情報レベルでの 肉 食

西暦 2016 年 02 月 29 日
ダレナン博士の研究所
研究報告書 No.202
題名:情報レベルでの○肉○食
報告者:ナンカイン
現在はありとあらゆる情報が飛び交い、Web 上を中心として、ブログや SNS、キュレーションサービス*
など、本人が必要と思われる情報は、検索やアプリですぐ手に入るようになった。その立役者は言うまでもな
く、スマートフォンであるが、スマートフォンなしには生活が成り立たなくなった現在、過去の生活を思い出
すことすら難しい。以前なら、雑誌や本、テレビやラジオが情報を収集する手段であったが、今では、スマー
トフォンがそれらの情報を提供する手段と変わり、時代の移り変わりの変化を感じずにはいられない。
情報の革命は、過去に 4 回あったとされ、①言葉の発明、②文字の発明、③活版印刷の発明、④インター
ネットの発明である 2)。いずれにせよ人類が飛躍的に進歩した革命であり、情報とは、人類にとっていかに有
用であるのかが分かるとともに、これらの発明に取り残されることは、すなわち、人類の歴史に取り残される
ことでもある。スマートフォンを肌身離さず持ち、常にそれを使いたがる人類の裏には、歴史から取り残され
まいとして躍起している人類の姿に重なる。
進化的にはヒトはもはや食べられる動物ではなくなった 3)。しかしながら、ヒトとヒトとの間には、情報を
うまく使えるか使えないかで、情報レベルでの焼肉定食、もとい、弱肉強食が潜んでいる。
一方、インターネットにおいてコンテンツを創造する側の人間の割合は、
そのコンテンツを閲覧するだけの人間のおよそ 1%(あるいはそれ以下)
に過ぎないという説がある
4)
。1%の法則と言われるものである
4)
。その
グラフを図に示す(Creater: 作る、Contributer: ときどき参加する、
Luker: 見る)。1%の法則が提唱されたのは 2006 年であるため、その当
時から比較すると、各種アプリ等も増えたために、もう少し Contributer
が多いであろう。しかしながら、多いと言えども、3 割は超えていないに
違いない。そのため、情報レベルでの焼肉定食を人類に振る舞っているの
は、そのコンテンツを創造する側であり、その焼肉定食がうまいか、まず
いかの判断は、見る側の判断に委ねられている。場合によっては、とてつ
図 1%の法則に関する円グラフ 4)
もなくまずい焼肉定食を振る舞っているような作る側もあり、Gigazine の創始者である山崎恵人氏も、その
ような「情報の真偽」について検証が難しいことを述べている 5)(真偽をおいしさと代えても構わない)。その
一方で、個人の力を最大に発揮し 5)、とてもおいしい焼肉定食を振る舞うこともできるのも事実である。事実、
Gigazine はとてもおいしい焼肉定食であることは、言うまでもない。本報告書の情報がうまいのか、まずい
のかは読者に委ねたいが、素晴らしい情報レベルでの焼肉定食を振る舞える料理人でありたい、と常に願う。
*: 目的や意図を持って情報収集して、そこから不要なものを切り捨てて、人々の関心・興味を新たに喚起す
る形式で、情報を集約化し他者と共有するサービスをさす 1)。
1) https://www.yano.co.jp/press/pdf/1264.pdf (閲覧 2016.2.29)
2) http://sml.co.jp/asset/contents/printing_history/toppan_kouno-02.pdf (閲覧 2016.2.29)
3) ハート, D. サスマン, RW: ヒトは食べられて進化した. 化学同人. 2007.
4) https://ja.wikipedia.org/wiki/1%25 の法則 (閲覧 2016.2.29)
5) 山崎恵人: GIGAZINE 未来への暴言. 朝日新聞出版. 2010.