そして今 - 日本赤十字社

( 1)
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
赤 十字 NE WS
(第三種郵便物認可)
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
赤 十字 NE WS
第 910号
(昭和24年9月30日第三種郵便物認可)
March 2016 Vol.910
第 910号
http://www.jrc.or.jp
十字 NE WS
( 赤十字新聞 編集・発行/日本赤十字社
3 ) TOPICS
平成
28年 3月1日(毎月1
日発行
): 03 -3438赤
-1- 3 TEL
-1311 一部20円 赤十字新聞の購読料は、
企画広報室 〒105-8521
東京都港区芝大門1
社費に含まれています。
3
第 910号
TOPICS ( 2 )
(第三種郵便物認可)
CONTENTS
赤 十字 NE WS
TOP I CS
(第三種郵便物認可)
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
赤 十字 NE WS
そ れ ぞ れ の 空 のし た第
、910号
こころ に 刻 ま れ た 「 あ の 日 」。
( 7 ) AREA NEWS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
2
被災地と向き合い続ける
NHKディレクター
佐野広記さん
AREA
NEWS ( 6 )
愛の献血車
「宝くじ号」贈呈式
遠WS
くに い ても 、 近 くに い ても 、
赤 十字 NE
第 910号
祈りに 距 離 は な かっ た 。
「私たちは、忘れない。」
未来につなげる
復興支援プロジェクト
(第三種郵便物認可)
健康豆知識 大人のアトピー
TOP I CS
誰 か を 思 い 、 誰 か に 寄り添 い 、
(第三種郵便物認可)
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
3
全国から続々
被災地応援メッセージ
WORLD ( 8 )
赤 十字
誰か
の 支 NE
えにWS
なりた いと 願っ たこころ は第
、910号
い まも ずっと生 きて い る 。
SPECI AL
人 に は 人 を 思う力 が ある 。
人 に は 人 を 救う力 が ある 。
4 5
東日本大震災から5年 もう一度心に刻みたい
あの日の記憶、そして今
明日のために、
明 日 を 生 きる み ん な の た め に 。
私 たちは 、 忘 れ な い 。
AREA NEWS
6 7
広島・北海道・新潟・神奈川・愛媛・徳島
東京・兵庫・山口・栃木・三重・京都・福島
日赤×ANA
東日本大震災復興支援事業
バレンタイン特別企画
健康教室と手作りチョコで
笑顔の交流
常任理事会開催報告
Voice&プレゼント
WORLD
8
中東3カ年計画
人びとに笑顔を取り戻す
支援をいま
コラム 被爆70年
守るべき いのちと尊厳(最終回)
2011年3月11日、建物のほとんどが津波に流された海沿いの石巻市南浜町。松と祠(ほこら)
が残る善海田稲荷神社。石巻市内で亡くなった方は3547人にのぼり、今もなお428人が行方不明のまま。(平成28年1月末現在)
人それぞれ果たせる役割があるはず
たメッセージを伝えていきたいと思いました」と振り返ります。
防災イベントの前には、日本赤十字社本社(東京・港区)の資
料室「情報プラザ」を見学。世界と日本の赤十字活動やその歴史
被災者へのインタビュー記録を元に災害時の避難生活などを追
に触れ、
「人のために世界中で活動する赤十字ってスゴイ!」とス
体験する読み物「災害エスノグラフィー」を、都内で2月14日に
トレートに驚いたそうです。
「でも、誰にだって果たせる役割があ
開かれた防災イベントで朗読したRIOさん。「災害時には地域の協
るはず。ラジオでも番組を通じて人を勇気づけることができる。
力が不可欠だと分かりました。普段から近所の方とのあいさつなど
私は私の現場でこれからも頑張っていきます」
を大切にしていきたいですね」と参加者に呼び掛けました。
阪神・淡路大震災の時はワーキングホリデーでオーストラリアに
滞在中。被災者のために行動する機会がありませんでした。それ
ラジオパーソナリティ
RIO さん
だけに東日本大震災では、ラジオ番組内に被災地情報や寄付を募
るコーナーを設けるなど、自分なりの支援活動に力が入ったといい
ます。「ラジオで話す機会をいただいている人間として、しっかりし
PROFILE
1974年三重県生まれ。献血推進プロジェクト
「LOVE in Action」
にDJとして協
力し、自らも 献 血 に ! 現 在 は 飲 酒 運 転 撲 滅を訴 える「 S T O P ! D R U N K
DRIVING PROJECT」
( FM OSAKA 土曜19:30∼20:00)に出演中。画家
R I O U M E Z A W Aとして 参 加 するグ ル ープ 展( 渋 谷「 S O C I A L T O K Y O
GALLERY」
3月11∼21日)では、被災者を思いデザインした手拭いを販売し、収
益を義援金とする予定。
う 正 面 玄 関 前 のテ ント 、ロ
れた 佐 野 さんが目にしたの
地 に 集 ま り、未 曽 有の被 害
や過酷な避難生活などを連
的 な プロジェクト を 3 月 末
プロジェクトのバッジを着 用
期 間 中 は ・ のシンボ
ルマー クが デ ザインさ れた
いて学 んでいく﹁震 災 復 興・
参 加 企 業 は 、全 日 本 空 輸 株
式 会 社、株 式 会 社 伊 藤 園、タ
リ ー ズ コ ー ヒ ー ジャパ ン 株
式 会 社 、綜 合 警 備 保 障 株 式
会 社 、株 式 会 社 ア ク ティオ 、
株 式 会 社 第一興 商 、株 式 会
社 ソ ラ シ ド エ ア、飛 鳥 交 通
グループ、株 式 会 社 ウェザー
ニューズ、東 京 ト ヨ ペット 株
式 会 社 、劇 団 四 季 、ハウ ス 食
品グループ、加森観光株式会
社︵ルスツリゾート︶、株式会
社 ミ ツウロコビ バレッジ、株
式 会 社 サ カ イ 引 越 セ ンタ ー
など。︵ 月 日現在︶
﹁急につらくなってきた﹂
﹁死
か ら も 被 災 地に向 き 合って
いた人間の責任として、
これ
の現 場 を 取 材 させていた だ
話はたくさんある。あのとき
すが、伝えなければならない
者の関 心 も 薄 れてきていま
てきました。ところが最 近、 ています。5 年がた ち、視 聴
た。
区 ︶で 寄 贈 式 が 行 わ れ ま し
月5日に日赤本社︵東京・港
会 か ら7 台 が 寄 贈 さ れ、2
一般 財 団 法 人日 本 宝 くじ協
バス︶
の﹁宝 くじ号﹂。今 年 も
れている 移 動 採 血 車︵ 献 血
宝 くじの収 益 金をもとに
日本赤十字社に毎年寄贈さ
で 47 1 台 に 。
昭和 年から
続く﹁宝くじ号﹂
た。
が述べられまし
き た い﹂と 期 待
活 用していた だ
のために末 永 く
献血事業の推進
配備され、
イベント会場や駅
の 寄 贈 は 、今 年
知ってて良かった!
