米国環境産業動向 - 日本産業機械工業会

情 報 報 告
シカゴ
●米国環境産業動向
米国の温室効果ガスの排出量、2013 年に前年比 2%増加し 2005 年比では 9%減
米国の温室効果ガスの排出量は、2013 年に前年比で 2%増加し 2005 年レベルと比べると 9%減少し
たことが、環境保護庁(EPA)が 4 月 14 日に発表した『第 20 回米国温室効果ガスインベントリー
(20th U.S. Greenhouse Gas Inventory)』で明らかになった。部門別の排出量では、発電所が全体の
31%を占めて最大の排出源となり、次いで運輸部門が 27%、工業・製造業部門が 21%と続く。2013 年
に米国の排出量が増加した原因は、米国経済の全部門を通してエネルギーの消費量が増えたことと、発
電向けに石炭の使用量が増えたことなどが挙げられる。また、EPA は今年から部門や年毎に排出量デ
ータの閲覧やダウンロードが可能なオンラインツール『温室効果ガスデータエクスプローラー
(Greenhouse Gas Inventory Data Explorer)』を開始した。
カリフォルニア州、温室効果ガスの排出量を 2030 年までに 40%削減を目指す
カリフォルニア州のブラウン知事は、同州の温室効果ガスの排出量を 2030 年までに 1990 年レベル
よりも 40%削減させるという行政命令に 4 月 30 日に署名した。これは、アーノルド・シュワルツネッ
ガー前知事が設定した最終目標“2050 年までに 1990 年レベルより 80%削減する”に向けた中間目標
をさらに進めたものである。カリフォルニアは、これまでの中間目標“2020 年までに排出量を 1990 年
レベルに戻す”に向けて順調に進んでおり、今回の新しい中間目標によって再生可能エネルギーの配備
もさらに促進されると考えられる。一方、同州では史上最も厳しい節水命令が出されており、エネルギ
ーを大量に使用する海水淡水化工場の建設など、排出量削減と節水という 2 つの対立する課題のなかで、
難しい選択を迫られるケースも予想される。
2015 年 1-3 月の地球の平均温度、観測史上 134 年間で最高値
2015 年 1-3 月の地球の陸地と海洋を合わせた平均気温は、1880 年に観測を開始して以来の 134 年間
で最高値となったことが、米国海洋大気庁(NOAA)から 4 月 17 日に報告された。20 世紀の同期平均
気温よりも 0.82℃高くなった。また、2015 年 3 月の月間平均気温も過去最高となり、20 世紀の同月平
均気温よりも 0.85℃高かったという。これに先立つ 2014 年は、観測史上 134 年間で最も地球の平均気
温が高くなった年であり、とりわけ海水温度を上昇させる主要因であるエルニーニョ現象がなかったに
も拘らず史上最高温度となったことが注目される。カリフォルニア州では、2014 年 9 月から 2015 年 3
月まで連続 7 ヶ月間、過去最高の月間平均気温を記録した。今年は東太平洋でエルニーニョが発達して
いることもあり、2015 年末までこの記録的な気温の高さが続く可能性が高い。
カーボンニュートラル都市同盟、2050 年までに排出量 80%削減を誓う
世界 9 ヶ国の 17 都市の市長が結集して、温室効果ガス排出量を 2050 年までに 80%削減することを
誓う『カーボンニュートラル都市同盟(Carbon Neutral Cities Alliance)』が 3 月 27 日に発足した。
都市が掲げる排出量の削減目標としては、世界で最も意欲的な数値である。気候変動に関する政府間パ
ネル(IPCC)によると、深刻な生態系の変化を避けるには地球の平均気温の上昇幅を 2℃以下に抑え
る必要があり、そのためには 2050 年までに排出量を 2000 年レベルより 80%削減しなければならない
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という。参加する都市は、米国のニューヨーク、サンフランシスコ、ボストン、シアトル、ワシントン
DC、カナダのバンクーバー、日本の横浜、イギリスのロンドン、ドイツのベルリン、オーストラリア
のシドニー、メルボルンなどである。具体的な活動としては、カーボンニュートラルの手法や分析方法
