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来た、
みた、
そして
前へ進んだ
VeniVidiVasi
CONTENTS
慶進生のみた
「世界」
2 コラム
「慶進生のみた世界」
3 「決意」
が導く新たな世界 La Classe de Keishin
4 1st Stage 新しい世界が慶進生を変える
6 2nd Stage 特集
ディベート大会からみえた慶進中学校の携帯事情
8 3rd Stage 6期生がみた慶進の世界
10 同窓生
12 La Photo de Keishin
大学合格速報 お知らせ
小さな本箱
4
vol.
2015
慶進中学校・高等学校
〒755ー0035 山口県宇部市西琴芝二丁目12ー18 tel.0836ー34ー1111 fax.0836-21ー7228 E-mail [email protected]
にも名文家と呼ばれる人々がいました。共和政ローマ
りません。ヨーロッパの
「古 文」とも 言 うべき ラテン語
いつの時 代にも名 文 家と呼 ばれる人 々がいます。清
少納言、夏目漱石、シェークスピアなど、枚挙に暇があ
候補者と推薦人の演説が、その一例でしょう。そ
した。生徒会長・副会長の立会演説会における
活の様 々な側 面で成 長した 姿を見せてくれま
見つかりました。修 学 旅 行 後、 期 生は学 校 生
の答 えは、宇 部に帰ってからの彼 らの行 動から
慶進生のみた﹁世界﹂
揺さぶられた心が、
慶進の心 性となり
﹂
]を創る
さらなる﹁慶進の世界[ Le Monde de KS
のキケローとカエサルが、その双 璧です。しかし、両 者
す。では、何と表 現 すればよいのでしょうか。そ
の文体は全く異なります。キケローはとにかく修辞学
た『キケロー選集』をみた友人が、
これで原文を読まな
的な趣向を凝らし、難解です。岩波書店から発刊され
だとわかりました。そこで、「前へ進む」という意
は東 京をみたことで成 長し、
一歩 前へ進んだの
の様子をみていると、勝ったのではなく、かれら
す。対して、カエサルの文体は明瞭簡潔です。「賽は投げ
くてすむと安堵の表情を浮かべていたのを覚えていま
られた」など多くの名言を残しています。
を当てることにしました。
味の vasi
その 期 生の表 情 を、十 六 世 紀にガラパゴス
諸 島を訪れたチャールズ ダ・ーウィンもしていた
ことでしょう。同じように自分の見た世界に感動
ス カイツリ ー か ら 関 東一円 を 眺 めた 時、他にも 行 く
く時、東京証券取引所で頭の上を回る数字を見た時、
行で東 京 を 訪 れました。東 京 大 学で東 大 生の話 を 聞
それは、昨 年の十 二 月のことでした。 期 生は修 学 旅
慶進生をイグアナと一緒にすると、慶進生が
怒るかもしれません。しかし、表紙絵のイグアナ
陸で生きるものに分かれました。
界に自 分た ちの体を順 応させ、海で生きるもの、
だが、ダーウィンのみたイグアナも、自分のみた世
し、進化論という新しい学説に辿り着きました。
先々で、 期生は目を輝かせていました。だから、
この
るものがあります。慶進生も新しい世界をみて、
の世界をみる力強い視線、それは慶進生と通ず
心を震わせ、自 分を進 化させ、「慶 進の世 界( Le
)
」を 創 り 出 し ま す。本 号で
Monde de Keishin
は、そんな慶進生がみた世界をお伝えします。
高校3年生
高校2年生
高校1年生
10
言葉を本号のタイトルとして借りることにしたのです。
「 veni
本 号のタイ ト ルは、カエサ ルの名 言のひとつ
(来た、見た、勝った)
」からとりました。慶進生
vidi vici
の表 情 を 見 た 時、この言 葉 が 頭 をよ ぎった か らです。
10
( 寛 容)
」をモット ーとした カエサルな ら、気
「 clemens
前よく貸してくれることでしょう。
(勝った)
」はおかしいと考えました。そ
しかし、「 vici
の時の彼らの表情は「勝った」とは表現できないからで
10
中学3年生
中学2年生
中学1年生
10
6年中高一貫教育
英知を尽くし、
未来を切り拓く。
慶進では生涯にわたって役立つ学力を身につけるために、6年間を2・2・2の3つのステージで構成して
います。勉強のおもしろさを知ることから始まり、生徒たちが主体的に学習に取り組み、学内外の様々
な体験活動で、
豊かな人間性と、ともに生きる力を育み、次世代のリーダーとなる人材を育てます。
1st Stage
2nd Stage
3rd Stage
基礎学力養成期
実 力充実期
発展応用期
2
コラム「慶進生のみた世界」
10
期生
カー部に移ることを決 意しま
した。
サッカ ー 部ではサッカ ーは
もちろんのこと、学校行事の準
備や後 片 付けなどの手 伝いを
することや元気のよいあいさつ
を積 極 的にするように教えら
れました。
はじめは多人数の前
で 話 すこと や、学 校 行 事の手
伝いを することに抵 抗 があり
ましたが、それが学 校のため、
自 分のた めと 分 かると、だ ん
だん無くなっていきました。
こ
れは、自分がサッカー部に入る
ことを決 意したからこそ 経 験
すること ができ たのだと 思い
ます。
二つ目の決意は、生徒会副会
長への立候補です。立候補する
ことに なった 経 緯 は、ある 日、
田 中 先 生 が「 誰 か サッカ ー 部
の中で生 徒 会 副 会 長 をやって
くれないか」と訪ねてこられま
した。しかし、誰 もやりたいと
言い出 す 人はお らず、結 局、僕
が生 徒 会 副 会 長に立 候 補 する
ことに なってし まったので す。
ですが、嫌ではありませんでし
た。むしろ目標ができてうれし
かったです。
こうして僕は生 徒
会に入ることを決意しました。
最後の決意は生徒会長に立
候 補 し たことで す。生 徒 会 執
行部へ入って、
一年が経ち、また
生 徒 会 選 挙の時 期 がやってき
