SURE: Shizuoka University REpository http://ir.lib.shizuoka.ac.jp/ Title Author(s) Citation Issue Date URL 木材の微細構造と力学的性質に関する研究 : 細胞壁の繊 維方向のヤング率とせん断弾性係数 祖父江, 信夫; 浅野, 猪久夫 木材学会誌. 22(4), p. 211-216 1976-04 http://hdl.handle.net/10297/4593 Version publisher Rights Copyright © 日本木材学会 This document is downloaded at: 2016-03-07T19:16:01Z 211 〔木 材学 会 誌 Vol .22,No.4,p.21。 1-216日976) (諭 文 月 木村 の微 細構造 と力学的性 質 に関 する研究 *l 細胞壁 の繊 維方向のヤング率 とせん断弾性係数 祖 父江信夫*2 ,浅野猪久末*8 St udi e sont heFi neS t r uc t ur e a ndMe c ha ni c a lPr ope r t i e sofWood* 1 0nt heLong i t udi nalYoung' sModul us gi di t yorCe l lWa l l a ndShea rModul usorRi NobuoSoB UE*2 andl kuoAs ANO* 8 Thel ong it udi na lYoung' smodul usEy a ndt hes he a rmodul usofr igi di t yGxy oft hec e l lwal lorSug i ( Cr ypt ome r z ' aJ ' aponi c a D. Don)a r es t udi e di nr e l a t i on t ot hec el l ul os em ic e l la ng l e ,t hede gr e eof c r ys t al l i ni t yandt hei nhe r e nte l a s t i cc ons t a l l t SOrC e l lwa l lcompone nt swhi c ha r et heani 5 0t r Opi cc e l l ul os e mi c el landt hei s ot r opi cma t r i x. Asar e s ul tof t hec omput e rs i mul a t i onf ort hedoubl ec el lwa l lmode lus e di nt hi ss t udy,i tbe c a me l lE3,t heYoung' s c l e art ha tt hem iC e l langl e,t hel ongi t udi na lYoung' smodul usoft hec e l l ul os em ic e ndt hede g r e eofc r ys t a l l i ni t yC,a f f e c t e ds i gni f i c a nt l yonEya nd modul usoft hei s ot r opi cmat r i xEA a Gxy ( Fi g・3) ・Byt heme t hodofl e a s ts qua r es ,t hec ombi na t i onoft hev al ue sE3,EA a ndC,We r eobt a i ne d f r om t hee xpe r i me nt a lv al ue sofEy a ss howni nTa bl e2・ Ey and Gxy we r ea l s oi nve s t i g a t e di nr e l a t i ngt ot hepa r a me t e rp i nEq・ slla nd1 20nt hei nt e r na l bondi ngr i idi g t yoft hedoubl ec e l lwa l l .I fa na xi a lori npl a nes he a in r gs t r e s si sa pp l i e dt ot hedoubl e l ,t he r ea r i s e sa ni