2015年10月号 - 同志社大学附属 同志社国際学院 Doshisha

The Learner
Doshisha International Academy, Elementary School
September 25, 2015
Volume 51
9 月 8 日から 15 日まで、ボストン、アーモストへの
6 年生の修学旅行に同行しました。今回の修学旅行の主
な学びの目的は、新島襄の足跡を辿ることと、米国 IB
PYP 校との交流でした。初等部としては第 2 回目とな
る修学旅行ですが、回を追う毎に深さを増して行きた
いと考えています。新島襄の足跡に関しては、新島襄
の米国での育ての親である Hardy 夫妻が眠る Hardy 一
族の墓地への参拝を加えました。IB PYP 校との交流に
関しては、昨年と同様に相手校を訪問・交流すること
に加えて、翌日に 1830 年代のニューイングランドの生
活を再現した Old Sturbridge Village への合同フィール
ドトリップを行いました。また、様々な理由でボスト
ン、アーモストには行けなかった 6 年生には、初めて
の試みとして補講を実施しました。今後とも単純にイ
ベントの追加に拘泥することなく、既存のイベントに
おいても学びの深さを一層増すことを含め、初等部で
の宿泊学習の総仕上げに相応しい修学旅行と言えるよ
う、更なる深化を目指したいと考えています。
さて、8 日間の修学旅行を通して、6 年生の皆さんは
様々な、そして大きな学びを得たと確信しています。
それは、新島襄の足跡を自ら辿り、Hardy 一族の墓地
やアーモスト大学を始めとする同志社や自分達のルー
ツを肌身に感じ、共同生活の楽しさや難しさ、見知ら
ぬ土地で皆が協力して安全を確保することの意味や大
切さ、普段とは違った環境に晒されることによって新
たに認識した自分を IB の Learner Profile(学習者像)
に照らし合わせて振り返るといったことです。ボスト
ンでの最終日の夜の集いで、6 年生の皆さん全員が、学
んだことを立派に披露してくれました。
その際に、今回達成できたことだけではなく、達成
できなかったことも明確に認識することを、私からは
お願いしました。それは、今回達成できなかったこと
を悔いるだけではなく、将来必ずやり遂げることを胸
に誓うことが大切だとお話する為でした。今できない
ことも、必ずできるようになると自信を持ち続けるこ
とが重要で、できないと諦めてしまうと、一生できな
くなるとお話しました。今回の悔しい思いが、大きな
力となると考えます。また、今回達成できたと思うこ
とも、今回の達成を自信として、更に上へ、更に完成
に近いものを目指す気持ちも重要だと考えます。必ず
向上、達成できると信じることによって、ひと回りも
ふた回りも成長するチャンスを掴めると思います。
最も重要なのは、今できないことも、できることも、
もう一歩前進するのを楽しむことで、できないことと
毎日睨めっこをして、嫌な気持ちになる必要はないと
思います。暫くそのことにチャレンジしない時期があ
っても良く、次のチャンスが目の前を通り掛かるのを
確実に掴めば良いとお話しました。更に、自分が成長
すれば、他人にも思いやりをもって接することができ、
他の人も一緒に成長することが何よりも大切だと考え
ます。これらは、修学旅行の機会に改めてお話したこ
とですが、6 年生のみならず、全ての学年のお子さん達
に当てはまることは容易
にご理解頂けると思いま
す。保護者の皆さんと一
緒に、お子さん達の限り
ない成長をお手伝いでき
ることを願っています。
校長 横田 健司
同志社国際学院初等部
Doshisha International Academy Elementary School
7-31-1 Kizugawadai, Kizugawa City 619-0225
〒619-0225 木津川市木津川台 7-31-1
http://www.dia.doshisha.ac.jp/
