国際患者調査 国別の報告 日本 「ウイルス性肝炎と 闘うときに直面した 最大の障害は 何ですか?」 HCV Quest 国別の報告 HCV QUEST について C 型肝炎に 罹患していることを HCV Questは、C型肝炎に罹患する約4,000人の 人々の世界調査を行いました。C型肝炎に罹患す る人々の体験について調査した結果は、印象的 で、中には衝撃的な回答もありました。 知られないように すること。 この世界調査は、世界肝炎同盟が開発し、2014年 7月から12月の期間に実施されました。調査は ソーシャルメディアや世界肝炎同盟のチャンネル を通して宣伝し、オンライン調査のリンクを共有 したり、勤務する病院でハードコピーを配布した りするなど、多くの患者グループや医療従事者の サポートを得ることができました。 C型肝炎に罹患する患者の現実を共有する何千件 もの自由記述式の回答を含め、すべての回答を 翻訳・分析しました。 治療の副作用が激しく、 普通の生活ができないこと。 結果をまとめた世界報告書は、2015年4月に ウィーンで開かれた国際肝臓学会議で発表 されました。 治療費が問題。 国別の報告では、日本は72名の回答者が共有した 体験や地域別結果の比較をまとめました。 本報告書の目的において、日本は世界保健機構 (WHO)の西太平洋地域の一部として定義され、 オーストラリア、中国、マレーシアなどこの 地域の他国と比較されています。 上司、サプライヤー または顧客からの理解が得られな いこと。見た目は普通なので、病気の ふりをしているを思われること。病院で 他の人も同じことを言っていた。隣人か ら未だに病気のふりをしていると 思われている。 1 HCV Quest 国別の報告 日本では、C型肝炎の知識および認識度は低い ファクトシート 45.8% C型肝炎は世界の肝臓疾患の最も一 般的な原因の1つである [1] 診断前にC型肝炎のことを知っていたと回答したのは 2名中1名以下 2013年、日本では1,603,000人 HCV Quest回答者における診断前のC型肝炎の認識度。72件の回答に基づいた国データ 近くの成人(1.5%)がC型肝炎に 罹患しており、慢性症状を 19.4% 医師にC型肝炎の症状を伝えた際にC型肝炎の検査を 薦められたられたのは 5名中1名 のみ 呈している患者は世界中で 合計80~150百万人 [2,3] C型肝炎に関連する死亡は 増加しており、2013年の世界での 死亡者数は700,000人 [1] HCV Quest回答者の割合。72件の回答に基づいた国データ 調査結果 現在、C型肝炎のワクチンは 存在しない [3,4] • 回答者の54%が検査前にC型肝炎のことを知らなかった。 C型肝炎について知っていた回答者のうち、政府のキャン ペーンから情報を入手したと回答した人はいなかった。 • 医師が検査を薦めたから検査を受けたのはたった 29%。定期的な健康診断の一環としてC型肝炎の 検査を受けたのは回答者の19%で、検査を受け るように言われたのは10%。 • 診断時にC型肝炎に罹患していた回答者26% のうち、医師にそれらの症状を伝えたとき にC型肝炎の検査を薦められたのは20% 未満。 • かかりつけの医者によって診断された 回答者で、専門医への紹介までに1~3年 待ったと回答したのは25%、紹介までに 3年以上待ったと回答したのは25%。 これが 意味するところは? 国民および医師の間で C型肝炎についての認識度を高めるために もっと活動しなければならない 診断前のC型肝炎に関する国民意識は地域平均(34%)と比べ て比較的高いが、医師の間での認識度は非常に低く、症状を伝え た際に検査を薦められた患者はほとんどいなかった。 C型肝炎に関して予め知識があった回答者のうち、患者団体から 連絡を受けたのは20%以上だった。一方、政府の啓蒙活動から 情報を入手した回答者は1人もいなかった。 日本での紹介率は地域で最も低い。患者の4分の1が専門医に かかるまでに3年以上待っており、さらに1年以上 (合計4年以上)待っている患者が10%いる状況は 絶対に受け入れられない。これは早急に改善 しなければならない課題である。 1.Global, regional, and national age-sex specific all-cause and cause-specific mortality for 240 causes of death, 1990-2013: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2013.Lancet 2015;385:117–71. 2.Gower E et al. Global epidemiology and genotype distribution of the hepatitis C virus infection. J Hepatol 2014; 61: S45-S57 3.World Health Organization (WHO). Hepatitis C. Fact Sheet N. 164. Geneva, Switzerland, 2014. 