nt e r l a ye rs t r es sbe t we ent wos l ngl ec e l lwa l l s ,a ndt hede f or mat i onore a c hor c e l lwal t hes i ngl ec e l lwa l l si sr e s t ic r t e dwi t he ac hot he r .I nt hec a s ei nwhi c ht her e s t r i c t i onoft hede f or ma t i on ofe ac hs i ngl ec e l lwal lwasi mpe r f e c t ,t hel ong it udi na lYoung ' smodul usEy,Eq・1 3,a ndt hes he a r modul usofr i idi g t yG xy, Eq・1 4,We r ei nduc e dbyc ons i de r i ngt hepa r a me t e rp・Av a l ueofE3 Obt a i ne d ob k g/ C n2( r Ta bl e3a ndFi g.6) . f r om Eq.1 3i sa boutI _ 8xl 木 材細胞 壁 が異 方性 の セル ロース ミセル と等方性 の非晶質 の二相 か らなるもの と考 え,これ ら二相の yおよびせん断弾性係数 各固 有弾 性定 数 , ミセル傾角 お よび結 晶化度 と細胞壁 棄質 の繊維 方 向 ヤング率 E Gxy との関 係 を重複 細胞壁 要 素 を もつ モデル を用 いて検討 し,さ らに主要 な固有弾性定数 ( E8 :セル ロ yの実験 値か ら推定 したO また細胞壁間の ース ミセルの縦 ヤ ング率 ,EA :非 晶質の ヤ ング率 )をス単の E y,G xy にお よぼ す影 響 について も検討 したO 結 合 の剛 さが E 細胞壁 を形成 している。 したがって ,木材試片 を繊維方 1 .緒 昌 向に引 っぼ った時には ,… 本の仮道管 を引っぼ った時の 一般 に正 常 な仮 導管 の細胞壁 でS2 壁 は最 も厚 く,細胞 よ うな細胸壁 のせん断変 形 に起 因 す る細 胞 のね じれ は 壁 の弾性的 性 質 に重要 な役割 を果 してい る と考 え られて 生 じないo Sc hni e wi ndl), ca v e B)・8 )は この点に着 目 し, い る 。 また木 材試 片中では ,細胞壁 ど うLは S2壁 の ミセ 重複細胞壁 要素 をもつ モデル を用 いて細胞壁 の微細構造 ル傾 角 を大 き さが等 しく互い に逆傾 斜 して接合 し,重複 と繊維 方向 ヤ ング率 との関 係 を検討 している。 * l R ec e i ve dOc t .18,1 975.この研 究 は,第 22回 ( 1 972 本研 究 では ,基 本的 に は S c hni e wi ndらのように重複 年 ,東 京 )お よび第 24回 ( 1975年 ,福 岡 )日本木材 学 会大 会 において発表 した。 ul t yofAg r i c ul t ur e ,Na g oya *2名 古屋 大学 農学部 Fac 細胸壁 モデル を用いて細胞壁 実質の繊維 方向ヤング率Ey Na goya Uni ve r s i t y, Fa c ul t y ofAg ic r ul t ur e, Tokyo Uni ve r s i t y, Tokyo *8東京 大学 農学部 お よびせん断弾性係数 G xy を定 量 的 に検討 したOただ し, hni e wi ndらの場合 重複細 胞壁 の弾性 基 礎 式 の設 定 は Sc と若 干異な る。 また重複細胞壁では ,軸応 力や 面内せ ん 断応 力に対 して層間応 力が発生 して互いの単-細胞壁間 212 祖 父江信丸 浅野 猪 久夫 「木材学 会 誌 Vol .22,No .4 の変形 の拘 束が起 こる 。 そ こで ,細胞 壁間 の結合 の剛 さ セルの b軸 と第 3軸 を-致 させ , ミセルが 弾 性 的 に b軸 声こお よぼ す 影 響 につい て も検討 した0 が E,,Gx の まわ りに- 回転 対 称性 を も ち, 1-2面 が鏡 映 面 とな る よ うな面対 称 性 をもつ もの とす れ ば ,次 の 四 つ の 独立 な 2. 