No.661(2016年2月29日)

りそな
マーケットフラッシュ ウィークリー
◎注意事項をよくお読みください。
先週の動きと今週の見通し
No.661
(2016 年 2 月 29 日∼2016 年 3 月 4 日)
■ポイント
— 日本国債利回り、低下余地を探る動き続く
— 米雇用統計が流れを変える可能性も
— 急激な円高には介入警戒感が高まる
短期金利
長期金利
円/円スワップ
米国金利
株式相場
為替相場
無担保(翌日物)
円TIBOR(3ヶ月)
新発10年債
先物中心限月
5年
10年
ドルLIBOR(3ヶ月)
T-Note(10年)
日経平均
NYダウ
ドル・円
ユーロ・ドル
ユーロ・円
先週末値
-0.002 %
0.099 %
-0.065 %
152.09 円
-0.12 %
%
0.11
0.635 %
1.762 %
16,188.41 円
16,639.97 ドル
114.00 円
1.0934 ドル
124.63 円
■ウィーリー コメント
焼畑農業化した市場
マイナス金利受け、投資家
は更に厳しい局面
今週の予想
-0.020 ∼
∼
0.090
-0.100 ∼
金利上昇
151.50 ∼
∼
-0.15
金利上昇
∼
0.05
∼
金利上昇
0.62
∼
金利上昇
1.60
上昇
16,000 ∼
上昇
16,000 ∼
ドル上昇
112.50 ∼
ユーロ下落 1.0600 ∼
ユーロ下落 120.00 ∼
もみ合い
もみ合い
0.000
0.110
0.000
152.25
-0.05
0.15
0.65
1.90
17,000
17,000
116.00
1.1200
128.00
%
%
%
円
%
%
%
%
円
ドル
円
ドル
円
〈 チーフストラテジスト 高梨 彰 〉
日銀の「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」導入を受けて、ただでさえ
運用難に苦慮していた日本国内の機関投資家達は、更に厳しい局面に直面
せざるを得ない状態です。
10 年国債利回りもマイナス
日本国債利回りは 10 年付近までマイナス(図表 1)。既に持っている国債
の利払いが受けられないという意味ではないのですが、新たに市場から国債
を買った場合、償還まで持ち続ければ保有期間の利回りはマイナスとなり、
割に合わない投資となってしまいます。
利回りを高めるには主に 2
つの方法
利回りを高める方法は主に 2 つです。償還までの期間が長めの債券を買う
か、または相対的に信用度の低い債券を買うかです。
前者は、「10 年国債の代わりに 20 年国債を買う」ことが 1 つの例です。1
月 29 日に日銀がマイナス金利導入を決定して以来、20 年や 30 年国債への
買いが強まっています。将来の物価や経済成長率想定に大きな低下余地を
見込まない場合、債券利回りは一般的に償還年限が長いものほど高くなりま
す(これを順イールドと呼びます。反対に長い年限の債券利回りの方が低い
状態を逆イールドと呼びます)。(以下次頁)
◎注意事項
*当資料に記載された情報は信頼に足る情報源から得たデータ等に基づいて作成しておりますが、その内容に
ついては明示されていると否とに拘わらず、弊社がその正確性、確実性を保証するものではありません。ま
た、ここに記載された内容が事前の連絡なしに変更されることもあります。
*また、当資料は情報提供を目的としており、金融商品等の売買を勧誘するものではありません。取引時期な
どの最終決定はお客さまご自身の判断でなされるようお願い致します。
1
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
長期化により価格変動リス
クは大きくなる
(前頁より続く)10 年債利回りまでがマイナスとなった今、視線は自然と償還
までの年数が 10 年超の超長期債へと向かいます。償還まで保有したときの
利回りは確かに高いのですが、残存年限の長い債券は、金利の変化に対す
る価格の変化幅が相対的に大きく、保有した場合の価格変動リスクは高まりま
す(ちなみにこのリスクを「期間」という単語を使ってデュレーション・リスクとい
ったような呼び方もします)。今のように極端に金利が低い状態だと、残存年
限の差がそのまま価格変動リスクの差となります。非常に大雑把な言い方で
すが、10 年国債よりも 20 年国債の値動きの方が 2 倍近く大きくなります。日
銀が年間 80 兆円の規模で保有国債残高を増やしていて、その影響力が大
きいため、超長期債を持つことによる価格変動リスクも余り目立たなくなってい