の開発、主要な都市部門における成功例の共有、州や連邦レベルへの政策提唱などが挙げられる。
米国、2030 年までにエネルギーの輸出が輸入を上回る可能性
米国は、早ければ 2019 年、遅くとも 2030 年にはエネルギーの輸出が輸入を上回ってエネルギー純
輸出国になる可能性があることが、エネルギー省のエネルギー情報局(EIA)から 4 月 14 日に発表さ
れた。原油価格は 1 年前より 50%近く値下がりしたものの、IEA による米国の予想石油生産量は昨年
よりも増加し、2020 年には原油生産量が日産 1,060 万バレルに達すると予想される。ディーゼルや超
軽質原油などの精製燃料と天然ガスの輸出可能量が増えることで、1950 年代以降 60 年間も続いたエネ
ルギー純輸入国から純輸出国へと転換する可能性がある。EIA は、原油価格や経済成長に基づいて 6 つ
のシナリオを想定しており、原油の値上がりが早い場合は 2019 年にも米国は純輸出国になり、原油の
値戻しが遅れても 2030 年には純輸出国になるという。また、安価な天然ガスが豊富に供給されること
で、化学製品、金属、パルプや紙製品などエネルギーを大量に使用する国内の製造業や重工業が大きな
恩恵を受ける。さらに電力料金が抑制されるため、電力を多く消費する産業にとっても利点が多い。
2015 年の米国の発電業界、老朽化した石炭火力発電の閉鎖
2015 年に、米国内では石炭火力発電所 23GW の運転が停止され、2019 年末までにさらに 30GW が
閉鎖されると予想されることが、ブルームバーグ研究所から 4 月 8 日に報告された。石炭火力発電所の
閉鎖が相次ぐ背景には、天然ガス価格の値下がりに加えて、2015 年 4 月 16 日から新しい水銀排出量基
準が実施され、50 年以上運転を続けた古い石炭火力発電所の運転が難しくなることが挙げられる。閉
鎖される石炭火力発電所の 70%がミシシッピ川以東に集中している。
また、2017 年までに廃止もしくは縮小される再生可能エネルギー電力の税額控除に間に合わせるた
め、再生可能エネルギー発電所 18.3GW が建設されると予想される(このうち太陽発電プロジェクトが
9.1GW、風力発電が 8.9GW)。その結果、2015 年の電力事業における温暖化ガス排出量は 2005 年比
で 15.4%減少し、1994 年以来最も少なくなると予想される。
米国初の洋上風力発電、ロードアイランド州ブロック島沖合いに建設開始
規制上の問題や住民の反対等によって長く停滞していた米国初の洋上風力発電の建設が、ロードアイ
ランド州の沖合いに 4 月 27 日についに開始された。ディープウォーター(Deepwater)社によるブロ
ック島(Block Island)プロジェクトは、2 億 9 千万ドルを投じて 2016 年までに同島周辺に 5 基のタ
ービンを建設する予定である。30MW の洋上風力発電は、現在ディーゼル発電で賄っている同島の
1,000 人の住宅や事業に十分な電力を供給できるうえに、電気料金はこれまでより 40%安くなると試算
される。また、バージニア州でも試作タービン 2 基が 2017 年までに建設される予定で、試運転後には
本格的な洋上発電所の建設も検討されるという。米国の洋上風力発電は、ヨーロッパや中国に比べて著
しく遅れを取っており、ヨーロッパでは 11 ヶ国で 2,500 基もの洋上風力タービンが 8,000MW の発電
容量を誇り、中国でも 2,000MW の洋上風力発電が建設されている。
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オバマ大統領、2020 年までに 7 万 5 千人の太陽発電従事者を育成するプログラム開始
オバマ大統領は、2020 年までに 7 万 5 千人の太陽発電システム従事者を育成する連邦プログラムを
開始する計画を 4 月 3 日に訪問中のユタ州空軍基地で発表した。米国の太陽発電業界は、2008 年から
2014 年の 6 年間で 20 倍に成長しており、2014 年には太陽光発電システムが 6,201MW、集光式太陽熱
発電が 767MW 設置された。同業界に従事する労働者の数は、他業界の 10 倍の速さで拡大しており、
