【マレーシア】 国 名 主 要 指 標 マレーシア 首 都 クアラルンプール 企業形態 民営(TNB、SESB、SEB) 面 積 32万9,847km2 発電設備容量 2,940.7万kW (2013年) 人 口 3,026万人 (2013年推定) 発電電力量 1,340億kWh (2013年) P 3,124億ドル (2013年) 販売電力量 1,160.9億kWh (2013年) エネルギー資源 石油,ガス, 石炭 電 G 電気事業の 企 業 形 態 D 率 99.9% (2013年:マレー半島) o以下の3事業者が地域ごとに発送配電を担当。 ①テナガナショナル社(TNB): マレー半島で電力供給。 ②Sabah Electricity Sdn. Bhd. (SESB):サバ州で電力供給。 ③Sarawak Energy Berhad (SEB): サラワク州で電力供給。 o1992年以降、発電部門に競争が導入され、2012年時点で24のIPP事業者が 存在(TNBやSEBも子会社を通じて参入) 。 1. 発電設備 o発電設備容量(2013年):2,974.8万kW。所有者別では、3事業者29.5% (TNB23.1%、SESB1.9%、SEB4.5%)、IPP・コジェネ等70.5% o2013年のマレー半島、サバ州、サラワク州の合成最大電力1,890.2万kWに対 し、発電設備容量は2,940.7万kWで、設備予備率は35.7%。 電源種別 水力 天然ガス 石炭 石油 その他※1 合計 電力需給動向 化 設備容量(万kW) ※自家発・コジェネ等除く TNB SESB SEB IPP 計 191.1 7.0 10.8 182.7 391.6 495.5 11.2 58.8 859.8 1,425.3 48.0 720.0 768.0 15.2 15.2 39.4 16.3 4.0 59.7 686.6 57.6 133.9 1,781.7 2,659.8 構成比 (%) 14.7 53.6 28.9 0.6 2.2 *1 その他:ディーゼル、バイオマス [引用]National Energy Balance 2013 2.発電電力量 o発電電力量(2012年) :1,320.1億kWh。電源別では、天然ガス47.0%、石炭 43.8%、水力7.0%、石油2.2%。事業者別では、3事業者26.2%(TNB19.9%、 SESB1.0%、SEB5.3%)、IPP・コジェネ等73.8%。 <発電電力量(発電事業者別)> 単位:億kWh TNB SESB SEB 電源種別 IPP・コジェネ等 計 水力 55.2 3.8 4.3 29.2 92.5 天然ガス 195.6 5.9 27.8 391.0 620.2 石炭 - - 30.4 548.1 578.4 石油 12.5 3.3 7.8 5.4 28.9 合計 263.3 12.9 70.3 973.6 1320.1 [引用]Malaysia Energy Statistics Handbook 2014 【マレーシア】 3.販売電力量 o2003年から2013年までの販売電力量の平均年間伸び率は、TNB年4.6%、 SESB年7.2%、SEB年12.1%と、順調な伸びを示している。 oTNBはタイ発電公社(EGAT)及びシンガポールのパワーグリッド社と国際 連系しており、2013年では2.03億kWhの輸入となっている。 <販売電力量(用途別)> TNB 用途 216.0 家庭用 (21.4) 348.8 商業用 (34.5) 427.2 工業用 (42.3) 18.2 その他 (1.8) 合計 1,010.2 SESB 15.3 (32.8) 20.2 (43.2) 10.6 (22.7) 0.6 (1.3) 46.7 単位:億kWh(内訳%) SEB 計 17.2 248.5 (16.5) (21.4) 21.7 390.7 (20.8) (33.6) 64.6 502.4 (62.0) (43.3) 0.7 19.5 (0.7) (1.7) 104.2 1,161.1 [引用]National Energy Balance 2013 電源開発動 向 環境問題へ の取組み等 再 生 可 能 エネルギー 開発動向 o第10次マレーシア計画:2011~2015年の間に、エネルギーの安定的な供給 を目的に、石炭・LNGの利用拡大、水力開発の促進、超臨界石炭火力発電 所の建設、原子力発電の検討開始を実施することが謳われている。 