キリスト教 教育テーマ
10 月:誠実
October :Honesty/Integrity
同志社という名前には真ん中に「志」という文字があります。多くの大学名は地名であったり元号であ
ったりしますが、なんと格好のいい名前でしょうか。先日、元同志社大学神学部教授の本井康博先生のお
話を聞く機会があり、新島の志は、「自由教育、自治教会、両者並行、国家万歳」という言葉に表れてい
るように、教育と教会を車の両輪のように働かせて、人づくりを目指したことだと教えていただきまし
た。同志社大学から志がなくなると同社大学、または本井先生のユニークな言葉をお借りするならば、
京都の御所北大学になってしまいます。新島が牧師であったことをいつも心に、新島の志を DIA のみんな
で受け継いでいきたいと思います。
Christian Education Committee 青田 忍
<報告>
・9 月の『おにぎりけんきん』活動報告
お子様を通じて皆様からお預かりいたしました献金金額は、19,028 円でした。
尊い献金に心より感謝申し上げます。
・10 月の『おにぎりけんきん』活動は、10 月 13 日(第二火)に行います。
・10 月の保護者のための『聖書の会』は、10 月 16 日(金)10:00~
1 階カンファレンスルームにて
・10 月の Moms in prayer は、10 月 15 日(木)10:00~
2 階ペアレンツルームにて
Christian Education Committee 石川 眞弓
子育ては親育ち
下の娘は今年、二十歳になる。成人を迎えようとしている娘のことを思い起こしてみる・・・。彼女
が生後 8 ケ月の時、北海道に行く家族旅行のその日に部屋に落ちていたおはじきを飲んでしまい、あわ
てて病院に行ってレントゲンを撮るとそこに丸い影が映っていたこと。小学校の時に毎日のように聞い
ていた音読。なかでも、「ちいちゃんは、ふらふらする足をふみしめて立ち上がると、たった一つのかげ
ぼうしを見つめながら、数えだしました。 『ひとうつ、ふたあつ、みいっつ。』・・・」3 年生の時の
『ちいちゃんのかげおくり』の時には、いつも途中で聞いている私が泣いてしまい、それをごまかすの
が大変だったこと。思春期には(うちの下の娘の場合は、口かずがぐんと少なくなった)赤ちゃんの頃
の可愛かった写真をリビングの壁やタンスの上…あちこちに飾って、それを話題に少しでも娘と話をし
ようと試みたこと・・・。バレエの発表会では、いつも娘よりも緊張して客席で見ていたこと。思い出
は尽きない。そんな娘が今年の私の誕生日にくれたメールが「誕生日おめでとう。いつもいっぱい迷惑
かけて、いっぱいいっぱい大変なのに、ここまで面倒みてくれてありがとう。母さんの子どもで本当に
よかったよ。母さんが大好きです。生まれてきてくれて、産んでくれてありがとう!これからも元気に
無理せずがんばってね!」だった。昨年度、大学生になり、自宅から離れ、一人暮らしをしている娘。
親元を離れたからこそのメールだったのだろう。
子育ては親育ちというけれど、本当にそう思う。一筋縄ではいかない。自分の思い通りにもいかな
い。つらいことも、しんどいことも数え切れないほどあった。教師という仕事柄、娘の参観はもちろ
ん、入学式や運動会などにも行けず、寂しい思いをさせた。仕事と育児のはざまで葛藤した時期ももち
ろんあった。でも、それ以上に数え切れないほどの喜びを私は娘たちからもらった。
今思うと、子育ての時期はあっという間に過ぎ去ってしまったように思う。だからこそ、どうぞ子育
て真っ最中の方には楽しんで味わってほしいと思う。私自身が今、もう一度娘にあの可愛い声で音読し
てほしいと願ってもかなわぬ夢だからこそ・・・。
1 年 1 組担任 上里
久美
10 月の主な行事・予定
今月はしばらくお休みしていました Learner Profile にかか
わる本の紹介に戻り、
“Principled”をテーマに選んでみました。
