や季節のイベント
食事づくり ボランティアのための夕食づくりや若林区荒浜地区で独居の方、高齢の方へのお弁当づくりなど
<メールマガジン発行しています>毎月11日に活動の近況やイベントなどをお知らせします。ご希望の方は[email protected]
エマオ石巻
近 況
7月4日
石巻ワーク報告
まだ梅雨明けしない7月の東北地方は、昨日夕方はストーブをつけるほど肌寒かったと思いきや、
今日は25℃以上で湿度が高く蒸し暑い1日でした。今日はいつものように牡蠣(かき)の種挟
み、魚網まとめ等の漁業支援の他、お一人暮らしの年輩の方々の訪問で5軒のお家に伺いました。
被災後、心や体の変化を訴える方々は少なくなく、震災でダメージを受けた家の解体作業の騒音や
地響きなどに悩まされ、体調不良を起こしたり津波が運んだ汚泥の臭いに食欲がなくなり痩せてしまったり、車がなく
買い物できる商店まで1時間かけて歩き、重い荷物を持ちながらまた戻る…と言ったご苦労に精神的にも肉体的にも疲
労を覚える方…。その中で私たちに出来る事は…?と課題は尽きなく多くあります。どのようなことが最善かを見極
め、皆様により良い形でお役に立てればと思います。
8月3日
エマオ石巻
教団派遣専従者
飯野久美子
地盤沈下によって
大量に溜まる側溝
の貝殻やごみ
祝田で側溝掃除
ここの側溝は海に直接排出されるつくりなのですが、地盤が下がり時間に
よっては海に浸かってしまうので出口から貝殻やごみが入り込みます。そこ
へ逆方向から枯葉や泥などが流れ、完全に詰まってしまっていて雨の日はコ
ンクリの蓋が浮いてしまうほどで、ごみなどを取り除きました。今日は炎天
下での作業でしたが、みんな晴れてる方が気持ちがいいと張り切っていました。近所の方
も数人集まって、一緒に作業しました。
8月7日
エマオ石巻スタッフ
丹羽亮裕
荻浜ワーク
これまでのワークでは牡蠣(かき)の幼生を付着させるホタテ貝の束を袋に詰め込
みました。船に2~6袋程度を積載し、沖へ向かいます。ホタテ貝の束を1本ずつイカ
ダに結び付けて海中に吊り下げます。前日に吊り下げていたホタテ貝の表面には既に
カキの幼生(コショウ粉のような大きさ)が付着していました。今日の荻浜ではイカ
ダ等に使うウキの汚れ落としや屋号をペンキで書く作業をさせて頂きました。炎天下
での作業が続きました。
8月19日
エマオ石巻スタッフ
中野可菜
輪っこ編み
奈良県広陵町より来られたワーカーさんから靴下ハギレの「輪っか」を使った編み
物を教えて頂きました。
奈良県広陵町は靴下生産量が日本一とのことで、工場から出る大量の「輪っか(=産
業廃棄物)」を有効活用するため、手芸が創作されているそうです。
基本的な編み方をマスターすれば、コースターから鍋敷き、座布団、キッチンマッ
トなど、自分の好きなサイズの作品が出来上がるステキな手芸です。
週末に行っているお茶っこではもちろんのこと、先週からはワーカーさんも夢中に
なって取り組んでいます。
右上の写真が「輪っか」と作品例です。台湾チームも毎晩遅くまでオリジナルの作
品を創作していました。英語や中国語、日本語が飛び交いながらの手芸教室となりに
ぎやかな夜が続きました。大量の輪っかを台湾へのお土産にしているほどみんなどっ
ぷりハマっています。輪っこ編みのご指導と大量の「輪っか」献品をどうもありがと
うございました。今後さらに輪っこ編みが活躍しそうです。
エマオ石巻スタッフ
中野可菜
1袋に150本前後のホタテ貝の束が詰
まっています
まで、お名前とメールアドレスをお知らせください。
エマオ仙台
近 況
夏休みささっこクラブ 報告
8月5日から23日の毎週月・水・金にささっこクラブの活動を行いま
した。前半は宮城学院女子大学の「おもちゃばこサークル」のみなさん
がレクリエーションの企画をしてくださり、一緒に夏休みの宿題をした
り、工作をして遊びました。工作はスライムづくりや割り箸鉄砲を作っての的当てゲー
ム、アイスキャンディ作りなどを行い、その他大きなシャボン玉作りや明治学院東村山高
校のみなさんによるうーめん(宮城県白石市の特産品)流しやヨーヨー釣りなど、盛りだ
くさんの内容でした。お子さんたちも来てくれる度にだんだんと慣れ、それぞれのカラー
が発揮されており、のびのびと自由に楽しんでくれているように感じています。
次の週には桜美林大学や上智大学のみなさんが中心になって企画をしてくれました。
ペットボトルロケットをつくって飛ばしたり、大人たちも一緒になって水遊びをしたり。
スイカ割りも楽しく行いました。今日はたくさんの風船を膨らませて、みんなでわいわい
遊びました。様々なレクリエーションを行うことができ、お子さんたちも喜んでくれてい
るように感じています。少しでも夏休みの楽しい思い出が増えることや笹屋敷・石場の地
域に子どもたちの笑顔が咲くことを願っています!