まして、勢い超長期債への買いが強まりがちです。
信用リスクを取ることにより
利回りは高まるものの
もう一つの相対的に信用度の低い債券を買う方ですが、この理屈は融資と
全く同じです。信用度が低ければ返済に求める利率も高めとなる、それだけ
です。しかし、マイナス金利導入により、企業が発行する社債は短期市場での
CP(コマーシャルペーパー)利回りはどんどん 0%へと近付いています。日銀
が社債買入も行っているため、日銀に売る目的で市場から買う参加者も居
て、そこでついた利回りがマイナスとなる場面も目立ってきました。こちらはより
多くの信用リスクを抱えることにも繋がるものではありますが、保有債券の長期
化同様に、市場の雰囲気は「背に腹は代えられぬ」感が強まっています。
資金を放置していても目減り
焼畑農業ばりに、プラス利回
りを求める動きが強まる
外貨投資も有り得るが
円高・株安により視線は国
内に
本当の試練、国債利回りが
40 年まで全てマイナスとなっ
てからか
図表1:
長期化による価格変動リスクの高まりにせよ、信用リスクの高まりにせよ、避
けられるものなら避けたいものです。しかし、資金を放置しておくと目減りして
いくマイナス金利のリスクは、その両者を遥かに上回る勢いで投資家にストレ
スを与えています。ここでも「プラスとマイナスは単にゼロを挟んで存在する連
続的な存在ではない」という事実を見せつけられている次第です。マイナス金
利が人々に与える恐怖感が、焼畑農業のようにプラスの利回りを持つ資産を
ひたすら潰しに行く行動に走らせているようにみえます。
実際には、米ドルなど見た目の利回りが高い外貨への投資を検討したり、
株式等への投資をより積極的に検討したり、はたまた他の方策を検討したり
と、国内のプラス利回りへと進む以外にも方法は幾つか存在します。しかし、
暖かいコタツから抜け出るのは億劫なものでして、当初は手近なところからと
いうのも世の常かと思います。しかも「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」
導入後の動きが円高・株安(図表 2)と来れば、外へと眼を転じる気も失せてし
まうというものです。
ここで素朴な疑問です。日本円建ての債券の多くがマイナス金利となって
しまった場合、特に日本国債利回りが 40 年債までマイナスとなってしまった
場合、どんな投資行動が考えられるのか、という点です。既に保有している国
債は「プラス利回りの宝物」となるため以外と売りは出てこないはずです。しか
し、新たに発行される国債への買いは日銀の買入を頼りにしないと手を出せ
ないものでもあります。しかし滞留資金の利回りもマイナスです。投資家にとっ
ての本当の試練は市場が焼畑だらけで痩せてしまってからかもしれません。
日本新発 10 年国債(341 回債)利回り推移
図表2:
ドル円推移(縦線:1/29・日銀会合二日目)
円
124
%
0.35
0.3
122
0.25
120
0.2
0.15
118
0.1
116
0.05
114
0
112
-0.05
-0.1
12月2日
12月22日
1月11日
1月31日
110
2015年12月
2月20日
出所:Bloomberg、りそな銀行
2016年1月
出所: Bloomberg、りそな銀行
◎表紙の注意事項をよくお読みください。
2
2016年1月
2016年2月
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■今週のひとコマ
図表3:
人民元(CNY)の対米ドルと対円のレート
人民元(対米ドル)
元/ドル
人民元(対円:右軸・逆メモリ)
円/元
6.9
11
6.8
12
6.7
13
14
6.6
15
6.5
16
6.4
17
6.3
18
6.2
19
6.1
20
6
2010年3月
2011年3月
2012年3月
2013年3月
2014年3月
2015年3月
21
2016年3月
出所:Bloomberg、りそな銀行
3 月、再び人民元の季節
中国、景気減速と元安が同時
進行
安値目処は 6.82 元/ドル
でも資本流出は避けたい
今年初めは元安阻止優先
3 月は全人代開催
人民元安示唆の可能性も
チャート上では、14 円/元も
ドル円が現値付近ならば、元
安が進んでも「爆買い」への影
響は軽微か
上のチャートは人民元(CNY)の対米ドルと対円のレートです。緑色の線(対
米ドル)は、2014 年からチャート上方(人民元安)へと動いてきました。これは中
国の景気減速と合わせた動きです。