弾 性 基 礎 式 の 誘 導 値 とな る。 2 .1 弾 性 基 礎 式 誘 導 の 基 本 的 な 考 え 方 E3 :ミセル の 本研究 では ,細胞 壁 の構成 要素 と して異 方性 の セル ロ El : b軸 (長 軸 )方向 の ヤ ン グ率 ミセル の b軸 に 直交 す る方 向 の ヤ ン グ率 ース ミセル ( 以下 ミセル と呼ぶ )と等方性の非 晶質 (ミセ Gal :ミセル の b軸 を含む 面 内 のせ ん 断 弾 性 係 数 ル以外 の物 質 )の二 相 を考 える。 そ こで ,ミセルは長 さ方 NBl:ポ ア ソン比 (b軸 方 向 に 力 を作 用 させ る ) 向に均質 で非結 晶領 域 を含 まず 細胞壁 の上端 か ら下端 ま g. 1の よ で連続 して貫 くと し,細 胞壁 は 上記の 二相 が Fi また非 晶 質 の固 有弾性 定 数 は ,等 方性 の仮 定 か ら次の 二つ の独立 な値 とな る。 うに交互 に並 列 に複 合 され た直 交 異方 性体 で ,その弾性 EA:ヤ ング率 主軸が繊維方 向か ら平 均 ミセル配 向角 9)に相 当す る角度 NA:ポ ア ソン比 βだけ傾斜 した直交 異 方 性 板 に等価 な もの と仮定す る。 (I) ( 2) ) 2.3 単 一 細 胞 壁 の 弾 性 基 礎 式 この とき木 材 試 片 中 で は ,隣 り合 った 二 枚 の 細胞 壁 が Yは ミセルの長 い ま単一 細胞壁 の弾 性 対 称軸 を X,Y( Fi g.2の よ うに互 に弾 性 主軸 を繊稚 方 向か ら βず つ逆傾 軸 方向 )とすれ ば , そ の固 有弾 性 定 数 は 四 つ の 独 立な値 斜 して接合 し,一組 の重 複 細胞 壁 を形成 してお り,木材 Ex,Ey(ヤ ング率 ),Gxy(せ ん 断弾 性 係 数 ), Ny x(求 試片は この重 複細胞 壁 の 集合体 と考 える。 o y 口 NaO t , 7 g a では 次式の よ うに な る。 岬 c el l ulse mi cel l 旭 u ア ソン比 )とな り, これ らを ミセル お よび非 晶質 の固 有 g.1の モ デル A 弾性 定 数 を用 いて表 わす と,た とえば Fi Ex -1 /i f m/El +(1-f m) /EA I s Ey -f m・E3+(1-f m)・EA Gx -1 /i f m/G31+( 1-f m) /G A) y Ny I x -fm ・ NBl+( 1-f m)・ NA GA -現 /t 2・〔1+NA)∫ j T m - (ru,/r m ) ・C, ここで r脚, r mは そ れ ぞ れ 細胞 壁 実 質 お よび ミセ ルの密 Model -A Model -B 度で r u , 幸 1. 50g/cm34), rm 幸 . 59g/cm3 6 ),C,は結 晶 1 化度 で ある 。 Fi g.1. Fi nes t r uc t ur l mode a l soft hes i ngl ec e l lwa l lof t r ac he i d. また , ミセルの長 軸 方 向 と弾 性 主 軸 を一 致 させ た場合 の単一細胞 壁 の応 力成 分 i o)とひず み 成 分 t EJとの関係 L f i beraxi s y は次式 とな る。 C x xCxy 0 (4) Cxy Cry 0 0 0 Cs s Cxx-Ex/),Cxy-Ny x・Ey/右 Cyy-Ey /i Cs s-Gxy,i-卜 Nyx2・Ex/Ey (5) つ ぎに ,弾性主 軸 X, Yか らそ れ ぞ れ 0だ け 回 転 した い ,細胞壁 の弾性基 礎 式 を誘導 した。 2 . 