ま し た。今 年 は 僕 た ちの学 年
から生徒会長と生徒会副会長
を一人 ずつ選 ばな ければなり
ませ んでし た。も ち ろ ん 僕 は
生 徒 会 長に立 候 補 するつもり
でしたが、選挙が近づくにつれ
て、だんだん自信がなくなって
中村龍一朗 (中三)
生徒会長 平成二十七年二月四日、平成二十七年度慶進中学校生徒会役員選挙がおこなわれ、 期生 中
村龍一朗くん
︵中三︶
が生徒会長に選出されました。
十年という節目の生徒会の会長に
至るまでに見えた
﹁世界﹂
を語ってもらいました。
僕は慶進に入学してまだ間
も ない頃、生 徒 会 長 は も ち ろ
ん、生 徒 会 や 中 央 委 員 会に入
ること自 体が自 分とはかけ離
れたことだと思っていました。
しかし、そ ん な 僕 が 今 や 平
成 二 十 七 年 度の生 徒 会 長。人
生 何があるか分からないもの
だと思いました。また、それと
同 時 に、人 生 と は た く さ んの
決意が積み重なってでき上がっ
ていくのだ ということに気 づ
きました。
というのも、僕 が 生 徒 会 長
になる過程の中で、三つの決意
があったからです。
最 初の決 意 は、入 学 してか
ら二 学 期 頃まで所 属していた
卓 球 部 からサッカー 部へ転 部
することを決めたことです。小
学 生の頃 サッカー 部に所 属 し
ていたこともあり、卓球部で部
活 動 を していく う ちに、だ ん
だん何かが違うと感じるよう
に な り 始 め、チ ー ム で 何 か を
成 し遂 げる喜 びを 求 めてサッ
物理にはma=Fという式があります。
これは、運動方程
はm/s2。Fは力で、単位はNです。
式と呼ばれ、mは質量で、単位はkg。aは加速度で、単位
の定義式のように見えるのですが、
それぞれの文字が表
僕が思うこの式のすごいところは、一見するとただの力
しまい、事 前 アンケートで、生
徒 会 副 会 長と書いてしまいま
した。帰 宅 後、親にそのことを
話 す と 反 対 さ れま し た。しか
し 僕 は「これでいいん だ」と 自
分に言い聞かせ、その日は寝て
しまいました。翌日、河村先生
と 選 挙 について 話 していると
ふいに河 村 先 生 が「 生 徒 会 長
をやってみないか」と僕に言い
ま し た。その時 僕 は 気 づき ま
し た。自 分 は 学 校の代 表 とい
う立 場から逃 げているだけだ
と。それから急いでアンケート
を 書 き 直 し、生 徒 会 長に立 候
補しました。結果は見事当選。
9期生 吉岡 優志(高一)
しているものに注目すると、物体の運動の様子を観測す
ることで分かる加速度と、
ばねの伸びなどから測ることが
できる力という、二つの独立した値にとても単純な比例
関係が成り立っているところです。
齊藤先生の授業では、
このような式や法則を自分が教
卓を押したり、チョークを転がしたりして、色々な実例を
交えて教えてくださいます。
ムードメーカーとのやり取りは、僕やみんなの心を和ませ
また、先生の授業中のトークも面白く、特にクラスの
とても う れしかったのと 同 時
に、あの時、僕 を 引 きとめてく
れた親と、河村先生への感謝の
気持ちでいっぱいです。
僕は生徒会を通して色々な
ことを学びましたが、その中で
も一番 よ かったこと が あ り ま
す。そ れは「やるとなった ら 意
地でも やる。中 途 半 端 な 方 向
に逃げない」ということです。
最後に、僕がたくさんのこと
にチャレンジし、色々な経験が
できるのは、たくさんの方々の
協力があったからです。だから
僕はそのたくさんの方 々に感
謝しています。
てくれます。
10
科
shin
i
e
K
e
d
e
s
La Clas 齊藤先生の 理
「決意」が導く新たな世界
「決意」
が導く新たな世界
3
新しい世界が慶進生を変える
宿泊研修
慶進中学校一年生は、四月に国立山口徳地青少年自然の家で二
泊三日の宿 泊 研 修を実 施します。様々な小 学 校から集った一年 生
が、徳地アドベンチャー教育プログラム
︵TAP︶
やオリエンテーリ
ングをおこなうことで、慶進生としての意識と、仲間との絆を育み
ます。
最 初 は、あ まり 言 葉 を 交 わし
た り 関 わった り し たことのない
人 達 と う ま く 班 行 動 を し てい
けるか、友 達はできるか、とても
不 安でした。しかし、T A Pとい
うみんなと協 力してさまざまな
ミッションをクリアしていく遊び
や、オリエンテーリングをする中
で、最 後 にはみ ん な と 自 然 と 打
ち 解 けて話 ができるまでになり
ました。もちろん、班 だけではな
く、他にもたくさんの人と仲良く
して友達ができました。
十一ヶ月 前の私は人に気 を 遣
うこ と が あ り、緊 張 していま し
た。しかし、この行 事 がな かった
ら、人への思いやりの心をここま
で学べなかったと思うし、人と協
力 していく 中で友 達 を一か らつ
くるという貴 重な体 験もできな
かったと思います。今ではとても
よい思い出となっています。
この宿 泊 研 修で学んだことを
これか らの学 校 生 活 や、学 校 外
でも活かしていきます。
慶進中学生となったファーストステージでは、慶進生として
の人間力を育むための様々な行事が用意されています。
その中
でも、
校外で出会う新しい世界は大きな刺激を与えるものとな
ります。
そこで、宿泊研修、校外地理・歴史学習、修学旅行で慶進生が
見たものを教えてもらいました。
物 を 見て回ったり するな どしま
した。
門 司 に 行 き、一番 感 じ たこと
は、違った門司を見ることができ
たということです。今までにも何
度か訪れたことはありましたが、
今 回はみんなと協 力して色 々な
ことを調べ、考えたたくさんの思
いを胸に訪れたので、門司を今ま
でとは 違った 見 方でよ り 知るこ
とができました。
門司へ行ったこと、門司に行く