中国としては、人民元安の方が景気刺激には都合の良いところです。目安は
2008 年のリーマン危機以降に一時対米ドルで固定していた 1 米ドル=6.82 元
辺りとなります。
しかし、中国の景気減速により中国から資金を引き揚げる動きが目立ち、「資
本流出」として世界的にも警戒されています。中国当局としても資本流出の印象
は与えたくないところです。
そのため 2016 年に入り、資本流出への対応を優先し、中国当局は人民元安
を食い止めるべく、元買いの動きを強めました。おかげで 2 月に入ると人民元安
は一服しています。
中国としては「人民元安の方が良いが、資本流出の印象を与えるような急激
な元安は望まない」立場かと思われます。そんな中で 3 月 5 日から全人代(全国
人民代表会議)が開催されます。ここでは 1 年の経済見通し等が定められます。
合わせて経済政策への示唆も与えられる見込みです。そこで人民元安を連想さ
せる話が出た場合、再び人民元安が進む可能性も出てきます。
もし、1 米ドル=6.82 元まで元安が進んだ場合、対円のチャート(橙色)に照ら
し合わせてみると、今の 1 元=17 円付近から、1 元=14 円程度までの元安・円
高となる可能性もあります。この値は安倍政権が誕生した 2012 年末(橙の縦線)
とほぼ同水準です。円安を背景とした「爆買い」が今後も続くか、といった関心も
出てきそうです。
実際に 6.82 元/ドルと 14 円/元が成り立つドル円の値は 95.48 円/ドルです。
ちなみに 112 円/ドルで 6.82 元/ドルなら、16.42 円/元となります。ドル円が現値
付近であれば、中国の人民元安誘導にも「爆買い」は耐えられそうではありま
す。しかし、米国も含め主要国の多くが通貨安志向を強めつつあります。そんな
中での全人代です。注目度は高まります。
各マーケット・コメントは 2 月 29 日(月)09:00 現在
◎表紙の注意事項をよくお読みください。
3
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■外国為替市場
米ドル
予想
ドル円:
ドル円は上昇
112.50 −116.00 円
先週のドル円は上昇。週初のドル円は欧米株式の上昇などを受けて上昇し
たものの、日本株が下落に転じると 112 円近辺まで値を下げた。その後は、原
油安、株安、英国の EU 離脱問題などへの懸念から、円は主要通貨に対して
買われ、ドル円は上値の重い推移が続き、新築住宅販売などの弱い米経済
指標を受けて、111 円台手前まで下落。一方、週後半は原油相場の反発や良
好な米 GDP 改定値などを受けて、114 円まで上昇した。
今週のドル円は上昇を想定。週初は先週末の流れを次いでドル円は高値
圏で推移しようが、その後は引き続き原油相場の動向などを受けて推移し、方
向感に欠ける展開が続こう。週末の米雇用統計で、非農業部門雇用者数の
伸びが確認できれば、これをきっかけにドル円は上昇するだろう。(中條)
ユーロ
予想
ユーロ円:
ユーロ円は下落
120.00 −128.00 円
ユーロドル:
ユーロドルは下落
1.0600 −1.1200 ドル
豪ドル・NZ ドル
予想
豪ドル円:
豪ドル円は上昇
79.00 −84.00 円
NZ ドル円:
NZドル円は上昇
73.50 −77.00 円
図表4:
125
124
123
122
121
120
119
118
117
116
115
114
113
112
111
110
先週のユーロ円、ユーロドルは共に下落。ユーロ円はユーロ圏PMIの低下
や英国のEU離脱懸念を嫌気する向きから下落。週央に掛けて円高が進むと
一時122円台半ばまで値を下げた。一方、その後の円安進行を受けて下げ幅
を縮めた。ユーロドルも同様、ユーロ圏PMIの低下や英国のEU離脱懸念を受
けて下落。良好な米経済指標を背景に米ドル高が進むと一段安となった。
今週のユーロ円、ユーロドルは共に下落を想定。ユーロ円は引き続き英国
のEU離脱懸念を背景に上値重く推移する展開を予想。先週発表された独消
費者物価指数が弱かったことで来週実施のECB(欧州中央銀行)理事会での
追加金融緩和への期待感が膨らんでいる。ユーロドルは今週発表の米ISM製
造業景況指数や米雇用統計の改善を期待する向きからドルが底堅く推移す
ることが予想されるなか軟調に推移しよう。(岩城)
先週の豪ドル円、NZドル円は共に上昇。豪ドル円は原油・商品相場が下落
した際には前週末終値を割り込む場面もみられたが、米ガソリン在庫の減少
などを受けて原油・商品相場が反転すると上昇に転じた。NZドル円も原油・商
