食品の微生物検査結果

食品の微生物検査結果
このリーフレットは、「神戸市食品衛生監視指導計画」に基づき、市内の製造所や販売店、中
央卸売市場で食品を抜き取りし、食品に含まれる微生物の状況を検査した結果を取りまとめたも
のです。
1.神戸市における食品検査(微生物検査)の状況(平成26年度)
食品の種類
魚介類(生カキを含む)
冷凍食品
魚介類加工品(魚ねりを含む)
肉卵類及びその加工品
牛乳・乳製品・乳類加工品
アイスクリーム類・氷菓
穀類及びその加工品(めん等)
野菜・果実及びその加工品
菓子類
清涼飲料水
氷雪
缶詰・瓶詰
調味料・みそ
漬物
そうざい(煮豆・佃煮を含む)
豆腐
弁当類・調理パン
健康食品
即席めん類・油菓子
その他の食品
合 計
検査件数
161
21
313
624
22
21
121
129
198
14
4
1
0
24
256
49
40
0
4
8
2,010
違反件数
1
0
1
0
0
1
0
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
5
☆食品検査により発見された違反内容
食品名
食品の種類
違反内容
基準
違反件数
サブレバニューユ
菓子類
製造者表示欠落
製造者の表示
1
アイスクリーム
アイスクリーム
大腸菌群陽性
大腸菌群陰性
1
(ソフトクリーム)
類・氷菓
苺ミルクバウンドケーキ
菓子類
着色料表示欠落
着色料の表示
1
生食用生かき
生食用生かき
細菌数の規格基準超過
規格基準
1
つくだ煮
魚介加工品
特定原材料表示欠落
特定原材料の表示
1
合
計
5
☆違反が発見された食品に関する措置
検査により発見された違反事例では、製造所に立入調査を行い、製造者に対して販売停止、
原因究明・改善指導等を行いました。
2.食品の微生物基準について
食品を無菌状態で製造販売することは、限りなく困難です。そのため、食品の特性を考慮し
て、微生物の付着数等についての成分規格や衛生規範が設定されています。食品はこれらの基
準の有無により、次の3つに分類されています。
①法律により微生物の規格が定められているもの
健康被害の起こり易い食品には、その原因となる特定の微生物もしくは指標となる微生物に
ついて規格を定め、その規格を満たさない食品は、違反食品として流通を禁止しています。
(例 清涼飲料水、アイスクリーム、生食用かき、魚肉ねり製品 等)
品 目
生食用鮮魚介類
細菌数(/g)
大腸菌群
-
-
E.coli
(大腸菌)
-
腸炎ビブリオ
最確数
100/g 以下
-
E.coli最確数
230/100g以
下
陰性
-
-
5万 /ml 以下
陰性
-
-
アイスクリーム
10万 以下
アイスク
アイスミルク
5万 以下
リーム類
ラクトアイス
5万 以下
清涼飲料水
融解水100/ml以下
氷 雪
無加熱摂取冷凍食品
10万 以下
加熱後摂取冷凍食品
10万 以下
(凍結前加熱)
冷凍食品
加熱後摂取冷凍食品
300万 以下
(凍結前加熱以外)
生食用冷凍鮮魚介類
10万 以下
乾燥食肉製品
非加熱食肉製品
特定加熱食肉製品
食肉製品 加熱食肉製品
(包装後過熱殺菌)
加熱食肉製品
(加熱殺菌後包装)
陰性
陰性
-
-
陰性
陰性
陰性
陰性
-
-
陰性
-
-
-
陰性
-
陰性
-
陰性
100/g 以下
100/g 以下
陰性
-
-
-
陰性
-
生食用かき
魚肉ねり製品 牛 乳
5万 以下
-
100/g 以下
100/g 以下
-
②法律に基づく規格ではないが、国が基準を示しているもの
食品の腐敗や品質の低下が起こり易い食品には、それらの原因となる微生物の数について衛
生規範を定め、自主管理目標として製造者の指導を行っています。
(例 弁当、そうざい、洋生菓子、生めん類 等)
衛生規範(抜粋)
品 目
弁当・ 加熱処理したもの
そうざい 未加熱処理のもの
洋生菓子
生めん類
細菌数(/g)
ゆでめん
E.coli
黄色ブドウ球菌
(大腸菌)
陰性
陰性
10万 以下
-
100万 以下
-
-
-
陰性
-
陰性
-
陰性
陰性
陰性
-
陰性
10万 以下
生めん
大腸菌群
300万 以下
10万 以下
③法律等による基準がないもの
法律に基づく成分規格や衛生規範などの基準が定められていない食品についても、その食品
の特性を考慮して本市においては行政指導を行うための基準を定め、製造者の指導を行ってい
ます。
(例
豆腐、和生菓子、食肉、食鳥肉 等)
3.検査項目について