までに頑張ったことはとても良い
経験だったと思います。私たちは
これによってやり遂げることの難
しさ、チームワークの大切さなど
たくさんのことを学びました。
こ
うした貴重な体験は、
これからの
生 活 や 学 習 面できっと 役に立つ
大切なことだと思います。門司で
学 ん だことを 活 かしてこれから
も頑張ります。
中一の夏休みに門司港レトロ地区を見学します。現地まで電車やバ
スやフェリーを使い、班ごとに移動します。事前の学習で自分たち
のテーマを決め、現地でインタビューなどのフィールドワークを行
い、
三学期末に報告会を行います。調べ学習の方法やプレゼンテー
ションの力を身につけます。
校外・地理歴史学習
私たちは、昨年の八月一日に校
外地理歴史学習で門司港レトロ
に行きました。
この行事は一学期
に計画を立てて、夏休みに現地に
行き、三学期に発表するという一
年 間で最 もスケールの大 きい行
事です。
最 初は、ほとん どしゃべったこ
とのない人 もいる 班でやり 遂 げ
ることができるか不安でした。し
かし、話し合いや集まりを重ねて
いく う ちに打 ち 解 けて、意 見 を
出し合ったり、賛成や反対を言い
合えるようになりました。そして
当日には、今まで調べたことを活
かしてインタビューをしたり、建
11期生
(中2)
柴田 りく
1st
Stage
私 た ちは 去 年の四 月、徳 地の
宿 泊 研 修に行って来 ました。今、
あの時のことを思い出すと、あれ
からもう一年が経つのかと、改め
て感じます。
この一年 間は長いよ
うでとても短かったと思います。
この学校に入学
宿泊研修へは、
して間もない時に行き、たくさん
のことを仲 間と協 力し合いなが
ら友 好 関 係を築いていく行 事で
した。同時に協力することの大切
さ、人のことを思いやる優しさを
学びました。
私 は、小 学 六 年 生の時の宿 泊
学 習 も 徳 地 で 同 じ よ う なこ と
を 体 験 し ま し た が、小 学 生の時
と 中 学 生になって新 しい友 達と
行った 宿 泊 研 修とでは見 方や考
え方がずいぶん変わりました。
11期生
宮下千代乃(中2)
4
1st Stage 新しい世界が慶進生を変える
5
1st Stage 新しい世界が慶進生を変える
修 学 旅 行
中二の十二月に東京へ修学旅行に行きます。キャリア学習の一環として早稲田大学、東京大学を見学
し、ディズニーアカデミーなどを体験します。自分の将来について考えるのはもちろんですが、仲間との絆を深
め、中学校での大きな思い出の一つとなります。
原 千夏さん
1日目 早稲田大学
中島 秀幸くん
1日目 東京大学
丹下 櫻子さん
1日目 劇団四季
斎藤 隆太くん
2日目 東京証券取引所
長谷川 瑛里さん
2日目 科学未来館
松脇 千咲さん
2日目 上野動物園
山田 果奈さん
3日目 ディズニーシー
紀村 樹くん
3日目 ディズニーシー
道下 大生くん
4日目 浅草
早稲田大学には、山口にないような大きな図書館があっ
て驚きました。こういう場所で読書を思う存分してみた
いです。
東京大学にはみたことのない機械が多くあり、研究施設
が整っていて、今まで描いていた大学のイメージとは全
く違いました。
「ライオンキング」は、内容はもちろん音楽や衣装も楽し
めました。音が大きいので、劇場を出ると周りがとても静
かに感じます。
僕は東証という株を取り締まるところで、職員の方々の
仕事に対する責任感や誇りを施設内の空気から感じる
ことができました。
科学未来館で、ロボットのアシモが手話をしながら歌っ
ていたのがとくに印象的で、科学についていろんなこと
が学べる施設でした。
上野動物園では、短い時間内で「三大珍獣」の「パンダ・
コビトカバ・オカピ」を見るために広い園内を走り回った
ので迷子になりかけました。
ディズニーシーに行く前に、ディズニーアカデミーを受講
したことで、改めてディズニーの素晴らしさを知ることが
できました。
ディズニーシーに初めて行きました。とても楽しかった
し、班のみんなで過ごした時間は忘れられない思い出に
なりました。
浅草は下町なので、とても風情がありました。また、観光
地なので観光客へのおもてなしの心を感じることができ
ました。
鈴木 理香子さん
人生初のスカイツリーに行きました。上からは全てがミ
ニチュアに見えて、とても可愛らしかったです。
曽根 貴将くん
実行委員の人たちが良い計画を作ってくれたので楽しめ
た。
4日目 東京スカイツリー
帰校後 慶進中学校
▲左から田中優希さん
(9期生)
と井本葉月さん
(9期生)
平成二十七年二月十四日、慶進中学校でディ
ベート大会が実施されました。
今年の論題は
「日本は、
中学生以下の携帯電話
の使用を禁止する、是か非か」
というものです。慶
進中学校の全学年が、国語の授業などを通して
入念に準備し、
本番に臨みました。
ディベートを通
してみえた
「世界」
を9期生の田中優希さん
(高一)
と井本葉月さん
(高一)に語ってもらいました。
ま
た、論題が携帯電話ということで、図らずも慶進
中学校の携帯事情もみえてきました。
ディベート大会からみえた
慶進中学校の携帯事情
2nd
Stage
6
特集 ディベート大会からみえた慶進中学校の携帯事情
特 集
今 年で3 回 目のディベー ト 大
会ですがどんな印 象をうけま
したか?
田 中 今 回の議 題 が「中 学 生
以下の携帯電話の使用を禁止
すべきか」という身近なもので
し た が、意 外 と 考 え たこと が
なかったので難しかったです。
今 回のディベー トでは どの よ
うなことを考えましたか?
田 中 インター ネット な どの
影響力は大きく、私は、携帯電
話を通 話 するだけの利 用でも
じゅうぶんだと考えました。
インター ネットの影 響 と は ど
のようなことですか?
田中 成績が下がったりとか、
もめごとが起 きたりしやすい
ことです。
井 本 さ んは3 回 目のディベー
ト大会はどうでしたか?
