InfoWorks ICM v5.5.7 パッチリリースノート はじめに InfoWorks v5.5 のパッチ、v5.5.7 がリリースされました。 以下の不具合が改良されていま す。 リトライの最大数を超えると結果のアップロードが失敗する問題 InfoWorks ICM Agent サービスが改善され、ローカル/リモートエージェントが状態ファイ ルや結果をアップロードしようと複数の連続した処理を⾏う場合に過負荷になったとして も、よりローバストに機能するようになりました。これらの改善により、サーバーがビジー 状態になることでエージェントが状態/結果をアップロードできないために発生していたシ ミュレーションの失敗が減少します。 エージェントデータがコーディネータと一致しない問題 ICM Agent のステータスメッセージの取り扱いが改善され、シミュレーションエージェン トとコーディネータが同期されるようになりました。これにより、ステータス情報の矛盾に よって ICM Agent ジョブキューが停止するという状況が回避されます。 ICM Agent が不安定な問題 このリリースにより、ICM Agent に影響を及ぼしている内部的な状態管理⽅法が改善され、 Agent のジョブキュー管理がよりローバストになりました。 Agent のログが改善 Agent の通信問題の診断に役⽴てるため状態情報ログ機能が導⼊されました。 堤防越流が発⽣するモデルで 2D ゾーンからマンホールへの流量が⽋落する問題 河川区間と 2D ゾーン間の堤防越流を含むモデルにて、地表面の水位がマンホール内の水位 よりも高いにも関わらず、 場合によって 2D ゾーンから 2D 吐き⼝内への流量がゼロとなる ことがありました。この問題が解消されました。 高負荷下でサーバーへの結果のアップロードが失敗する問題 シミュレーションエージェントが高負荷下である場合、ジョブキューが停止したり、Agent に不具合が出たりすることがありました。これは、複数のシミュレーションがサーバーに対 1 して同時にファイルをアップロードしようとする競合状態が原因でした。この問題の状態は もはや発生しなくなり、高負荷下で「Unable to upload states/results to server」 というエラーによってジョブが失敗する数は大幅に減少しています。この他に結果のアップ ロードが失敗するケースもありますが、それらは個別の問題として現在対処しています。 CPU シミュレーション中に汚濁物質が 2D メッシュに輸送されない問題 初期条件でメッシュ上にゼロでない初期濃度を指定している場合を除いて、2D 汚濁負荷シミュ レーション中に、汚濁物質が 2D メッシュに輸送されていませんでした。GPU を用いるシミュ レーションには影響はありません。CPUを用いるシミュレーションについて修正が⾏われました。 ベースライン構造物を流れる逆流が CPU と GPU 間で異なる問題 逆流がベースライン構造物に対して正確に適⽤されていなかったため、順流と逆流に対して ⽔頭流量表が非対称となる場合に CPU を用いるシミュレーションにて問題が発生していま した。この問題が解消されました。 ある状況下でシナリオの複製オプションが失敗する問題 データベース内に⼤量のオブジェクトがある場合(32000 よりも多い場合など)、シナリオの 管理機能を使⽤してシナリオを複製して新規ネットワークを作成することができませんでした。 この機能の使用がデータベース内のオブジェクトの数によって制限されなくなりました。 HASP ID の設定が Agent Manager によって無視される問題 同じサーバーに 2 つの「new style」HaspHLNet ネットワークドングルがある場合、ICM Agent によって管理されるリモート ICM シミュレーションが Agent Manager にて定義 された HASP ID の設定に従っていませんでした。シミュレーションランをローカルで⾏う 場合同様、ユーザーインターフェースでは ID は認識されていましたが、リモートマシンに 送信され Remote Agent のコントロール下で実⾏されるシミュレーションについては認識 されていませんでした。これにより、エンジンのライセンス認証時に間違ったドングルが認 証されていることがありました。今回、ID が正しく認識されるようになり、正確なドング ルが認証されるようになりました。 ArcGIS 10.3 がサポート可能に このリリースで ArcGIS 10.3 と ArcEngine 10.3 がサポートされるようになりました。以 前は、これらの ArcGIS/ArcEngine のバージョンでは「ArcGIS product not installed」と いうエラーが発生していました。 2 ArcGIS レイヤーテーマを修正する際の不具合 このリリースで、レイヤープロパティダイアログ内で Ranged GIS レイヤーテーマの Upper Bound 値を修正すると発⽣していた不具合が対処されました。これは、ArcGIS / ArcEngine マップコントロールにのみ影響を及ぼします。 ジオデータベースへのエクスポートの際にエラーが発生する問題 「ネットワーク / エクスポート / ジオデータベースへ」 メニューオプションを使用すると、 「Map Data Importer Error ( HRESULT = -2147467263.)」というエラーが発生し ていました。この問題が解消されました。ネットワークを右クリックして⾏うジオデータベ ースへのデータのエクスポートには、この問題の影響はありませんでした。 2D 汚濁負荷シミュレーションに対して GPU の起動が失敗する問題 分析や結果を目的としてライン/ポリゴン結果オブジェクトを使用する汚濁負荷シミュレー ションが失敗に終わり、以下のメッセージが表示されていました: cudaSafeCall() Runtime API error : unspecified launch failure. この問題が解決されました。 原因不明のエラーによる GPU の不具合 ある GPU ハードウェアコンフィギュレーションでは、シミュレーションの実⾏時に不具合が 発生し、次のエラーが表示されていました: cudaSafeCall() Runtime API error : unknown error この問題は、NVIDIA Tesla C2075 カードでのみ⾒られており、すでに解消されました。 ブリーチを表すベースライン構造物に関する問題 この問題は、2D 内に貯水池を作成し、RTC コントロールを使用してブリーチを表すベース ライン構造物をモデル化する際に発生していました。この場合、ブリーチの高さが貯水池の ⽔位よりも低い場合にでも、流量を貯⽔池内に維持させることが可能でした。これは、⾼さ の突然の変化に近い要素の高さに関する計算にエラーが生じていたためとなります。これが 修正されました。 複雑なメッシュジオメトリに対してメッシュレベルゾーンの調整が失敗する問題 考慮すべきポリゴンが⼤量にある、複雑なメッシュジオメトリがある場合に、メッシュレベ 3 ルの調整操作が時々失敗に終わっていました。こうした複雑なジオメトリも正しく扱われる ようになりました。 2D モデリング機能に対し検証速度が改善 パフォーマンスの低下を引き起こすボトルネックが 2D モデルに関連した検証コードで特 定されました。これらのボトルネックが削除され、結果としてこれらの機能について検証時 間が削減されました。 4
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