H形鋼とRC壁との合成地下壁

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ATOMiKⅡ
Ⅱ合成壁(H形鋼と
合成壁( 形鋼とRC壁との合成地下壁)
形鋼と 壁との合成地下壁)
ATOMiKⅡ合成壁は、山留め形鋼材(H形鋼材)と後打ち鉄筋コンクリート壁を形鋼材の
フランジ面に設けたシヤコネクタによって一体化し、地下外壁として利用する技術です。
■ 概要
H形鋼を構造主要素にする山留め壁と鉄
筋コンクリート壁を一体化した地下外壁
であり、建設資材の有効利用の考えに即
した技術です。H形鋼と鉄筋コンクリート
壁の一体化は、山留め壁H形鋼に溶接する
ソイルセメント壁の場合の断面
頭付きスタッドボルトを介して図られま
す。
片持ち壁形式の場合の隅角部も含め、
地下外壁としての性能は日本建築総合試
験所の建築技術性能証明に裏打ちされて
います。
親杭横矢板の場合の断面
■ 特徴
地下外壁への適用例
建物の地下外壁をATOMiKⅡ合成壁にすることによって地下階の計画
や地下工事の自由度が高まり、近接工事の問題解消にもつながります。
適用は深さに関係なく建物の地下外壁、さらには片持ち状態の免震ピッ
トの地下外壁にも有効です。
次のような特徴を有しています。
①常時の土水圧を負担する合成地下壁です。
②鉄筋コンクリート外壁の壁厚さを薄くすることができます。
③それによって地下階利用空間の拡大が図れます。
④また、地下工事の際の敷地境界への近接度が緩和できます。
⑤山留め壁の種類として、地下水位が浅い場合に用いるソイルセメント
壁、地下水位が深い場合に用いる親杭横矢板壁に適用できます。
敷地境界への近接距離
近接距離が増加
敷地境界への近接距離
1階
スタッドの溶接状況
1階
1階
頭付きスタッド
地下階利用空間
の拡大
ATOMiK合成壁
地下1階
頭付きスタッド
地下1階
地下1階
壁厚の低減
or
地下水位
免震ピット
地下外壁
横矢板
通常の地下外壁
地下水位
地下水位
利用空間の拡大
H形鋼
免震ピット地下外壁への適用例
近接度の緩和
■ 設計
ATOMiKⅡ合成壁の設計は、基礎スラブ天端より上部の合成壁部と合成壁隅角部(合成壁と基礎スラブ
および基礎梁が交差する部分)の大きく2つに分かれます。
合成壁部の設計
H形鋼
山留め壁と鉄筋コンクリート壁との合成度は不完全合成の場合
も対象としていること、及びシヤコネクタに用いるスタッドと壁
配筋との相互の位置関係を制約していない点が特徴になります。
RC壁
隅角部の設計
頭付スタッド
片持ち壁形式の場合等には、設計用の応力算定を梁ばねモデル
合成壁
により求めることができます。それにより、基礎スラブ以深に根
入れされたH形鋼に作用する地盤の抵抗力を考慮できるので、設
隅角部
基礎スラブ
計応力を精度良く評価でき、合理的な設計が可能になります。
■ 隅角部の構造実験
ATOMiK合成壁の概要
構造実験は、合成壁と基礎スラブからなる実物大
の試験体で実施しました。載荷装置は、土圧による
荷重のほかに地盤の抵抗力を模擬した荷重も与えら
H形鋼
土圧
れるよう計画し、形鋼材に作用する地盤反力による
影響を検証可能としました。
免震
ピット
梁要素
構造実験では、合成壁と基礎スラブ間の応力伝達
機構を確認し、地盤の抵抗力の評価を含む設計法の
妥当性を確認しました。
地盤
地盤
ばね
M図
◆ATOMiKⅡ合成壁は、財団法人日本建築総合試験所の建
築技術性能証明 (GBRC 性能証明 第01-06 号 改)を取得
しており、新井組・ピーエス三菱との共同研究により開発
したものです。
応力解析モデルの例
アクチュ
エーター
油圧
ジャッキ
P2
油圧
ジャッキ
P1
試験体
構造実験の概要
構造実験状況
■問い合せ先…技術研究所 地盤基礎研究グループ TEL03-3235-8721 FAX03-3235-9215