食品の製造方法や基準の有無を考慮して検査項目を決めています。検査項目は次のようなもの
があります。
細菌数
:食品中の細菌の総数をいいます。食品及び食品が製造された環境全般の細菌汚染
状況を反映し、食品の安全性、保存性、衛生的に取り扱われたかどうかの目安と
なります。
大腸菌群
:人や動物の糞便に限らず土壌中など環境中に広く分布しており、衛生管理上の汚
染指標菌と考えられています。未加熱の食品から大腸菌群が多量に検出された場
合は、手洗いの不足、器具の洗浄殺菌不足等が疑われます。
一方、加熱済みの食品から検出された場合は、加熱不足や加熱後の二次汚染等
食品の不衛生な取扱いが疑われます。
E .coli
(大腸菌)
:人や動物の糞便から汚染された可能性を示す指標となります。食品中に E.coli が
出された場合は大腸菌群の検出に比べ、より不衛生な取扱いを受けたことが推測され、
病原菌による汚染の可能性も高くなります。
食中毒菌
:黄色ブドウ球菌は、自然界に広く分布しており、健康者の鼻、のど、皮膚等にも
高率に存在している細菌ですが、食品中で増殖し毒素を産生した場合には食中毒
の原因となることがあります。
食中毒の原因菌としては、他にサルモネラ属菌、カンピロバクター、腸炎ビブリ
オ、腸管出血性大腸菌O157等があります。
4.検査結果について
基準の有無にかかわらず検査の結果、食品から細菌数や大腸菌群等が多く検出された場合や黄
色ブドウ球菌等の食中毒菌が検出された場合は、製造所に立入調査を行い、原因究明を指導する
とともに、製造器具や手指の消毒、食品の衛生的取扱い及び適正な保管等を指導します。
5.食品の細菌数について(※食品1gあたりの細菌数)
(平成26年度衛生監視事務所実施分)
1,000,000
個
以下5%
加熱そうざい
1,000,000
個超2%
100,000個
以下9%
10,000個
以下
21%
1,000個
以下
63%
1,000,000
個
超12%
1,000個以
下12%
10,000個
以下18%
100,000
個
以下41%
1,000,000
個
以下19%
10,000個
以下
25%
100,000個
以下36%
1,000,000
個超5%
1,000,000
個
以下14%
1,000個
以下29%
100,000個
以下19%
洋生菓子
1,000,000
個以下3%
1,000個以
下 11%
1,000,000
個超8%
和生菓子
調理パン
1,000,00
0個以下
18%
未加熱そうざい(サラダ等)
1,000,000
個
以下6%
0
10,000個
以下33%
豆 腐
0
1,000個
以下24%
100,000個
以下24%
1,000個以
下62%
10,000個
以下11%
100,000個
以下35%
10,000個
以下
35%
※加熱工程のある食品は、細菌数が少なく、加熱工程のない食品は細菌数が多くなる傾向にあり
ます。細菌は加熱することにより死滅します。加熱工程のある食品で細菌数が多い場合は、加熱
不足や加熱後の不適切な取扱いによる二次汚染等が考えられます。加熱工程のない食品で細菌数
が多い場合は、原材料の洗浄不足や保存温度の管理不十分などが考えられます。
6.食品検査結果集計表
(平成26年度衛生監視事務所実施分)
※ については、前記「2.食品の微生物基準について」に基づき指導したもの。
(1)加熱そうざい、弁当のおかず
(玉子焼き、きんぴら、煮物、焼魚等加熱されているもの)
検査項目
1,000個 以下
10,000個 以下
細菌数
100,000個 以下
(食品1g当たり)
1,000,000個 以下
1,000,000個 超
大腸菌
黄色ブドウ球菌
サルモネラ属菌
腸炎ビブリオ
検出数/検査数 検出率(%)
63
54/86
21
18/86
9
8/86
5
4/86
2
2/86
0
0/86
3
3/86
0
0/13
0
0/3
※細菌数が多い場合
や大腸菌が検出され
る場合は、調理後の
不適切な取扱いによ
る二次汚染や不適切
な保管が、黄色ブド
ウ球菌が検出される
場合は、調理従事者
の手洗い消毒不備等
が考えられます。
(2)未加熱そうざい
(春雨サラダ、野菜サラダ、ポテトサラダ等加熱されていないもの)
検査項目
検出数/検査数 検出率(%)
1,000個 以下
11
4/36
10,000個 以下
25
9/36
細菌数
100,000個 以下
36
13/36
(食品1g当たり)
1,000,000個 以下