品相場の動き連動した値動きとなった。週後半に掛けてリスク回避的な動きが
後退したことで上げ幅を拡大させるも、ドル高を背景にその後伸び悩んだ。
今週の豪ドル円、NZドル円は共に上昇を想定。豪ドル円は原油・商品相場
に底打ちの兆しがみられるなか底堅い展開となるだろう。豪準備銀行(中央銀
行)が今週政策金利を発表するが、金利は2%で据え置かれる見通し。その
他、10-12月期GDPなどにも注目が集まる。NZドル円はリスク回避的な動きが
後退するなか底堅い値動きとなるだろう。今週は乳製品入札が警戒されるが、
売りが出たとしても足元の円安進行を背景に下値は支えられるだろう。(岩城)
米ドル円
図表5:
円/ユーロ
円/ドル
2015/12/25
ユーロ円
134
132
130
128
126
124
122
2016/1/15
2016/2/5
120
2016/2/26
2015/12/25
出所:Bloomberg、りそな銀行
2016/1/15
2016/2/5
2016/2/26
出所:Bloomberg、りそな銀行
各マーケット・コメントは 2 月 29 日(月)09:00 現在
◎表紙の注意事項をよくお読みください。
4
図表6:
91
90
89
88
87
86
85
84
83
82
81
80
79
78
77
76
豪ドル円
図表7:
円/豪ドル
2015/12/25
2016/1/15
2016/2/5
NZ ドル円
円/NZドル
84
83
82
81
80
79
78
77
76
75
74
73
72
2015/12/25
2016/1/15
2016/2/26
出所:Bloomberg、りそな銀行
2016/2/5
2016/2/26
出所:Bloomberg、りそな銀行
■債券市場
国内
予想
金利は上昇
TIBOR(3M):0.090 -0.110 %
長期金利(新発 10 年債):
(0.10)-0.00 %
米国
予想
金利は上昇
ドル LIBOR(3M):
0.62 -0.65 %
T-note(10 年):1.60 -1.90 %
図表8:
%
0.18
0.17
0.16
0.15
0.14
0.13
0.12
0.11
0.10
0.09
0.08
15/2
先週の国内債は上昇(金利は低下)。金利がまだマイナス圏に沈んでい
ない超長期債を中心に上値を試す展開となった。40 年債入札が良好な結
果となったことも買いを後押しし、長期・超長期債の利回りは連日過去最低
水準を更新。10 年債利回りは一時▲0.075%まで低下し、40 年債利回りは
1%を割り込んだ。
今週の国内債は下落を想定(金利は上昇)。今週は 10 年債入札が実施
されるが、新発債となるため発行が 3 月 22 日となり、また足元の金利水準
を反映する形で表面利率が引き下げられる可能性が高い。日銀国債買入
オペに入れるには間が空くことや投資妙味が薄れるなか、入札に対する警
戒感も燻っている。ただ、下落局面では超長期債を中心に押し目買いが入
る形で下値は支えられるだろう。(岩城)
先週の米国債は下落(金利は上昇)。週央に掛けては原油安・株安や月
末の年限長期化の動きが意識されるなかしっかり。一方、10-12 月期 GDP
改定値が速報値から上方修正されたことや、1 月 PCE 価格指数が市場予
想を上回る伸びを示したことで利上げペースが速まるとの見方が広がるな
か、2・5 年債を中心に売りが膨らんだ。
今週の米国債は下落を想定(金利は上昇)。先週末に発表された米主
要経済指標が堅調だったことで利上げペースが速まるとの見方が広がるな
か、2 月 ISM 製造業景況指数や米雇用統計の改善を期待する向きも強ま
っており軟調な展開が予想される。ただ、日本や欧州の国債利回りに低下
圧力が掛かるなか、10・30 年債には下落局面では押し目買いが入るだろ
う。(岩城)
日米短期金利
図表9:
日本
米国(右軸)
0.90
%
%
0.50
0.30
0.10
-0.10
15/8
15/11
日本
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
▲ 0.1
15/2
0.70
15/5
日米長期金利
16/2
出所:Bloomberg、りそな銀行
15/5
%
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
米国(右軸)
15/8
15/11
16/2
出所:Bloomberg、りそな銀行
各マーケット・コメントは 2 月 29 日(月)09:00 現在