o原子力開発:政府が2010年 10月に発表した経済改革プログラム(ETP)の中 で、①2021年までに出力100万kW級の原発2基の導入を計画、②導入に関す る調査を2013~14年までに実施、③2016年には建設に関する入札を実施、 というスケジュール案を発表したが、福島事故を受け現在は足踏み状態。 o1994年:マレーシアはアセアン諸国の先頭を切って、国連気候変動枠組条 約(UNFCCC)を、その後2002年には、京都議定書を批准。 o2003年:天然資源・環境省の環境保護管理局がCDMに関する指定国家機関 として認定され、2003年8月には、CDM国家委員会が設置され、CDMプロ ジェクトに関する審査を行っている。 oCDMプロジェクト:ヤシ殻やパームオイルなどを使用したバイオマス発電 などが認定されており、日系企業の進出が繰り広げられている。 o1987年 環境影響評価に関する環境命令:下記のプロジェクトの実施に際し て、環境影響評価書の作成・承認を規定。 ・化石燃料を利用した1万kWを超える発電所の建設 ・水力発電所の内、ダムの高さが15m以上で付属構築物の面積が40ha超過 の場合、または貯水池の面積が400ha超過の場合 ・コンバインド・サイクル発電所の建設、原子力発電所の建設 o エ ネ ル ギ ー 効 率 改 善 ガ イ ド ラ イ ン ( Guidelines in Applying Energy Efficiency Incentives):さまざまな電気機器を対象に指針が提示されてい る。具体的には、冷蔵庫のモーターの力率改善や照明器具の LED 化推進な ど。 o第8次マレーシア計画(2001~2005年):2001年5月に小規模再生可能エネル ギー・プログラム(SREP)を導入。SREPでは、事業実施に対するインセ ンティブとして、所得税の一部免除を行うパイオニアステータス(PS: Pioneer Status)と投資税額控除(ITA:Investment Tax Allowance)を設 定。 o第 9 次マレーシア計画(2006~2010 年) :長期の燃料確保や資金調達に関 して、再エネ購入契約(REPPA:Renewable Energy Power Purchase Agreement)に基づく取引条件が整備され、エネルギー・水・通信省の下部 【マレーシア】 機関として再エネ特別委員会(SCRE:Special Committee on Renewable Energy)を設立。エネルギー委員会と共に再エネの利用促進に努めている。 o第 10 次マレーシア計画(2011~2015 年) :経済発展に重点が置かれている が、生活の質を落とさないよう、土地、水、森林、エネルギー、海洋資源に 関する(持続可能な)管理と運用の促進が強調。具体的には、後述の FIT による再エネ導入促進、エネルギー生産、輸送、利用における効率の改善な どが挙げられている。 o2011年:再生可能エネルギー法を制定。停滞する再エネ開発促進のため、 各年毎に目標導入値を定め、2015年までに127.5万kW、2020年までに314 万kWまでに引き上げることを目指す。 <再エネ電源導入目標>(単位:1,000kW) [MW] バイオ ガス 年 バイオガス (汚泥発 電) バイオマス バイオマス (廃棄物) 小水力 太陽光 (1MW 以 下) 太陽光 (1MW 超) 年間 上限 値 導入 積算値 2011 10 5 70 10 30 9 20 154 154 2012 20 10 60 20 60 11 35 216 370 2013 20 10 70 30 80 13 50 273 643 2014 25 10 60 40 60 15 80 290 933 2015 25 10 70 50 60 17 110 342 1,275 2016 25 10 80 35 60 19 130 359 1,634 2017 30 10 90 30 50 21 145 376 2,010 2018 30 10 100 20 40 24 155 379 2,389 2019 30 10 100 20 30 28 165 383 2,772 2020 25 10 100 10 20 33 170 368 3,140 2020 までの 積算値 240 95 800 265 490 190 1060 - 3,140 [出所]Renewable Energy Bill & SEDA Bill (Ministry of Energy, Green Technology & Water). oFIT制度 ・再エネ電源電力を電気事業者が買い取る際の価格(FIT総支払額)について、 通常の買い取り額(従来型電源の電力の買い取り額)にFIT料金を上乗せ した金額を支払い、再エネ電源の導入促進を促す制度。 ・持続可能エネルギー開発庁(SEDA)は通常買い取り額に上乗せされたFIT 料金部分を、再エネ基金から電気事業者に支払う。 ・再エネ基金:電気料金の値上げ分(1か月300kWh以上の顧客の電気料金 を1%値上げ)がFITの財源となっている。 ・FIT料金:電源種別に1kWh当たりの買取価格および割増条件・価格を設 定。設備費が高いため、太陽光の買い取り価格が現時点では最も高い。な お、買取価格は各種電源別に決められた逓減率に従い引き下げられ、この 逓減率は少なくとも3年ごとに見直す予定。 ・通常のFIT料金にプラスして、導入形態による買取価格ボーナスが設けら れている。 ・FIT事業者の外資規制:FIT事業者には、外資規制(50%以上が国内資本) が適用され、外国企業が事業を行うためには、地元企業の適切なパートナ ーを見つける必要がある。また、電力事業者になるためには、別途エネル ギー委員会の認可が必要であり、電力系統への接続には、電力会社と調整 する必要がある。 ・再エネ事業者の税制優遇:税制優遇の1つには、設備投資に対する税額控 除がある。再エネ事業で5年間に発生する投資額を所得控除できる。また 【マレーシア】 は、それに代えて、投資後10年間にRE事業で得られる利益に対する所得 税の免除を選択することもできる(Pioneer Status)。さらに、関連機器・ 施設購入にかかる輸入税や物品税の1年間の減免制度もある。税制優遇は、 マレーシア工業開発庁(MIDA)が一元的な窓口になっている。 <FIT 制度による電力買取・割増価格(2015 年 1 月時点)> 買取価格 (割増価格) (リンギ/kWh) 買取期間 (年) 逓減率 (%/年) バイオガス 4MW 以下 0.3184 16 0 4MW 超, 10MW 以下 0.2985 16 0 10MW 超、30MW 以下 0.2786 16 0 40%以上の発電効率のガスエンジンを使用 +0.0199 16 0 マレーシアで作成されたガスエンジンを使用 +0.05 16 0 +0.0786 16 0 10MW 以下 0.3085 16 0 10MW 超、20MW 以下 0.2886 16 0 20MW 超、30MW 以下 0.2687 16 0 +0.0199 16 0 20%以上の発電効率の蒸気利用発電装置を使用 +0.01 16 0 マレーシアで作成されたボイラーかガス化装置 を使用 +0.05 16 0 +0.0982 16 0 10MW 以下 0.24 21 0 10MW 超、30MW 以下 0.23 21 0 4kW 以下(個人) 0.9166 21 10.0 4kW 超、12kW 以下(個人) 0.8942 21 10.0 4kW 以下(個人以外) 0.9166 21 10.0 4kW 超、24kW 以下(個人以外) 0.8942 21 10.0 24kW 超、72kW 以下(個人以外) 0.7222 21 10.0 72kW 超、1MW 以下(個人以外) 0.6977 21 10.0 1MW 超、10MW 以下(個人以外) 0.5472 21 10.0 10MW 超、30MW 以下(個人以外) 0.4896 21 10.0 建物の建築時に導入 +0.1722 21 10.0 建物の材料として導入 +0.1656 21 10.0 マレーシアで作成された太陽光モジュールを使用 +0.05 21 0 マレーシアで作成された太陽光インバータを使用 +0.05 21 0 0.45 不明 0 バイオガス導入形態によるボーナス 燃料としてランドフィルガス、下水ガス、 動物性ガスを含む農業ガスの利用 バイオマス バイオマス導入形態によるボーナス ガス化技術を使用 燃料として固形廃棄物の利用 小水力 太陽光 太陽光導入形態によるボーナス 地熱 *2015 年 5 月時点 30MW 以下 [出所]Seda:Sustainable Energy Development Authority MALAYSIA 海外電力調査会作成
© Copyright 2024 ExpyDoc