木材の微細構造と力学的性質に関する研究: 細胞壁の繊維方向のヤング

SURE: Shizuoka University REpository
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木材の微細構造と力学的性質に関する研究 : 細胞壁の繊
維方向のヤング率とせん断弾性係数
祖父江, 信夫; 浅野, 猪久夫
木材学会誌. 22(4), p. 211-216
1976-04
http://hdl.handle.net/10297/4593
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211
〔木 材学 会 誌
Vol
.22,No.4,p.21。
1-216日976)
(諭 文 月
木村 の微 細構造 と力学的性 質 に関 する研究
*l
細胞壁 の繊 維方向のヤング率 とせん断弾性係数
祖 父江信夫*2
,浅野猪久末*8
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8xl
木 材細胞 壁 が異 方性 の セル ロース ミセル と等方性 の非晶質 の二相 か らなるもの と考 え,これ ら二相の
yおよびせん断弾性係数
各固 有弾 性定 数 , ミセル傾角 お よび結 晶化度 と細胞壁 棄質 の繊維 方 向 ヤング率 E
Gxy との関 係 を重複 細胞壁 要 素 を もつ モデル を用 いて検討 し,さ らに主要 な固有弾性定数 (
E8 :セル ロ
yの実験 値か ら推定 したO また細胞壁間の
ース ミセルの縦 ヤ ング率 ,EA :非 晶質の ヤ ング率 )をス単の E
y,G
xy にお よぼ す影 響 について も検討 したO
結 合 の剛 さが E
細胞壁 を形成 している。 したがって ,木材試片 を繊維方
1
.緒
昌
向に引 っぼ った時には ,… 本の仮道管 を引っぼ った時の
一般 に正 常 な仮 導管 の細胞壁 でS2
壁 は最 も厚 く,細胞
よ うな細胸壁 のせん断変 形 に起 因 す る細 胞 のね じれ は
壁 の弾性的 性 質 に重要 な役割 を果 してい る と考 え られて
生 じないo Sc
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wi
ndl), ca
v
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B)・8
)は この点に着 目 し,
い る 。 また木 材試 片中では ,細胞壁 ど うLは S2壁 の ミセ
重複細胞壁 要素 をもつ モデル を用 いて細胞壁 の微細構造
ル傾 角 を大 き さが等 しく互い に逆傾 斜 して接合 し,重複
と繊維 方向 ヤ ング率 との関 係 を検討 している。
*
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975.この研 究 は,第 22回 (
1
972
本研 究 では ,基 本的 に は S
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ndらのように重複
年 ,東 京 )お よび第 24回 (
1975年 ,福 岡 )日本木材
学 会大 会 において発表 した。
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*2名 古屋 大学 農学部 Fac
細胸壁 モデル を用いて細胞壁 実質の繊維 方向ヤング率Ey
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Tokyo
*8東京 大学 農学部
お よびせん断弾性係数 G
xy を定 量 的 に検討 したOただ し,
hni
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ndらの場合
重複細 胞壁 の弾性 基 礎 式 の設 定 は Sc
と若 干異な る。 また重複細胞壁では ,軸応 力や 面内せ ん
断応 力に対 して層間応 力が発生 して互いの単-細胞壁間
212
祖 父江信丸
浅野 猪 久夫
「木材学 会 誌
Vol
.22,No
.4
の変形 の拘 束が起 こる 。 そ こで ,細胞 壁間 の結合 の剛 さ
セルの b軸 と第 3軸 を-致 させ , ミセルが 弾 性 的 に b軸
声こお よぼ す 影 響 につい て も検討 した0
が E,,Gx
の まわ りに- 回転 対 称性 を も ち, 1-2面 が鏡 映 面 とな る
よ うな面対 称 性 をもつ もの とす れ ば ,次 の 四 つ の 独立 な
2. 弾 性 基 礎 式 の 誘 導
値 とな る。
2
.1 弾 性 基 礎 式 誘 導 の 基 本 的 な 考 え 方
E3
:ミセル の
本研究 では ,細胞 壁 の構成 要素 と して異 方性 の セル ロ
El
:
b軸 (長 軸 )方向 の ヤ ン グ率
ミセル の b軸 に 直交 す る方 向 の ヤ ン グ率
ース ミセル (
以下 ミセル と呼ぶ )と等方性の非 晶質 (ミセ
Gal :ミセル の b軸 を含む 面 内 のせ ん 断 弾 性 係 数
ル以外 の物 質 )の二 相 を考 える。 そ こで ,ミセルは長 さ方
NBl:ポ ア ソン比 (b軸 方 向 に 力 を作 用 させ る )
向に均質 で非結 晶領 域 を含 まず 細胞壁 の上端 か ら下端 ま
g.
