2015 年ワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)ルール変更の概要

2015 年ワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)ルール変更の概要
2016 年 WBC ダブリン大会より発効
本文書は内部のみの使用とし、WBC ルールを代替するものではありません。
全ルール文書は http://worldbaristachampionship.com/にて参照してください。
新規ルール
2.1.A.i. 概要
競技参加者の競技は、センサリー、テクニカル、ヘッドの 3 つの項目別ジャッジによって
評価されます。
国内競技会の審査は、センサリージャッジ 4 名、テクニカルジャッジ 2 名、ヘッドジャッ
ジ 1 名が行うものとします。ワールドバリスタチャンピオンシップにおいては、センサリ
ージャッジ 4 名、テクニカルジャッジ 1 名、ヘッドジャッジ 1 名が審査にあたります。但
し、ステージ上に、スコアを付けることのないシャドウジャッジがつく事もあります。
理由:世界大会レベルでは、競技者が全般的にテクニカルシート上、非常に高度な技能を
示すことが明らかになりました。これを受けて、世界大会ステージでのテクニカルジャッ
ジを 2 名から 1 名に減らすことが決定されました。国内競技会では従来通り、2 名のテク
ニカルジャッジが必要です。
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4.4 グラインダー
WBC 競技会参加者は、エスプレッソ、ミルクビバレッジ、シグニチャービバレッジの各
コースにおいてエスプレッソをつくる際、必ず WBC の公式グラインダー・スポンサーで
ある Mahlkoenig のグラインダーを使用するものとします。競技用に Mahlkoenig K30
Vario グラインダーが提供されます。競技者所有のグラインダーは、たとえ提供されるグ
ラインダーと同モデルであっても、使用は認められません。提供されるグラインダーは技
術的構成が固定されており、競技者が機械を開いたり内部設定を変更したりすることは認
められません。競技者は機械外部からのコントロールによって、挽き目と量を加減するこ
とができます。すべての提供されるグラインダーは、新しい刃が搭載され、内部設定にお
いて調整参照ポイント(Red Mark 2)に設定されます。このルールへの違反は失格の理由
となります。
国内大会の主催者は、競技参加者に対し、提供されるグラインダーの使用を義務付ける必
要はありません。
理由:ワールドコーヒーイベントでは、競技参加者の多くおよびその後援者チームが競技
会のための必要器具の調達に、時間的かつ労力的に大きな負担を抱えていることを認識し、
WBC 提供のグラインダー使用を通して、各バリスタが世界ステージに進む際には平等な
機会を与えたいと考えました。これによりステージ上で誰もが同じベーシックな機器を使
うことから、ジャッジも競技者も、純粋に技術的能力と競技の創造性の評価に集中するこ
とが可能になります。
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2.2.2 ミルクビバレッジ
A. ミルクビバレッジとは、シングル(1)ショットのエスプレッソ(2.2.1 A-K に記載さ
れるエスプレッソの定義に従う)とスチームした牛乳の組み合わせにより、濃厚で甘いミ
ルクとエスプレッソがバランスよく調和するドリンクです。容量は 240 ml 未満とします。
B. ミルクビバレッジは、ラテアートを描いて提供するのも、中央に白いミルクの円を浮
かべた伝統的スタイルで提供するのも自由です。ラテアートの表現は競技者に委ねられま
す。
C. ミルクビバレッジは、ジャッジが正確なスコアリングを阻害されることなく飲むこと
のできるカップで提供されなくてはなりません。たとえば容器が熱すぎて手に持てない場
合、安全に飲むことができない場合などはこの規定への違反となります。
そうした場合は、「機能的な容器の使用」項目に NO が与えられます。
D. 砂糖、スパイス、粉末状のフレーバーなどを含むトッピングは一切認められません。
これらを使用した場合は、「味のバランス」項目で得点 0 となります。
E. ミルクビバレッジは、ナプキンとフレーバーが添加されていない水とともにジャッジ
に提供されるものとします。これを怠ると、「細部への心配り」の項目で減点となります。
F. 挽かれたコーヒーと水以外のものはポルタフィルター内に入れることはできません。
この条件を満たさない場合、ミルクビバレッジのカテゴリーで、テクニカルおよびセンサ
リースコアシートの項目の得点はすべて 0 となります。
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14.3.2 味覚バランス
ミルクビバレッジはすぐに飲める温度で提供される温かい飲料です。ビバレッジのテクス
チャーと温度、そしてコーヒーとミルクの味わいはフレーバー評価に含められます。ミル
クビバレッジには、ミルクの甘みとエスプレッソベースの調和のとれたバランスが求めら
れます。そこには、エスプレッソに使われるコーヒー豆、コーヒーのテイストプロファイ
ル、そして付加されたミルクによりいかにそのフレーバープロファイルが高められたかと
いう相関性が求められます。
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14.3.3 フレーバー
ジャッジは競技者が述べるフレーバーの描写と説明を聞き、それを提供されたドリンクと
比較します。ミルクビバレッジに使われるコーヒー豆とそのテイストプロファイルの間に
は相関性が存在すべきです。このスコアは、その描写や説明がどれほど正確にミルクビバ
レッジのフレーバーに合致しているかに基づいて採点されます。フレーバーの描写や説明
がない場合、この項目のスコアは 0 とされます。
Part II ミルクビバレッジ審査
外観は適切か
(トラディショナルまたはラテアート)
味覚バランス
(濃厚で甘いミルクとエスプレッソとの調和)
フレーバー
機能歴な容器の使用
理由:WBC ステージで 15 年間、ミルクドリンクの単一の定義を守り続けてきましたが、
業界として我々が今ある状況をより良く反映するために、ミルクビバレッジコースを設け
る時だと考えました。新しさと美味しさをもつドリンクに対して、オープンマインドで臨
みます。
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14.4.5 味覚バランス
ジャッジは、エスプレッソの味覚構成要素(甘味、酸味、苦味)がいかに調和し、使われ
る他の材料を引き立てているかに基づいてシグニチャービバレッジを評価します。エスプ
レッソの風味が支配的で、容易に特定できることが高得点の条件となります。ジャッジは
競技者が指定する飲み方に従うものとします。
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14.4.6 フレーバー
ジャッジは競技者が述べるフレーバーの描写と説明を聞き、それを提供されたドリンクと
比較します。そこにはシグニチャービバレッジに使われるコーヒー豆とそのテイストプロ
ファイルの間に相関性が存在すべきです。このスコアは、その描写や説明がどれほど正確
にシグニチャービバレッジのフレーバーに合致しているかに基づいて採点されます。フレ
ーバーの描写や説明がない場合、この項目のスコアは 0 とされます。
Part III シグニチャービバレッジの審査
説明、紹介、準備が十分にされているか
外観
機能性
創造性、コーヒーとの相乗効果
味覚のバランス
(内容物とエスプレッソの味による)
フレーバー
理由:競技者からのコミュニケーション、審査のためのコミュニケーションの一貫性を図
る目的で、シグニチャービバレッジのセンサリー審査は、味覚バランススコアとフレーバ
ースコアの組み合わせとしました。
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2.2.1.I エスプレッソ
A. エスプレッソ提供時にはクレマが存在すべきです。クレマは厚くスムースで、中央にブ
レイクがあってはなりません。
理由:本ルール適用条件を明確にするために、表現を変更しました。
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14.2.5 機能的で適正なエスプレッソ容器の使用
エスプレッソは、外観を評価し、飲むのに適した容器で提供されなければなりません。
理由:本ルール適用条件を明確にするために、表現を変更しました。