入手先: http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs164/en/ 4.World Health Organization (WHO). Guidelines for the screening, care and treatment of persons with hepatitis C infection. Geneva, Switzerland, 2014. 入手先: http://apps.who.int/iris/ bitstream/10665/111747/1/9789241548755_eng.pdf?ua=1&ua=1.26 for 240 causes of death, 1990-2013: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2013. Lancet 2015;385:117–71. 2 患者のサポート C型肝炎に罹患する人々は、診断時および治療期間を通して、 もっと多くのサポートと自分たちの健康状態に関する情報を望んでいる 5 十分すぎるくらい C型肝炎と診断されたときに与えられた情報が 4 非常に少ない と回答したのは 50%以上 1 非常に少ない 12.5 HCV Quest回答者の割合。72件の回答に基づいた国データ 3 調査した患者割合 23.6 (%) 51.4 12.5 調査結果 2 • 診断時に医師を通して提示された情報が 「ほんの少し」だったと回答したのは51%だったのに 対し、マレーシアではたった13%。診断時に希望または 必要とした量の情報を入手したと回答した人はいなかった。 • 支援のレベルに関して、「全く満足していない」と回答したのは 40%で、「非常に満足している」と回答したのは4%のみ。 • 診断時に患者団体との連絡を取り持たれたのは6%のみ だったが、その4倍以上の割合(27%)の患者が更に 情報を入手するために患者団体のウェブサイトを 使用した。加えて、現在患者団体のメンバーで あると回答したのは40%で、この値は地域 平均の24%を大きく上回っていた。 • C型肝炎に罹患していることで生活を変えた と回答したのは60%だった。そのうち アルコール摂取量を減らしたのが66%、 食生活を変えたのが39%。 これが 意味するところは? 患者らは十分な量の情報およびサポート を受けていると言うには程遠い これらの回答は衝撃的な結果を生み出している。 この分野は、日本が西太平洋地域において他国に大きく 後れを取っているものの1つであり、C型肝炎の診断において 人々に大きな影響を与えるものである。各患者は、 自分たちの健康を守るための情報およびツールを入手する 必要があり、特に重篤な疾患に直面する際に重要である。 患者らが必要な情報やサポートを患者団体に求めるという 実態はあまり驚くことではないが、診断時にそれらの 団体との連絡を取り持つ医療機関はたったの6%であり、 医療チームは自らが提供するリソースに患者らを 十分に導くことができていない。 3 HCV Quest 国別の報告 C型肝炎と共に生きることは困難 多くの回答者が、C型肝炎が身体的、情緒的および精神的な健康に 非常に大きな影響を与えた と感じた C型肝炎があなたの身体的、情緒的または心理的/精神的な健康に影響していますか? 身体的な健康に非常に大きな影響がある 29.4% 情緒的な健康に非常に大きな影響がある 17.9% 心理的/精神的な健康に非常に大きな影響がある 29.9% 国データに基づく回答者数(身体的健康 [n=68]、情緒的健康 [n=67]、心理的/精神的健康 [n=67]) 調査結果 • C型肝炎が身体的、情緒的または心理的/精神的な健康に 影響すると回答したのは70%以上。 • C型肝炎に罹患していることが仕事に「大きい」または 「ある程度の」影響を与えていると回答したのは 70%以上。 • C型肝炎が友人、家族、パートナーとの関係性に 悪影響を与えたと回答したのは回答者のおよそ 3分の1。 • C型肝炎の治療に直接関係する薬に加えて、 C型肝炎に関連する他の薬も摂取していた回答者の 42%が鎮痛剤を服用しており、回答者の16%が 抗うつ剤を服用していた。 4 これが 意味するところは? C型肝炎は人生のすべての側面に影響を与える 日本でC型肝炎に罹患する人々は、本疾患が彼らの 健康に与える影響は重大で、特に身体的および心理的な 健康に与える影響は大きいと回答した。 C型肝炎に罹患する人々へのサポートは、本疾患と共に生きる ことはその人のやる気、自信および全体的な身体の健康に影響を 与え得る様々な側面と、疾患への罹患が周りとの関係に与え 得る影響を考慮しなければならない。C型肝炎に一生罹らない 可能性をもたらす新しい治療は、人々の身体的および 精神的な苦痛を和らげるだけでなく、職業人生を 全うする自由も与えることになる。 患者のサポート C型肝炎に罹患する患者らは、概して各自の健康状態についてオープンだが、 それが職場に与える影響について認識している 職場または教育の場で、 差別を受けたことがあると 31.9% 回答したのは 3名中1名 近く HCV Quest回答者の割合。 