2 細胞壁 構 成 要 素 の 固有 弾 性定 数 0-123)で ミ ミセルの固有弾 性 定 数 は ,直交座標系 ( t q 〇 一で u ら Gノu∼ そ して上記 の モデル を用 いて ,二 次元平面応 力状態笹 おけるこ 層斜 交積 層板 の 弾 性 に関す る問題 と して取 り扱 γ ■ぶ ut tut { Fi g.2. Doubl ec el lwal ls t r uc t ur eofapa i rort wo s i ngl ec el lwa l l s . リ ノ リ ノぶ rJ J J x , y軸 に関す る応 力- ひず み の関 係 式 は次 式 とな る. (6) こ こで ・ Chl( k,l -x,y,S)は ,( 4)式 の Cij(i,3 ' -X, Y,S)か ら座 標 軸 の変換 公 式 に よ って 得 られ る 0 2.4 重 複 細 胞 壁 の 弾 性 基 礎 式 Fi g・ 2に示す よ うな重 複 細胞 壁 に お い て 同 質 同 厚 で 厚 さ tの二 枚 の単一 細胞 壁 の接 合 が 完 全 で 変 形 畳 が 小 で 微 1 976年 4月〕 213 木材の 微細構造 と力学的性質に関す る研究 あ る と し,葛複細胞壁 の ひずみ が壁 面内の膜 力 W iに よ Ta bl e1 . Di me n s i on sors a mpl e s . るひずみ tE alと曲げ モ ーメン トt M )に よるひずみ 一石・t kl の和 と して表わ され る と仮定 す れば 6),次式が な りたつ 。 卜 鈷 尉芸庸一 ‡ EL (7〕 ET l e ng t h ( mm) C. a_ 2 0( L) 25 -30 ( T) t hi c kne s s wi dt h ( mm) ( mm) C . a .0. 日 R) C . a .3 ( T) 0. 7-1 (R) 6-7 ( L) したが って ,重複細胞壁 では 中央 面に関 して両側 の単 a di a l di r e c t i on, L:f i be rdi r e c t i on,R:r T:t a n ge nt i a ldi r ec t i on -細胞壁 の弾性 主 軸の 方向が非 対称で あ るため ,上武の よ うに c oupl i ng効 果 が存 在 し,膜 力 Nyや Nx yによって 厚 さ方向の たわみ 変形が生 じ,ね じれや カ ップ状変形 が 加質塵-定の振動数変化共振法 ア) を用いて線維 直変方向 現 れ ると考 え られ るO のヤング率 ET,45 0方 向の ヤング率 E. Qを測定し,J e nki n S 2 .5 木材試 片 におけ る細 胞壁 実 質部分の弾性基 式8 )に よ って計算 した. なお試片の 含水率 ( 約 12酵)の 調整お よび弾性率の測定 は ,20℃R. H. 65藤の室 内で行 礎式 木 材試 片 で は , 前 述 の c oupl i ng効 果 に よる重複細胞 壁 のたわみ 変形 は隣接す る細胞 ど うLが互 いにたわみ 変 った。 形 を拘束 し合 うた めに打 ち消 され ,ね じれや カ 、 ソプ状変 細胞壁 嚢質部分 の弾性率 Eyお よび G x yは ,仮道管の木 口断面が 正方形 で細胞壁 の厚 さが一定 であ ると仮定 し, 形は生 じな い もの と考 え られ る。 次式 に よ って計 算 した 。 r このよ うな仮定 を行 えば ,繊 維 方向の ヤング率Eyおよ Ey - ( o/r)・EL Gx ,I (l亮 ニ ㌫ 不 ) /(卜 r 。/r,巨 yは ,(7) 式に び繊維方向 を含む 面内のせ ん断弾性係数 Gx お いて Lβ〕 -0と置 くこ とに よ り,次式 とな る。 1 ・ : . V Ny 2t・Eya - - Cxy 2 Cyy -7F Cxx ( 8) Nxy G x y - 2t・rxya - lo) ここで , γO, γはそ れ ぞ れ細 胞壁実質お よび試片の比重 (9) C ss で ,γ。 -1. 504) である。 平均 ミセル配 向角 侶ま,X線 回折法 を用い前報の方法 9) に従 って 測建 した。 4. 結果 と考察 3 .実 験 方 法 4.I Eyおよび Gx yにおよぼす各固有 弾 性定 数な らびに結晶化 度の影響 樹 種は ス ギ ( Cr yl ) t o〝・ l e rl aJ ' apor u' c a D. Don) を用い ,試 bl elに示 す。 験体 の形状 を Ta Eyお よび Gxy にお よぼす EB ,El,G8いNm ,EA, NAな 木材試片 の繊維 方向 の ヤング率 ELの測定 には振動 リー らびに C, の影響 を調べ るた め, Fi g・1 の微細構造 モデ ド法 を用い た。 