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5
■株式市場
先週の日経平均は上昇。週初は、週末の G20 を前にした政策期待など
を背景に、内需関連株を中心に上昇。週半ばは、為替や原油相場の値動
きに合わせて、輸出関連株を中心に日本株は上下し、週末にかけては、円
安が進んだことなどを受けて、上げ幅を広げた。
日経平均
予想
日経平均は上昇
16,000 −17,000 円
今週の日経平均は上昇を想定。週初は、良好な米 GDP 改定値などを
受けて円安が進んだことを背景に輸出関連株を中心に日本株は上昇しよ
う。ただ、英国 EU 離脱懸念や原油相場の動向など複数の懸念材料が混
在し、これらを背景に日本株は不安定な値動きが続く場面があろう。 (中條)
先週のダウは上昇。原油相場の動向に振らされる展開となった。サウジ
石油相の減産否定発言を受けて原油安が進む場面では売りが出たもの
の、米ガソリン在庫の減少やベネズエラ石油相が原油価格の安定のために
ロシアとサウジ、カタールと 3 月会合で合意したと発言したことを受けて、原
油相場が反転すると切り返した。ただ、良好な米経済指標を受けて追加利
上げが早まるとの見方が広がると伸び悩む格好となった。
NY ダウ
予想
ダウは上昇
16,000 −17,000 ドル
今週のダウは上昇を想定。原油相場に底打ちの兆しがみられ、また足元
の米主要経済指標は強めの数字が並ぶなど、投資家心理の改善が進むな
か底堅く推移する展開を予想。ただ、企業収益に先行き不透明な部分が
残っており、上値追いには慎重さがみられるだろう。また、米雇用統計で雇
用者数の伸びや賃金の増加幅が市場予想を上回るようだと、追加利上げ
が早まるとの見方が広がり、こちらも上値を抑える要因として作用しよう。(岩
城)
図表10: 日経平均
円
20500
20000
19500
19000
18500
18000
17500
17000
16500
16000
15500
15000
14500
2015/12/25
図表11: NY ダウ
18000
ドル
17500
17000
16500
16000
15500
2016/1/15
2016/2/5
15000
2015/12/25
2016/2/26
出所:Bloomberg、りそな銀行
中国株
下落、金利上昇・人民元安
を嫌気
インド株
下落、次年度予算案への
警戒感が広がる
ブラジル株
変わらず、低調な企業決算
が響く
2016/1/15
2016/2/5
2016/2/26
出所:Bloomberg、りそな銀行
中国株は下落。中国証券監督委員会のトップ交代を好感する向きから買い
が先行。その後、戻り売りをこなしながらも高値圏を維持していたが、短期金利
の上昇や人民元安の進行などを嫌気する向きからその後値幅を伴って下落。
一方、中国人民銀行(中央銀行)総裁が中国経済の下振れ時に対応する手
段や余地はあると述べたことを受けて、下げ渋った。(岩城)
インド株は下落。中国株などをはじめアジア株の上昇を受けて週の序盤は
買いが先行したが、29 日発表の次年度予算案への警戒感が広がるなか、そ
の後は軟調に推移した。原油安が進んだ場面では資源関連株の下落も目立
った。(岩城)
ブラジル株はほぼ変わらず。週序盤の中国株の上昇や原油・商品相場の
上昇を受けて資源関連株を中心に買いが先行したが、米格付会社ムーディ
ーズがブラジルの信用格付けを2段階引下げ、投機的等級としたことが嫌気さ
れ上げ幅を削った。低調な企業決算も週後半の売りにつながった。(岩城)
各マーケット・コメントは 2 月 29 日(月)09:00 現在
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6
ロシア株は上昇。原油高を背景に週の序盤は買いが先行したものの、サ
ウジ石油相が原油減産の可能性を否定したことを受けて原油安が進むと軟
化。ただ、その後再度原油高が進んだことや欧米株の上昇を好感する向き
から週の後半に掛けて再度買われた。(岩城)
ロシア株
上昇、原油高・欧米株高を
好感
図表12: 中国上海総合指数
3800
図表13: ムンバイ SENSEX 指数
ポイント
27000
3600
ポイント
26000
3400
3200
25000
3000
24000
2800
23000
2600
2400
2015/12/25
2016/1/15
2016/2/5
22000
2015/12/25
2016/2/26
図表14: ブラジル BOVESPA 指数
47000
1850
