Hallo Deutschland 2014

Hallo Deutschland 2014
南山大学外国語学部ドイツ学科 4 年
天満江里
初めてこのコンテストについて知った時、すぐに興味が湧きました。これまで、ドイツ
語関連のコンテストとといえば、暗唱や弁論のコンテストしか経験したことがなかったた
め、ワークショップの企画のコンテストはとても新しく感じられました。
今年のコンテストのテーマは、
「環境の国、ドイツ」ということで、ワークショップで何
をすべきか悩みました。そこで、 私たちがまず初めに考えたことは、
「ドイツにおいて環
境に優しいとはどういうことなのか」ということでした。日本にも厳しいリサイクルのシ
ステムがあったり、道路も清掃されていたりするのに、なぜ日本は環境先進国として認識
されないのか、疑問に思いました。そこで私たちがたどり着いた答えは、
「日本のゴミの多
さ」でした。確かに日本では近年ゴミをリサイクルし、資源を大切にしようとする意識が
高まってきています。しかしながら、日本は先進国の中で一二を争うゴミの産出国である、
ということは意外に知られていません。そのことは、ドイツのスーパーと日本のスーパー
を比べるてみると一目瞭然です。日本のスーパーでは、ドイツのそれと比べて、ほとんど
の野菜にプラスチックの包装がほどこされています。一方、ドイツでは、量り売りのもの
が多く、 包装されているものは比較的少ないです。また、近年、ドイツでは「BIO」つま
り、有機栽培の商品に対する意識が高まってきています。これらのことが環境を配慮して
いるものであれ、そうでないであれ、環境に優しいのは、ドイツのスーパーであることが
明白であることに私たちは気づき、このことを子どもたちに知ってほしい、と考えました。
そこで、私たちが考えたのは、ドイツのスーパーでのお買い物をシミュレーションする、
「Einkaufsspiel」でした。つまり、お買い物ゲームです。ルールは以下の通りです。
1. 教室に商品をならべる。
2. 各グループに一枚ずつお買い物リストを配る。リストには、ドイツ語で商品名を書く。
3. 子どもたちは自由に買い物をし、日本語で商品名を記入する。
4. 正解の品を購入し、正しく日本語の商品名を記入できれば、ポイントなもらえる。
この際に、より「環境に優しい」買い方、つまり、包装がされていない商品や有機栽培
の商品を選んでいれば、
「エコポイント」を与えます。このポイントを与えることにより、
より「環境に優しい」お買い物ができたグループが勝つ仕組みになっています。しかしな
がら、この「エコポイント」については生徒たちには説明せず、彼ら自身にゲームの後に
「一体何が環境に優しいのか」というテーマについて話し合ってもらうことにしました。
ゲームで使う商品は、ゴミにならないよう、またワークショップの後も使えるように石鹸
粘土を使って作りました。
以上のようにワークショップの計画をし、実際に、南山大学と成城大学の付属小学校に
赴き、計画を実行しました。しかしながら、計画通りに実行するのは、とても難しかった
です。
まず、最初に実施した南山大学付属小学校では、予定以上にワークショップがスムーズ
に進んでしまい、与えられていた時間の約半分で終わってしまいました。そのため、質問
の時間を設けたのですが、私たちが予想している範囲を超えた質問が出てしまい、困惑し
てしまう場面が目立ってしまいました。
南山大学付属小学校での反省点を踏まえて、成城大学付属小学校でのワークショップは
少し変更しました。時間配分を改善し、想定外の質問にも備え、ドイツの基礎知識や環境
政策についての情報を、範囲を広げて勉強し直しました。その結果、南山大学付属小学校
の時のようにスムーズに進めることはできませんでしたが、時間配分は大幅に改善され、
生徒たちも積極的に参加することのできるワークショップになったと思います。
このプロジェクトに参加して、私は小学生たちから大切なことを学んだと思います。そ
れは、積極的に授業に参加する、ということです。私たちが一緒にワークショップを行っ
たどの生徒も、積極的に発言、行動、質問を行っていました。そのような姿勢の学生は、
自分も含め大学では見ることはないように思います。今回のワークショップは半年間とい
う長期に渡るものでしたが、私たちが小学生たちにドイツやドイツ語について伝えるのみ
ではなく、彼らから学ぶことも多かったので、とても有意義な半年間となったと思います。
最後に、私たちの至らないワークショップを実現させて下さった、南山大学付属小学校、
成城大学付属小学校の先生方や生徒たち、また、数々のご指導、手助けをして頂いたゲー
テ・インスティテゥートの皆様に、心より感謝いたします。