また板 目面 内のせん断弾性 係数 G LT は付 ルの場 合 につ いて シミュレー シ ョンを行 った結果 の う濁 ) x l . Sk gl c m2 Gxy( 0 ( x 1 06k g/ cm2 ) . 6 0 . 5 0 . 4 0. 4 0. 3 0. 3 0. 2 0. 2 Ey 0. 1 0. 1 0 1 0 20 30 (a) 4 0 4 5 O 0・ 5 1 0 20 3 04 045 (deg ( r b e ) e) (C) Fi g.3. Ef f e c t soft hev al ue sofE3, EA a ndC,O nEya ndGx y・ - :Model A, - -:Mode トB.Thedi me ns i onofE3 0rEA i skg/ c m2・I nFi gu r e( a )or( b) , t hee l a k t i c r ee qua lt ot hev a l ue si nTa bl e2r e s pe c t i ve l ya ndC, =0・ 3・I nFi g ur e( a ) , ・ ゝ c ons t a nt se xce ptE3 0rEA a t hee l a s t i cc ons t a nt se xc e ptE3=1. 1 35x1 06 kg/ c m2 a r ee qua lt ot hev lue a si nTa bl e2・ I 3度 J 盲 親父汗信 払 浅野猪 久 夫 室な もの を Fi g .銅 二示す 木材学 会誌 Vol .22,N( = が ,最 近の Ma r k他 仰 山の完 全 な結 晶 を想定 した結晶構 E d : 腎および Gx yに大きな齢轡 をおよぼ すのは E1 3・Ei ・ iお よ: . ボ ' 号 で ,そ帯地の固歯弾性産数の断簡 は 小さ く,また y LAとモデ L g LBとの差もほ とん どみ られない。 モチ . 造 モチ吊 こよる計 算値 に比 べ る と概 して 小 さな値であるr : i 細胞壁 を構成す る物質 で セル p- ス ミセル以 外にっい ては ,その弾性率 は ほ とん ど知 られ てい ない。本研究で 4 . 2 実験によるE3 および亀 の推定 は セル p-ス ミセル以外の物 質 を全て等 方性 の非 晶質と 従 来の研究 では , E 3の債は Ma 洩Ⅰ 射ちの よ うに結晶構 仮定 し,その ヤング率 としてEA-0. 02, く106 -0. 025) , t l r j 6 造 モ チ叫 こよる計算値が 多 く,これ ら完 全な結晶 を悪窪 i ni v a s a nの リグ ニ ンに kg. /七mコの値 を持たが ,これが Sr した値は木 棺細胞壁中の セル p-ス ミセルの値 とは必ず 甑 0204机 06 kg/cm空とよ く-致 している よる実験値 王 し庵 -・ 致 していないであろ う. 。 ことは興味深 い。 l . Vの実験結果か ら ミセルおよび灘 晶質の固有 そ こで,E 4.3 細 胞 塁 間 の 結 合 の 剛 さ に つ い て 弾性定数 を遵 麓す る万藍 を試みた、 。 前述の よ うに ,Ey, 重複細胞壁 に棋 力N. Vや Nxyが作 用 した とき, c oupl i n g G叩 に大きな断簡 をお よぽす因子は E3・a. 4 お よび C ,で 効果 に よって細胞壁 問 に層問応 力が 発生 す るため,単- Aの頃合の E . Vの 計 算値 ある釣で ,ガ. Vの実験値 とモチ㌦L 細胞壁は単独 に存在す る場 合 とは興 って変形 に拘 束を受 とが 鮫 か -致する gB,E . 4お よび C,の組合せ を,Cr-0. 3 ける, 3この変形の拘 束は ,木材試 片 では細胞 間層を界して および 灯, -租. 35の場合 に つ いて殿中 二乗法によって求 行われ るので ,細胞間 の結 合の剛 さは ,細胞壁' j i 潤 の野 めた。 性率 に影響 をお よぼ す と考 え られ る O そ こで ,単-細胞 捜索計 算の結果 をTa 摘 ヱに 示 す。 