45000
1800
43000
1750
41000
1700
39000
1650
37000
1600
2016/1/15
2016/2/5
2016/1/15
2016/2/5
2016/2/26
図表17: NY 金先物(期近物)
ドル/トロイオンス
2016/2/5
1280
1260
1240
1220
1200
1180
1160
1140
1120
1100
1080
1060
1040
2015/12/25
2016/2/26
出所:Bloomberg、りそな銀行
作成 : りそな銀行
2016/2/26
ポイント
1550
2015/12/25
2016/2/26
図表16: WTI 原油先物(期近物)
ドル/バレル
41
39
37
35
33
31
29
27
25
23
2015/12/25
2016/1/15
2016/2/5
図表15: ロシア MICEX 指数
ポイント
35000
2015/12/25
2016/1/15
2016/1/15
2016/2/5
2016/2/26
出所:Bloomberg、りそな銀行
総合資金部
高梨 彰
岩城尚也
中條仁美
各マーケット・コメントは 2 月 29 日(月)09:00 現在
◎表紙の注意事項をよくお読みください。
7
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■過去 5 年間の相場推移
図表17: 日経平均(左軸)と NY ダウ(右軸)
円
22,000
21,000
20,000
19,000
18,000
17,000
16,000
15,000
14,000
13,000
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
2011/03
図表18:
ドル
NYダウ
日経平均
2012/03
2013/03
2014/02
2015/02
22,000
21,000
20,000
19,000
18,000
17,000
16,000
15,000
14,000
13,000
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
2016/02
米ドル円とユーロ円
円
円
160
150
ユーロ円
140
150
130
140
120
130
110
120
100
110
100
90
米ドル円
90
80
70
2011/03
図表19:
160
2012/03
2013/03
2014/02
2015/02
80
2016/02
WTI 原油先物と日本 10 年金利
WTI原油先物(左軸)
ドル
日本10年金利(右軸)
%
1.40
140
1.20
120
1.00
100
0.80
80
0.60
60
0.40
40
0.20
20
0.00
0
2011/02
2012/02
2013/02
2014/02
2015/02
-0.20
2016/02
出所:Bloomberg、りそな銀行
各マーケット・コメントは 2 月 29 日(月)09:00 現在
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8
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■マーケットカレンダー
日本
米国
その他
1月シカゴ連銀全米活動指数
2/22(月)
2/23(火) 40年債入札
★12月S&Pケースシラー住宅価格指数
★1月中古住宅販売件数
★(独)2月IFO景況指数
2月リッチモンド連銀製造業景況指数
2月消費者信頼感指数
★1月新築住宅販売
2/24(水)
2/25(木) 2年債入札
国庫短期証券(3ヶ月)
2/26(金) ★1月CPI
前年比%
60
(EU)1月CPI
(EU)1月マネーサプライ
マネタリーベース
前月比、千人
50
1月実績:前年比
+28.9%
30
20
10
0
-10
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
3/1(火) 10年債入札
1月家計調査
1月雇用統計
法人企業統計
3/2(水) 2月マネタリーベース
3/3(木) 国庫短期証券(3ヶ月)
流動性供給入札
3/4(金) 1月毎月勤労統計
3/7(月) 1月景気動向指数
3/8(火) ★2月景気ウォッチャー調査
10-12月期GDP2次速報値
1月国際収支
2月消費動向調査
2月貸出・預金動向
30年債入札
国庫短期証券(6ヶ月)
3/9(水) 2月マネーストック