皮膚科部長
﹁私たちは、忘れない。﹂
かし、時間の経過とともに被 ﹃頑 張って生 きよ う﹄と自 分
まで 展 開 中で す。日 赤 職 員
したり、イベント 時にステッ
十 字 施 設で職 員
が 救 護 服で業 務
に臨み、救 護 団 体
の職員としての自
覚を再認識してい
きます。
また各都道府県
支 部では、炊 き 出
しな ど 災 害 時の
支援活動を体験
し た り 、防 災 につ
愛の献血車﹁宝くじ号﹂
きます。
け 合いと 防 災 意 識 を 醸 成 。 防災イベント﹂を開催してい
憶の風化を防ぐとともに、助
∼未来につなげる復興支援プロジェクト
東日本大震災から 年が
た ち 、震 災の記 憶 さ え も が
を奮い立たせてきた 反 動が
は も と よ り、奉 仕 団 や ボ ラ
深い悲しみを抱いています。 を 統一テーマに掲 げる 全 国
災 地に関 する情 報の露 出は
出て きているのか も しれま
年 前 。し
減 り、
﹁震 災 記 憶の風 化﹂さ
日 には 全 国 の赤
カーを 貼って活 動 を アピー
置所でした。
ル。3 月
ンティア、青 少 年 赤 十 字 、企
年 前の石 巻 赤 十 字 病
院 。取 材にあ た り 病 院 広 報
いがけない言葉でした。そし
じています。
﹁衝 撃でした ⋮。
この亡 く
なられた 方た ちの無 念を伝
業などと一緒に取り組み、記
せん﹂
んは﹁切り口を工夫したりし
ながら、繰り返し伝えていく
責 任がメディアにはある。あ
の日のこと を 忘 れること は
人類の損失﹂と力説します。
や 現 場 医 師の口から 出 たの
は﹁自 由に撮っていた だいて
そ う し た 思いか ら 、被 災
地 を 継 続 して取 材 。5 年 が
て、最初に案内されたのが黒
結構です。現状をありのまま
たった今、震災が被災者たち
のトリアージエリア、遺体安
震 災 か ら 時 間 がたつにつ
れ、被 災 者の生 活 も 落 ち 着
えなければという思いでずっ
のうと思った﹂という連絡が
いきたいと思っています﹂
寄 贈 式では、日 本 宝 くじ
協会の横山洋吉理事長から
今回寄贈された
前 、学 校 な どの献 血 会 場に
は﹁ 宝 く じ 号 を
相次いでいるのです。
※3 カ 月 に及 ぶ 取 材 の 記 録 は 3 回
日 赤の大 塚 義 治 副 社 長に贈
7 台 は、北 海 道 な ど 全 国 7
シャル﹁ 果 てな き 苦 闘 巨 大 津 波
医 師 た ち の 記 録﹂ と し て 震 災 か
の 震 災 特 集 を 経 て、 N H K ス ペ
呈 状と車 両のキーが手 渡さ
日本宝くじ協会から7台
き 始 め 、一見 、元 気 を 取 り
とやってき た よ う な 気 がし
に伝えてください﹂という思
に与 えた ものの大 き さを 感
頑張りの反動に
苦しむ被災者も
震災を取材した
人間の責任として
え指摘されることも。佐野さ
日 報 道 し 続 けた
﹁ 生 き 残った 被 災 者 の多 薄れつつある中、日本赤十字 復興への想いを未来へとつな
くも、肉親や友人を亡くし、 社は﹁私た ちは、忘れない。﹂ げていきます。
報道局ディレクター佐野広記 さん
﹁あの現場を取材した人間の責任として、
被災地と向き合い続けたい﹂
﹁ 被 災 者や被 災 地のいま
ビーや 廊 下にまであふれ出
した経験を持つNHK報道
は野 戦 病 院さながらの喧 騒
5
活用される予定です。
下手野1丁目12番1号
TEL 079-294-2251
※水分を保持したり、異物の侵入を防ぐ皮膚のバリア機能に
発生する障害
東日 本
日後の平
局の佐野広記さん。その後
と、その中で一人でも多くの
3
WORLD ( 8 )
5
戻したかに見 える方が増 え
23
を 語るというのは、単 純 な
話ではないと思うんです﹂。 した患 者や家 族
大震災発生から
日 、石 巻 赤 十
東 日 本 大 震 災の発 生 翌 日
月
成
年
に被災地に入り、石巻赤十
もことあるごとに被災地に
いのちを 救 お う と 体 を 張る
字 病 院の奮 闘 を 取 材︵ ※ ︶ 字病院︵宮城県石巻市︶を訪
足を運び、被災者の声に耳
医 師や看 護 師などの姿でし
た。
を傾けてきました。
﹁ 大 勢の方とお会いして
きましたが、〝 被 災 者 〟とし
﹁被災地で起きていること
のすべてがここに集約されて
あ ら ゆるメディアが 被 災
ります。
材でし た ﹂と 当 時 を 振 り 返
自 身が初めて実 感できた取
くという テレビの役 割 を 私
院でした。記 録し、伝 えてい
て一くくりに捉えることは
忘却は人類の損失
負 傷 者 を 搬 送 す る ヘリ
コプターの爆音、トリアージ
︵ 治 療 優 先 度 の 選 別 ︶を 行
11
N
H
K
つの道 県の血 液 セ ンターに
ら 4 カ 月 後 の 7 月 に 放 送 さ れ、
大きな反響を呼びました。
や抗アレルギー剤が使われます。症状が重い方に
は免疫抑制剤の飲み薬が処方されるケースもあり
ます。ステロイドの塗り薬を長期間使用し続けた
場合、皮膚が薄くなったり、患部が多毛状態にな
るなどの副作用があります。また、免疫抑制剤に
▲熱いお湯はかゆみを増幅させま
も副作用が確認されています。薬はこうした副作
す。お風呂は38℃前後の低めの
用を踏まえた上で、症状と部位ごとに処方されま
温度で入りましょう
す。患部が広がったり、移ったりした場合でも、
姫路赤十字病院
勝手な判断で薬を塗るのは危険です。必ず医師
〒670-8540 兵庫県姫路市
の指示を仰ぐようにしてください。
など環境改善が大切。また不規則な生活、就職・
転職・転居など環境の変化やストレスもアトピー
発症や悪化の原因になるので注意が必要です。
日常生活では、入浴を欠かさず皮膚を清潔に保
つことを心掛けてください。入浴後に保湿成分入
りのクリームも忘れないようにしましょう。逆に避
けたいのがお酒とタバコです。お酒で体がほてる
とかゆみが増しますし、気分が緩くなるので、か
いてはいけない患部をかいてしまいがち。タバコ
も人によってはかゆみ悪化の原因になります。
治療には、ステロイドや非ステロイド、免疫抑
制剤の塗り薬と、かゆみを抑える抗ヒスタミン剤
アレルギー体質(素因)や皮膚のバリア障害※
を背景に持つ方の慢性的で治りにくい湿疹がアト
ピー性皮膚炎です。患部はひざ・ひじの内側や脇
の下など汗をかきやすく、汚れがたまる部位、皮
膚が弱い場所。顔面に症状がでる人もいます。患
部がじゅくじゅくにただれる乳幼児のアトピーと違
い、大人は乾燥して粉をふいたり、皮膚が硬くなっ
たり、黒ずんだりするのが特徴で、強いかゆみを
伴います。
成人型のアトピーはダニやカビ、ほこりなど環
境アレルゲンが引き金になるケースが多いので、
予防や治療には部屋のダニやハウスダストの対策
いるのでは ないかと さ え 感
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
第 910号
(第三種郵便物認可)
第 910号
赤 十字 NE WS
できません。話 を 聞 くたび
( 3 ) TOPICS
姫路赤十字病院 山田
大人のアトピー性皮膚炎 予防と治療効果を高める規則正しい生活
22
wasurenai.