この結 果 を用いた 壁の変形の拘 束が 不完 全な場合 につ いて ,変形の拘 束の E, 誹 よぴ Gxyの計算値 とこれ らの賓験値 とを平均 ミセル 程度が細胞壁棄質部 分の繊維 方向ヤング率 HyおよE : ∴普ん g. 4とな り, G即 の 計 配終了 鞠 との開 酎 こついて示す と Fi 断弾性 係数 G x声こお よぼす 影響 について 検 討 したp J 算櫓 は ミ七J L配向角 との開店についてみ る とGxyの実験 値の焼肉 とほぼ-敦 して いる0 い ま,q yに よる単 独な単 細胞壁 のせ ん断 変形 をγx. V, 重複細胞壁 で層間せ ん断応 力 ー弓yが 発生 して 不完 全な . 73 本併発の E詮の推走値は鈴 木の実験 による推 産 値 0 欄力 感 -仇95現 06 kg〆cm細 と比較的 よぐ一致 している せん断変形の拘束状 態 にある単一 細胞壁 のせん断変形を r ivとすれば , riv- p・rxy Tabはこ . Es t i mat e dv al t はSOfEB,E. AandC,( Sug i ) . ( 0≦p≦1 ) 皿 〕 なるパラメー ター pを考 えることがで きる。同様に , Tx. V による単独 な単一細胞壁 の ガ, y方 向の垂 直 ひずみ をそ x・ey, 重複細胞壁 で層間垂 直応 力 q i,弓 が発生 れぞれ e して不完全なひずみ拘 束状態 にあ る単一細胞壁 の ∬, y 舶 o v ev 抽e swe r ee s t 畳 ma はd f r om t hだe XPe r i me nt a l v a 臨 so釘杭 豆 nFi g.ヰa mdEq.Sby紬emet hodofl e a s t コ77xi O8kg/ i s 綱a F e S ・Whe T e津は弛 S t i cc ons t a 軸 E 0・ C 扉 ,G良量-0・ 銅4鮎 1 0あkgI ; L l 扉 、. i v3 1 = 0. I a nd i VA=0. 3 恥履 洩 we r eC 止 血 融 byMa r klOJwe 陀u S e d. , 弓とすれ ば , I 方向の垂直ひずみ を 互 E 壬- 王芯 p ・E 弓 - p・ E . V i ・ -・ -il l - : 一 二 なるパラメー ター pを考 える こ とが で きるO ここで , p -0は 変 形 の拘鹿 が 完 全な木材試 片 の場合 ,ま た p- 1 っ J d ( t I J。 J b は単独な単-細胞壁 の場 合に相 当す るo Lたが って ,Ey,Gx yは (6)式 , 日 日 式 , 日2)式よ り,次式 とな るO w 2 o . 1 ! 0 L X ) (1 = , -千 I CxプC v G ss+p2(C i s 2cxx- 2C xγCxsCv - I・ ・ : I- Cx xCs s-p3Cxs 2 日3) y十 C y gCxx-2CxyCxsCys 1 02 0 30 40 1 0 2 0 30 40 Mc anmi CeⅢor 毒 ent at i om an如 ( degr ee ) yv a ndme a nm ie e l i F短・ヰ・ R抽出onbe 紬e e nEy ora . oT i e nt a t i ona J 鳩l e . 二 二号 : e a l e ul a t e dl i ne sofEvorGx. vf r om Eq・ 8,Eq. 9 T e S Pe C 軌e l ya nd軌ei nhe r e nte l a s t i cc ons t a nt si nTa bl eコ. E =. -き : - Ll:: I-I Cx xCyy- Cxy B 日射 つ ぎに ・E yお よび Gx yにお よぼ す pの影響 をモデルA の場 合について求 め る と, Fi g. 5の ように pの影響はE. V では単一細胞壁の弾性主軸 の傾斜 角 ( 平 均 ミセル配 向軒 が 10-20度付近 ,Gxyでは 45度 付近 で著 しいo 1 976年 4月 〕 21 5 木 材の微細構造 と力学 的性質に 関す る研究 しか し, pの値 を実験 に よって-義的 に定 め る こ とは 鮭 か しいが ,何 らかの方法 で E3 また は EAが独立 に定 ま の よ うに な るO このよ うに パ ラ メ-クー pを導 入す るこ とに よ≡ )で ,変形 の拘 束が完 全である と した場合 ( Fi g. れ ば ,推定 は 可能 と考 え られ る 。 本 研 究 で は 鞄 の憶 を 4)よ りも ミセル配向角の広 い 範囲にわた って実験値の U. O2六1 06kg/cm2 と し,0≦;p≦ 1の範 囲で E3とpの値 傾 向 をよ りよ く表 現す るこ とができる。 