3/10(木) 5年債入札
国庫短期証券(3ヶ月)
3ヶ月移動平均
コンセンサス予想:非農
業部門雇用者数 +19.3
万人
(1月実績:+15.1万人)
11/1 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1
出所:Bloomberg、りそな銀行
出所:IN情報センター、りそな銀行
2/29(月) ★1月鉱工業生産
1月住宅着工件数
1月商業販売統計
非農業部門雇用者数
400
350
300
250
200
150
100
50
0
40
12/1
★(独)1月小売売上高
★(独)2月CPI
10-12月期GDP改定値
1月個人所得・消費支出
2月シカゴ地区製造業PMI
★(EU)2月HICP
1月建設支出
2月ISM製造業景況感指数
(EU)1月失業率
(豪)準備銀行理事会
(中)2月PMI製造業
2月ADP民間雇用調査
1月製造業受注
2月ISM非製造業景況感指数
★2月雇用統計
1月貿易収支
1月消費者信用残高
(EU)1月小売売上高
(豪)1月貿易収支
(豪)1月小売売上高
★(中)2月貿易統計
★(独)1月製造業受注
★(独)1月鉱工業生産
(EU)10-12月期四半期GDP
<ロシア 国際婦人デー>
1月卸売在庫
2月財政収支
(英)1月鉱工業生産・製造業生産
★(EU)ECB定例理事会
★(中)2月CPI
★(独)1月貿易収支
(NZ)準備銀行理事会
3/11(金) 法人企業景気予測調査
3/12(土)
3/13(日)
3/14(月) ★1月機械受注
2月輸入物価指数
(中)2月固定資産投資
<夏時間開始>
(EU)1月鉱工業生産
★日銀金融政策決定会合(‐15日)
3/15(火) 1月稼働率
1月第3次産業活動指数
黒田日銀総裁定例会見
★2月小売売上高
★FOMC(-16日)
1月企業在庫
1月対米証券投資
3月NY連銀製造業景況指数
3/16(水) 国庫短期証券(1年)
★2月CPI
★2月鉱工業生産
★2月住宅着工
(英)2月失業率
3/17(木) ★2月貿易統計
20年債入札
国庫短期証券(3ヶ月)
3/18(金) 日銀金融政策決定会合議事要旨(1/28-29開催分)
3/20(日) <春分の日>
2月景気先行指数
3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数
(EU)2月CPI
(英)BOE金融政策委員会
(豪)2月失業率
(独)2月PPI
【以降の主要日程】
<国債入札> 2年債(3/25、4/27、5/31)、5年債(4/19、5/17)、10年債(4/5、5/10)、20年債(4/21、5/19)、30年債(4/14、5/12)、40年債(5/26)
<日銀金融政策決定会合>4/27-28、6/15-16、7/28-29、9/20-21、10-31-11/1、12/19-20
<米・連邦公開市場委員会(FOMC)> 4/26-27、6/14-15、7/26-27、9/20-21、11/1-2、12/13-14
<ECB定例理事会> 4/21、6/2、7/21、9/8、10/20、12/8
◎表紙の注意事項をよくお読みください。
9
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■市場相場動向 (2/22∼2/26)
2/22(月)
-0.001
0.10364
日本円TIBOR
0.16636
円短期金利先物
99.935
利付2年国債
新発債
-0.215
国
利付5年国債
新発債
-0.180
内
利付10年国債
新発債
-0.005
金
利付20年国債
新発債
0.680
利
16/3限
債券先物
151.61
2年
-0.16250
5年
-0.12099
円/円スワップ
10年
0.12901
20年
0.69777
FFレート
0.38
米
TB(3ヵ月)
金
0.300
利
T-NOTE(10年債)
1.752
3
日本円(
ヵ月)
海 L
-0.00657
米ドル(3ヵ月)
外 I
0.62460
ユーロ(3ヵ月)
金 B
-0.21571
英ポンド(3ヵ月)
利 O
0.59000
R
スイスフラン(3ヵ月)
-0.78220
豪ドル(3ヵ月)
2.28000
NZ ドル(3ヵ月)
2.59600
ドル・円(仲値)
112.86
ユーロ・円(仲値)
125.44
豪ドル・円(仲値)
80.81
NZ ドル・円(仲値)
東
74.94
(15
30
)
京
ドル・円
:
時点
外
112.90
ユーロ・円(15:30時点)
国
125.48