1の よ
で連続 して貫 くと し,細 胞壁 は 上記の 二相 が Fi
また非 晶 質 の固 有弾性 定 数 は ,等 方性 の仮 定 か ら次の
二つ の独立 な値 とな る。
うに交互 に並 列 に複 合 され た直 交 異方 性体 で ,その弾性
EA:ヤ ング率
主軸が繊維方 向か ら平 均 ミセル配 向角 9)に相 当す る角度
NA:ポ ア ソン比
βだけ傾斜 した直交 異 方 性 板 に等価 な もの と仮定す る。
(I)
(
2)
)
2.3 単 一 細 胞 壁 の 弾 性 基 礎 式
この とき木 材 試 片 中 で は ,隣 り合 った 二 枚 の 細胞 壁 が
Yは ミセルの長
い ま単一 細胞壁 の弾 性 対 称軸 を X,Y(
Fi
g.2の よ うに互 に弾 性 主軸 を繊稚 方 向か ら βず つ逆傾
軸 方向 )とすれ ば , そ の固 有弾 性 定 数 は 四 つ の 独 立な値
斜 して接合 し,一組 の重 複 細胞 壁 を形成 してお り,木材
Ex,Ey(ヤ ング率 ),Gxy(せ ん 断弾 性 係 数 ), Ny
x(求
試片は この重 複細胞 壁 の 集合体 と考 える。
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y 口
NaO
t
,
7
g
a
では 次式の よ うに な る。
岬 c
el
l
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cel
l
旭
u
ア ソン比 )とな り, これ らを ミセル お よび非 晶質 の固 有
g.1の モ デル A
弾性 定 数 を用 いて表 わす と,た とえば Fi
Ex -1
/i
f
m/El
+(1-f
m)
/EA I
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m)・EA
Gx -1
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GA -現 /t
2・〔1+NA)∫
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ここで r脚, r
mは そ れ ぞ れ 細胞 壁 実 質 お よび ミセ ルの密
Model
-A
Model
-B
度で r
u
,
幸 1.
50g/cm34), rm 幸
.
59g/cm3
6
),C,は結 晶
1
化度 で ある 。
Fi
g.1. Fi
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また , ミセルの長 軸 方 向 と弾 性 主 軸 を一 致 させ た場合
の単一細胞 壁 の応 力成 分 i
o)とひず み 成 分 t
EJとの関係
L
f
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beraxi
s
y
は次式 とな る。
C
x
xCxy
0
(4)
Cxy Cry 0
0
0 Cs
s
Cxx-Ex/),Cxy-Ny
x・Ey/右 Cyy-Ey
/i
Cs
s-Gxy,i-卜 Nyx2・Ex/Ey
(5)
つ ぎに ,弾性主 軸 X, Yか らそ れ ぞ れ 0だ け 回 転 した
い ,細胞壁 の弾性基 礎 式 を誘導 した。
2
.
