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2016年3月2日
博報堂 新しい大人文化研究所
新大人研レポート No.25
シニアから新大人へ、新型50・60代に。 その⑨
新しい大人世代の孫育ては「近居・孫友」の新スタイル
・孫がいる60代の43.5%が孫育てに参加した経験あり。女性は52.2%、男性も32.7%と
かなりの割合に。
・ 孫育てをもう一度やりたいは、全体で男性76.2%、女性73.3%。孫育て参加理由は
「一緒にいると楽しい、刺激がある」が73.0%と目立つ。
・同居・近居については、35.4%の人が子ども家族との近居を望んでいる。
博報堂新しい大人文化研究所では、40~60代を“新しい大人世代“と呼び、調査研究を行っていま
す。調査結果を見ると、40~60代の変化は、さらに本格感を増しています。新大人研レポート
2012~13年は「絶滅!?する中高年-“新しい大人世代の登場”」、2013~14年は「いま高齢社
会は“新しい大人社会”へと大きく変化」でした。2015年はあらためて生活者の変化に注目して
『シニアから新大人へ』。自分たちは従来の50・60代とは違うという意識が高まっています。40代
も含めて、単なる「若々しさ」だけでなく多方面での新たな兆しが見えて来ました。今回のシリーズ
では、消費にも大きな影響を与えるその生活者の意識変化を明らかにして行きます。
新しい大人世代において、孫育てへの参加経験は、孫を持つ60代では43.5%と半数近くとなりまし
た。また、孫育てへの参加をしている、過去に参加したことのある60代男性は32.7%にのぼり、男
性も3人に1人が孫育てに参加しています。
さらに、 孫育て経験者にまた孫育てをやりたいかを聞いたところ、60代男性76.2%、女性73.3%
と、男性の数値が高くなっていました。その「孫育て」参加意向理由は、「一緒にいると楽しい・刺
激がある」 73.0%(全体)が1位で、2位の「子供の家族を助けたい」 52.4% %を大きく上回ってお
り、「孫友」の傾向が強くなっていることが分かりました。
同居・近居に関しても子供家族とは圧倒的に「近居」希望が多くなっています。特に孫がいる場合に
高くなっており、「近居して孫友したい」という気持ちが高まっていると思われます。
女性だけでなく男性も孫育てに対して積極的な姿勢をもっている新しい大人世代ですが、子供世代と
近居して楽しく「孫友」の関係を作ることで、子育てを支えつつあるようです。
本件に関するお問い合せ: 博報堂 広報室
藤井・長谷川 TEL:03-6441-6161
博報堂 新しい大人文化研究所 阪本・山本
TEL:03-6441-4366
1
■孫有り60代の半数近くが孫育てに参加。男性60代も32.7%と高い割合に。
孫を持つ60代の43.5%と半数近くが孫育てに参加しており、かなりの割合で「孫育て」をしていることが
わかります。特に60代は女性が52.2%で、男性も32.7%と3人に1
人が孫育てに参加しており、いわゆる「育ジイ」が浸透しているようです。
Q.あなたは、「孫育て・孫ケア」(いわゆる子育てに対する孫育てのようなこと)に、現在参画していますか、
あるいは過去に参画していましたか。
現在、参画している
全体
年
代
性
×
年代
619
30.9
60代
456
50代
127
40代
36
60代
205
男
50代
性
49
20.4
40代
21
19.0
60代
251
⼥
50代
性
78
40代
15
過去に、参画していた
16.7
60.4
43.5
56.6
31.5
68.5
19.5
80.6
32.7
67.3
75.5
24.5
75.5
76.2
23.8
76.2
52.2
47.8
35.9
64.1
13.3
86.7
60.4
9.9
25.2
56.6
6.3
68.5
2.8
80.6
24.4
8.3
67.3
4.1
4.8
41.0
28.2
11.2
47.8
7.7
64.1
13.3 0.0
参画したことはない
(%)
39.6
8.7
33.6
現在、参画している+
過去に参画していた
(%)
(%)
参画したことはない
86.7
■子育てを経験した人の多くが「孫育て・孫ケア」をもう一度やりたいと思っている。
「孫育て・孫ケア」 を経験した人にまたやりたいかを聞いたところ、60代の74.2%が「やりたい」と思っ
ていました。男女別にみると、60代男性は76.2%、女性は73.3%、と男性が女性を上回っています。
50代・40代で孫を持つ人は多くはありませんが、やりたいと思っている割合は非常に高く、今後この傾向
がより強くなると考えられます。
Q. 「孫育て・孫ケア」を経験されたあなたにとって、「孫育て・孫ケア」はどうでしたか(どうですか)。
