第7回「適材適所」(2014/09/18掲載)

花 と おじさん
- Yuki & Sho 第7回
『適材適所』
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© 2014 Technostar Co., Ltd. 登場人物
Yuki
Sho
所属:株式会社テクノスター
所属:株式会社テクノスター
入社5年目.
以前は,二輪メーカのY社で
エンジン設計やCAEを担当した
この道ウン十年のベテラン.
何の因果かCAE業界に入っ
てきた理系女.
今は技術顧問としてYukiと
同じ職場に!
主な仕事は,仕様書の作成、
ソフトウェアのテストに受託
業務も!
Yukiにとっては何でも相
談できる,父親みたいな
存在である.
専門用語や業界用語にまだ
まだ四苦八苦している.
得意のボルトの話で、うかつに
もYukiから指摘をうけたSho。最
近焼きが回ってきたのか・・・。
ボルトの大切さと
Shoの設計の詰めの甘さが
分かるようになってきたYuki
(ちょっと心配気味)。
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© 2014 Technostar Co., Ltd. YukiはPreの仕様書作成に、要素作成機能が色々登場するので、どういう使われ方をするのかいつも疑問に
思っていた。ここはひとつShoに聞いてみよう。
解析のモデル作成では色々な要素を使うと思い
ますが、どうして色々な要素が必要なんですか?
そうですね。
解析するには解析したい物の形を要素に
分割して表現する必要がありますよね。
ソリッド要素
そこでこの形に合った要素を使い分けることになります。
その中でも一番簡単な方法はソリッド要素、
それもTETRA要素を使って自動作成することですね。
最近は3D‐CADが当たり前になりましたから、
設計段階ですでに部品形状はCADのソリッド
モデルで作成されることが多くなりました。
3Dデータがあれば、どんな形状でも自動で要素
作成が出来ます。
TSVはこれが得意なソフトですよね。
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© 2014 Technostar Co., Ltd. じゃ、Shell要素や梁要素はどんなときに使うんですか?
まずShell要素ですが
製品にはプレス品や樹脂で成形された物、
それにパイプ類など薄肉の物が多くあります。
これらをソリッド要素でメッシュ作成すると
厚さ方向は1要素分割で、しかも平べったく
ひしゃげたTETRA要素になってしまいます。
これでは精度も悪くなりますから、
そのようなときにはShell要素が有効です。
Shell要素
例えば次の図のような薄いリブがたくさん配置
されている場合などはShell要素が便利です。
TSVにはSHELLの接合部分を自動で認識して
メッシュ合わせが出来る機能がありますから
とても簡単に出来ます。
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© 2014 Technostar Co., Ltd. 昔ある会社のエンジニアの方が論文の後述で
面白いことを書かれていましたよ。
どんなことですか?
その方はCAEをやられているのですが、
ある日曜に子供さんと動物園に行ったそうです。
そこでキリンを見ていたら急にメッシュ、
つまり模様を変更したくなってしまった。
その方は職業病と書かれていましたが、
私も気持ちはとても良く分かります。
やっぱり
お肌の方が大事よね!
とても面白いお話しですね。
私もそうなるかなぁ。
ポロポロ
肌のひび割れを想像
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© 2014 Technostar Co., Ltd. ところで、梁要素はどんなときに使うんですか?
例えばビルの鉄骨構造や化学工場のパイプの配
管構造などのモデル化に適していると思います。
私が担当していたバイクのフレームはパイプ構造
が多かったので以前は梁要素でモデル化すること
が多くありました。最近はShell要素でモデル化する
ことが多くなりましたがね。
梁要素は中心線があれば簡単にモデル作成がで
きますからとても楽です。
バイクの設計ではまずフレームの取り回しとパイプサイズを決めて
強度や剛性を確保することが大切ですからね。それに梁要素は変
更が容易ですから短時間に色々な検討が出来ます。
製品の形状に応じてふさわしい要素を選択することが
大事ということですね。それから、設計の目的に応じて
スピーディな検討が出来ることも大切ですね。
そう、その通りです。Yukiさんも理解が早くなましたね。
人と同じで適材適所が重要ということでしょうか
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© 2014 Technostar Co., Ltd. 人もBEAM型、SHELL型、SOLID型に分け
られるなんて言わないでしょうね?
ほぉー。Yukiさんも私の言いたいことが
段々かるようになってきましたねぇ。
BEAM型は単純明快で分かりやすいタイプ。
SHELL型は困難に対しても臨機応変かつ
スピーディに対応できるタイプ。
SOLID型はどんな事にもコツコツと真面目に
対応できるタイプ・・・・という感じでしょうか。
ではShoさんは何型ですか?
なんか体堅そう。
うーん。私はBEAM型でしょうか。
一見単純明快なんだけど、
実は良く理解するには奥が深い。。。
何しろV‐ベクトルやら断面二次モーメントやら
応力リカバリー点などの
理解と定義が必要ですし。。。
えーっ!
ちっとも単純じゃないじゃん。
BEAM型
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© 2014 Technostar Co., Ltd. 所で、私は何型に見えますか?
そうですねぇ。。
YukiさんはSOLID型でしょうかね。
どうしてですか?
いつも真面目に、
しかも几帳面に仕事に取り組んでいますから。
それにYukiさんにはSHELLのように裏、表がない!
これって、
誉められているのかしら??
Shoさん、SOLIDって一口に言ってもTETRAの
他にHEXAやPENTA要素もありますよ。
そうでしたね。
HEXAやPENTAはTETRAと
違って自動で作成するの
が難しくてモデル化に苦
労するんですよ。
ですからYukiさんはTETRA
が似合っているかな?
ヘキサやペンタって男っぽ
い感じだし、テトラの方が
女の子っぽいですよ。
えーっ、
中身とは関係ないじゃん。
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© 2014 Technostar Co., Ltd. そうそう人のタイプで言えば、
もう一つ大切な型を忘れる所だった。
えーっ? それは何ですか?
人と人の間を取り持ってうまくまとめるMPC型
を忘れていました。
このタイプが居ないと組織全体がうまくまとまりません。
そうですね。とても大事な役ですね。
テクノスターの中で言うと誰かなぁ。。。
俺だよ、俺!
鈍いなー、もーっ。
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© 2014 Technostar Co., Ltd. Yukiさん、そろそろお腹が空いて来ましたね。
続きはランチを食べながらお話ししましょうか?
そうですね。今日はどこに行きましょうか?
ところで社長はどのタイプかな?
○×△■ ○×△■ うーん、
どのタイプにも当てはまらないなぁ。
俺だよ、俺!
分かんないかな、もーっ。
YukiとShoは赤坂4丁目にある『ペスケリア ラ・ルーナ・ロッサ(Pescheria la Luna Rossa)』でパスタランチ(スープ付)を食べた。
『パスタをモデル化するならやはり梁モデルかなぁ』などと話は弾んだ。
Pescheriaとはイタリア語で
魚屋さんという意味で、魚介
のパスタがとてもおいしい。
パスタはやっぱり
梁モデルかなぁ。
茹でたパスタはどうやって
モデル化するんですか?
・・・ったく。
To be continued
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© 2014 Technostar Co., Ltd. 次回のテーマは
「固有値解析と
応答解析」です。
次回も、
お楽しみに!
株式会社テクノスター
URL:http://www.e-technostar.com/
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