2 細胞壁 構 成 要 素 の 固有 弾 性定 数
0-123)で ミ
ミセルの固有弾 性 定 数 は ,直交座標系 (
t
q 〇
一で
u
ら Gノu∼
そ して上記 の モデル を用 いて ,二 次元平面応 力状態笹
おけるこ 層斜 交積 層板 の 弾 性 に関す る問題 と して取 り扱
γ
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{
Fi
g.2. Doubl
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リ
ノ リ
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x , y軸 に関す る応 力- ひず み の関 係 式 は次 式 とな る.
(6)
こ こで ・ Chl(
k,l
-x,y,S)は ,(
4)式 の Cij(i,3
'
-X,
Y,S)か ら座 標 軸 の変換 公 式 に よ って 得 られ る 0
2.4 重 複 細 胞 壁 の 弾 性 基 礎 式
Fi
g・
2に示す よ うな重 複 細胞 壁 に お い て 同
質
同 厚
で
厚
さ tの二 枚 の単一 細胞 壁 の接 合 が 完 全 で 変 形
畳
が
小
で
微
1
976年 4月〕
213
木材の 微細構造 と力学的性質に関す る研究
あ る と し,葛複細胞壁 の ひずみ が壁 面内の膜 力 W iに よ
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alと曲げ モ ーメン トt
M )に よるひずみ 一石・t
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の和 と して表わ され る と仮定 す れば 6),次式が な りたつ 。
卜
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(7〕
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L)
したが って ,重複細胞壁 では 中央 面に関 して両側 の単
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-細胞壁 の弾性 主 軸の 方向が非 対称で あ るため ,上武の
よ うに c
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i
ng効 果 が存 在 し,膜 力 Nyや Nx
yによって
厚 さ方向の たわみ 変形が生 じ,ね じれや カ ップ状変形 が
加質塵-定の振動数変化共振法 ア) を用いて線維 直変方向
現 れ ると考 え られ るO
のヤング率 ET,45
0方 向の ヤング率 E. Qを測定し,J
e
nki
n
S
2
.5 木材試 片 におけ る細 胞壁 実 質部分の弾性基
式8
)に よ って計算 した. なお試片の 含水率 (
約 12酵)の
調整お よび弾性率の測定 は ,20℃R.
H.
65藤の室 内で行
礎式
木 材試 片 で は , 前 述 の c
oupl
i
ng効 果 に よる重複細胞
壁 のたわみ 変形 は隣接す る細胞 ど うLが互 いにたわみ 変
った。
形 を拘束 し合 うた めに打 ち消 され ,ね じれや カ 、
ソプ状変
細胞壁 嚢質部分 の弾性率 Eyお よび G
x
yは ,仮道管の木
口断面が 正方形 で細胞壁 の厚 さが一定 であ ると仮定 し,
形は生 じな い もの と考 え られ る。
次式 に よ って計 算 した 。
r
このよ うな仮定 を行 えば ,繊 維 方向の ヤング率Eyおよ
Ey - ( o/r)・EL
Gx
,I (l亮 ニ ㌫ 不 )
/(卜 r
。/r,巨
yは ,(7)
式に
び繊維方向 を含む 面内のせ ん断弾性係数 Gx
お いて Lβ〕 -0と置 くこ とに よ り,次式 とな る。
1
・
:
.
V
Ny
2t・Eya
-
-
Cxy
2
Cyy -7F
Cxx
(
8)
Nxy
G
x
y
- 2t・rxya
-
lo)
ここで , γO, γはそ れ ぞ れ細 胞壁実質お よび試片の比重
(9)
C ss
で ,γ。
-1.