その多くが建設と設置部門である。特に、太陽パネル設置済みの米軍国内基地 10 ヶ所で引退兵士に 4
~6 週間の集中的な訓練を提供するプログラムは、試験段階でも大きく成果を上げている。参加者は、
太陽パネルと電気系統を設置する技術、建築基準の解釈法を学べるほか、販売員や太陽システム検査技
師として働く技能も身に付けることができるという。
自動車メーカー、高級モデルを中心に北米と中国で利益拡大
世界の大手自動車メーカーは、高級モデルの生産が増加して北米と中国を中心に利益が拡大している
ことが、経営コンサルティング企業マッキンゼー(McKinsey)社から 4 月 1 日に報告された。世界の
自動車大手 21 社は、2014 年に営業利益 1,270 億ドルを計上しており、そのうち約 70%は北米と中国か
らであった(前年は 65%)。金融危機の 2008 年の 50 億ドル、2009 年の 60 億ドルと比べて大幅に増
加している。2014 年の高級モデルの売上台数は全体の 12%に過ぎないものの、利益では全体の 38%を
占めた(前年は 33%)。北米では、SUV とクロスオーバー車のシェアが大きいほか、利益率の高いピ
ックアップトラックが堅調に伸びており、この分野への新しいメーカーの参入も多い。中国は、近年鈍
化しつつあるもの販売台数が順調に伸びており、とりわけ高級車市場の拡大が著しい。一方、過去 10
年間に自動車業界が大きく投資を行ったブラジル、ロシア、インドなどの新興大市場では、未だ期待さ
れたほどには販売台数や利益が伸びていない。
フォード社、自動車向けカーボンファイバーの大量生産を目指した共同開発
フォード自動車は、自動車の軽量化と燃料効率をさらに改善するために、自動車向けカーボンファイ
バーの大量生産技術をトルコの DowAksa 社と共同で開発していく契約を 4 月 17 日に結んだ。カーボ
ンファイバー製の部品は、大量生産技術が確立されておらず価格が高額になることから、自動車業界へ
の導入が遅れている。両社は、自動車の強度要件を満たしつつ鋼鉄よりも軽いカーボンファイバー部品
を、費用効果の高い方法で大量生産することを目標としている。フォード社と DowAksa 社は、エネル
ギー省の支援を受けた『全国製造革新ネットワーク』の一部である『先端複合材料開発委員会
(Institute for Advanced Composites Manufacturing Innovation:IACMI)』に参加している。
アメリカン航空、パイロットのアイパッドの航路表示アプリ不具合で 70 便以上が遅延
アメリカン航空では、パイロットが利用するアイパッド(iPad)の航路表示アプリの不具合が原因で、
4 月 28 日から 29 日に合計 70 便以上のフライトが遅延した。バージニア州のロナルド・レーガン・ワ
シントン・ナショナル空港のターミナル図が重複したことが原因とされ、パイロットが一旦アプリを削
除して再インストールするために WiFi 接続のあるゲートまで機体を戻さなければならなかった例もあ
る。アメリカン航空は、2013 年にパイロットにタブレットを配布して、15kg 以上ある紙の航路図や手
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引書をアプリに切り替えた。同社では、現在 8,000 個のアイパッドを利用しており、この電子化によっ
て年間 100 万ドル以上の燃料費を節約できたという。また、ユナイテッド航空は 2011 年、デルタ航空
は 2013 年からタブレットを利用しているが、今回のようなトラブルは初めてのケースである。
エネルギー省、太陽光と水と CO2 から燃料を生成するプロジェクトに 7,500 万ドルを出資
エネルギー省は、太陽エネルギーと水と二酸化炭素から輸送燃料を生成することを目指して 2010 年
に創設された人工光合成共同センター(Joint Center for Artificial Photosynthesis)を延長するため、7,500
万ドルを出資することを 4 月 28 日に発表した。同センターは、太陽エネルギーから燃料を作るという
壮大な目標を実現するために、科学的突破口の発見に焦点を絞り、最初の 5 年間の研究で人工光合成シ
