日本の新幹線の建設と運営 (整備新幹線とは何か) (社)日本鉄道車輌工業会 佐伯 洋 日本の新幹線ネットワーク 整 備 新 幹 線 既設新幹線 1835km 開業区間 341km 着工区間 634km 未着工区間 基本計画線 約533km 約3510km 整備新幹線とは? • 法律(全国新幹線鉄道整備法(昭和45年))に基づき、 「整備計画」が定められている以下の新幹線 北海道新幹線 青森市・札幌市間 約300㎞ 東北新幹線 盛岡市・青森市間 約180㎞ 北陸新幹線 東京都・大阪市間 約600㎞ 九州新幹線 鹿児島ルート 福岡市・鹿児島市間 約260km 長崎ルート 福岡市・長崎市間 約120㎞ 注)東海道新幹線、山陽新幹線、東北新幹線(東京~盛岡間)、 上越新幹線は、 国鉄等により建設されたもので、いわゆる 「整備新幹線」とは言わない。 ⇒「既設新幹線」と言われる。 整備新幹線 誰が建設し、誰が運営するのか? • 法律(全国新幹線鉄道整備法)に基づき、 国土交通大臣が「建設主体」と「運営主体」を指名 • 建設主体 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備機構 (旧鉄道建設公団) • 運営主体 北海道新幹線 JR北海道 東北新幹線 JR東日本 北陸新幹線 JR東日本→(上越)←JR西日本 九州新幹線 JR九州 注)法律制定時には、建設主体は国鉄又は鉄道建設公団、運営主体は国 鉄と定められていたが、昭和62年の国鉄改革に伴い、上記の各組織に 法律上の権利・義務が承継された。 整備新幹線 建設の財源は? 国?JR? • 建設の財源(すべて公的資金で賄う。借金はしない) 国(3分の2)注) 地方自治体(3分の1) • JRは出さないの? 新幹線の運営にあたり線路の「貸付料」を払う (現在の貸付料は、高崎・長野間の返済に充当) • 「貸付料」の金額は、どのように決める? 新幹線が新たに建設され、それをJRが運営するこ とによって、JRが受ける利益に相当する金額 (つまり、JRの経営に対して中立となっている) 注) 東海道新幹線等をJRへ売却した代金の一部(いわゆる特定財源)を含む。 整備新幹線 新たな路線の着工の条件は? • 安定的財源の確保(長期にわたる公的資金の手当て) • 収支採算性(収支改善:時間短縮が鉄道の需要増加) • 投資効果(費用対効果:時間短縮が地元経済に好影響) • 運営主体となる各JRの同意 • 並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意 (在来線の運営:JR→第3セクター(地元資本))
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