jrc.or.jp
地域の献血を支える献血バスの約半分が「宝くじ号」。今日も皆さんの街
で活躍中です
3−
−
じ た 現 場 が、石 巻 赤 十 字 病
赤 十字 NE WS
2
「私たちは、忘れない。」
のWEBサイトでは、被災
地の現状を伝えるインタ
ビューや動画、企業・団体
からのメッセージなどを
紹介中です
23
に、どう 伝 えるかの難しさ
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
を痛感します﹂
(第三種郵便物認可)
11
兵庫県で1月に実施した震災復興・防災イベントでは、
豚汁の炊き出しも。3月末まで全国各都道府県で様々
なイベントが行われます
42
赤 十字 NE WS
TOPICS ( 2 )
赤 十字 NE WS
第 910号
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
5
14
震災で亡くなった方の姿を遺族が見る、という不思議な体験談を取り上げ話
題となったNHKスペシャル「亡き人との“再会”∼被災地 三度目の夏に∼」
(平成25年放送)も佐野さんの取材。「
“亡くなった人に再び会えた”という
ことの真偽ではなく、それらの体験を被災者の方がたが大切にしており、止まっ
ていた時間が動き出すきっかけにもなっているという事実を伝えたかった」
(
7 ) AREA NEWS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
れま し た 。横 山 理 事 長 か ら
3月12日、
震災2日目の石巻赤十字病院。玄
関前でのトリアージ
赤 十字 NE WS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
(第三種郵便物認可)
赤 十字 NE WS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
(第三種郵便物認可)
AREA NEWS ( 6 )
第3
910号
(第三種郵便物認可)
第 910号
赤 十字 NE WS
(昭和24年9月30日第三種郵便物認可)
第 910号
( 1)
(第三種郵便物認可)
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
赤 十字 NE WS
第 910号
TOPICS ( 2 )
( 3 ) TOPICS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
赤 十字 NE WS
第 910号
(第三種郵便物認可)
赤 十字 NE WS
「赤十字NEWS」読者も 参加企業も「忘れない。」
(第三種郵便物認可)
( 7 ) AREA NEWS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
「被災された方へのメッセージを」の呼び掛け
(赤十字NEWS2月
号)
に読者の皆さまからたくさんの声が届いています。
「私たちは、忘れ
ない。」
プロジェクトの参加企業の皆さまからも、バッジやポスターなど
の活用とともに復興支援に向けた決意や被災地への応援をいただき
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
(第三種郵便物認可)
ました。
ありがとうございました。私たち日本赤十字社は、
これらの声を
被災地にお届けするとともに、
しっか
りと胸に刻み、
これからの復興支援
「 私 たちは 、 忘 れ ない 。」
プロジェクトの バッジ
に取り組んでまいります。
今回のプロジェクトを通して被災地に届くと信じて
います。
(ポスター、ステッカーなどを社内に貼り出し周知)
ハウス食品グループ本社株式会社 コーポレートコミュニケーション本部
広報・IR部 広報課兼渉外課 課長 堀井志郎さん
震災当時、私は仙台で暮らしていました。仙台市内も震度7。かつて経験
したことのない揺れが私たちを襲いました。あれから5年、傷が癒えない中、復
興を目指される被災地の姿に心を打たれます。
震災後、私たち家族は転勤で札幌に引っ越しました。小4だった娘が社会
科見学で防災センターに行った時のことです。地震体験コーナーでほかの子ど
もたちがはしゃぐ中、震災を小1で経験した娘
はその場にしゃがみ込み、泣き出してしまいま
した。その様子を見て、全員が真剣に地震
体験に取り組み始めたといいます。娘は泣く
ことで地震の怖さを伝えましたが、私たちも社
員全員で「忘れない。」
を呼び掛けていきます。
私たちは決してあの日のことを忘れません。
山田一正さ
ん
(京都府京
都市)
リティー
たちはチャ
私
年
毎
、
東日本
月11日以降
現金を全額
な
重
2011年3
貴
た
ただい
頭募金で得
付させてい
寄
て
バザーや街
し
と
て
応援させ
災者義援金
いう形で
と
大震災の被
金
付
寄
再建に頑
す。今後も
うか生活
ど
、
で
ておりま
の
ます
を忘れま
たく存じ
して3.11
っ
け
いただき
。
す
す。
いと思いま
えていきま
張ってほし
市)
の子孫に伝
ち
北海道旭川
た
(
ん
私
、
さ
せんし
山田智善
震災当時、
震源地から遠
い場所にいた
と変わらぬ日
私はいつも
常を過ごして
いた。
そんな私が、
れた方がたの
被災さ
ためにできる
ことはあるの
まずは、
だろうか。
この震災の事
赤 十字 NE WS
実を受けとめ
て、
、
心に刻む。
毎日何不自由
そし
なく生きてい
ることに感謝
これらの実践
する。
からはじめて
みようと思う
。
田市)
株式会社サカイ引越センター
ものを運ぶだけではない。ベテランの社員はそう
言います。「その家に詰まった思い出や家族の気
持ちも運 ぶ。」。我々の
サービスが少しでも復興
のお役に立てるよう、こ
れからも被災地を応援し
てまいります。
業務用バイクへステッカー貼付&
事業所内にポスター掲示
(第三種郵便物認可)
国内線、
国際線機内で3.11シンボル
マーク入りのオリジナル紙コップ配布
全日本空輸株式会社
この5年間、地域の方がたとの交流を大切にしな
WORLD ( 8 )
第 910号
がら、復興支援活動に取り組
んできました。これからも地域
社会の課題を共に考え、魅
力ある東北「まち・ひと・しごと」
づくりを支援してまいります。
社員のバッジ着用&
営業車両へのステッカー貼付
株式会社アクティオ
(建設機械レンタル業)
東日本大震災では営業所や工場が被害を受けました
が、全国ネットワークを駆使し、いち早く重機や発電機
などを被災地に届けました。
この経験を忘れず、今後も
レンタルを通じて被災地の
復興に尽力致します。
客室乗務員がバッジを胸に運航
株式会社ソラシドエア
綜合警備保障株式会社(ALSOK)
社員全員に
「忘れない。」
を呼びかけ
さん
錦見真知子
市)
手
久
(愛知県長
第 910号
5500名の社員がバッジを着用
今回のプロジェクトでは、寄付型自動販売機へのポスター掲示や全国のボトリング
カーにステッカーを貼っての営業活動を行います。ポスターやステッカーを通じて「忘
れない」の気持ちが広がってくれればうれしいですよね。
こうしたプロジェクトを日赤と一緒にすすめていけることは、被災地支援を継続す
ることの大切さを再認識するきっかけとなります。
東日本大震災では大勢の方が被災されまし
た。そうした被災者の方を支えたいと願う方も大
勢います。
「1人じゃないですよ」という気持ちが、
京都の人
も、
いや
日本中が支
援して
いますよ。
お互いさ
まです。
困ったとき
は。
。
。
赤 十字 NE WS
ん(大阪府吹
株式会社 伊藤園 広域法人営業本部 一部 第四課
グループリーダー 髙見啓さん
鈴木ヒロ
アキさん
河沼郡会
津坂下町
)
(福島県
宮浦睦海さ
全国へ
「忘れない。
」
を届けたい
も
た方の一日
被災され
ま
み
や
で
望ん
早い笑顔を
な
て
た
も
何のお役に
せん。
が
な
ん
み
毎日
、
い私ですが
に
う
よ
せます
平和に暮ら
す。
祈っていま
赤 十字 NE WS
東日本
大震災か
ら5年にな
うとして
ろ
いますが
、
福島県で
今なお約
は
10 万 人 の
方が県内
避難を余
外に
儀なくさ
れていま
さ ら に 、東
す。
京電力福
島第一原
事故で避
発
難指示区
美さ
域の方々
森田真
こともで
AREA NEWS
は帰 ( 6 )
910号
島市)第 る
昭
都
き
ないので
(東京
元の生活
す 。早 く
に戻れる
ようにし
ただきた
てい
いと思い
ます。
苦
まだご
まだ
い
思
いと
労が多
の
い
日寒
ま す 。毎
に
事
お大
でお体
。
い
下さ
されて
ん
震災直後から、支援物資の供給やボランティア、
二次被害防止へATMの現金回収などを実施してき
ました。生活安全産業の使命の下、これからも警戒
を怠ることなく、被災
地の復興に向け取り
組んでまいります。
私たちがなすべきこと、私たちだからこそできるこ
とに真摯に取り組みながら、安全運航そしてブラン
ドコンセプト「空から笑
顔の種をまく。
」の実
現に、社員一 同これ
からも取り組んでまいり
ます。
減災社会の実現へ、
一人ひとりができることを
株式会社ウェザーニューズ 防災気象コンテンツサービスグループリーダー 中神武志さん
ウェザーニューズは、震災直後より「特設WEBサイ
ト」の設置など、いの
ちを守るための情報・コンテンツを発信。その後もTSUNAMIレーダーの各
地への整備など、減災を目指す活動を継続しています。減災情報は皆で
参加し、共有することが大切です。日赤など諸団体や自治体との連携で、
情報活用による「減災プラットフォーム」を実現させたいと考えています。
私自身も被災地で活動した際、被災者が懸命に生きている現実を目の
当たりにし、一人ひとりが被災地のためにできることに向き合う必要性を肌
で感じました。これからも減災社会の実現へ、皆さんと一緒に頑張っていき
ます!
「忘れない。」を全国の防災に
生かす取り組みを
日本赤十字社 救護・福祉部 西島秀一部長
被災地を訪れた経験や被災者から聞いた話を記憶の中
では不十分。いま国は、少子高齢社会の対応として、
にとどめるだけでなく、それぞれの人が自分たちの暮らす地
医療や介護、行政、住民が連携する「地域包括ケアシ
域の街づくりや防災などに生かしていくことが、何より大切
ステム」の構築を進めています。日常生活の中での協働
だと感じています。では具体的には何をするべきなのか?