またやりたいと思いますか。
全体
年
代
性
×
年代
245
どちらかといえばもう⼀度やりたい
どちらかといえばもうやりたくない
もうやりたくない
13.1
60代
198
50代
40
40代
7
60代
67
9.0
男
50代
性
12
8.3
40代
5
60代
131
⼥
50代
性
28
40代
もう⼀度やりたい
64.1
11.6
21.6
62.6
20.0
24.2
67.5
14.3
67.2
22.4
80.0
60.3
25.0
25.2
57.1
100.0
77.2
22.8
1.5
74.2
25.7
87.5
12.5
100.0
-
76.2
23.9
0.0
100.0
-
0.0
100.0
-
73.3
26.7
82.1
17.9
100.0
-
0.0
91.7
13.0
1.2
12.5 0.0
85.7
20.0
2 0.0
(%)
もう⼀度+どちらかと どちらかといえば+も
いえばやりたい(%) うやりたくない(%)
17.9
1.5
1.5
0.0
0.0 0.0
2
■「孫育て・孫ケア」をもう一度やりたいと思う理由は、1位「一緒にいると楽しい・刺激がある」が、2位の
「子供家族を助けたい」を大きく上回る。
「孫育て」への参加意向理由は、1位「一緒にいると楽しい・刺激がある」73.0%(全体)で、2位「子供の
家族を助けたい」の52.4%(全体)を大きく上回っています。特に60代でその傾向が強く表れており、男女
差でみると女性の方が高い傾向にあります。いまどきの祖父母の孫育て理由が顕著にあらわれています。
Q.あなたが「孫育て・孫ケア」をもう一度やりたいと思う理由は何ですか。あてはまるものをすべてお選びください。
男性
⼥性
40代
50代
60代
80%
60%
40%
20%
る 一
か 緒
ら に
い
る
と
安
心
で
き
に
な
る
と
思
う
か
ら
て 会
話
得 や
す 情
る 報
/ 交
メ 換
リ に
よ
ト
い と 験 分
か
し の
ら を た 知
教 こ ら
え と な
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ら い と
い こ
た
経
自
分
に
は
な
い
技
能
や
自
た
い
か
ら
新
情
報
を
教
え
て
も
ら
い
フ 流
⾏
そ
の
他
シ て
い
ン る
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ど と
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最
ョ
っ
い 験 自
か を 分
ら 伝 の
え 技
た 能
い や
/ 知
教 識
え ・
た 経
(
て 会
話
お や
互 情
い 報
の 交
た 換
め に
に よ
な
っ
ァ ッ
る
と
思
う
か
ら
)
若
嫁 い
⺟
を 親
助 と
け し
た て
い の
か 娘
ら
っ
愛
情
/
結
び
つ
き
/
絆
を
ッ
確
認
・
強
化
し
た
い
か
ら
、
か 子
ら 供
の
家
族
を
助
け
た
い
、
n
全体
一
緒
に
い
る
と
楽
し
い
か
)
ら
・
刺
激
が
あ
る
か
ら
(
0%
189
73.0
52.4
38.1
34.4
22.8
21.2
19.6
14.3
8.5
3.7
男性
68
63.2
39.7
32.4
14.7
16.2
17.6
17.6
17.6
11.8
2.9
1.5
⼥性
121
78.5
59.5
41.3
45.5
26.4
23.1
20.7
12.4
6.6
4.1
1.7
60代
年
50代
代
40代
147
75.5
53.7
36.7
34.0
22.4
23.1
17.7
12.9
6.1
2.7
1.4
35
68.6
51.4
45.7
37.1
20.0
11.4
20.0
14.3
11.4
5.7
2.9
7
42.9
28.6
28.6
28.6
42.9
28.6
57.1
42.9
42.9
14.3
-
性
1.6
■子供家族との居住関係は、「近居」希望が圧倒的に多い。とくに孫がいる場合に意向が高い。
子供家族との居住形態の希望は「近居」35.4%、「同居」9.8%、「遠居」6.2%と圧倒的に近居希望が多
くなっています。近居の内訳は、徒歩圏と非徒歩圏がほぼ半々でやや非徒歩圏が多いようです。その背景とし
ては、一定の距離感を保ちつつ、適度なコミュニケーションを持ちたいという気持ちの表れとみることができ
ます。孫がいる場合はさらに「近居」希望が多くなり、孫と楽しく刺激ある日々を過ごしたい、孫育て・孫ケ
アもしたい、という気持ちがより強く表れています。また、非徒歩圏であっても「孫育て・孫ケア」に十分対