504) である。
平均 ミセル配 向角 侶ま,X線 回折法 を用い前報の方法 9)
に従 って 測建 した。
4. 結果 と考察
3
.実 験 方 法
4.I Eyおよび Gx
yにおよぼす各固有 弾 性定 数な
らびに結晶化 度の影響
樹 種は ス ギ (
Cr
yl
)
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o〝・
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apor
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Don)
を用い ,試
bl
elに示 す。
験体 の形状 を Ta
Eyお よび Gxy にお よぼす EB
,El,G8いNm ,EA,
NAな
木材試片 の繊維 方向 の ヤング率 ELの測定 には振動 リー
らびに C, の影響 を調べ るた め, Fi
g・1 の微細構造 モデ
ド法 を用い た。 また板 目面 内のせん断弾性 係数 G
LT は付
ルの場 合 につ いて シミュレー シ ョンを行 った結果 の う濁
)
x
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Sk
gl
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Gxy(
0
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cm2
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親父汗信 払 浅野猪 久 夫
室な もの を Fi
g
.銅 二示す
木材学 会誌 Vol
.22,N(
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が ,最 近の Ma
r
k他 仰 山の完 全 な結 晶 を想定 した結晶構
E
d
:
腎および Gx
yに大きな齢轡 をおよぼ すのは E1
3・Ei
・
iお
よ:
.
ボ
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号 で ,そ帯地の固歯弾性産数の断簡 は 小さ く,また
y
LAとモデ L
g
LBとの差もほ とん どみ られない。
モチ .
造 モチ吊 こよる計 算値 に比 べ る と概 して 小 さな値であるr
:
i
細胞壁 を構成す る物質 で セル p- ス ミセル以 外にっい
ては ,その弾性率 は ほ とん ど知 られ てい ない。本研究で
4
.
2 実験によるE3
および亀 の推定
は セル p-ス ミセル以外の物 質 を全て等 方性 の非 晶質と
従 来の研究 では , E
3の債は Ma
洩Ⅰ
射ちの よ うに結晶構
仮定 し,その ヤング率 としてEA-0.
02,
く106
-0.
025)
,
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6
造 モ チ叫 こよる計算値が 多 く,これ ら完 全な結晶 を悪窪
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nの リグ ニ ンに
kg.
/七mコの値 を持たが ,これが Sr
した値は木 棺細胞壁中の セル p-ス ミセルの値 とは必ず
甑 0204机 06
kg/cm空とよ く-致 している
よる実験値 王
し庵 -・
致 していないであろ う.
。
ことは興味深 い。
l
.
Vの実験結果か ら ミセルおよび灘 晶質の固有
そ こで,E
4.3 細 胞 塁 間 の 結 合 の 剛 さ に つ い て
弾性定数 を遵 麓す る万藍 を試みた、
。 前述の よ うに ,Ey,
重複細胞壁 に棋 力N.
Vや Nxyが作 用 した とき, c
oupl
i
n
g
G叩 に大きな断簡 をお よぽす因子は E3・a.
4 お よび C
,で
効果 に よって細胞壁 問 に層問応 力が 発生 す るため,単-
Aの頃合の E
.
Vの 計 算値
ある釣で ,ガ.
Vの実験値 とモチ㌦L
細胞壁は単独 に存在す る場 合 とは興 って変形 に拘 束を受
とが 鮫 か -致する gB,E
.
4お よび C,の組合せ を,Cr-0.
3
ける,
3この変形の拘 束は ,木材試 片 では細胞 間層を界して
および 灯, -租.
35の場合 に つ いて殿中 二乗法によって求
行われ るので ,細胞間 の結 合の剛 さは ,細胞壁'
j
i
潤 の野
めた。
性率 に影響 をお よぼ す と考 え られ る O そ こで ,単-細胞
捜索計 算の結果 をTa
摘 ヱに 示 す。 この結 果 を用いた
壁の変形の拘 束が 不完 全な場合 につ いて ,変形の拘 束の
E,
誹 よぴ Gxyの計算値 とこれ らの賓験値 とを平均 ミセル
程度が細胞壁棄質部 分の繊維 方向ヤング率 HyおよE
:
∴普ん
g.
4とな り, G即 の 計
配終了
鞠 との開 酎 こついて示す と Fi
断弾性 係数 G
x声こお よぼす 影響 について 検 討 したp
J
算櫓 は ミ七J
L配向角 との開店についてみ る とGxyの実験
値の焼肉 とほぼ-敦 して いる0
い ま,q
yに よる単 独な単
細胞壁 のせ ん断 変形 をγx.