19
7/36
1,000,000個 超
8
3/36
大腸菌
3
1/36
黄色ブドウ球菌
3
1/36
サルモネラ属菌
0
0/5
※細菌数が多い場合
は生野菜の洗浄不足
や製品の不適切な保
管が考えられます。
(3)調理パン(サンドイッチ等)
検査項目
1,000個 以下
10,000個 以下
細菌数
100,000個 以下
(食品1g当たり)
1,000,000個 以下
1,000,000個 超
大腸菌
黄色ブドウ球菌
サルモネラ属菌
検出数/検査数 検出率(%)
12
4/34
18
6/34
41
14/34
18
6/34
12
4/34
0
0/34
9
3/34
0
0/20
※細菌数が多い場合
は生野菜の洗浄不足
や製品の不適切な保
管が、黄色ブドウ球
菌が検出される場合
は、調理従事者の手
洗い消毒不備等が考
えられます。
(4)和生菓子(かしわ餅、おはぎ、饅頭等)
検査項目
1,000個 以下
10,000個 以下
細菌数
100,000個 以下
(食品1g当たり)
1,000,000個 以下
1,000,000個 超
大腸菌群
黄色ブドウ球菌
検出数/検査数 検出率(%)
29
6/21
33
7/21
19
4/21
14
3/21
5
1/21
14
4/21
0
0/21
※細菌数が多い場合
や大腸菌群が検出さ
れる場合は、製造後
の二次汚染や不適切
な保管が考えられま
す。
(5)洋生菓子(ショートケーキ、シュークリーム、クレープ等)
検査項目
1,000個 以下
10,000個 以下
100,000個 以下
1,000,000個 以下
1,000,000個 超
大腸菌群
黄色ブドウ球菌
サルモネラ属菌
細菌数
(食品1g当た
り)
検出数/検査数 検出率(%)
62
23/37
11
4/37
24
9/37
3
1/37
0
0/37
16
6/37
0
0/37
0
0/26
※細菌数が多い場合
や大腸菌群が検出さ
れる場合は、製造後
の不適切な取扱いに
よる二次汚染が、黄
色ブドウ球菌が検出
される場合は、調理
従事者の手洗い消毒
不備等が考えられま
す。
検出数/検査数 検出率(%)
24
4/17
35
6/17
35
6/17
6
1/17
0
0/17
12
2/17
0
0/17
※細菌数が多い場合
や大腸菌群が検出さ
れる場合は、製造後
の二次汚染や不適切
な保管等が考えられ
ます。
(6)豆腐(木綿豆腐、絹ごし豆腐等)
検査項目
1,000個 以下
10,000個 以下
100,000個 以下
1,000,000個 以下
1,000,000個 超
大腸菌群
黄色ブドウ球菌
細菌数
(食品1g当た
り)
(7)食肉類
種類
牛肉
豚肉
鶏肉
検査項目
陽性数/検査数 検出率(%) ※家畜の腸管内に
は、大腸菌やサルモ
大腸菌
0/2
0
ネラ、カンピロバク
腸管出血性大腸菌O157
0/22
0
ター等の食中毒菌が
腸管出血性大腸菌O26
0/22
0
常在しており、解体
腸管出血性大腸菌O111
0/22
0
時に食肉を汚染する
サルモネラ属菌
0/22
0
ことがあります。食
カンピロバクター
0/22
0
肉類は十分加熱して
腸内細菌科菌群
0/1
0
食べましょう。
大腸菌
0/0
0
また、生食肉に触れ
腸管出血性大腸菌O157
0/6
0
た後は手指の洗浄消
毒を十分に行って二
腸管出血性大腸菌O26
0/6
0
次汚染を防止しま
腸管出血性大腸菌O111
0/6
0
しょう。
サルモネラ属菌
0/6
0
大腸菌
2/2
100
腸管出血性大腸菌O157
0/6
0
腸管出血性大腸菌O26
0/6
0
腸管出血性大腸菌O111
0/6
0
サルモネラ属菌
4/6
67
カンピロバクター
5/6
83
お問合せ先
神戸市保健所
東部衛生監視事務所(東灘、灘、中央) 中央区雲井通5丁目1-1 中央区役所8階
西部衛生監視事務所(兵庫、長田、須磨)長田区北町3丁目4-3 長田区役所5階
北 衛生監視事務所 北区鈴蘭台西町1丁目25-1 北区役所3階
垂水衛生監視事務所 垂水区日向1丁目5-1 垂水区役所2階
西 衛生監視事務所 西区玉津町小山字川端180-3西区役所3階
食品衛生検査所
兵庫区中之島1-1-1
保健福祉局健康部
生活衛生課
中央区加納町6丁目5-1
232
579
593
708
929
672
–
–
-
4651
2660
3250
6230
0550
8061
322 - 5262
作成 平成 27 年 11 月