は災害時の助け合いにも生かされるはずです。日本赤十
そのヒントは被災地にあります。例えば高齢化や過疎の
字社は防災教育の普及を推進するとともに、医療サービ
問題。被災地でも以前から課題として指摘されてきました
スの提供や、ボランティア活動の支援などを通じて地域を
が、震災で事態は一気に加速。多くの被災地がこの課
支える役割をこれまで以上に発揮していかなければなりま
題に直面し、苦しんでいます。被災地の今を考えることは、
せん。
私たちの地域の未来を考えることにほかなりません。
こうした取り組みを通じて、防災を考え、災害に強い
一方、震災ではボランティアや NPO(非営利団体)
地域をつくることが、本当の意味での「忘れない。」に
を含む幅広い団体・個人が連携・協働する大切さが再
つながり、また被災者の思いに寄り添うことになると信じ
認識されました。でも、災害が発生してから手をつなぐの
ています。
受付口座名義
日本赤十字社
東日本大震災義援金
しくは、
日赤ホームページ
(http://www.jrc.or.jp/contribute
をご覧ください。
/help/_27331/)
東 日 本 大 震 災 か ら5 年
00140-8-507
﹁ 私 た ちは、
忘 れない 。
﹂
※窓口で通常払い込みをされた場合、
手数料は免除されます。
※インターネットでの寄付や銀行振り込みでも受け付け中です。詳
岩手、宮城、福島、茨城の4県を対象にした義援金
は平成29年3月末まで受け付けを継続します。引き
続き温かいご支援をお寄せください。
口座記号番号
(*日赤と中央共同募金会を合わせた金額。手数料等をいただく
ことなく全額を被災者にお届けしています)
郵便局・ゆうちょ銀行
受付口座
被災15都道県を対象に平成26年3月31日まで受
け付けた義援金は、*3731億2079万円余りが寄せら
れ、全額を市町村を通じて被災者にお届けしました。
皆さまのご協力にあらためて感謝申しあげます。
岩 手、 宮 城、 福 島の3県 を 中 心 と する東 日 本
に未 曽 有の被 害をもたらした東日本 大 震 災から5
年。 災害公営住宅の建設など目に見える復興の一
方で、仮設住宅での生活を続ける被災者も数万人。
原発事故で帰還の目途が立たない地域もあります。
そして、 時間の経過とともに風化する震災の記憶
。 あの日をいま一度振り返り、 被災地の今を知
ることが、これからの復興、 次の災害への備えにつ
ながっていくと私たちは考えます。
材を備えた防災倉庫を沿岸部の被災地域に寄贈しまし
た。簡易トイレや浄水器、発電機、太陽光蓄電装置、
避難所用パーテーションなどが備蓄されています。(そ
のほか日赤の災害対応能力強化などを実施)
保 護 者 や 地 域 の 方、 ボラン
ティアの方にも 協 力いただき
ました。 町の復 興へどこから
手を付けていいのか分からない
状況の下、学校再開への取り
組みは、 地 域が復 興への一歩
を 踏み出 すきっかけにも なっ
たと思っています。
http://ndrc.jrc.or.jp/
報センター の設置などを実施)
も う一度 心 に 刻 み たい あ の 日 の 記 憶 、そ し て 今
将来の大規模災害を見据え、避難所設営に役立つ機
心と体のケアの継続を
のほか甲状腺モニターの寄贈、赤十字原子力災害情
松本校長は2年前に同じ市内の好間第一小学校に転勤。﹁この学校には全町避難に
なっている双葉地域の子どもたち 人近くが通っています。この子どもたちは原発
事故以来、一度も自宅に戻ることすらできていない。 各県、 地域に避難したこう
した子どもが大勢いることを忘れないでほしい﹂
27市町村432カ所
11
●石巻市夜間急患センター
(仮設)
●女川町地域医療センター
●南三陸病院・
総合ケアセンター南三陸
●気仙沼市立本吉病院
●南三陸町診療所
改修・再建を支援した医療機関
いま久之浜は町全体の除染
も終わり、昨年3月には復興
住宅も完成し、日常が戻りつ
つあります。でも、震災の時
に幼 児だった子どもは外 遊び
の 機 会 が少 な く、 体 力 面で
の問 題が指 摘 されています。
そして、この子たちが学 校に
上がる年齢になってきました。
一方、健康診断でホールボ
ディカウンターや甲 状 腺 検 査
な ど を 経 験 した 子 ど も の 中
には、 逆に自 分 自 身 の 健 康
に不 安 を 抱えてしまっている
ケースもあります。 こうした
子どもたちの心と体の両面の
ケアが、 福 島では課 題になっ
ています。
震 災 以 来、 全 国、 世 界か
ら多くの支 援をいただきまし
た。ありがとうございました。
今、子どもたちの一番の励み
になるのは、それぞれの地域
で自 分たちの課 題に向かって
頑張っている人たちの姿です。
例 え ば、 ある 農 業 高 校の
生徒たちは﹁がんばれ﹂﹁ファ
イト﹂ などのメッセージが入っ
た梨を作って届けてくれまし
た。 もったいな くて 食べれな
かったですけど、 そんな 応 援
が届くと、子どもたちは﹁私
たちも負けないように頑 張ら
なくては﹂ と思うんですね。
ぜひ、これからも福 島の子ど
もたちを見守ってください。
まれた農作物や飲料水の検査に役立てられました。
(そ
﹁あのとき芽生えた
助け合いの気持ちを忘れない﹂
防災倉庫配置支援
10
療総合センター」を石巻赤十字病院内に整備しました。
あの日、あの時
汚染不安。こうした不安に応えるため、福島県などの
福島県
木 の 屋 石 巻 水 産 代 表 取 締 役 社 長 木 村 長 努 さん
再建を支援するとともに、将来への備えとして「災害医
30
壊滅した宮城県の三陸沿岸部。被災した公立病院などの
久之浜一小六年
遠藤秀華
自治体に食品放射能測定器を寄贈。市民から持ち込
8
−
﹁子どもたちの元気が、地域の
元気をつくっていきます﹂
石巻赤十字病院を除く、ほぼすべての医療インフラが
…あれから四年が経ち、周
りの環境も良くなってきて
安 心 し ま し た。 学 校 で も、
授業についていけて、周り
の人にも親切にされて、学
校を毎日楽しく通っていま
す。久之浜は、まだ少し荒
れ て い る 場 所 も あ る け ど、
最近では、復旧作業をする
場所も増えてきて、どんど
ん瓦礫などが無くなってい
くなぁと思いました。そし
て、せっかく復旧作業が進
んでいるので、津波は来て
ほ し く な い で す。 そ し て、
将 来 は、 久 之 浜 も 森 や 林
がいっぱいできると思うの
で、平和に暮らしたいです。
福島第一原発の事故により広がった食品の放射能
50
災害対応能力強化
109台 9万43人
木 村 隆 之 さん
施)
学校再開を復興の第一歩に
石巻・気仙沼医療圏再構築(再建支援)
医療支援
食品放射能測定器の寄贈
原発事故対応
宮城県
のほか保育園建設支援、屋内遊び場の設置などを実
WORLD ( 8 )
同 副社長 平成24年と25年の2年間で計20回実施しました。
(そ
第 910号
10
﹁今も地震があると、大丈夫だろうなとは思いつつ、夜中でもすぐに着替えて、
ドアを開けるのが習慣になっています﹂
を各世帯に届けました。
(そのほか健康維持のための
石 巻 湾 に 面 した 水 産 加 工
団 地 にあ る 会 社 は、 津 波 で
建 物も設 備も全 壊しました。
出荷前の缶詰 万缶は流され
て 泥の中。 社のシンボルだっ
た 鯨 大 和 煮 缶 詰 の 形 を した
高さ ・ メートルのタンクも
300メートル流 されて、 津
波が引いた後、 道の真ん中に
転がっている有り様でした。
海道の雄大な自然の中で行われた「サマーキャンプ」。
赤 十字 NE WS
10
残った社員を守ることから
的安定と健全な成長を促す機会を提供するため、北
﹁どうしたら山の高さの
津波ができるのか?