井 本 成 長したなあと思いま
し た。1 年 生のと きは 訳 が 分
からず、ただ参加している感じ
でし た。2 年 生 に なる と だい
ぶ 筋 が 通る よ うにな り、3 年
生ではきちんと議 論がかみ合
う よ うにな り ま し た。今 回 私
は肯定側だったのですが、実際
にスマホを 使 用 して起 き たス
トーカー被害などの事件を調
べ、私たち肯定側の禁止すべき
ポイントとして、犯罪の抑制を
主張しました。
ディベートの難しいところは?
井本 立論に対する質疑が難
しかったです。否定側よりも肯
定 側の方がいいのではないか、
ま た 否 定 側 に、こ ういう 部 分
はど うなのかと 質 問 するのが
難しかったです。
ディベー ト を 経 験して授 業の
聞 き 方、物の 考 え 方 な ど 何 か
効果がありましたか?
田 中 相 手に伝えることはす
ごく 難 し く、言 葉 は 大 切 だと
思いました。
井 本 肯 定 と 否 定では、考 え
方が違うと思いました。
2人ともこの春中学校卒業し
まし た が、中 学 校 3 年 間 は ど
のような世界でしたか?
井 本 価 値 観の違 ういろんな
タイプの人が集まっている世界
でし た。価 値 観 が 違 う 人 と た
くさん出 会って、もっと自 分を
出 さないといけないと 思いま
した。
田 中 後 輩として関わった 行
事と先 輩として関わった 行 事
とでは 全 く 違 う 世 界でし た。
私は3年生の時に中央委員会
に所 属 し、行 事の企 画 や 運 営
をやっていたのですが、きちん
と準備をしないと、後輩もつい
てきてくれないので、すごく大
変でした。
春から は 高 校 生にな り ます
が、高 校では ど ん な 世 界 が 見
たいですか?
田 中 高 校 生でないとできな
いことがしたいです。
井本 積極的に行事などに参
加して、もっと広い世界を見た
いです。
最 後に、新 入 生に 中 学 校でぜ
ひ 経 験 し て 欲 しい こ と な ど
メッセージをおねがいします
井 本 いろんな価 値 観やさま
ざ まなタイ プの友 達 と 関 わっ
て欲しいです。
田中 実行委員などに積極的
に参加して欲しいと思います。
確かに大 変なこともあります
が、先 輩 後 輩 との仲 が よ く な
り、
一つの行 事を終えたときの
達成感は格別です。
特集 ディベート大会からみえた慶進中学校の携帯事情
7
63名
不 必 要
慶進中学校の携帯電話について
わからない
■連絡には必要だが、その他には
必要ないと思うから
■ディベートを通してメリット、
デメ
リットがあったから
■便利だが、犯罪など危険性も高
まるから
慶 進 中 学 校では、携 帯 電 話の利 便
性は認めつつも、携帯電話の持ち込み
を禁 止しています。しかし、遠 距 離か
ら 通 学 する慶 進 生 も 多いた め、保 護
者の同 意の上、許 可 制で携 帯 電 話の
持ち込みを認めています。アンケート
結 果 をみると、連 絡 手 段 と しての利
便 性 から、多 くの慶 進 生 が携 帯 電 話
を所有していることがわかります。も
ち ろん、連 絡 手 段 と してだ けではな
く、ゲームや w e b 閲 覧 な どの利 用
がみられま す。そこには、成 績の低 下
だけでなく、様 々な危 険があります。
多くの慶進生が、ディベート学習や先
日実施した生徒対象の講演会を通し
て、その危 険 性を学んだようです。慶
進 中 学 校では、現 代にお ける 携 帯 電
話のあり方をみつめ、保護者対象とし
た講演を実施するなど、慶進生 保
・護
者 先
・生が理解を深め、安全な取り扱
いができるよう、日々取り組んでいま
す。
■必ず必要とは思わないから
■成績が下がるから
■電話(実家・公衆電話)
を使えば
いいから
4位 カメラ 5位 ゲーム
6位 音楽鑑賞
7位 電卓 8位 動画鑑賞 9位 LINE
10位 webサイト閲覧
1位 親や友人との通話154名
2位 メール
139名
3位 時計
117名
■連絡を取るのに必要(親・友人・
緊急時など)
だから
■便利だから
80名
119名
携帯電話の利用方法Best10
Q
必 要
78名
48名
30分~1時間
17名
34名
30分以内
71名
1~2時間
スマートフォン
必要
スマートフォン
以外の携帯電話
不必要
25
3~4時間
4名
1名
4時間以上
2名
2~3時間
持っていない
名
わからない
携帯電話の1日の平均利用時間は?
Q
携帯電話を持っていますか?
Q
中学生に携帯電話は必要と
考えますか?