V,
重複細胞壁 で層間せ ん断応 力 ー弓yが 発生 して 不完 全な
.
73
本併発の E詮の推走値は鈴 木の実験 による推 産 値 0
欄力
感
-仇95現 06
kg〆cm細 と比較的 よぐ一致 している
せん断変形の拘束状 態 にある単一 細胞壁 のせん断変形を
r
ivとすれば ,
riv- p・rxy
Tabはこ
. Es
t
i
mat
e
dv
al
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はSOfEB,E.
AandC,(
Sug
i
)
.
(
0≦p≦1
)
皿 〕
なるパラメー ター pを考 えることがで きる。同様に , Tx.
V
による単独 な単一細胞壁 の ガ, y方 向の垂 直 ひずみ をそ
x・ey, 重複細胞壁 で層間垂 直応 力 q
i,弓 が発生
れぞれ e
して不完全なひずみ拘 束状態 にあ る単一細胞壁 の ∬, y
舶 o
v
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抽e
swe
r
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畳
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臨 so釘杭 豆
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軸 E 0・
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扉 ,G良量-0・
銅4鮎 1
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L
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扉 、.
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1
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VA=0.
3
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止 血 融 byMa
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,
弓とすれ ば ,
I
方向の垂直ひずみ を 互
E
壬-
王芯
p
・E
弓 - p・
E
.
V
i
・
-・
-il
l
- :
一
二
なるパラメー ター pを考 える こ とが で きるO ここで , p
-0は 変 形 の拘鹿 が 完 全な木材試 片 の場合 ,ま た p- 1
っ
J
d
(
t
I
J。
J
b
は単独な単-細胞壁 の場 合に相 当す るo
Lたが って ,Ey,Gx
yは (6)式 , 日 日 式 , 日2)式よ
り,次式 とな るO
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2
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.
1
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0
L
X
) (1
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,
-千
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CxプC
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2cxx- 2C
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Cx
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y十 C
y
gCxx-2CxyCxsCys
1
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0 30 40
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二 二号
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bl
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E
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-き
:
- Ll::
I-I
Cx
xCyy- Cxy
B
日射
つ ぎに ・E
yお よび Gx
yにお よぼ す pの影響 をモデルA
の場 合について求 め る と, Fi
g.
5の ように pの影響はE.
V
では単一細胞壁の弾性主軸 の傾斜 角 (
平 均 ミセル配 向軒
が 10-20度付近 ,Gxyでは 45度 付近 で著 しいo
1
976年 4月 〕
21
5
木 材の微細構造 と力学 的性質に 関す る研究
しか し, pの値 を実験 に よって-義的 に定 め る こ とは
鮭 か しいが ,何 らかの方法 で E3 また は EAが独立 に定 ま
の よ うに な るO このよ うに パ ラ メ-クー pを導 入す るこ
とに よ≡
)で ,変形 の拘 束が完 全である と した場合 (
Fi
g.
れ ば ,推定 は 可能 と考 え られ る 。 本 研 究 で は 鞄 の憶 を
4)よ りも ミセル配向角の広 い 範囲にわた って実験値の
U.
O2六1
06kg/cm2 と し,0≦;p≦ 1の範 囲で E3とpの値
傾 向 をよ りよ く表 現す るこ とができる。
をE
yの実験値 か ら逆 算 した結 果 ,Ta
bl
e3の 値 を得 た。
ただ し,実験 に よって定 めた pの値 には ,前述 の層 間
これ らの値 を用 いた Ey,
G
xyの計 算 値 とEy,G
x, の実 験
応 力に よ るひずみ拘束の程度 を表わす以外 に ,細胞 壁の
値 とを平均 ミセル配 向角 との関係 について示す と Fi
g.