今でも信じられないですね﹂
震災で心に大きな影響を受けた子どもたちに精神
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
岩 泉 町 の 災 害 公 営 住 宅 で 暮 ら す 箱 石 千 鶴 子 さん
ノルディックウォーキング、浪江町民健康調査などを
して、 ラベルがはがれ、 中 身
も分からない状態の缶詰を全
当時従業員は約 人でした
が、地震の揺れの後に自宅に 国の方が手に取ってくれまし
いわき 市 立 好 間 第一小 学 校 校 長
戻った1人 を 津 波で失いまし た。こうした支援に対し、恥
松 本 光 司 さん
ずかしくない行 動で恩 返しを ︵元・いわき 市 立 久 之 浜 第一小 学 校 校 長︶
た。 また、 災 害 を 機 に 退 職
された方もいます。 それでも していこうという 気 持 ちでこ
人以上の社 員が残ってくれ の5年間やってきました。
放 射 線 量の影 響で 学 校が の児童に遠慮しながらの間借
使えなくなり、離れた地域で り生 活ですから、みんな大き
た。 彼らの生 活 を 守っていこ
アピールしたい石巻の魅力
の間 借り生 活。 久 之 浜 第 一
なストレスを 抱 えていました
う、絶対解雇はしないぞと誓
小学校の子どもたちが本来の ね。 保 健 室 に 来 る 子 が1 日
一 方で、 全 国に広がった助
いましたが、 見 通しはなかっ
学 校に戻れたのは震 災から7 100人という日もあったほど
け合いの気 持ちが薄れてきて
たですね。
カ月後の 月 日でした。1 です。
いるように感じるのは残 念で
ただ、やれることからやって
年 生にとっては初めて入る自
子どもたちに我 慢を強いる
すね。 景 気も関 係しているか
。
いこうと
分 たちの学 校。 元 気に廊 下 のではなく、全国の子どもた
もしれませんが⋮。 震災の記
残った社 員にまず 頑 張って
ちと同じような環境で勉強さ
憶はもちろんですが、あの時、 を 走り回っていた姿が目に焼
もらったのが、 流された缶 詰
きついています。 僕 もうれし せたい。ニコニコの笑顔を取り
を泥の中から掘り出す作 業。 私たちの心に芽生えた助け合
戻したい。 学 校 再 開への取り
一つひとつ洗って、 即 売 会 な いの気 持 ちを 忘れないように かったですね。
学 校 ごと避 難している間、 組みはその一心でした。
どのイベントで義 援 金を募る しなければと思います。
子どもの姿と声が町から消え
最初は保護者の大半が﹁反
という 形でお客 様にお渡しし
会社は3年前に県の復興支
ました。 大人たちには大変な
対﹂でした。 放射線の不安が
援を得て内陸の美里町に新工
ました。 震災前に内定を出し
ショックだったんです。 ですか あるから当然です。 その不安
ていた2人の高 校 生も5月に 場を建設しました。 私たちが
ら、 学 校 再 開 後は、 地 域の を取り除くため教員も放射線
入社し、一緒に作業しました。 使うのは、地元で水揚げされ
社員全員が積極的に自分たち た魚︵さば・さんま・いわし︶ 皆さんがよく学校を見に来る の影 響について勉 強 をし、 保
ようになりました。 子どもた
護 者との話し合いを重ねまし
などと調査捕鯨での副産物の
の 判 断 で 動 き、 会 社 の 将 来
ちの元気な姿に勇気をもらっ た。 行 政には﹁ 久 之 浜 第 一
鯨肉です。 水揚げされたばか
を考える勉強会を開いたりも
小 学 校の児 童の健 康 調 査 を
ていたんですね。
しました。 頼 もしかったです りの魚は脂ののりが違います
最優先に﹂とお願いし、放射
よ。この味を大勢の方が支持
よ。
子 ど もが﹁ 今 日 学 校が楽
しかった!﹂ と 家 庭で話せば 線 測 定 器 も 学 校に備 え まし
してくれています。
忘れてならないのは、 各 地
た。でも、最後は子どもたち
親が元気になる。 そうして大
から集まってくれたボランティ 水 産 加工業は人 手 不 足 な
どの問 題 もありますが、 もっ 人 が元 気 にな れば、 家 庭 も の﹁ 思い﹂ でした。﹁ 久 之 浜
アさんたちの存 在です。 工場
職場も明るくなり、町全体、 第一小に戻りたい﹂と願う子
の片付けや缶詰の掘り出しな と石巻や水産加工の魅力をア
どもたちが親を説得し、学校
福 島 全 体が元 気になる。 学
どを手 伝ってくれました。 そ ピールしたいと考えています。
再開を動かし始めたんです。
校を通じて子どもたちは未来
の夢を育み、それが地域の未
校舎内外の除染作業には、
来につながるんだと心から思
いました。
20回5788人
(第三種郵便物認可)
仮設住宅入居世帯を中心に生活家電セット
(テレ
久 之 浜 は 福 島 第 一 原 発か
ら約 キロ。 地震と津波で学
校が大きな被害を受けたわけ
ではなかったんですが、 地 域
には、 津 波で犠 牲になった方
が多 くいましたし、 特に放 射
線への不安は深刻でした。
子どもたちはバスで片 道 一
時 間 半をかけていわき市の中
央にある学 校まで通うことに
なりました。 でも、その学校
被災自治体を通じて全額を被災者にお届けしています
東日本大震災義援金
サマーキャンプin北海道
教育支援
(第三種郵便物認可)
ビ、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、電子レンジ、電気ポット)
﹁震災後、 半年くらいは町で会った知らない人同士があいさつするようなきずなが
あったんです。そんなつながりが地域にあることが大切ですよね﹂
︵長努さん 右︶
護用ベッド、福祉車両の寄贈などを実施)
−
第 910号
家が流され、 壊れていく 時は
今で も 不 思 議で す。 ど う
したら津波が山と同じ高さに バリバリとすごい音がするんで
なるんだろう、なんで家が流
す。 本当に怖かったですね。
。 そうしているうちに﹁ここ
されてしまったんだろう
夢の中の出 来 事だったように まで︵水が︶来るぞ!﹂と叫
も思えるんですが、たまに真っ び声が上がって。 雪が降る中
黒い波に襲われる感 覚がよみ をみんなで必死に上へ登ってい
きました。 たどり着いた神 社
がえることもあるんです。
から見えたのは、街全部が流
山の上から見た
されていく 様 子。 自 宅に戻っ
津波に流される街
てしまったお嬢さんは後 日 遺
地 震の時 私は、 営んでいた 体で見つかりました。あの時、
酒 屋 の 中。 す ぐ に 近 所 の 人
なんで強く止めなかったのか。
と向いの山に逃 げました。 で
ずっと後悔しています。
も、まさか家が流されるなん
﹁最近また地震が増え
て思っていませんでしたので、
気味が悪いんです﹂
財布は置きっぱなし。飼ってい
た2匹の猫 もこたつに残した 避難所となった町民会館で
は大 広 間に雑 魚 寝。 座 布 団
ままで⋮。
避難した裏山には、 人く 2枚の上で寝 返りもできない
らいの 方がいましたが、 緊 張
状 態 で す。 その 後、 別 の 避
感はありませんでした。 近 所
難所を経て、仮設住宅に移っ
のお嬢さんも家へ戻ってしまっ たのは3カ月目くらいでした。
て⋮。 その直後です。 川が反
ようやく自分だけの空間が
対方向に流れ始め、海から波
持てたのでホッとしましたね。
が押し寄せてきました。 自 宅
赤 十 字からの家 電セットの支
が流されたのはあっという間。 援も本当に助かりました。 で
も、 先 行 き の 不 安 が 頭 から
離れた事はありません。 血圧
が180くらいまで上がってし
まったこともあります。
災害公営住宅に入れたのは
2年半程前。 趣味の粘土フラ
ワーや水泳、 盛岡や二戸に住
む 娘に会いに行ったりと 忙し
く 過 ごしています。 その一方
で、 営業していた酒屋の仕事
を 失いましたし、〝 私はいった
い何をやっているのか〟という
虚しさもあるんです。
最 近は地 震が増えてきてい
るのも 気 味が悪いですね。 高
い堤防を造っていますが、自然
の力にはかなわないんじゃない
かって思ったりもするんです。
約2カ月間にわたり介護士を派遣しました。
(そのほか介
赤 十字 NE WS
13 万3183世帯
80
サービスの質を維持するため、
日赤の社会福祉施設から
AREA NEWS ( 6 )
80
れるなど被災しました。
こうした介護職員を支援し、福祉
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
生活家電セットの寄贈
2
「被災者の力になりたい」
−−東日本大震災では世界中からこうした温かな思いが日本
に寄せられました。各国の赤十字を通じて日本赤十字社に寄せられた救援金は総額
1000億円以上。日赤は、6つの分野でかつてない規模の様々な支援活動を実施してき
ました。詳しくは日赤ホームページ(http://www.jrc.or.jp/)をご覧ください。
−
被災地の福祉施設では、多くの介護職員が自宅を流さ
第 910号
赤 十字 NE WS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
(第三種郵便物認可)
箱 石 さ ん は 岩 手 県 赤 十 字 ノ ル ディッ
ク ウォー キ ン グ 奉 仕 団 が 開 く 定 例 の
ウォーキ ングな どに週
回 参 加。﹁汗
をかく充実感がありますし、 体調も良
くなりました。 初めて会う方と友達に
なれるのもうれしいですね﹂
東日本大震災復興支援事業
40
4カ所67人
( 7 ) AREA NEWS
生活再建