Q
ディベート=知の総合格闘技
我々は人 生の中で、常に選 択を
両 方の主 張に根 拠 を 持 たせる
迫 られます。どの大 学に進 学 する
た め に、携 帯 電 話 を 所 持 し て 良
か、どちらの会 社に就 職 するかと
かった という 事 例、悪 かった とい
いった少なからず人生を左右しう
う 事 例を、教 科 書・インターネッ
る選 択から、定 期テストの選 択 問
ト・論文などにあたって情報を収
題で、アとエのど ち らを 選 ぶのか
集し、考察していきます。それを説
に至るまで。
得 力ある文 章にまとめ、自 らの意
ディベー トは、何 かを 選 択 する
見を他 者(ジャッジ)
に口頭で伝え
際、「なんとなく」「好みで」選 ぶの
る 表 現 力 も 必 要です。ま た、相 手
ではなく、「情報を収集し」「メリッ
の意 見を聴 きながらメモをとり、
ト / デメリットを比 較して」選 ぶ
理 解して相 手のロジックの弱いと
能力を磨く競技です。
今 回の論 題 は「日 本 は、中 学 生
こ
ろ
を
見
出
し
、
そ
こに反 駁 してい
以 下の携 帯 電 話の使 用 を 禁 止 す
く
と
い
う
能
力
も
要求されます。
る、是か非か」
でした。
ディベートは
【 相 対 的 視 点】【 社
ディベー トの最 も 重 要 な 点 は、
会 的 知 識】【 情 報 収 集 能 力】【 文 章
自 分の意 見に関 係 な く 肯 定・ 否
構 成 力】【 表 現 力】【 理 解 力】【 論 理
定 両 方 の立 場 で 主 張 し な け れ ば
的 思 考 力】といった 能 力が求 めら
な らないことです。ちょう ど 今 携
れる、まさに
「知の総 合 格 闘 技」な
帯電話に夢中な中学生も「日本は
のです。
中 学 生 以 下の携 帯 電 話の使 用 を
禁 止 することに賛 成 だ」と主 張し
生 徒は、今 回のディベー トを 通
して、携 帯、あるいはインターネッ
なければな らず、そ う 述べるから
には 携 帯 を 禁 止 し た と き に 生 じ
トの
「 便 利 で 楽 しい 良い側 面」と
るメリットについて調べ、考 察 し、 「危 険 な 悪い側 面」を 少 なか ら ず
根拠を添えて論じなければなりま
理 解で き た と 思いま す。ま た、異
せん。逆に、携帯なんて必要ないも
学年交流戦で先輩と対戦し、その
ん!と思っている人も、「日 本は中
知識・アイデア、話し方など、多く
学 生 以 下の携 帯 電 話の使 用 禁 止
を学んだのではないでしょうか。
に反 対 だ。な ぜな ら、小 中 学 生 が
慶 進 生には、机 上の学 問をベー
携 帯 電 話をもっていることでこん
スと し た 実 生 活で生 きる「 知」を
ないいこと が あるのだ か ら!」と
主 張 しなければな らないのです。 修め、学問と社会をつなげていって
ほしいと願うばかりです。
つまり、
一つの事 柄に対して
「相 対
国語科 古川 義郎
的な視点」を要求されるのです。
8
3rd Stage 6期生がみた慶進の世界
6期生がみた慶進の世界
神戸大学 法学部
石田 彰俊
慶 進 生のみなさん、ご入 学、ご
進級おめでとうございます。
これ
からの生 活でみなさんは様 々な
ことを経験されると思います。参
考 までに私の経 験を…と言いた
いところですが、おそらくたいし
た参考にならないと思うので、
こ
こで一つだけみなさんにお伝えし
たいことは、「先 生 との出 会いを
大切にしてください」ということ
です。
みなさんが今いる慶進には、た
くさんの先生方がいらっしゃいま
す。笑顔が素敵な先生、クールな
先 生、お話が大 好きな先 生、
ツン
ツンしているけれど そこが 可 愛
い先 生。本 当 にユニ ー クな 先 生
ば か りで す。そ ん な 先 生 方 は 私
た ちより多 くのことを経 験され
ています。ぜひいろんな先生と話
し、いろんな 分 野の話 を 聞いて、
自 分の世 界を広 げていき、「新し
い世 界」を 覗いてみてく だ さい。
話してみると、今まで知らなかっ
た 意 外 な一面 を 知ること ができ
るなど、なかなかお得です。
先 生のみならず 人との出 会い
は貴重です。必ずこれから歩む未
知の世 界への旅の糧になります。
これからの学校生活、精一杯楽し
んでください。みなさんのご活躍
を陰ながらお祈りしています。
広島大学 生物生産学部
井上 雄紀
9 期 生のみなさん、ま だ 想 像
しきれないかもしれませんが、漠
然と高 校 生になると厳しい学 校
生活が待っていると思っていませ
んか?確かに、中学生の時と比べ
勉強は難しくなってきます。
です
がその反面、行事の質が比べもの
にな らないくらいに充 実 してき
ます。多 々ある行 事の中でも、慶
進生が作り上げる慶進祭や体育
祭は生徒会が主体となって企画・
運営をしています。
私は高校三年間その生徒会執
行部に所属していました。高校の
生徒会は中 高一貫コース、アドバ
ンスコース、グローバルコースそ
大阪大学 医学部
榎 迪洋
慶進中学校に入学してからし
ばらくの間、学校での生活は戸惑
うことばかりでした。慣れない制
服や勝 手の分からない校 舎など
何 もかもが小 学 校の頃とは違っ
ていて、別世界のようにも感じら
れぞ れのコースか ら 人 が 集 まり
成 り 立っていま す。三つのコース
が集まることによって本当の意味
での慶 進 全 体 が見 渡せるよ うに
なります。多少意見の食い違いな
ど大変なことはありますが、それ
でも そ れを 乗 り 越 えることによ
り、より大きな達 成 感を感じ、さ
らに新しい目標も見えてきます。
私は生徒会役員として色々な
こと を 経 験 して き ま し た が、生
徒会が全てではありません。自分
自身が今打ち込んでいることや、
やってみたいこと、様 々あると思
いま す。それを 思いっきりやって
みてください。色々経験してくだ
さい。そして、自 分 だ けの新 しい
世界を感じてみてください。
6期生が慶進から外の世界へ新たな一歩を踏み出しました。
6期生が過ごした六年間は、
新し
今春、
い世界の連続だったことでしょう。
新しい世界に出会うたびに、
成長し、
人生の歩みを大きく進めてき
ました。
そして、
また新しい慶進の世界が創られてきました。
そこで、
6期生がみてきた慶進の世界を
語ってもらいました。
3rd
Stage
れました。
先 生 方もその中の一つです。小
学 校の頃は担 任の先 生がほとん
どの教科を教えてくださっていた
のに 対 し、中 学 や 高 校では 各 教
科の担当が決まっていることに驚
きました。
とりわ け 印 象に残っている 先