6
厚 さ方向 のひずみ分布や たわみ 変形 な どの影響 も含 まれ
てお り,また樹 種 ,含水率等 に よって も pの値 は異なる
ことが考 え られ る。
J
∈
U
つ
ム ー
0
. d
z
(t
D
3
J
B
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X
)・甘
〇二
1
′
ー
ヽ
G
Z
現在 の ところ ,各要素の固有弾性定数 を直接 に測定す
る適 当な 方法がな く,本研究 の よ うに実験値か ら速 算す
i
る方法 もその他 いずれの方法 に して も不確定 な要因が残
ぼ
るが ,今後 も細胞壁構成 要素 の弾性的性質に関す る知見
w
o
F
o・
05
一
・
二
>
く
ヽ
ー
0 1
1
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0 30 4
0
02
0 30 40
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degre
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Fi
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y.
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.
1
35x1
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c
r
n2,
EA=0.
02
04x1
06 k
g/
c
m2,C,
=0.
3
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a
l
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si
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Ta
bl
e2.
を明確 にす る必要 がある と考 え られ る。
摘
要
木材 を重複細胞 壁の集合体 と考え,直交異 方性板 のこ
層斜交横 層構造 の モデル を基礎 に して細胸壁 の微細構造
と木材試 片の細胞壁実質部分の繊維方向 ヤング率 E
yおよ
び繊維 方 向 を含む 面内のせん断弾性係数 Gxy との関係 を
スギ を用 いて検討 し,次の結 果 を得た 。
1) 平均 ミセル配向角が大 きくなるにつれて
,
Eyは減
少 し,Gxyは増 加す る。
y,G
xy
2) モ デルに よ るシ ミュ レーシ ョンの結果 , E
に大 きな影響 をお よぼす 因子 は ,平均 ミセル配向角 ,細
胞壁構成 要素の固 有弾性定数 E3
(セル p-ス ミセル長軸
方向の ヤ ング率 )・EA (
非 晶質 のヤング率 )
と結晶化度 C,
で ある。
3) Eyの実験 値 か らE3,EA,C, の値 の組合 せ を ,細
胞壁間 の結合が完 全に剛であ る場合 (p-0)に つ い て捜
b
l
C2に示す値 を得 た. これ らの値か ら Gxy を計
索 し,Ta
算 してそ の実験 値 と比べ る と,比較的 よい-敦がみ られ
た。
4) 重 複細胞壁 では細胞壁 間 に層間応 力が発生 し,単
-細胞壁 ど うLは互いに変形 の拘束 をす る . 単-細 胞壁
相 互間 の変形 の拘 束が不完全 な場合 の細胞壁 実質部分の
繊維方 向 ヤング率 Eyおよびせ ん断弾性係数 Gxyは ,(l
l)
式 お よび (1
2)式 の パ ラメーター pに よ っ て そ れ ぞ れ
(13)式 お よび (14)式 の よ うに定量的に表 わ す ことが
02×108kg/cmB,C,-0.
3として , Ey
で きるo EA-0・
の実験 値 か らE3,Pの値 を捜索 す るとp-0.
82(
Ta
bl
e3)
Fi
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82i
nTa
bl
e3we
r
eus
e
d.
の値が得 られた。 (1
3)式 お よ び (1
4)式 に よる計 算 値
は, p
-0の場 合 に比 べて Ey,Gxy の実験値 によ りよく適
合す る。
216
丁木 材学 会 誌 Ⅴ(
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祖 父江信夫, 浅野 猪 久 夫
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本研究 にあた り,種 々ご指導 ・ご助 言 いただいた名古
屋 大学 ・竹村 富 男教授 ,静岡大学 ・平井 信之助 教授 に,
深 く感謝いた します 。
文
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De
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複 合材 料 工学 " ,林 毅 ・編 , 帥 個
連 ,p・542L1971)
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7)小 野木 義 治 : "レオ pジ -要 論 ",厳 粛 店 , p・
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