社会福祉施設への介護士の派遣
福祉サービス
岩手県
実施)
SPECIAL ( 4 )
第 910号
(第三種郵便物認可)
赤 十字 NE WS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
(5)
(第三種郵便物認可)
第 910号
赤 十字 NE WS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
( 3 ) TOPICS
赤 十字 NE WS
(第三種郵便物認可)
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
美味しく食べて元気に 採れたて果実を被災地へ
( 7 ) AREA NEWS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
広島県
赤 十字 NE WS
真冬の災害から身を守れ! 避難所設営などを演習
赤 十字 NE WS
北海道
尾道市瀬戸田町さくら赤十字
厳冬期の災害時にどのように
奉 仕 団が1月18日、 瀬 戸 田 産
身を守るかを考える演習が1月
のかんきつ類を東日本大震災で
16、17日、北見市の日本赤十
被災された方に贈りました。
平成 28年 2月1日(毎月1日発行 )
(第三種郵便物認可)
尾道市瀬戸田町にある、かん
AREA NEWS ( 6 )
第 910号
赤 十字 NE字北海道看護大学で行われ、行
WS
政 機 関 の 防 災 担 当 者 な ど約
きつ類のテーマパーク「シトラ
100人 が 参 加。 朝 の 気 温が
スパーク瀬戸田」の農園で、奉仕団員が約150
−23℃を記 録 する中、 大 学 の
第 910号
(第三種郵便物認可)
第 909号
WORLD ( 8 )
段ボールベッドは東日本大震災を機に開発。昨年9月
キログラムを収穫。その後、宮城県支部を通じて、
体育館での避難所設営や宿泊、 の常総市の避難所でも活用されました
東日本大震災被災地の一つ多賀城市で、採れた
エンジンを切った車内で寒さを防ぐ方法などについて、学びました。
ての果実を配布しました。
6回目となった今回は、停電で暖房が使えない想定の下、段ボールベッドでの就
奉仕団委員長の杉原八重子さんは、「おいしく
寝訓練を初めて実施。ベッド上で寝袋にくるまって過ごした参加者からは「寒さも
召し上がってもらい、少しでも元気になってほし 団員みんなで楽しくワイワイと収
穫。温かなメッセージも添えて届
けられました
い」と話しています。
女子小学生バンド「TANNS」が献血応援ソング
感じず快適」の声が出ました。また屋外では、猛吹雪で立ち往生した車の中で温
かい食事や飲みものを取る効果などを含め安全な過ごし方の検証も行われました。
輸血でいのちつないだ高校生のドキュメンタリー公開
新潟県
神奈川県
新潟県加茂市の女子小学生5
小学校4年生の時に脳腫瘍を
人 組バンド「TANNS(ターン
患い、輸血でいのちをつないだ
ズ)」が歌う献血応援ソング「な
髙原弥詞さん(高校2年生)。自
にげない日常 」( 作詞shu、 作
身の経験を踏まえ「新たな献血
曲 は ん だ す な お )のCDが1月
の 輪 を 広 げ た い 」 と献 血 推 進
31日、新潟県赤十字血液セン
活動に取り組む髙原さんの姿を
ターに贈られました。
世界献血者デーで献血を呼び掛ける髙原さん(中央)
追ったドキュメンタリー映像を神奈川県赤十字血液
TANNSは小学6年生の5人が
2年 前に結 成。「 なにげな い 日
5人はもうすぐ小学校卒業。中学生になってからの飛
躍に期待です!
常」は病気と闘う人たちに思いを寄せながら、日常の中にある幸せや愛を歌った
センターのホームページ上で公開中です。
映像はテレビ神奈川の制作で、今年1月に放映
されたもの。 治療で10回の輸血を受けた髙原さ
バラードです。昨年から市内のライブイベントなどで披露されてきました。「献血
んが、世界献血者デーで「命のリレー よろしく
啓発に役立ててほしい」との思いからCDを寄贈。 制作費を除いたCDの収益金
お願いします!」と献血を呼び掛ける姿や友人を 退院後の運動会はビリだったけど
気持ち良かった!
献血ルームに案内する様子が描かれています。
は日本赤十字社に寄付される予定となっています。
赤十字の歴史学ぶ広報プラザオープン
愛媛県
新春の徳島駅伝の安心をサポート
区主催の緊急医療救護所研修会に参加
東京都
徳島県
来場者からは
「赤十字の歴史について知るいい機会
になって良かった」などの感想が寄せられています
医療班の車両には、AED
(自動体外式除細動
器)
や応急手当セットを搭載(車両2台目)
大田区では、大規模災害時に区内20カ所に
「緊急医療救護所」が設置される予定です
愛媛県支部は1月29日、県庁内にあった支部事
1月4日から3日間、県内各市町村から集った選
大田区主催の第1回緊急医療救護所研修会が1
務所を87年ぶりに松山市岩崎町に移転。 それに伴
手が全43区間257.3キロのコースを駆け抜けた徳
月30日、大森赤十字病院で開催され、区職員や
い、事務所1階に赤十字の歴史などを紹介する広報
島駅伝で、徳島県支部の医療班が安全を見守りまし
区内の医師、薬剤師、柔道整復師、同院職員など
プラザを新たに設置しました。プラザ内には日清・
た。転倒によるけがや寒さによる体調不良などに備
43人が参加。 区の災害医療コーディネーターを務
日露戦争時における救護活動の記録や当時使用し
えて、医療班は車で追走。 今年は気候にも恵まれ、
める同院の松本賢 芳 医療社会事業部長を講師に、
た救護資材、東日本大震災の際の救護活動の様子
大きなけがや体調を崩す選手を出すことなく、大会
災害医療の基本やトリアージの方法など緊急医療救
などを展示しています。
は無事終了しました。
護所の運営に必要な知識と技術を学びました。
1
・17「防災とボランティアの日」 各地でイベント
兵庫県 / 山口県 / 栃木県
阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた地域を歩く「ひょ
が実施する被災地での救護活動です。 今回の研修では、
うごメモリアルウォーク」が行われた兵庫県。 休憩所に指
山口赤十字病院のこころのケア指導者が被災された方へ
定された県支部では、赤十字防災ボランティアと職員が味
の接し方を説明。またストレス緩和に役立つリラクゼーショ
噌汁の炊き出しを行い、参加者に提供しました。神戸市中
ンの方法などを実技で学びました。
央区のなぎさ公園で開かれた「交流ひろば」でも、赤十
栃木県支部は、赤十字防災ボランティア養成研修会、赤十
字奉仕団のメンバーが訓練を兼ねた炊き出しを行い、出
字防災ボランティア・フォローアップ研修会を開催。 昨年9月
来上がった豚汁を「赤十字まごころサービス」として来場
の台風18号による豪雨災害を振り返り、対応を検証しました。
者に振る舞いました。
山口県支部は、県赤十字防
阪神・淡路大震災(平成7年1月17日)では、全国か
ら多くのボランティアが支援に駆けつけ「ボランティア元
年」
ともいわれました。この経緯を踏まえて制定された「防
災とボランティアの日」。今年の1月17日にもさまざまなイベ
ントが行われました。
災奉仕団の研修会として、「こ
ころのケア研修」を支部内で
開催しました。 こころのケア
は、被災者や支援者のストレ
スを理解・軽減していくため
に、救護要員やボランティア
なぎさ公園では、中学生も協力 肩や背中に優しく触れ、スキンシッ 実技として大型テント設営の訓
して血液製剤の搬送訓練(兵庫) プを図るリラクゼーション(山口) 練も実施(栃木)
(第三種郵便物認可)
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
赤 十字 NE WS
第 910号
AREA NEWS ( 6 )
( 7 ) AREA NEWS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
赤 十字 NE WS
第 910号
(第三種郵便物認可)
東日本大震災復興支援事業
伊勢赤十字病院が最先端の心臓手術「TAVI」成功!
日赤×ANA バレンタイン特別企画
赤 十字 NE WS 三重県
平成 28年 2月1日(毎月1日発行 )
第 909号
健康教室と手作りチョコで笑顔の交流
伊勢赤十字病院は1月29日、大動脈弁
WORLD ( 8 )
(第三種郵便物認可)
きょうさくしょう
日本赤十字社とANA
狭 窄 症 ※ の最新治療「経カテーテル的大
グル ープは2月14日、
動 脈 弁 置 換 術(TAVI)」 を 行 い ました。
福島県郡山市にある南
昨年10月にTAVIを 実 施 で きる施 設とし
一丁目応急仮設住宅
て、関連学会協議会の認定を受けてから
内で「バレンタイン特
初の手術となります。
別企画∼健康教室&バ
TAVI は、大腿部の動脈(または肋骨の間
厳しい基準が設けられている施設認定を受
けたのは同院が三重県下初。日赤病院内
でも名古屋第一、徳島に続いて3施設目
レンタインチョコレー
を切開して心臓の先端)からカテーテルを挿入
ト作り」を開催。「チョ
し、大動脈弁の位置に人工弁を取り付ける手術。人工心肺を使用せず、心臓停止しないため、
コ 作りな ん て 初 め て
身体的負担が比較的小さく、術後の回復も早くなることが期待されます。今回の患者は83
だったから、とても楽
歳の女性で、外科的人工弁置換術ではリスクが高いと判断されたことからTAVIを実施。術
初めて作ったチョコボール。きれいにできました!