生は、中学時代に所属していたソ
フトテニス部の顧 問の石 原 先 生
です。顧 問の先 生 という と、めっ
たに来 ないものだという 勝 手 な
イメー ジを 当 時 持っていました
が、その先生は忙しい中頻繁に部
活に顔 を 出 さ れ、僕 達の指 導 を
熱 心におこなってく だ さいま し
た。顔の前でラケットを持って、目
の前で先生が打ったボールを、目
をつぶ らないよ うにボレー する
という 恐 怖の練 習をしたことも
ありましたが、今となっては良い
思い出です。
他にも多 くのものと慶 進で出
会いましたが、
この学校で過ごし
た六年間の思い出を胸に、大学と
いう 新 た な 世 界へ進 んでいき た
いと思います。
東京大学 理科Ⅱ類
兼坂 雄太
慶 進 生のみなさん、毎 日 学 校
に行 くのは 楽 しいです か?僕 は
六 年 間 ずっと学 校に行 くのが楽
しかったです。慶進にはそう思わ
せてくれる最 高の仲 間 た ちがい
ます。
慶進中学校に合格してから入
学 す る までの間、僕 の中 で 慶 進
は め ちゃく ちゃ勉 強ので き るエ
リート 集 団でした。しかし、みな
さんも分かっているとは思います
がいい意 味で全 くそんなことは
ありませんでした。慶 進には、常
に高い志を持った人、底なしの知
識を持つ人、部 活 動に生きる人、
熱い人、す ぐに 空 気 を 変 えてし
まう人など小学校まででは出会
わ な かった よ う な タイ プの人 が
たくさんいたのです。そして僕は
そんな仲 間た ちと過 ごすことで
日々、知らなかった自分・世界に
出会えました。
違 う価 値 観を持つ友 人との会
話の中で知る新しい自分、仲間と
一つの目標に向かって努力してい
く過程で見つける新しい自分、人
を好きになってみてはじめて知る
自分、
いろいろです。そして、
こう
やって様々なことを通じて知った
新 しい自 分・ 世 界はすべて今の
僕という人間を構成する重要な
要素になっています。
さて、慶 進 生のみなさん、そし
てこれから 慶 進での生 活 を 始 め
る 新 入 生のみ な さ ん、慶 進 には
自分の知 らない自分・世界を知
る出会いがたくさんあります。そ
の一つひとつを 大 事にして、自 分
の生きる上での糧にしていってく
ださい。
九州大学 工学部
重永 翔太郎
慶 進で六 年 間を共に過 ごして
3rd Stage 6期生がみた慶進の世界
9
き た 友 達 と 別 れ、大 学 生 と して
新しい生 活を始 めよ うとしてい
る今、感じることがあります。そ
れは「人との対話が新しい世界と
の出会いを創りだす」ということ
です。
私が慶進で出会った友達は、中
学 受 験を乗り越えてきたからで
しょうか、自分なりの考えを持っ
ている人が多く、自分とは考えが
合わないと感じる人ほど自 分の
見えない世界をみていました。当
たり 前に聞こえるかもしれませ
んが、実はそのような人と話す時
こそ新しい発見があるのです。
私がみなさんに伝えたいのは、
できるだけ多くの人と会 話を交
えながら、色々な発見をし、自分
の世 界 を 広 げていってほ しいと
いうことです。みんなと仲良くな
れというわけではありません。た
だ、考えが合わないから話をしな
いというのではなく、中高生であ
る今だからこそ、みなさんには多
くの人と出 会い、対 話し、そして
得た広い世 界から自 らの目 標を
見つけ、
これからを過ごしてほし
いと思います。
東京外国語大学 国際社会学部
常 惠喬
期生のみなさん、仲の良かっ
た友 達と離れて慶 進に入 学 する
のは、
いろいろと不安もあると思
います。
でも、大丈夫です。慶進で
は、多 くの友 達、先 生に出 会 え、
様 々 な 行 事でいろいろなことを
12
学 んで、今 までにはない
「新 しい
世界」を知ることができるでしょ
う。
六年前の私にとって、慶進の英
語スピー チコンテス ト は一番 衝
撃的な「新しい世界」
でした。
です
が、
この出会いが私の人生を大き
く変 えて、二 〇一五 年の春、私は
東京外国語大学に進学すること
になるのです。
初 めて聞く先 輩た ちの美しい
英語。正々堂々とした演説。私は
深く感 銘を受け、「英 語をきれい
に話せるようになりたい」と願う
ようになりました。それは英語と
いうものに、恋をしたかのような
感じでした。
そこ か ら 私 も 六 年 間 を 通 し
て、英 語の暗 唱 大 会 や 弁 論 大 会
に挑 戦してきました。しかし、そ
の中で 幾 度 と な く 挫 折 や 失 敗
を 経 験 し たことで、素 晴 ら しい
教訓を得ることができたのです。
『失 敗は成 功のもと』ということ
です。
これは実によく聞く言葉で
すが、本当の意味でこの言葉を体
得 している 人 は 非 常に少 ないの
ではないでしょうか。新たなこと
に挑 戦 しな け れ ば、失 敗 はし ま
せん。しかし、失 敗をしなければ
成功はないのです。
私はこのことを 真に実 感 して
か ら、失 敗に臆 さ な くな り ま し
た。大 学 受 験 という 大 きな 挑 戦
においても、何度も挫折しそうに
なりましたが、それを次への踏み
石にして、また立ち上がってきた
からこそ、合格を手にすることが
できたのだと思います。
慶 進にはいろいろなことに挑
戦する機会が多くあります。ぜひ
その機会を逃さないで、有意義な
六年間を過ごしてください。
東京大学 理科Ⅲ類
二木 寛之
私 は 中 学 に 入 り、す ぐにソフ
トテニス部に入部しました。
これ
は、私 が そ れ まで 所 属 して き た
どの集 団よりも、先 輩、後 輩の関
係が密接だったため、うまくやっ
ていける か 大 変 不 安 でし た。し
かし、先 輩 方 は 卒 業 さ れた 今で
も先 輩と聞くとその人 達を思い
出 すよ うな素 晴 らしいメンバー
が揃っており、私は中 学一年 生の
間、大 変 充 実 した 部 活 動 を 行 う
こと ができました。それだ けに、
自 分 が 中 学 二 年 生に進 級 する
際、そ れ ま で 後 輩 で し か な かっ
た自 分た ちが先 輩になるのだと
意識すると、「自分も先輩方のよ
うに後 輩の良い手 本にならなく
ては」という プレッシャーを 感 じ
ていま し た。結 果、中 学 二・三 年
にかけて厳 しいばかりの先 輩と
なってしまいました。
私 は 中 学の部 活 動 を 通 し、縦
の人 間 関 係について学 ぶこと が
できたのではないかと思います。
また、私 は 慶 進 高 校に進 学 し
た 後 も 高 校のソフトテニス部に
二 年 生の夏 休み前まで所 属して
いました。高 校の部 活は、アド バ
ンスコース、グローバルコースの