ステムの組成物を識別する物質ライブラリーや評価ツールを開発した。同センターは、カリフォルニア
工科大学とローレンス・バークレー研究所を中心に、人工光合成の世界最高の研究者を集めている。
リビング・ビルディング・チャレンジのエネルギーと水の認定要件、LEED と同等に認める
米国グリーンビルディング協会(USGBC)は、国際リビングフューチャー協会(International
Living Future Institute)が開発した『リビング・ビルディング・チャレンジ(Living Building
Challenge)』のエネルギーと水に関する認定要件を、同協会の LEED(環境性能評価システム)基準
と同等に認めることを 4 月 3 日に発表した。米国グリーンビルディング協会は、数年前から LEED 認
定手続きの迅速化と、世界の他のグリーン建築基準との相互補完に取り組んでおり、2012 年にはイギ
リスのグリーン建築評価システム BREEAM(Building Research Establishment Environmental
Assessment Method)からのエネルギークレジットを LEED 認定のために利用できると発表している。
シカゴ市、12 年間で蓄積したビッグデータを活用して都市問題を解決
シカゴ市は、ネズミ被害や落書きなど、住民からの苦情データを 12 年間にわたって蓄積しており、
このビッグ・データ(大規模データ)を活用して都市問題に発生前から対処する取組みを行っているこ
とが 4 月 29 日に紹介された。集積した苦情データからネズミの繁殖箇所や時期などを予測し、保健所
が先手を打って駆除を行うことができるため、従来より 20%も効率性が改善されたという。シカゴ市
は、2012 年 9 月から無料 WiFi 接続サービスを公共の場所に設置しており、公共データを交通渋滞の緩
和、予防接種の会場探し、道路の雪かきの迅速化などに利用している。またシカゴ警察は、過去 3 年間
の警察への通報を分析して、犯罪パターンを事前に予測する取組みを行っている。実際に銃撃事件を数
分前に予測した例もあるという。シカゴ市は、2016 年までに全ての市政府機関にビッグ・データを活
用した予測分析手法を配備することを目標としている。
ワイヤレス通信の急増で通信タワーの事故が増加
労働省の労働安全衛生局(OSHA)は、建設現場における落下事故を防止するキャンペーン『全国安
全スタンドダウン』を 5 月 4-15 日に開催する。落下事故は、2013 年の建設現場における深刻な事故
828 件のうち 291 件を占め、建設作業員の死因として常にトップである。また、過去 30 年間でワイヤ
レスやブロードキャスト通信が飛躍的に伸び、通信タワーの建設やメンテナンスの需要が激増した。作
業員は、高さ 30 メートルから 600 メートルという高所に定期的に登り、落下や構造的な崩落、天候に
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よる危険などに常に晒されている。米国の通信タワーに関連する作業員の死亡者数は、2011 年に 6 人、
2012 年に 2 人、2013 年に 13 人、2014 年に 12 人であった。OSHA は、通信タワー事故を防止するた
めに、ワイヤレス業者や作業員、建設管理会社、メンテナンス企業などから情報を募集している。
IoT(物のインターネット)、今後 10 年で 8 兆ドル規模に成長
IoT(物のインターネット)は、今後 10 年間で 8 兆ドルの価値を生み出すと予想されることが、物流
大手の DHL 社と市場調査会社シスコ(Cisco)社から 4 月 15 日に共同報告書で発表された。インター
ネットに接続される機器数は、現在の 150 億台から 2020 年までに 500 億台へと増加し、そのうちコン
ピュータ(PC やタブレット、スマートフォンを含む)が占める割合は全体の 17%のみ、残りの 83%は
IoT が占めると予想される。最も大きな価値を生むのは技術革新/収益部門と、資産活用部門であり、
それぞれが 2.1 兆ドル、次いで供給網/物流部門が 1.9 兆ドル、従業員の生産性向上が 1.2 兆ドル、顧
