フラット 35 の制度拡充と新たな取扱い

住宅ローンアドバイザー 最新情報
フラット 35 の制度拡充と新たな取扱い
2015/10 掲載
一部、前回試験の最新情報でもお伝えしたが、住宅金融支援機構は、平成 27 年2月9日以降に資金
をお受取になる方から以下の制度拡充や、フラット 35(リフォーム一体型)の取扱い開始等の新た
な制度をスタートさせているので、内容を確認しておきたい。
1.制度拡充
(1)フラット35Sの金利引下げ幅の拡大
フラット35Sにおける当初5年間(長期優良住宅、認定低炭素住宅等の特に性能が優れた住宅につい
ては当初 10 年間)の金利引下げ幅を、現行の年▲0.3%から年▲0.6%に拡大された。
なお、フラット35Sの金利引下げ幅を年▲0.3%から年▲0.6%に拡大する制度拡充には予算金額があ
り、予算金額に達する見込みとなった場合は、制度拡充終了日を前倒しすることとなる。制度拡充終了後
の申込受付分から、フラット35Sの金利引下げ幅は制度拡充実施前と同じ年▲0.3%になる予定である。
また、フラット35Sには予算金額があり、予算金額に達する見込みとなった場合は、受付が終了となる。
受付終了日は、終了する約3週間前までにフラット35サイト(www.flat35.com)で告知される。
(2)フラット35(買取型)の9割超融資の上乗せ金利圧縮
フラット35では、借入期間(20 年以下・21 年以上)、融資率(9割以下・9割超)に応じて、借入金利が
異なるが、このうち、フラット35(買取型)の9割超融資の上乗せ金利について、従来の9割超融資の場合
と比べて上乗せしている金利が引き下げられた。
詳細は住宅金融支援機構HPを参照のこと(http://www.flat35.com/topics/topics_20150203.html)。
2.ダブルフラットの創設
平成27年4月より、ダブルフラットの制度が創設された。
ダブルフラットとは、将来の返済負担を軽減することを主な目的として、フラット35を2つ組み合わせて
利用するものである。
なお、ダブルフラットについては、次の組合せにより融資の利用が可能とされている。
1.フラット20※+フラット35
2.フラット35】 +フラット35
3.フラット20※+フラット20※
※フラット20とは、フラット35のうち、15年以上20年以下のお借入期間を選択する場合をいう。フラッ
ト20の最頻金利(取扱金融機関が提供する最も多い金利)は、お借入期間が21年以上35年以下のフラ
ット35の最頻金利よりも低くなっている。 20年以下の借入期間を選択した場合、原則として、返済の途
中で借入期間を21年以上に変更することはできない。
注意点としては、ダブルフラットを利用する場合、それぞれの借入れに対して、金銭消費貸借契約、抵
当権設定等の手続が必要となり、融資手数料、金銭消費貸借契約書の印紙税、抵当権設定のための費
用等が、1つの借入れの場合と比べて多くかかることがあげられている。
また、取扱い金融機関も現状では限られているので、この点の確認も必要である。
詳細は住宅支援機構HPを参照のこと(http://www.flat35.com/loan/double.html)。
3.フラット 35(リフォーム一体型)の取扱い開始
フラット 35(リフォーム一体型)は、中古住宅の購入資金と中古住宅の購入に併せて行うリフ
ォーム工事の資金を 1 つのフラット 35 で一緒に借りることができる住宅ローン商品である。
リフォーム工事の内容は限定しておらず、ニーズに応じた自由なリフォームが可能となってい
る。また、購入する中古住宅がフラット 35 の技術基準を満たさない場合であっても、リフォーム
工事によりフラット 35 の技術基準を満たすことにより、購入資金もリフォーム資金とまとめて、
フラット 35 が利用可能となる。より条件の厳しいフラット 35Sについても同様である。
これまでも、リフォームパックなどを使えばリフォーム資金を借りられるケースもあったが、
使い勝手が悪かった。今回、住宅購入費用にリフォーム費用を上乗せして、住宅ローン一本で借
りられ、かつ長期間返済できるといった取り扱いはこれから中古住宅の購入を検討している人に
は朗報といえる。
詳細は住宅支援機構HPを参照のこと(http://www.flat35.com/loan/reform/index.html)
4.太陽光発電の売電収入を年収に加算する取扱い
フラット 35 では、太陽光発電の売電収入を年収に加算する取り扱いを開始した。
融資の対象となる太陽光発電設備で得られる売電収入のうち、「申込者が申請した売電収入の
見込み、または、住宅金融支援機構が定める上限額のうちいずれか低い金額
た金額が年収に加算されることになる。
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0.7」で算出し
融資の対象となる太陽光発電設備は、融資対象住宅の屋根、外壁または住宅用カーポートに固
定して設置されるものとなる。融資対象とならない太陽光発電設備で発電した電力の売電収入は、
年間収入に加算されない。
なお、新築住宅の建設融資・購入融資の他、新規に太陽光発電設備を設置する場合のフラット
35(リフォーム一体型)にも適応される。
詳細は住宅支援機構HPを参照のこと(http://www.flat35.com/loan/flat35/solar.html)
以上、出典・参考:住宅金融支援機構ホームページ