生 徒 と 合 同で、学 校の日 常 生 活
では 他のコースの生 徒 と 接 する
機会は多くないため、同級生とい
えども初対面の人達とほぼ部活
でしか会わないことになり、それ
ゆえに今度は横のつながりについ
て考 えさせられること が多 くあ
りました。
このように私は部活動を通し、
テニス だ けでな く、人 間 関 係 も
学びました。そしてそれはこれか
ら私が社 会に出て行くにあたり
最 も 重 要 なものなのではないか
と思います。
国際教養大学 国際教養学部
宮本 歩実
私が慶 進で出 会った 新しい世
界、それは「英語スピーチ」
です。
始 めてみよ う と 思った きっか
けは、中 二の春にニュー カッスル
の高 校 生 が 来 校 し、体 育 館で交
流会が開かれたときのことです。
元 々 洋 画や洋 楽が好き だった私
は、オーストラリア人の生徒とた
くさん話をしたかったのですが、
当 時の私は話しかける勇 気も英
語力も持っておらず、大変悔しい
思いをしました。その悔しい思い
が、第一回 校 内スピーチコンテス
トに参加するエンジンとなり、そ
れからの私の慶 進 生 活 を一変 さ
せました。
ネイ ティブスピー カ ーである
パーキン先 生と練 習 する最 初の
頃 は、英 語で自 然に会 話 する 先
輩 方の姿 を 見て、本 当 に 私 にで
きるのだろ うかと不 安になりま
した。しかし、練 習を重ねるう ち
に、先生の話すことが理解できる
ようになり、
スピーチコンテスト
で三位に入賞したことは、私に大
きな勇 気と自 信をあたえてくれ
ました。「あんなに大 勢の人の前
でスピーチできたのだから、他の
こともできるはずだ!」と前向き
な気持ちになり、
のちの五年間の
慶 進 生 活 は 生 徒 会 や 英 検、アメ
リ カ 留 学 な ど 多 くのことにチャ
レンジすること ができた 充 実 し
た時間となりました。新入生、在
校生のみなさん、六年間は長いよ
うで、短いものです。何 か自 分 を
成 長 させるものを 見つけてくだ
さい。そして、それを 続 けてくだ
さい。そ う す ればきっと「新 た な
自分」
にも出会えるはずです。
◀ 上 段 左から 重 永くん・兼 坂くん・榎くん・
二木くん 下段左から井上くん・常さん・
宮本さん・石田くん
S E R I E S Ⅳ | T h e Ta l k i n g w i t h s c h o o l m a t e . . .
同窓生
数学科
増井健人先生
6 期生の慶進
平成26年度卒業
立教大学 社会学部
壹岐 大輔
田中 翔
山口大学 工学部
10
6期生の慶進
担任 増井 健人
今春、慶進中学校・高等学校を6期生が卒業
しました。
6期 生が私にとって初めての中 高一貫コース
であり、
3年 間 担 任として教 科 担 当として関わ
ることができた特別な学年です。
この三年間、多
くの驚き、発見、感動を彼らからもらいました。
一
人一人がとにかく何かに一生懸命でした。勉強は
もちろん、部活、生徒会、行事(遊びも?)
などそ
の種類は様々です。個々で取り組む勉強では、継
続して努 力する力を持っており自 己の目 標( 意
志)
をしっかり持っています。
また、行事などみん
なで協 力するものはその団 結 力を発 揮し、短 時
間で高いクオリティをみんなが追求します。行事
がある度にその完成度に感動し、「6期生はすご
い!」
と三人の担任が何度も言い合い、感心しま
した。
6期生とは?と聞かれ真っ先に思いつくこと
は、やはり「勉強に対する競争意識が高い」
こと
です。模 試( 授 業 中のテストも)
に対する意 識が
非 常に高く、各 自が目 標を持ち模 試にすべてを
懸けて望む姿は、試験監督をしながら鬼気迫る
緊 張 感をひしひしと 感じるほどでした。だから
こそ彼らはその結果を大切に受け止め、次に生
かすことができたのだと思います。
二十年後、彼らは何処で何をしている
十年後、
のでしょう?想像するだけでワクワクします。
いろいろなことが無 限に想 像できます。この
六年間で培ったことを土台にして自分の夢に向
かって真っ直 ぐ 突 き 進んでほしいです。彼らは
きっと 夢を 掴み、それぞれの舞 台で社 会に貢 献
してくれることでしょう。
6期生の慶進
11
石 田くんと 井 上くんにも加
わってもらい、
お話しを聞き
たいと 思います。(※9 頁に
写真掲載)
みなさんは慶 進の世 界をす
べて見てきましたが、新入生
に 慶 進でど んな
「 慶 進の 世
界」
を見て欲しいですか?
田中 「たくさんの新しい仲
間と出 会 うこと」により「慶
進の世界」を見て欲しいと思
います。みんなそれぞれ違う
目 標 や 個 性 が あ り、僕 自 身
が考え方など、大人になった
を 俯 瞰 して見 られるよ うに
と思いますし、
いろんなこと
間に出 会 えたからだと思い
なったことは 素 晴 ら しい仲
ます。
ま す。僕 自 身、先 生との出 会
石 田 「 先 生」とい う「 慶 進
の世 界」を見て欲しいと思い
く広がりました。例えば授業
いか ら「新 しい世 界」が 大 き
で、授業内容からそれた場合
でも、自 分 が 疑 問に思い、調
べていくと ま た 違 う 見 方 が
できたりして、新しい見方が
に世界史の末冨先生は、今起
できるようになりました。特
きている 事 柄 な どに繋 がり
のあること を 話 してく だ さ
るので、
ニュースを見ていても
「これはあのことだな」とか、
「昔こういうことがあったか
ら 今こうなっているん だ」と
思うことがありました。
壹 岐 「 修 学 旅 行」か ら「 慶
進の世界」を見て欲しいと思
います。それまで僕はあまり
海外に興味がなかったのです
が、高校2年生のときに修学
旅行で訪れたマレーシアの学
校での交 流で、
いろいろな宗
教 や 文 化 を 学べて世 界 が広
がりました。動物園のナイト
サファリの規模やマレーシア
の人たちの服装などから、世
界には 知 ら ないこと がた く
さんあると感じました。
井 上 「 た く さ んの人 と 関
わ る こ と」か ら「 慶 進 の 世
界」を 見 て 欲 しいと 思 い ま
す。慶 進に入 学して、僕の小
学校の全校生徒の人数が慶
進では一学 年の人 数である
ことに驚き、
一気に人との関
わ り が 増 え ま し た。ま た 高
校生になってからは、生徒会
執行部に所属し、他のコース
の人 達 と 関 わ り、視 野 が 広
がりました。
みなさんはサッカ ー 部に所
研 究 し、自 分 自 身 が 研 究 し
属していましたが、中学校の
たいことを探していかなくて
部 活はどういう 世 界でした
はいけません。今はまだ漠然
か?
