花 と おじさん - Yuki & Sho 第7回 『適材適所』 1 © 2014 Technostar Co., Ltd. 登場人物 Yuki Sho 所属:株式会社テクノスター 所属:株式会社テクノスター 入社5年目. 以前は,二輪メーカのY社で エンジン設計やCAEを担当した この道ウン十年のベテラン. 何の因果かCAE業界に入っ てきた理系女. 今は技術顧問としてYukiと 同じ職場に! 主な仕事は,仕様書の作成、 ソフトウェアのテストに受託 業務も! Yukiにとっては何でも相 談できる,父親みたいな 存在である. 専門用語や業界用語にまだ まだ四苦八苦している. 得意のボルトの話で、うかつに もYukiから指摘をうけたSho。最 近焼きが回ってきたのか・・・。 ボルトの大切さと Shoの設計の詰めの甘さが 分かるようになってきたYuki (ちょっと心配気味)。 2 © 2014 Technostar Co., Ltd. YukiはPreの仕様書作成に、要素作成機能が色々登場するので、どういう使われ方をするのかいつも疑問に 思っていた。ここはひとつShoに聞いてみよう。 解析のモデル作成では色々な要素を使うと思い ますが、どうして色々な要素が必要なんですか? そうですね。 解析するには解析したい物の形を要素に 分割して表現する必要がありますよね。 ソリッド要素 そこでこの形に合った要素を使い分けることになります。 その中でも一番簡単な方法はソリッド要素、 それもTETRA要素を使って自動作成することですね。 最近は3D‐CADが当たり前になりましたから、 設計段階ですでに部品形状はCADのソリッド モデルで作成されることが多くなりました。 3Dデータがあれば、どんな形状でも自動で要素 作成が出来ます。 TSVはこれが得意なソフトですよね。 3 © 2014 Technostar Co., Ltd. じゃ、Shell要素や梁要素はどんなときに使うんですか? まずShell要素ですが 製品にはプレス品や樹脂で成形された物、 それにパイプ類など薄肉の物が多くあります。 これらをソリッド要素でメッシュ作成すると 厚さ方向は1要素分割で、しかも平べったく ひしゃげたTETRA要素になってしまいます。 これでは精度も悪くなりますから、 そのようなときにはShell要素が有効です。 Shell要素 例えば次の図のような薄いリブがたくさん配置 されている場合などはShell要素が便利です。 TSVにはSHELLの接合部分を自動で認識して メッシュ合わせが出来る機能がありますから とても簡単に出来ます。 4 © 2014 Technostar Co., Ltd. 昔ある会社のエンジニアの方が論文の後述で 面白いことを書かれていましたよ。 どんなことですか? その方はCAEをやられているのですが、 ある日曜に子供さんと動物園に行ったそうです。 そこでキリンを見ていたら急にメッシュ、 つまり模様を変更したくなってしまった。 その方は職業病と書かれていましたが、 私も気持ちはとても良く分かります。 やっぱり お肌の方が大事よね! とても面白いお話しですね。 私もそうなるかなぁ。 ポロポロ 肌のひび割れを想像 5 © 2014 Technostar Co., Ltd. ところで、梁要素はどんなときに使うんですか? 例えばビルの鉄骨構造や化学工場のパイプの配 管構造などのモデル化に適していると思います。 私が担当していたバイクのフレームはパイプ構造 が多かったので以前は梁要素でモデル化すること が多くありました。最近はShell要素でモデル化する ことが多くなりましたがね。 梁要素は中心線があれば簡単にモデル作成がで きますからとても楽です。 バイクの設計ではまずフレームの取り回しとパイプサイズを決めて 強度や剛性を確保することが大切ですからね。それに梁要素は変 更が容易ですから短時間に色々な検討が出来ます。 製品の形状に応じてふさわしい要素を選択することが 大事ということですね。それから、設計の目的に応じて スピーディな検討が出来ることも大切ですね。 そう、その通りです。Yukiさんも理解が早くなましたね。 人と同じで適材適所が重要ということでしょうか 6 © 2014 Technostar Co., Ltd. 人もBEAM型、SHELL型、SOLID型に分け られるなんて言わないでしょうね? ほぉー。Yukiさんも私の言いたいことが 段々かるようになってきましたねぇ。 BEAM型は単純明快で分かりやすいタイプ。 SHELL型は困難に対しても臨機応変かつ スピーディに対応できるタイプ。 SOLID型はどんな事にもコツコツと真面目に 対応できるタイプ・・・・という感じでしょうか。 ではShoさんは何型ですか? なんか体堅そう。 うーん。私はBEAM型でしょうか。 一見単純明快なんだけど、 実は良く理解するには奥が深い。。。 何しろV‐ベクトルやら断面二次モーメントやら 応力リカバリー点などの 理解と定義が必要ですし。。。 えーっ! ちっとも単純じゃないじゃん。 BEAM型 7 © 2014 Technostar Co., Ltd. 所で、私は何型に見えますか? そうですねぇ。。 YukiさんはSOLID型でしょうかね。 どうしてですか? いつも真面目に、 しかも几帳面に仕事に取り組んでいますから。 それにYukiさんにはSHELLのように裏、表がない! これって、 誉められているのかしら?? Shoさん、SOLIDって一口に言ってもTETRAの 他にHEXAやPENTA要素もありますよ。 そうでしたね。 HEXAやPENTAはTETRAと 違って自動で作成するの が難しくてモデル化に苦 労するんですよ。 ですからYukiさんはTETRA が似合っているかな? ヘキサやペンタって男っぽ い感じだし、テトラの方が 女の子っぽいですよ。 えーっ、 中身とは関係ないじゃん。 8 © 2014 Technostar Co., Ltd. そうそう人のタイプで言えば、 もう一つ大切な型を忘れる所だった。 えーっ? それは何ですか? 人と人の間を取り持ってうまくまとめるMPC型 を忘れていました。 このタイプが居ないと組織全体がうまくまとまりません。 そうですね。とても大事な役ですね。 テクノスターの中で言うと誰かなぁ。。。 俺だよ、俺! 鈍いなー、もーっ。 9 © 2014 Technostar Co., Ltd. Yukiさん、そろそろお腹が空いて来ましたね。 続きはランチを食べながらお話ししましょうか? そうですね。今日はどこに行きましょうか? ところで社長はどのタイプかな? ○×△■ ○×△■ うーん、 どのタイプにも当てはまらないなぁ。 俺だよ、俺! 分かんないかな、もーっ。 YukiとShoは赤坂4丁目にある『ペスケリア ラ・ルーナ・ロッサ(Pescheria la Luna Rossa)』でパスタランチ(スープ付)を食べた。 『パスタをモデル化するならやはり梁モデルかなぁ』などと話は弾んだ。 Pescheriaとはイタリア語で 魚屋さんという意味で、魚介 のパスタがとてもおいしい。 パスタはやっぱり 梁モデルかなぁ。 茹でたパスタはどうやって モデル化するんですか? ・・・ったく。 To be continued 10 © 2014 Technostar Co., Ltd. 次回のテーマは 「固有値解析と 応答解析」です。 次回も、 お楽しみに! 株式会社テクノスター URL:http://www.e-technostar.com/ 11 © 2014 Technostar Co., Ltd.
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