しかった」「 体 操も気
後経過は良好で、同院では今後も有効な治療法として積極的に実施していく方針です。
持ちよかった」など会
※高齢化のためなどで心臓の弁の開きが狭くなり、十分な血液を全身に送り出しにくくなる疾患
場は参加者の賑やかな笑い声に包ま
れました。
今年で3回目となるこの企画は、福
島県内の仮設住宅に暮らす被災者の
「マインドマップ」で目指せ! 学習力アップ
健康維持とコミュニティー活性化など
京都府
が目的です。 今回は川内村から避難
お姉さんと楽しく話しながらの昼食
している方を中心に、ANAグループ
社員のボランティア、川内村赤十字奉
仕団員など70人余りが参加し、健康体操やチョコレート作りなどに挑戦しました。
ANAグループのボランティア参加者からは「仮設から転居すればコミュニ
ティーがまた崩れる心配があることなどを参加者の皆さんからお聞きし、復興に
は時間がかかることを実感しました」などの感想も出されました。
情報が脳内でどう処理されていくのか
を視覚的に描くことで、学習効果を高め
る思考ツール「マインドマップ」。京都第
二赤十字看護専門学校が、この思考ツー
ルを活用した講義や実習に力を入れてい
ます。
全教員がマインドマップを教えられる看護
学校は同校が全国で第一号
マインドマップに同校が取り組み始めた
のは2009年。教員全員が認定資格を目
指し、このほど全員が合格しました。 昨
年7月には「学ぶ力がつく!マインドマッ
プで看護教育研究会」を立ち上げ、他の
看護学校の教員と共に活用法の研究も進
Voice
めています。
マインドマップ
赤十字 NEWS にお寄せいただきました読者の皆さまの声をお届けします。
「被爆70年 守るべきいのちと尊厳」
(12月号掲載)
原爆に立ち向かっ
た医師・都築正男先生の情熱と原爆症の究明に命をかけた生涯に感動いた
しました。
福島県
−−内澤義宜さん(青森県)
救急法競技会の話題、興味深いです。救急法講習を受講してから時間が
たち、忘れているのが現状。年に一度でも復習の場が必要だと実感します。
いざという時の備えが必要ですね。
仮設住宅の高齢者対象に「赤十字にこにこ健康教室」
−−及川義教さん(北海道)
プレゼント
日本赤十字国際人道研究センター 所長 井上忠男
さんの著書「戦争と国際人道法」を3名様にプレゼント
いたします。以下の項目を明記のうえ、郵送・FAX・メー
ルでご応募ください。
福島県支部は1月27日、
福島市内の南矢野目応急
仮設住宅の集会所で「赤
十 字 にこにこ健 康 教 室 」
を開催しました。
同教室は、東日本大震
災と原発事故の影響で避
難生活を続けている高齢
者が対象。 慣れない生活
環境の下、外出の機会が
毛布がガウンに早変わり!
減った高齢者の中には生活不活発病
の発症を心配する人が少なくありませ
支援事業として開催しています。
参加者は、赤十字奉仕団のメンバー
体を動かした後は、フラワーアレンジメントに
も挑戦です
と一緒にストレッチ体操で体を動かしたり、毛布を用いたガウンやホットタオルの
作り方、AED(自動体外式除細動器)を使った心肺蘇生の方法などを実習。 参
加者からは「赤十字のボランティアにも協力したいね」と元気な感想が出されま
した。
27
10
28
19
常任理事会開催報告
平成 年2月 日、本社にお
いて平 成 年 度 第 回の常 任
記
社員 制 度の見 直 し 及 び日
本 赤 十 字 社 定 款の一部 変
理事会が開催されました。
1
更について
2 医 療 事 業 推 進 本 部 制の導
入及び関係規則の改正につ
いて
本 社 組 織の見 直 し 及 び 関
係規則の改正について
28
3
て
日 開 催の理 事 会 及 び第
87
4 役員の選出、平成 年度事
業計画及び収支予算につい
月
18
審 議の結 果、
これらの案 件に
ついては、原 案のとおり 本 年3
※当選者の発表はプレゼントの発送をもって代えさせていただきます。
25回程度の予定で東日本大震災復興
回 代 議 員 会に付 議 すること が
応募締切● 3月28日
(月)必着
軽減していくのが目的です。 毎年度、
了承されました。
日本赤十字社 企画広報室 赤十字 NEWS3月号プレゼント係
F A X / 03-3432-5507
メール/ [email protected](件名「赤十字 NEWS3月号プレゼント係」
)
コミュニティー崩壊に伴う孤立・孤独を
また、予 算の補 正にかかる1
月 分の社 長 専 決 事 項の決 定 状
応 募 先● 郵 送/〒105-8521 東京都港区芝大門 1-1-3
ん。こうした病気や介護を予防すると
ともに、家族離ればなれの避難生活や
況について、報告しました。
①お名前(匿名をご希望の方は、その旨もご記入ください)
②郵便番号・ご住所 ③電話番号 ④年齢
⑤赤十字 NEWS3月号を手にされた場所(例/献血ルーム)
⑥3月号で良かった記事、興味深かった記事はどれですか?(いくつでも)
Ⓐ 今月の出会い
Ⓑ 被災地と向き合い続ける NHKディレクター 佐野広記さん
Ⓒ 愛の献血車「宝くじ号」贈呈式
Ⓓ 私たちは、
忘れない。未来につなげる復興支援プロジェクト
Ⓔ 健康豆知識 大人のアトピー Ⓕ 全国から続々被災地応援メッセージ
Ⓖ 特集 東日本大震災から5年 もう一度心に刻みたい あの日の記憶、そして今
Ⓗ エリアニュース
Ⓘ 日赤×ANA 東日本大震災復興支援事業 バレンタイン特別企画
Ⓙ 常任理事会開催報告 Ⓚ Voice&プレゼント
Ⓛ 中東3カ年計画 人びとに笑顔を取り戻す支援をいま
Ⓜ 被爆70年 守るべきいのちと尊厳(最終回)
⑦赤十字NEWSのご感想、扱ってほしいテーマ、その他 Voice(読者の声)
への投稿もお待ちしています。
( 7 ) AREA NEWS
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
赤 十字 NE WS
第 910号
(第三種郵便物認可)
(第三種郵便物認可)
平成 28年 3月1日(毎月1日発行 )
赤 十字 NE WS
第 910号
WORLD ( 8 )
シリア
レバノン
中東3カ年計画(2015∼2017年)
人びとに笑顔を取り戻す支援をいま
昨年9月、日本赤十字社はレバノンの首都ベイルートに中東・北アフリカ地域代表事務局(日赤代表事
務局)を開設しました。日赤は中東への人道支援を最優先課題に掲げ、今年度から「中東3カ年計画」
に取り組んでいます。日赤代表事務局は、支援をスムーズに実施し、支援を必要とする一人ひとりに確実
に届け、難民受け入れ周辺諸国と日本との「架け橋」となる役割を担っています。
中国/雲南省
ベトナム
チリ
日赤は現地の各赤十字社・赤新月社と協
生活環境の良い場所を求めて毎日計り知れ
タファちゃん(13)と
力し、保健医療支援、こころのケア、水・衛生、
ない努力をし、すさまじい生命力を感じま
イブティッサム・ムスタ
生計支援などを実施しています。これらの
す」と五十嵐さんは話します。
ファちゃん(12)もア ザハレちゃん(左)とイブティッサムちゃん(中央)の話を聞く五十嵐さん(右)。
レッポからの避難民で 「お母さんの心臓が悪いから、心臓の治療ができるお医者さんになりたい」
WORLD NEWS
支援を人びとに確実に届けるため、日赤か
ら派遣されているのが、日赤代表事務局の
日赤が支援する水・衛生事業
す。 両親と他の6人の
©Lebanese Red Cross
と語ります
五十嵐真希さんです。
五十嵐さんは先日、レバノン北東部、ベッ
兄弟と一緒に2年前、避難してきました。
ザハレちゃんとイブティッサムちゃん姉妹
日赤代表事務局とはいっても、国際赤十
カー県中央のザーレ、コブ・エリアスにある
薄着で裸足の2人に五十嵐さんが「寒く
も避難してきてからの2年間、学校に通え