をE yの実験値 か ら逆 算 した結 果 ,Ta bl e3の 値 を得 た。 ただ し,実験 に よって定 めた pの値 には ,前述 の層 間 これ らの値 を用 いた Ey, G xyの計 算 値 とEy,G x, の実 験 応 力に よ るひずみ拘束の程度 を表わす以外 に ,細胞 壁の 値 とを平均 ミセル配 向角 との関係 について示す と Fi g. 6 厚 さ方向 のひずみ分布や たわみ 変形 な どの影響 も含 まれ てお り,また樹 種 ,含水率等 に よって も pの値 は異なる ことが考 え られ る。 J ∈ U つ ム ー 0 . d z (t D 3 J B wL X )・甘 〇二 1 ′ ー ヽ G Z 現在 の ところ ,各要素の固有弾性定数 を直接 に測定す る適 当な 方法がな く,本研究 の よ うに実験値か ら速 算す i る方法 もその他 いずれの方法 に して も不確定 な要因が残 ぼ るが ,今後 も細胞壁構成 要素 の弾性的性質に関す る知見 w o F o・ 05 一 ・ 二 > く ヽ ー 0 1 1 02 0 30 4 0 02 0 30 40 0( degre e) Fi g・5・ Ef f e c toft hepa r a me t e rp onE yorGxy oft he doubl ec e l l wa l l i nEq.1 3orEq.1 4r e s pec t i v e l y. E3=1 . 1 35x1 06kg/ c r n2, EA=0. 02 04x1 06 k g/ c m2,C, =0. 3 and ot he re l a s t i cc ons t a nt sa r ee qua lt ot heva l ue si n Ta bl e2. Ta bl e3. Es t i ma t e dv a l ue s of E3 a nd p whe nt he pa r a me t e rpi sc ons i de r e d( Su g i) . E3 ( kg / c m2) 1 . 8×1 06 P 0. 82 Abovev a l ue swe r ee s t i ma t e df r om t hee xpe r i me nt a l va l ue sofEy i nFi g・6a ndEq・1 3byt heme t hodofl e a s t s qua r e s .whe r eEA =0. 02×1 06 kg/ c m2 a nd C, =0・ 3,a nd t heot he re l a s t i cc ons t a nt sa r ee qua lt ot hev a l ue si n Ta bl e2. を明確 にす る必要 がある と考 え られ る。 摘 要 木材 を重複細胞 壁の集合体 と考え,直交異 方性板 のこ 層斜交横 層構造 の モデル を基礎 に して細胸壁 の微細構造 と木材試 片の細胞壁実質部分の繊維方向 ヤング率 E yおよ び繊維 方 向 を含む 面内のせん断弾性係数 Gxy との関係 を スギ を用 いて検討 し,次の結 果 を得た 。 1) 平均 ミセル配向角が大 きくなるにつれて , Eyは減 少 し,Gxyは増 加す る。 y,G xy 2) モ デルに よ るシ ミュ レーシ ョンの結果 , E に大 きな影響 をお よぼす 因子 は ,平均 ミセル配向角 ,細 胞壁構成 要素の固 有弾性定数 E3 (セル p-ス ミセル長軸 方向の ヤ ング率 )・EA ( 非 晶質 のヤング率 ) と結晶化度 C, で ある。 3) Eyの実験 値 か らE3,EA,C, の値 の組合 せ を ,細 胞壁間 の結合が完 全に剛であ る場合 (p-0)に つ い て捜 b l C2に示す値 を得 た. これ らの値か ら Gxy を計 索 し,Ta 算 してそ の実験 値 と比べ る と,比較的 よい-敦がみ られ た。 4) 重 複細胞壁 では細胞壁 間 に層間応 力が発生 し,単 -細胞壁 ど うLは互いに変形 の拘束 をす る . 単-細 胞壁 相 互間 の変形 の拘 束が不完全 な場合 の細胞壁 実質部分の 繊維方 向 ヤング率 Eyおよびせ ん断弾性係数 Gxyは ,(l l) 式 お よび (1 2)式 の パ ラメーター pに よ っ て そ れ ぞ れ (13)式 お よび (14)式 の よ うに定量的に表 わ す ことが 02×108kg/cmB,C,-0. 