まずご紹介したいのは、『おやすみなさいフランシス』です。これ
は日本とはずいぶん違う寝つく時の欧米の習慣を教えてくれる
絵本です。夜の7時。あなぐまの女の子、フランシスはもう寝る時
間です。おとうさんとおかあさんとキスをし、おやすみなさいを
言って、ベッドに入りますが、眠れません。部屋の隅のほう
に、とらがいる?いすのところに大男がいるみたい?ベッドか
ら出て両親に訴えてもやさしくたしなめられて戻るのです。寝
る時刻にも厳しいし、一人で寝るということも徹底していま
す。Principled で自立できるようにしているのでしょうか。
次の本は『おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ』で
す。この本は少し長い物語ですが、低学年の子どもたちにおす
すめの楽しい幼年文学の傑作です。リスのゲルランゲはおそうじが
嫌いで、他の兄弟たちがしっぽで食べかすのおそうじをしてい
てもしらんぷりです。何を言われても、オオカミにつかまっても
「でもぼくはお掃除だけはおぼえたくありません」の一点張
り。あまりにもストレートに「掃除をしない」ということだけを貫
くゲルランゲと、それに振り回される少し間抜けなオオカミのやりと
りがおかしくてたまらない物語です。Principled でないゲルラン
ゲの強情さがこっけいで、読んでいてどことなくかわいく思え
てしまいますが、でもやっぱり「Principled になろうよ!もう
っ!!」と心の中で叫んでしまいます。
最後にご紹介するのは『としょかんライオン』という絵本です。
図書館にライオンが??はじめはびっくりしますが、そのライオンは
「大きな声を出さない」「走らない」というような図書館のき
まりを覚えて、きちんと守り、お話を楽しんで聞き、いろいろ
なお手伝いもしてくれる Principled な人気者になります。事件
が起き、大声でほえてしまうまでは。
決まりを破ってしまったので図書館に入れなくなり、しょん
ぼりと外でたたずむライオンがとても悲しそうで胸が痛みます。大
声でほえずにいられなかったのは、大切な館長のメリウェザーさん
が図書館で転んで骨を折ってしまった事を知らせたかったから
なのです。それが伝わったとき、再びライオンは図書館の人気者に
戻ります。ルールは守らなければならないけれども、時と場合に
よってはそれを破ってもいい、いや破らなければならない、と
判断することも正しいということですね。
School Library
『おやすみなさいフランシス』
ラッセル・ホーバン著
ガース・ウイリアムズ絵
松岡享子訳
(福音館書店)
『おそうじをおぼえたがらない
リスのゲルランゲ』
ジャンヌ・ロッシュ・マゾン著
堀内誠一絵
山口智子訳
(福音館書店)
『としょかんライオン』
ミシェル・ヌードセン著
ケビン・ホークス絵
福本友美子訳
(岩崎書店)
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入試(在校生休校)
入試(在校生休校)
G5 授業参観
G3 授業参観
午前授業(PYP 教員研修)
G1
宿泊
避難訓練
G2 授業参観
G5 宿泊
G6 授業参観
G1(AM)/G4(PM)授業参観
スポーツデイ
代休日
スポーツデイ予備日
ハロウィーン
11月の主な行事・予定
11/7
11/9
11/18
11/20
11/27
11/29
きずな祭
カンファレンスウィーク(~13 日まで)
午前授業(PYP 研修)
点灯式
(女子大点灯式)
創立記念日
10月の PYP Attitude
Integrity / 誠実
<お知らせ>
①午前授業日のバス運行(下校)は以下の通りです。
【9/30(水)入試前日】
【10/8(木)PYP 教員研修】
◎1 年生~3 年生:祝園・登美ヶ丘 13:15
◎4 年生~6 年生:祝園 13:45、登美ヶ丘 13:55
②PYP NEWS とリレーエッセイ②は、本号ではお休みさせ
ていただきました。ご了承ください。