応できると思っているようです。
Q. あなたは今後、子供(子供家族)と、どのような居住関係をお考え(お望み)ですか。
50%
40%
男性
⼥性
30%
20%
近居計の内訳
10%
0%
徒歩圏
0
同
居
近
居
遠
居
わ
か
ら
な
い
男性
889
⼥性
962
10
13.3
20
非徒歩圏
30
40
50
(%)
17.1
n
1,851
9.8
35.4
6.2
48.6
男性
889
10.2
30.4
5.8
53.5
⼥性
962
9.4
40.0
6.5
44.1
全体
性
孫がいる
孫はいない
590
1261
9.7
9.8
18.5
21.5
42.9
7.3
40.2
31.9
5.7
52.6
※子供がいる人ベース
<調査概要>
調査主体:博報堂 新しい大人文化研究所
調査対象:40~60代男女
対象エリア:1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)
中小都市(首都圏、熊本市・岡山市以外の政令指
定都市および岩手県・宮城県・福島県を除く)
対象者数:2,700サンプル
調査手法:インターネット調査
調査日時:2015年3月20日(金)~3月22日(日)
3
<参考資料>
博報堂 新しい大人文化研究所 過去のレポート一覧
※過去のレポートは、下記URLにてご覧いただけます。
http://www.h-hope.net/(新しい大人文化研究所WEBサイト)
http://www.hakuhodo.co.jp/ (博報堂WEBサイト → 「ニュースリリース」 → 「調査レポート」)
【新大人研レポート “新しい大人世代”の~シリーズ】
No.1 人生のとらえ方(2012.1.19)
No.2 言われて嬉しい言葉(2012.2.1)
No.3 コミュニケーション(2012.4.16)
No.4 健康意識(2012.5.31)
No.5 お金に関する意識(2012.8.27)
No.6 社会意識(2012.9.3)
No.7 夫婦関係(2013.2.26)
【新大人研レポート いま高齢社会は“新しい大人社会”へ
と大きく変化 シリーズ】
No.80 その① おカネ(2013.07.31)
No.90 その② 食(2013.9.5)
No.10 その③ メディア(2013.11.6)
No.11 その④ 社会性(2013.11.28)
No.12 その⑤ クルマ(2013.12.25)
No.13 その⑥ 住(2014.2.4)
No.14 その⑦ 旅(2014.2.19)
No.15 その⑧ 介護(2014.3.28)
No.16 その⑨ 孫(2014.3.31)
【新大人研レポート シニアから新大人へ、新型50・60代に。 シリーズ】
No.17 その① 新大人はこれまでの同世代と違う“新型50・60代”(2015.10.8)
No.18 その② 新大人は“新型50・60代”であり、それをリードするのは「自然体大人女子」 (2015.10.13)
No.19 その③ 新型50・60代は「新しい大人のライフスタイル」創りへ(2015.10.23)
No.20 その④ 新型50・60代は「介護予防」「健康向上欲求」の意識高く(2015.11.12)
No.21 その⑤ クロスジェネレーションを求める新型50・60代(2015.11.18)
No.22 その⑥ 新しい大人世代を象徴するのは「音楽」(2015.12.21)
No.23 その⑦ 新しい大人世代、依然として続く「夫婦すれ違い」(2015.1.15)
No.24 その⑧ 新しい大人世代は「夫婦二人消費」におカネをかける(2015.2.23)
「博報堂 新しい大人文化研究所」(新大人研)について
「新大人研」は、博報堂エルダービジネス推進室(2000年設立)を前身とし、2011年2月に「エルダーナレッジ開発
新しい大人文化研究所」を正式名称として設立されました。15年間のナレッジの蓄積を持っています。従来の中高
年層の間で一般的であった意識やライフスタイルとは異なる、新しい40~60代が誕生しています。新大人研では、
年を重ねるごとに前向きな意識を持つ、この新しい中高年生活者を「新しい大人」と名づけ、少子高齢化社会にプラ
スのインパクトを与える重要な存在として調査・研究しています。さらに、2015年からはクリエイティブなどの実践機
能も本格的に加え、よりよい未来のためのソーシャルイノベーションを起こす社会のエンジンを目指しています。
今年度は『新大人研レポート ~シニアから新大人へ、新型50・60代に。』を連続シリーズで発表していく予定です。
■新大人研著作は台湾版・韓国版など海外へも
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