【瀬戸】NGU教養スタンダード科目 宗教社会学 岡澤憲一郎 秋 火 3 社会科学の巨匠として知られるマックス・ウェーバーの宗教社会学的な研究を中心としながら、宗教と経済の関 係にせまっていきます。 ウェーバーの有名な命題、すなわち近代資本主義の精神的エネルギーとなった「(近代)資本主義の精神」、つま り「資本主義的エートス」が、プロテスタンティズムの現世内的禁欲に由来するという命題をとり上げ、それをさらに 歴史社会学的に展開していきます。 地域生態論 木村光伸 秋 木 1 自然、人間社会、文化構造など多くの条件によって多義的に表現される地域概念を、自然とりわけ生物社会のあ りようと人間の具体的な生活との関係として捉え、人間活動の基盤としての自然の重要性を理解させる。具体的な 事例として日本の里山環境、アマゾン熱帯林における自然共生型の生活、中国の辺境に暮らす少数民族の文化 と自然観などを取り上げ、現地から得た資料や映像を駆使して実感のともなう地域学習を展開する。 心理学概論 鈴木眞雄 秋 金 2 「人間関係」は2人や3人の間だけに生ずる関係のような狭い概念ではない。この概念には、一人 の心の中にあ る人間関係から、家族、友だち、学級、集団、社会等と、人間が関わる様々な関係を包括する広い概念である。こ の授業では、親子関係から、国際関係に置ける人間関係を中心に、人間科学的に理解し、これからの人間関係の あり方まで考えてみる。 医療の歴史 曽我良成 秋 水 2 人間の歴史は、また病気との戦いの歴史でもあった。現代の医学からみればとるに足らない方法であっても、そ の時代の人たちはそれなりの方法で病気や死と向かい合ってきた。国家や政府はどのような医療制度や政策を 行ったのか、医療従事者たちはどのような思想や技術で治療に当たったのか、また人々は病気や死とどのように 闘いそして受けとめてきたのか、振り返っていくことにする。 キリスト教概説 高見伊三男 春 金 2 キリスト教概説として、まず『聖書』における頂点である「新約聖書」について学んでいきます。『聖書』は、世界に おける永遠にわたるベストセラーです。また、西洋文化の基礎であるだけでなく、近年はアジア、アフリカなどにも 急増して読まれています。その『聖書』は、「旧約聖書」と「新約聖書」から構成されています。 「新約聖書」は、世界の最大宗教であるキリスト教の正典(「新約聖書」と「旧約聖書」)中の正典です。その中の 中心人物として、“イエス”と“パウロ”がよく挙げられます。イエスは神の(最愛の)子・救い主(王)と呼ばれていま す。またパウロは、初代教会におけるイエスの最大の弟子さらには使徒と言われています。そうしたイエスとパウ ロについて、「新約聖書」における注目すべきトピックを通して学んでいきます。彼らを学びつつ、私達は各自それ ぞれの人生の土台(岩なる土台)についての重要なメッセージを与えられるでしょう。 キリスト教学 高見伊三男 秋 金 2 キリスト教学として、『聖書』における基礎である「旧約聖書」について学んでいきます。『聖書』は、世界における 永遠にわたるベストセラーです。また、西洋文化の中核であるだけではなく、近年はアジア、アフリカなどでも急増 して読まれています。その『聖書』は、「旧約聖書」と「新約聖書」から構成されています。 「旧約聖書」は、キリスト教(正典)やユダヤ教(正典)やイスラム教(啓典)といった、世界の代表的な一神教にお いて、それぞれに重視されています。「旧約聖書」は、特にキリスト教においては、「新約聖書」(正典)に対して、予 言と成就、待望と目標といった関係にあります。さまざまな関係において、多様な人生が描写されていますが、全 体的に破れ多い、身近な人間性が印象的です。 この講義では、そうした「旧約聖書」から人間性豊かな信仰者たちとその希望について見ていきます。そうして、 私達が「旧約聖書」から「新約聖書」へと導かれていかれることを願うものです。そうした「旧約聖書」のすそ野から 「新約聖書」の頂へと…。 心身関係論 持田辰郎 秋 火 1 心と身体の関係は素朴な感覚の問題として見る限り、ただ具体的な相関関係を知れば充分と思われるかもしれ ません。しかし、その「関係そのもの」を理論的に考えようとすると、解きがたい難問にぶつかります。その意味に おいて、心の存在は(したがって心身関係は)人類最大の謎なのです。心についての近世以降の哲学の歴史はそ の難問に答えようと苦闘した歴史とも言えます。 この授業の前半では、心身関係の具体的事例を考察する「前の」、そこにある理論的な問題を《哲学的に》考え ていきます。心身のとらえ方がむしろものの見方に依拠していることを理解していただきたいと思います。具体的に は、デカルトの心身二元論の成り立ちやその後の哲学史上の問題、現代科学・現代哲学における心身関係のとら え方を紹介します。 後半では、「謎である」ことを踏まえたうえで、私たちの心の仕組みについての一つのモデルを考えていきたいと 思います。そこでの焦点は、時間と空間という枠組み、それと心の複数性と一性の関係です。 哲学史 持田辰郎 秋 火 2 哲学を学ぶこととは単に「哲学史の知識を知る」ことではないのですが、「哲学する」ことを学ぶには、哲学史上の 知識は必要です。この授業では、中世以降の西洋哲学史の流れに即し、各時代の主要な哲学者、著作、そこでの 主な問題、使われている諸概念等をできるだけ整理して紹介します。とりわけ、各時代に特徴的な問題について は、現代的に問い直して紹介したいと思います。そこでの主要な問題は「宗教的なものの見方」と「科学的なもの の見方」です。それぞれ、私たちの世界の見方、人間の捉え方の一つです。その考察を通じて、自分で考える訓練 をおこない、ひいては考え方そのものの多様性を理解していただきたいと思います。 哲学 持田辰郎 春 金 2 主に始めて哲学を学ぶひとのために哲学の諸問題と基礎知識を説明します。具体的には、「哲学とは何か」、 「形而上学とは何か」、「個と普遍の問題」、「科学とは何か」という4つのテーマにそって、それぞれ代表的な哲学 者の意見の紹介を交えながら説明します。 私たちは日々、様々なものを見聞きし、それについて考え、判断し、その結果に基づいて行動しているわけです が、特に重大な決断の場合は別として、「そうしている」という意識もなしに「そうしている」と思います。私たちの日 常は、ほぼ完全にパターン化されており、そうであるからこそ生きてゆけるのでしょう。さて、普通私たちはその「パ ターン」について考えることはないのですから、それに含まれることについて問われるならば、「当然だ」、「何を馬 鹿なことを問うのだ」としか答えようがありません。 哲学を学ぶにあたって、まず最初にすべきことは、そのように「当然だ」と思っていること、あるいは当然すぎて考 えもしないことが、必ずしもそうではないということを知ることでしょう。多くの場合、時代や地域性に制約された「先 入見」にすぎないのです。そのような私たちの思考の枠組み自体を問いなおし、多様な考え方がありうることを理 解していただきたいと思います。
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