3として , Ey で きるo EA-0・ の実験 値 か らE3,Pの値 を捜索 す るとp-0. 82( Ta bl e3) Fi g・6・ Re l a t i onbe t we e nE y orG xy a ndme a nmi c e l l or i e nt a t i ona ng l e ,whenE3 andpareunknown a ndEA =0. 02x1 06kg/ c m2,C,=0. 3. 0:e xpe r i me nt a lv a l ue s ,- :c al c ul a t e dv a l ueofEy orGx ywhent hee s t i ma t e dv a l ue sofE3= 1 ・ 8xl ob kg/ c m2 a ndp=0. 82i nTa bl e3we r eus e d. の値が得 られた。 (1 3)式 お よ び (1 4)式 に よる計 算 値 は, p -0の場 合 に比 べて Ey,Gxy の実験値 によ りよく適 合す る。 216 丁木 材学 会 誌 Ⅴ( ) I .22,No .4 祖 父江信夫, 浅野 猪 久 夫 5) L E.Al ex a nder :HXr a y Di f f r ac t i on Me t h odsi n 謝 辞 pol yme rSc i e nc e , "Wi l l ey, Ne wYo丸 p・ 508日96 9) 本研究 にあた り,種 々ご指導 ・ご助 言 いただいた名古 屋 大学 ・竹村 富 男教授 ,静岡大学 ・平井 信之助 教授 に, 深 く感謝いた します 。 文 , " De s i gnofWooda nd Fi be rCompos i t eMa t e r i a l s Ed.ByB. A.J ayn, Syr a c us eUni ve r s i t yPr e s sNe w Yor k,p.83(1 972) , .andTech . ,2,268( 1 968) 2)i . D.Ca v e:WoodSci :i bi d. ,3,4 0( 1 969) i ,Jrニ"Pr i nc i pl e s 4) F. F. P.Kol l ma nna ndW. A.C8t orWood Sc i e nc ea nd Te c hnol og yI , " Spr i nge r Ve r l a g,Be r l i nHe i de l be r g ,p.164(I 968) . 隆 :" 複 合材 料 工学 " ,林 毅 ・編 , 帥 個 連 ,p・542L1971) ・ 7)小 野木 義 治 : "レオ pジ -要 論 ",厳 粛 店 , p・ 1 81 日 97日 8) R.F.S.He a r mon: 献 1 ) A. P.Sc hni e wi nd andJ. D.Ba r r et t :" The or ya nd 3) - 6)赤坂 For es t Pr oduc t s Re s e a r c h, Spec i a lRe por tNo・7,p・15(1 948) r a ia ndi .As ano:Mr ) i ' z I = aE 'Gaki ' aL . 9) N.S obue,N.Hi s J / l L . ,17 44(1 971 ) , 1 0) R. E.Mar k:HCe l lWa l lMechani c sorTr a c he i ds , ' ' Ya l eUni ve r s i t yPr e s s ,NewHaven,p・119日967) ll )鈴 木 正治 :木 材誌 , 1 4,268日968) 1 2) R. E.Mar k:"The or ya nd De s i gn orWoo da nd , " Ed・By B・ A・J a yn, Fi be r Compos i t eMat er i a l s ,syr a cus u eUni v e r s i t yPr es s , Ne w Yor k,p・ 49日972)
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