72件の回答に基づいた国データ 5 気軽に話せる C型肝炎について上司または同僚と 23.6 気軽に話せないと感じると 回答したのが 50% HCV Quest回答者の割合。72件の回答に基づいた国データ 1 気軽に話せない 調査した患者割合 (%) 6.9 4 50.0 9.7 3 9.7 2 調査結果 • 身近な家族に健康状態について話したと 回答したのは99%、友人に話したのは54%、 同僚に話したのは40%。 • C型肝炎が同僚との関係に悪影響を 与えたと回答したのは38%。 • C型肝炎が原因で職場または教育の場に おいて差別を受けたと感じたと回答した のは32%、上司または同僚とC型肝炎に ついて話をすることを不快に感じると 回答したのは50%。 これが 意味するところは? 差別は職場での個人の健康に影響する C型肝炎が原因で職場または教育の場で差別を受けたと 感じたと回答した日本人の割合は、中国人回答者の割合よりも 少し低かったものの、マレーシアでの報告の倍となり、 オーストラリアでの報告よりも顕著に高かった。 疾患を打ち明けることから推測される結果に関わらず、日本では 比較的多くの人が肝炎に罹患していることを同僚に打ち明けている。 しかし、それによって関係性が悪化したと回答している人は多い。 肝炎に関する悪いイメージや差別は、国民理解の欠如から派生して いることが多い。誤った通念を一掃し、C型肝炎と共に生きる 人々に真のサポートを提供するための政府キャンペーンは、 日本で本疾患に罹患する人々に大きな違いをもたらすで あろう。個々の職場でも、健康状態に基づいた差別を 禁止することで、平等な機会を提供し、誰もが 可能性を追及することができるように しなければならない。 5 HCV Quest ツールキット C型肝炎に罹患している人々の生活を転換する ために自国で変化を起こす この報告書の使用方法に関する我々の提案: 診断時に検査や情報を利用できるように改善する HCV Questの国別報告書は、以下の活動をサポートする ためにご使用して頂けるツールです。 • 検査の機会を逃していることを示す報告データを強調 し、医療従事者の間で症状の認知度を改善するよう 政府に求める 支援運動 – メディア、政府、医療従事者 • C型肝炎に対応する政府および公共医療サービスを 向上する • 報告書の中で国や地域を比較したデータを利用し、 定期検査が早期発見や治療転帰の改善につながって いるなど他の国で実施されている方法を示す • 政府および国民の中でC型肝炎に関する認知度を 高める • 提示する情報や資料の種類について政府に助言し、 政府や医療従事者が資料を作成する際に協力する • 悪いイメージと差別をなくす • 利用可能な情報の欠如を強調し、十分な量の情報や サポートを診断時に患者に提供できるよう協力を申し 出る。その協力には、政府資料や肝臓グループなどの 国内団体のウェブサイトに患者グループの連絡先情報 を含めることを求めるなど、患者グループへのアクセ スなどが含まれる。 協力 – メディア、政府、医療従事者および患者 • 自国特有の問題の影響を強調する • 問題に取り組むためのサポートおよび助言を提供する C型肝炎の認知度および理解を向上させる • 調査データを使用して、C型肝炎の本当の影響や 以下に関する認識の重要性を政府や医療従事者に 明確に伝える: • 報告書からの引用や結果を使用し、人生を変えてしま う悪いイメージや差別について強調する - 精神的/心理的および情緒的な健康に対する 見えない負担 • 独自のオンライン調査など更なるリサーチを通して 差別の証拠を集める - 未治療疾患の個人的および社会的コスト • 報告書からのデータを使用し、具体的な差別禁止法を 通して差別を無くすよう政府に働きかける - 悪いイメージや差別が私生活や仕事に与える影響 • メディアに関する専門知識、調査の正確な情報への アクセスおよび患者のストーリーを提供することで、 C型肝炎への感染に関連した負担を強調する • 世界肝炎デーを利用することを宣言したWHA63.18に 対する政府の説明責任を追及し、国民認識を改善する • 世界肝炎デーに向けて提携するなど、政府キャンペー ンで協力を申し出たりサポートをしたりする 6 社会的に悪いイメージと差別を無くす 患者に自信を持たせ、治療決定への関与を増やす • 医院や病院が患者グループの連絡先や情報を入手して いることを確かにする • ワークショップの開催、ウェブサイトでの患者情報の 提示、パンフレットの配布などを通して、患者自身が 治療決定に関与する権利があることを知らせる • 更なる順守やより多くのリソース提供などによって 患者との関係が良くなることを医師に教育する。 この方法が成功している他の治療分野から医師を 参加させ、この議論を提案する 7 HCV Quest 国別の報告 治療を 受けたことがないか、 治療を受けたが今のところ 成功していない場合、 治癒はどういうことを 意味しますか? 人生の 大きな重荷を 軽くしたい 身体的および 情緒的なストレスの 解放 普通の 生活をする。 仕事をする。 8 「HCV QuestはAbbVieの公的支援によってサポートされています」
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