字・赤新月社連盟(連盟)中近東地域事務
非公式※避難住居区を訪問しました。ここに、
ない ?」と尋ねると、「慣れているから大丈
ない状況です。五十嵐さんが学校や勉強の
所の一角に机を置いているだけで、要員は
シリア北部の都市アレッポから避難してきた
夫!」と答えるものの、「テントの中は寒
ことを質問すると2人は身を乗り出し、「こ
五十嵐さん一人。日赤の支援事業の管理に
83家族、390人が暮らしています。 その
いし、狭い部屋に家族10人で住むのは辛
こには学校がないの。学校に行きたい。勉
加え、日本政府からの拠出金を元に実施し
うち223人が子どもたちです。
い。お父さんもお母さんも忙しいし、アレッ
強がしたい。どうやったら、勉強できるの?」
ポにいた頃とは違って、面倒を見てくれる
と質問攻めです。 子どもたちにとって、学
近所の人も少ないの」とイブティッサムちゃ
校に通えないこと、勉強ができないことは、
ている連盟事業の調整も行っているので、
忙しく走り回る日々です。「紛争の影響を受
けている方の苦労を目の当たりにして、少
しでも力になろうと私も必死です。彼らは、
※レバノンは難民条約に非加盟で、公式な難民キャンプの設
立ができないため、非公式難民住居区と呼ばれる難民の
テント村があちこちにできています。
ん。ザハレちゃんも「お金にも困っていて、
何よりも辛いことなのです。
食事は1日1回か2回」とうつむいてしまい
凍えるように寒いテント生活。コンクリー
ました。
トの床の上を裸足のまま、小さい兄弟た
井戸掘削とタンクの設置、下水処理用の設
子どもたちの願いは 「学校」
になる日を夢みているザハレちゃんとイブ
備、衛生教育など、水と衛生環境の改善も
非公式避難住居区の子どもたちが通う学
ティッサムちゃん、
そして大勢の子どもたち。
進められました。
校は、小学校低学年以下の子どもたち向け
「この子たちに寄り添いながら、赤十字が
の仮設学校だけで、小学校高学年のための
できる限りの支援を続けていく必要性と責
学校はありません。レバノンの学校に行くこ
任を痛感しています」と五十嵐さんは語り
ともできません。
ました。
住居区では日赤の支援により、レバノン
赤十字社と住民が協働して道に砂利を敷き、
テントを設置しました。また、トイレの建設、
食事は1日1回の日も
ザーレ、
コブ・エリアスの避難住居区
難民テントに生活する姉妹、ザハレ・ムス
人的貢献を中心にした中東支援を計画
ちの世話をしながら、 勉強が出来るよう
1350万人の人道支援ニーズ シリア人道危機
日本赤十字社国際部 堀乙彦部長
シリア紛争が始まってから既に5年が経過しました。中東の混乱は
シリアに止まらず、イラク、パレスチナ、イエメンにも広まっており、多く
の難民を受け入れているレバノン、ヨルダン、トルコなどの周辺国にも
大きな影響を与えています。さらに移民として、多くの人びとが危険を
冒し、いのちからがら祖国を逃れ、ヨーロッパ諸国にも押し寄せてい
ます。今、中東は第二次大戦後最大の人道危機に直面しています。
日本赤十字社では、中東支援3カ年計画を策定し、この人道危
機に計画的・包括的に取り組んでいます。具体的には、レバノンに
代表事務局を置き、資金・物資の援助を実施。今後は、保健・医
療など日赤の得意とする分野での人的貢献を中心に、赤十字のネット
ワークを生かした支援を展開していく計画です。
内戦で25万人が亡くなり、100万人以上が負傷したシリア。家屋や学校、医療施設、
文化的建造物は破壊され、国内で避難生活を送っているのは660万人、国外に避難し
ている難民数は460万人にのぼります(2016年2月、国連OCHA調べ)
。
水、食糧、電気、医療、教育などへのアクセスは制限され、200万人もの子どもた
ちは学校で勉強する機会を奪われています。8割のシリア人が職を失い、人口の半数近
い1350万人が人道支援を必要としています。
このような状況下で、赤十字は特定の勢力側につかない中立の機関として、懸命の支
援を続けています。2月17日には、支援が入りにくいダマスカス近郊のマダヤなどに、
シリア赤新月社がトラック 100台分の支援物資を届けました。
日赤は、救援金を募集しています。皆さまの温かいご支援をお待ちしています。
受付期間 平成28年3月31日
(木)
まで
©SARC
物資を届けるシリア赤新月社のトラック
受付口座 ゆうちょ銀行・郵便局 口座番号「00110-2-5606」/口座名義 「日本赤十字社」
※振替用紙の通信欄に「中東人道危機」とご記入ください。
※銀行振り込みなどによるご支援も受け付けています。詳しくはホームページ(http://www.jrc.or.jp/contribute/help/cat751/)をご覧ください。
に向けた今後の行動計画について合意に達する
最終回
― 核 兵 器 の な い 世 界 へ ―
被爆 70 年の先へ ∼変える力は私たちの記憶の中に∼
れない場所で、原爆の後遺症に悩みながら、世
ことができず決裂。核戦争などでの人類滅亡を
の偏見を逃れるために被爆者であることを隠し、
午前0時になぞらえる「終末時計」(米科学誌が
ひっそりと罪を犯した者のように生きている人た
発表)は、2016年現在、3分前を指しています。 ちがいた…(中略)…私は思った。死んでいっ
これは1980年代の米ソ間の軍拡競争時代と同
た人たちのために、今、苦しみつつ生きている
じ針の位置で、近年になり核兵器使用の危機が
人たちのために、そして、これから生きようとす
極めて高くなっていることを示しています。
る人たちのために、私たちの戦争と原爆、そし
国際赤十字は2011年、世界の赤十字社が集
一方、現実には、世界に1万5000発以上の
う国際会議で、核兵器廃絶を世界に呼び掛ける
核兵器が存在し、個々の威力は平均して広島型
しかし他方で良い兆しも見えます。2012年に
て平和を語りたい」(雪永まさゑ編『きのこ雲 決議を採択しました。「もし核兵器が使用された
原爆の20倍から30倍に相当するものです。あ
スイスやノルウェーなど16カ国が提案した「核
日赤従軍看護婦の手記』1984 年、オール出版)
場合、その犠牲者を誰も救うことはできない」と
る科学的な試算によると、それが100発程度使
兵器の非人道性に関する共同声明」への賛同国
いう人道的観点によるものです。広島、長崎へ
用されれば、煙や粉塵により地表に降り注ぐ日光
は、2015年4月には159カ 国 に 達し て おり、
の原爆投下から70年。本コラムはこれまで、核
が遮られ、気温の急激な低下によって世界中の
国連では核兵器禁止のための条約制定に向けた
兵器が人間のいのちと尊厳をどう脅かしてきたの
農業が危機に瀕することになります。その結果、 検討も始まっています。被爆者の平均年齢が80
か、そして人びとは核兵器廃絶にどう立ち向かっ
10億もの人びとが食糧難に陥り、さらには深刻
歳を超える中、このうねりを後押しする意味でも、
たのかを、赤十字の歴史から紐解いてきました。 なレベルでオゾン層が破壊されることで、人命の
今以上に、ヒロシマ、ナガサキ、そして世界中
その中には、原爆投下の直後から自らの危険も
みならず地球環境そのものが取り返しのつかな
のヒバクシャの声に耳を澄ませ、広めるべき時は
顧みずに救護に奔走した、あまたの赤十字の医
いダメージを受けるといわれています。
ありません。
師や看護師たちの声が刻まれていました。その
今日、核軍縮に向けた国際社会の歩みは遅々
「敗戦から遠ざかるにつれて、人々の記憶から、
どれもが、赤十字の決議の主張を裏付けるもの
とした状態です。核兵器の問題を取り扱う2015
戦争の悲惨さや原爆の地獄絵図が次第に薄れて
でした。
年4月の核不拡散条約の締約国会議は、核軍縮
いくように見えた。だが一方では、人々の目に触
む
こ
核兵器廃絶の願いが込められた折鶴