∼第2章 農業参入について∼ (2)参 入 相 談 ①県等の窓口への相談 参入にあたっての不明な点等の相談については、まず、県農政課及び各 農業事務所の窓口へ相談してください。 (P.30の相談窓口一覧を参照してください。) ・相談の際には、『企業等の農業参入に関する相談票』への記入をお願い します。 →様式はP.17∼19に掲載してあります。(県ホームページへも掲載し ています。) (相談票に記載された内容をもとに、具体的な相談内容の聞き取り、説明 等を行います。) ・相談票の内容については、相談者の同意のもとに、県以外の関係機関 (市町村、JA、農業委員会、県農業会議、県農業公社)への情報提供を行 います。 また、相談内容に合わせて、関係市町村、他関係機関等を紹介します。 相談内容が多岐にわたる場合、 関係する機関が多くなることもあ ります。可能な限りワンストップで の対応に努力しますが、複数回 の相談が必要となる場合があり ますのでご了承下さい。 ②参入検討地域との事前調整 参入を検討している地域の市町村や農業委員会に対して、参入の予定 等を事前に説明し、概要を理解してもらうことが必要です。 この際に、受け入れ予定地域側の意向等も把握しておきます。 6 ∼第2章 農業参入について∼ (3)参 入 準 備 ①営農(事業)計画の策定 県、市町村等との相談や、現地の状況確認等を踏まえ、具体的な営農計 画を立てます。 農業に参入する場合、経営が安定し収支が黒字となるまでには、一般的に は最低でも3年以上かかるといわれます。そのため、将来を見据え中長期で の農業経営計画を可能な限り、詳細に立てることが必要です。 記載する内容については次の項目を参考にしてください。 →参考様式はP.20∼22に掲載してあります。(県ホームページへも掲 載しています。) 記載項目: 栽培作物、栽培方法、栽培面積規模、生産量、販売方法、販売 先、販売単価、諸経費、労働力、機械・施設 参入目的、参入する地域、参入時期、参入の形態、農地の借入 方法、技術習得、資金調達方法、地域との調和 等 ②現地との調整 参入にあたっては、地域との調和が重要となります。地域住民や地権者等 に対して、事業計画内容等を説明し、理解を得ることが必要になります。 ③技術習得 安定した収量、品質の農産物を生産するためには、栽培技術を習得するこ とが基本となります。 技術者の育成や確保には、既に参入している法人での研修や、県農林 大学校での研修の活用、普及指導員からの指導を受けたり、あるいは地域 の農業者、農業経験者、新規就農希望者を雇用することも検討してください。 →技術支援についてはP.12を参照してください。 7 作物の生理・生態を理解 したり、作型や生育環境を 踏まえることが大切です。 ∼第2章 農業参入について∼ (4)参 入 手 続 き ①農地の借り入れ ・農地の貸借について(借入れ方法) 農地の借入れ方法は農業経営基盤強化促進法(以下、「基盤強化法」 という。)による方法と、農地法3条による方法、農地中間管理機構による 方法があり、いずれかを選択することになります。 ○ 基盤強化法 による方法 市町村が作成する農用地利用集積計画を公告すること により、賃借権を設定するものです。賃貸借の期間が満了 すれば農地は自動的に返還することになります。 引き続き賃貸借を希望する場合は、市町村が再度農用 地利用集積計画を作成・公告することにより利用権が再設 定できます。 ○ 農地法3条による方法 耕作目的で農地を売買又は賃借する場合に一定の要件 を満たし、市町村にある農業委員会の許可を受けるもので す。 契約期限が到来しても両者による解約の合意が無い限 り原則賃貸借は解約されません。 ○ 農地中間管理機構による方法 農地中間管理機構(以下、「機構」という。)から農地を借 りるものです。 機構から農地を借りるためには、機構が行う公募に応募 します。機構は事業規程(貸付先決定ルール)に基づき、 受け手を選定します。機構が定める「農用地利用配分計 画」を知事が公布することで賃借権が設定されます。 ※一般の法人として農地を借り入れる場合は、次の3つ要件が付されます。 (ア)貸借契約等に解除条件が付されること。 (イ)適切な役割分担、継続的安定的な営農に関する要件を満たすこと。 (ウ)業務執行役員の常時従事に関する要件を満たすこと。 →要件の詳細については、P.10を参照してください。 8 ∼第2章 農業参入について∼ ②施設等の整備 営農の開始にあたって必要となる施設、機械等の整備については、資金 計画とともに検討し、経営規模等を考慮し、無理のないよう進めます。 →資金面の支援については、P.13を参照してください。 (5)営 農 開 始 参入する地域の一員としての自覚を持ち、法令等を遵守し、地域との調 和を維持しつつ、営農に取り組みます。 地域の活動等へは積極的に参加するようにしてください。 営農開始後に発生する課題等についても、県等の窓口へ問い合わせくだ さい。 9 ∼第3章 参考資料∼ 第3章 参考資料 1.参入の形態について 農作物生産 農地の利用 農地利用の 形 態 参入形態 所有 農業生産法人 のみ 利用する 生産する 賃借 (野菜工場、畜産) 利用しない 生産しない 農業生産法人 あるいは 一般法人 (作業受託) 農業生産法人以外の一般法人が参入する場合は、3つの要件が付され ます。 ① 賃貸借契約等に解除条件が付されていること。 農地を適正に使用していない場合に賃借を解除する旨の条件が契 約に付されていることが必要。 このほか、撤退時の混乱の防止のため、契約書に原状回復義務、 費用負担等の取り決めが明記されること。 ②地域における適切な役割分担のもとに農業を継続して行うこと。 地域農業の維持発展に関する話合いや、農道、水路等の共同利用 施設の取り決め等を遵守し、継続的、安定的な営農が見込まれること。 ③業務執行役員が1人以上農業に常時従事すること。 実質的に業務執行についての権限を有し、地域の調整役として責任 を持って対応できる者が、業務を執行する役員のうち1人以上いるこ とが必要であり、その者が耕作等の事業に常時従事すること。 (農業とは、農作業だけではなく、営農計画の作成、マーケティング 等の企画管理労働も含まれます。) 10 ∼第3章 参考資料∼ 2.農業生産法人について (1)法人形態要件 ①株式会社(公開会社でないもの) ②農事組合法人 ③合名会社、合資会社、合同会社の持分会社 のいずれか (2)事業要件 主たる事業が農業(農産物の加工販売等の関連事業を含む) [農業の 売上高が全体の売り上げの50%を超えること] (3)構成員要件 構成員が次のいずれか ①農業の常時従事者(原則150日以上従事) ②農地の権利提供者 ③農地中間管理機構 ④地方公共団体、農業協同組合、農業協同組合連合会 ⑤農作業の委託者 ⑥法人から物資の供給等を受ける者 (農産物の購入契約を締結している食品会社等) または、 法人の事業の円滑化に寄与する者 (ライセンス契約を締結している種苗会社等) (4)役員要件 【農業関係者】 総議決権の3/4以上 【関連事業者】 総議決権の1/4以下 農業生産法人と連携し事 業を実施することによりそ の法人の農業経営の改善 に特に寄与する者として、 政令で定める者がいる場 合には、総議決権の合計 の1/2未満までの出資 が可能 ① 役員の過半が農業の常時従事者(原則年間150日以上)で ある構成員 ② ①のうち過半の者が農作業に従事(原則年間60日以上) ※農業生産法人は、農地法第6条の規定に基づき、毎年、事業の状況等を 農業委員会へ報告しなければなりません。 11 ∼第3章 参考資料∼ 3.支援策について (1)技術支援について ①県関係機関での支援 県の各農業事務所普及指導課、地区農業指導センターにおいて、生産 技術や知識に関して普及指導員から指導を受けることも可能です。 また、県立農林大学校においては、就農希望者を対象とした「ぐんま農 業実践学校(就農準備校)」が開設されます。(ただし、募集時期、要件等で 希望に添えない場合があります) ※普及指導課等での支援 ・栽培技術の指導 ・農業経営の支援 ※農林大学校で実施される主な研修 ・ぐんま農業実践学校(就農準備校) ・大型トラクター基礎・けん引研修 ・農作業安全研修 機械研修については、 受講申請の提出先が各農 業事務所となっています。 受講の資格や研修の内 容に関しては各農業事務 所へ相談してください。 ②地域等での支援 県関係機関のほか、既に参入している法人での研修や、地域の農業者 からの技術を習得すること、JAの営農指導員等からの技術指導を活用して ください。 (2)認定農業者制度の活用 認定農業者制度とは、基盤強化法に基づき経営規模の拡大や集約化、 複合化等により魅力ある経営を目指す意欲ある農業者の方々の農業経営 改善計画を市町村が認定し、計画の実現を関係機関が支援する制度です。 認定農業者になると、税制上の特例を受けられたり、低利の融資を受け られるなどのメリットがあります。 12 ∼第3章 参考資料∼ (3)制度資金による支援について 農業近代化資金 経営改善のための長期・低利な制度資金で、施設の取得・改良、機械の取得、 長期運転資金等に使えます。 ○貸付対象者 : 認定農業者、認定新規就農者、農業参入法人、一定要 件を満たす農業者 等 ○借入限度額 : 個人 1,800万円、 法人等 2億円 ○融資率 : 認定農業者100%、 その他担い手80% ○償還期間 : 15年以内 ※相談窓口 : 農協、銀行等 農業改良資金 農業経営の改善のため、新作物分野・流通加工部門・新技術にチャレンジする ための資金です。 ○貸付対象者 : エコファーマー、認定中小企業者、6次産業化促進事業者 ○借入限度額 : 個人 5,000万円、 法人等 1.5億円 ○融資率 : 100% ○償還期間 : 12年以内 ※相談窓口 : (株)日本政策金融公庫、農協等 経営体育成強化資金 認定農業者以外の担い手が利用できる長期の資金で、農地・施設の取得や 改良、機械の取得、長期運転資金等に使えます。 ○貸付対象者 : 認定新規就農者、農業参入法人、一定要件を満たす農業者等 ○借入限度額 : 個人 1.5億円 法人等 5億円 ○融資率 : 80% ○償還期間 : 25年以内 ※相談窓口 : (株)日本政策金融公庫、農協等 13
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