ユーロ・ドル(15:30時点)
為
1.1114
ドル円直先スプレッド(3ヵ月、銭/ドル)
替
d 31.7
ドル・円
112.92
N
ユーロ・ドル
1.1030
Y
英ポンド・ドル
1.4150
スイスフラン・ドル
0.9997
日経平均(225種/円)
16111.05
東証株価指数(TOPIX)
1300.00
東
日経ジャスダック指数
2321.98
京
東証マザーズ指数
821.83
東証1部売買高(百万株)
2037.48
株
NYダウ(ドル)
16620.66
式
ナスダック総合指数
4570.61
中国上海総合指数
海
2927.18
SENSEX(インド)
外
23788.79
ブラジルボベスパ指数
43234.86
M ICEX指数(ロシア/ドル建)
1822.38
金(NY先物、期近)(ドル)
1209.50
商
原油(WTI先物、期近)(ドル)
31.48
品
CRB先物指数
162.64
お問い合わせは、取引店の担当者までご連絡ください
無担保コール
オーバーナイト物
3ヵ月
6ヵ月
16/3限
2/23(火)
-0.001
0.10091
0.16364
99.925
-0.205
-0.175
-0.005
0.665
151.60
-0.14375
-0.11378
0.13232
0.69618
0.38
0.321
1.723
-0.00800
0.62910
-0.21571
0.59063
-0.79620
2.28000
2.59500
112.67
124.33
81.46
75.55
112.29
123.95
1.1038
d 31.7
112.10
1.1020
1.4022
0.9913
16052.05
1291.17
2320.99
809.18
2322.18
16431.78
4503.58
2903.33
23410.18
42520.94
1222.30
31.87
160.44
◎表紙の注意事項をよくお読みください。
10
2/24(水)
-0.003
0.10000
0.16364
99.920
-0.215
-0.199
-0.055
0.601
151.98
-0.13480
-0.10650
0.13490
0.69923
0.38
0.331
1.748
-0.00229
0.63460
-0.21586
0.59063
-0.80560
2.28000
2.57500
111.96
123.32
80.67
74.29
111.85
123.17
1.1012
d 30.5
112.18
1.1013
1.3927
0.9888
15915.79
1284.53
2312.02
823.04
2205.30
16484.99
4542.61
2928.90
23088.93
42084.56
1797.27
1238.70
32.15
161.49
2/25(木)
-0.003
0.10000
0.16364
99.915
-0.224
-0.200
-0.065
0.540
152.03
-0.12709
-0.10544
0.11962
0.63624
0.38
0.321
1.716
-0.00657
0.63560
-0.21729
0.59031
-0.80860
2.29000
2.57000
112.18
123.62
80.55
74.82
112.28
123.90
1.1035
d 32.3
113.00
1.1018
1.3962
0.9904
16140.34
1307.54
2326.03
832.73
2398.60
16697.29
4582.21
2741.25
22976.00
41887.90
1803.89
1238.20
33.07
162.64
2/26(金)
-0.002
0.09909
0.16273
99.915
-0.249
-0.220
-0.065
0.546
152.09
-0.15591
-0.12282
0.11065
0.62262
0.52
0.310
1.762
-0.00757
0.63510
-0.22043
0.59000
-0.80660
2.29000
2.57000
113.05
124.82
81.96
76.53
112.65
124.53
1.1055
d 31.6
114.00
1.0934
1.3871
0.9968
16188.41
1311.27
2333.48
826.49
2163.12
16639.97
4590.47
2767.21
23154.30
41593.08
1816.73
1220.40
32.78
161.67