客経験改善が 7,000 億ドルと予想される。
電子廃棄物、米国と中国で世界の 3 分の 1 を占める
コンピュータや携帯電話などの電子廃棄物が最も多いのは米国と中国であり、両国を合わせると世界
の 3 分の 1 を占めることが、国連大学から 4 月 20 日に発表された。2014 年の世界の電子廃棄物量は
4,180 万トンとなり、これは 18 輪の大型トラック 115 万台の積載量に相当し、このトラックを一列に
並べるとニューヨークから東京を往復できるほどの量である。一方、国民 1 人当りの電子廃棄物量が多
いのは、ノルウェー、スイス、アイスランド、デンマーク、イギリスといった北部と西部ヨーロッパの
富裕国だという。電子廃棄物のうちリサイクルやリユースされるのは 6 分の 1 に過ぎず、大半はアフリ
カなど発展途上国に送られて埋立て処分される。また、中国やインドなどで中産階級が成長するのにと
もない、電子廃棄物量は 2018 年までに 21%増加して 5 千万トンに達すると予想されている。
ウェイスト・マネージメント社、リサイクル部門の不振で赤字決算
廃棄物回収とリサイクル の大手ウェイスト・マネージメント(Waste Management)社は、2015 年
第 1 四半期(1-3 月)の一般会計原則による収入が前年同期比 10.5%減の 30 億ドルで、1 億 2,900 万ド
ルの純損失となったことを 4 月 29 日に発表した。前年同期は収入が 34 億ドル、純利益が 2 億 2,800 万
ドルであった。今期の損失のうち 2 億 2 千万ドルは短期所有の埋立地など事業を分離した影響によるも
のであるが、営業上の最大要因は、リサイクル部門の収入が 7 千万ドル減少したことであり、ガラスの
リサイクルだけで 600 万ドルの損失になった。リサイクル材の価格は続落しており、リサイクル材の平
均価格は前年同期比で 14.1%下がり、昨年はリサイクリング工場を 4 件閉鎖した。ウェイスト・マネー
ジメント社の CEO スタイナー氏は、「リサイクル部門は我が社にとって利益を生まず、工場を閉鎖す
るしかない。リサイクル材価格は過去最低値を更新中であり、留まる気配もない。」と述べている。
カリフォルニア州、段階別水道料金制度が却下される
カリフォルニア州が記録的な水不足への対策として水使用量の 25%削減を全州に義務付けるなかで、
最も有効な節水手段として期待されている段階別水道料金制度が、同州オレンジ郡の控訴裁判所で 4 月
22 日に却下された。水を大量に使用する消費者に対して使用量に応じて通常よりも高い料金単価を設
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定する段階別料金制度は、オレンジ郡のサンファンカピストラーノで提案されたが、配水に支払う料金
とサービスに要する費用を関連付ける証拠を提示できなかったため、実際の費用以上の請求を禁じる州
法 218 条に違反すると判断された。裁判所のこの判断は、水不足に悩む同州で批判を浴びており、ブラ
ウン州知事も、地方自治体は全ての可能な節水手段を採用すべきという方針を強調している。
チポトレ、ファストフード店として初めて GMO 原料を廃止
コロラド州デンバーに本社を持つメキシコ料理ファストフード・チェーンのチポトレ(Chipotle)は、
ファストフード業界で初めて遺伝子組み換え食品(GMO)原料の利用を廃止したことを 4 月 27 日に発
表した。農務省農業統計局によると、米国で生産されるトウモロコシの 94%、大豆の 93%が GMO で
あり、米国で消費される食品の 80%以上には GMO 原料が含まれているという。EU の全加盟国や日本、
中国、オーストラリアなど世界 60 ヶ国以上が GMO を含む製品に表示を義務付けているものの、米国
には依然として法的な規制がない。カリフォルニアなど州レベルで規制の動きがあっても、業界の巨資
を投じた圧倒的なキャンペーン活動によって成立を阻まれている。バーモント州のように GMO 表示義
務付け法案が可決された州もあるが、業界の強い反発に合って現在訴訟中である。
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