と 社 会 学 を 学 ぶことしか考
石 田 得 意ではなかったス
えていないので、大 学でた く
ポーツが少しだけできるよ
さんの経 験をしていく中で、
うになりました。
自 分の可 能 性や自 分が本 当
井 上 部 活 が ある か ら、勉
に学びたいことを見つけてい
強も頑張ろうという意気込
きたいです。
みになり、良いストレスのは
石 田 世 界 中の人と 関 わっ
け口になりました。
てい く 中 で、否 定 的 に な ら
田 中 いい仲 間を得 られた
ず、広 く 見て 深 く 知 る よ う
と思います。クラスの仲間と
になりたいです。
は ま た 違い、六 年 間 同 じ ク
井 上 高 校で縛 られてきた
ラスにな らなかった 人 と も
分、
とにかく自由に過ごした
部 活を通して深い繋がりに
いです。(笑)
なりました。
壹 岐 慶 進では知 識 だけで
部 活には 入 部して欲しいで
はな く、人 間 関 係 も 学 び ま
すか?
し た が、こ れ か ら 行 く 工 学
田 中 そ うで す ね。辛いと
部でもたくさんの人と協 力
きに頑張れる忍耐力は受験
し合い、自分に足りないもの
にも必要なので、そういうの
を 補っても らいつつ、社 会に
も 部 活では 培 えるのでぜひ
役 立つものを 作 りたいと 思
入部して欲しいと思います。 います。
最 後 に、み な さ ん が こ れ か
みんなに 共 通しているのは
ら 見る
「未知の世界」
に対し 「 新 しい 世 界」= 人 と の 出
てどんなこと を 期 待してい
会いですね。
ますか?
では、
新入生にひと言お願い
田 中 社 会 学 部に進 学 する
します。
全 員 迷いつつも 進 んでく
ので、世 界で起こっているた
ださい。
くさんの出 来 事 を 多 角 的に
12
|お|知|ら|せ|
医学部・理工学部(2)
文学部
薬学部・理工学部
九州大学
国際教養大学
東京外国語大学
慶應義塾大学
国際基督教大学
早稲田大学
上智大学
東京理科大学
経済学部・工学部(2)
国際社会学部
教養学部
外国語学部
小さな本箱
第4回
法学部
医学部
大阪大学
理科Ⅲ類(2)
・理科Ⅱ類
体験ツアー
体験ツアー
慶進中学校 学校説明会
サイエンス・クリニック
5月23日㈯
6月27日㈯
7月11日㈯
8月8日㈯
国際教養学部
放課後の慶進中学校・高等学校は、部活動や課外
授業、生徒会活動などが行われ活気にあふれていま
す。
そんな学校の中でも、黙々と目の前のことに没頭す
る生徒がいる場所があります。
それは
「図書館」
です。
この場所で生徒が見ている世界は、数学の世界、文
学の世界、哲学の世界と様々です。
この図書館からも社会への扉が開いています。
神戸大学
東京大学
図書室
6期生の主な合格先
※
( )
内は人数。
( )
がない場合は1名
o
La Ph to de Keishin
|大|学|合|格|速|報|
平成27年度
慶進でお会いするのを楽しみにしています 英語科 村尾 美奈先生のおすすめ
ダニエル・キイス
るようになる。知 能が高くなるこ
とで彼は幸せにはなれなかった。
チャーリ ー を 含 め 作 中の 人 物
たちは、常に自 分と 相 手の知 能レ
ベルが違うことを理由に拒絶し合
う。自 分と 異なるものに対する 彼
らの恐 怖 心は、この作 品を 読んだ
学生時代の私の内面をえぐってき
て、自 分の中の同じ感 情と向き 合
わせた。異物への恐怖心のためにそ
れを 排 除し 安 心しようとして、差
別や偏 見が生まれることもある。
他者を受け入れなかったことによ
る 数 知 れない悲 劇 を 過 去 も 現 在
も私たちは認識しているはずなの
に。
きれいごとかもしれないがバベル
の塔の破 壊 がもたらしたものは、
私たちを 分 断するものではなく、
異なるものを受け入れて共感する
心を養うチャンスであると信じた
い。
そして、慶進生には他者に共感
する心を養いつつ、
チャーリーを含
む 全ての人にとって住みやすい世
界をつくろうという意識を持ちな
がら知力、学力をつけてほしい。
アルジャーノンに花束を チャーリー・ゴードンは知的障害
を抱えながらニューヨークのパン屋
で働く 歳の青年。同僚たちによる
からかいを友情の証と捉えている。
そんなチャーリーが大学の教授た
ちから脳の手 術を受け、数ヶ月のう
ちに彼らを凌 駕する天才となる。
し
かし 知 能 が 高 まっていくにつれ、友
情の証だったはずの周囲の人間たち
の言動が自分をあざけっていた行為
であること、そして愛 されていると
思っていた母親から拒絶されていた
ことに気付く。
その後、自分と同じ手術を受け天
才となったネズミのアルジャーノン
の知能が退行し始め、彼は自分の身
に起こる未来を察知し、絶望する。
彼 が手 術を 受 けることを 決めた
のは、知 的 水 準が上がればみんなが
もっと自分を好きになってくれると
考えたからだ。
しかし実 際は知 能が
高まることにより、周 囲の人 間に対
する不信感を募らせ、彼らに劣等感
を 感 じ さ せる よ う な 発 言 を 繰 り 返
し、孤立していく。
そして彼のことを
本 当に心 配する 人たちさえ 拒 絶す
32