楽しい水遊び
スイカ割り
最終週は桃山学院大学の方々が様々な企画を考えてくれました。かき氷を食べたり、身体をつかってたくさんのゲー
ムをしたりしました。室内でも、屋外でも楽しく遊べることができたのはとてもよかったのではないかと思っていま
す。金曜日には大きなパズルを完成させて、みんなで色を塗りました。色塗りもそれぞれの感性で進めつつ全体の調和
がとれたとても素晴らしいものになりました!!一生懸命に色を塗る子どもたちの表情は本当に素敵でした。
夏休みささっこクラブを中心になって協力してくださった大学生の皆さま・ワーカーの皆さま、思いをもって献品や
献金をしてくださった皆さま、本当に感謝しております。ありがとうございます。
エマオ仙台スタッフ
仮設住宅合同夏祭り
2013年8月18日、七郷中央公園仮設住宅で荒井2号・荒井7号・七郷中央公園仮設住
宅の合同の夏祭りを自治会が主体的になり行いました。私たちは少しお手伝いさせてい
ただきました。模擬店では、綿あめやたこ焼きなどが行われた他、ステージではカラオ
ケ大会やチアダンスチームの発表、落語などが行われました。
カラオケ大会では、歌好きの住民の方々が楽しく熱唱していたように思えました。
また、台湾から来てくださったPCT(台湾基督長老教会)のメンバーも参加し聞いてい
る方々も大いに盛り上がっていたように思えます。
ボランティア、住民関係なく一人一人が夏祭りの時を楽しく過ごす事が出来たのでは
ないかと思いました。
実習生 木下 大輔(桃山学院大学4回生)
お弁当プロジェクト
2013年8月17日、荒井7号仮設住宅でお弁当プロジェクトを行いました。仮設住宅にお
住まいの方々計5名が参加され、山形学院高校食物調理科の生徒さんが作ってくれた、鳥
のから揚げ、エビフライ、ポテトサラダ、ほうれん草バターソテー、かぼちゃの重ね蒸
し、おにぎりを楽しく頂きました。お弁当プロジェクト終了直前、参加された方が
「一人でご飯を作ると面倒なので簡単なものしか作らない。だからこのような美味しい料
理を作る事がないのでとてもよかった」とおっしゃっていました。
山形学院高校のみなさんにとっても仮設住宅に住まれている方々にとってもとても楽しい
1日になったと思います。
実習生
木下 大輔(桃山学院大学4回生)
※お弁当プロジェクトでは、随時食事を作って食事をご一緒して下さる方を募集しており
ます。小規模仮設住宅や個人宅などに更に拡大し「毎月恒例」を目標にしています。おべ
んとう作りチーム、大募集中です。どうぞお問い合わせください。
小此木知香
支援金のお願いと会計報告
これまで被災者支援センターは多くの方々のご支援とご協力によって支えられて参りました。
この場をお借りして、心より感謝申し上げます。今後もこの働きを続けていくために引き続きご協力をいただければ幸いです。
支援金はこちらまでお願いします
<振込方法>
①ゆうちょ銀行からのご送金
記号:18180
番号:9624941
名義: 日本基督教団東北教区
②ゆうちょ以外の機関からご送金
会計報告(2011年3月~2013年8月末)
収入の部
食事献金
雑収入
店名:八一八(はちいちはち)
合 計
預金種目:普通預金
支出の部
救援特別会計※
金融機関名:ゆうちょ銀行
66,108,109円
2,334,872円
433,540円
68,876,521 円
※東北教区への支援金から支出された金額です
口座番号:0962494
ご支援に心より感謝いたします
活動費
事務費
車両関係費
人件費
旅費交通費
繰越金
合 計
12,546,053円
11,892,156円
7,988,619円
34,228,088円
2,201,339円
20,266
68,876,521 円
名義:日本基督教団東北教区
Worker’s Voice
ボランティア
ワ ー カ ー の
声
自分の祖父と作業しているようだった
今日は4人で昨日の作業の続きを行いました。この前来ていたワーカーと久しぶりに会い、合
同作業をし、スムーズに作業を行うことができました。はじめにエマオに来たときは、すべてが
はじめての体験でとても刺激的でしたが、今回は、人とのつながりの大切さを知ることができま
した。1つのお宅に集中してワークに入ることは今回がはじめてだったので、良かったです。ま
るで、自分の祖父と作業をしているようで、ゆったりと落ち着いた有意義な生活を送ることがで
きて、良かったです。 (Y.K.さん)
Information
ボランティア登録者数:4,948名 (2013年8月31日現在)
おしらせ掲示板
10/13から10/21までお休みをいただきます
夏休み時期には大変多くのボランティアさんにご参
加いただきました。10月13から21日までの間、お
休みをいただきます。ご迷惑をおかけしますが、ご
理解とご協力をお願いいたします。
スタッフの卒業
当センターの活動を長く担ったスタッフの南紀恵
(石巻)、田中献一(仙台)が9月末をもちまして
エマオを発ちます。今後それぞれが歩む道に神様
の守りがありますようにお祈りいたします。
スタッフ
被災者支援センター長
上野和明
教団派遣専従者
佐藤真史・飯野久美子
エマオ石巻チャプレン
関川祐一郎
エマオ仙台スタッフ
上野ぱく・小此木知香・茅野風歌・菊池護・田中献一
事務スタッフ
戸枝季子・永野香織・畑屋武志・新井ななえ(JOCS)
エマオ石巻スタッフ
武井瞳美・中野可菜・丹羽亮裕・南紀恵
日本キリスト教団東北教区被災者支援センター・エマオ
〒980-0012 仙台市青葉区錦町1-13-6 2階
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