都市形態の時空間的分析 - 豊田工業高等専門学校

所属: 豊田工業高等専門学校 環境都市工学科
研究タイトル:
都市形態の時空間的分析
氏名:
猪八重拓郎/ INOHAE Takuro
E-mail:
inohae
職名:
講師
学位:
博士(工学)
所属学会・協会:
日本都市計画学会,日本建築学会,土木学会,地理情報システム学会
キーワード:
地理情報システム(GIS),アーバンフォーム,スマート・シュリンク
技術相談
提供可能技術:
・都市形態の解析
・多変量解析
・スペース・シンタックス理論
・Multiple Centrality Assessment
研究内容:
都市化及び都市撤退の要因分析
近年、我が国の地方都市中心部における低未利用地の増加は、多くの都市において重要な課題になっており、その
実態やメカニズムを明らかにした研究が蓄積されつつある。また一方で、中心部の低未利用地化の一要因と考えられて
きた郊外市街地についても、特にスプロール的に形成されてきた郊外市街地において都市的土地利用からの撤退現象
が起き始めていることも指摘され始めている。
しかしながら、都市撤退に関する既存研究の多くは、中心部もしくは郊外部のどちらか一方に焦点を置き論じているも
のが多く、都市圏を一体として捉え、さらにその都市撤退の実態を長期的に時系列で捉えた研究の蓄積は見られない。
また、都市化と都市撤退の現象の実態を同時に捉え、相互の関係に言及した研究の蓄積も少ない。
さらに、人口減少型社会に直面し、今後計画的に都市を縮退させなければならない可能性があるという議論もなされ
るようになってきた中で、実態として一つの都市圏の中でどのように都市化が進み、そしてどのように都市撤退が進んで
いるのかを明示することは、賢い都市撤退(スマート・シュリンク)の在り方を考えていく上で、重要な基礎的情報になる
ものと思われる。また、同一都市圏内の各地域は、中心市街地、郊外部、集落部とネットワーク系交通インフラ(道路、
鉄道等)により繋がっており、相互の位相的な位置関係のもとで一様ではない都市化と都市撤退という現象が生じてい
ることが考えられる。都市化及び都市撤退に影響を与える要因としては様々なものが考えられるが、都市の重要な基盤
の一つであるネットワーク系交通インフラの形成の変遷を遡り、土地利用の変遷と併せて論じることは、都市化及び都
市撤退の生じる場所の空間位相的な形態の特性を端的に明示することに繋がるものと思われる。
そこで本研究テーマでは、都市化を都市的土地利用から非都市的土地利用への変化、都市撤退を非都市的土地利
用から都市的土地利用への変化と定義し、まず実態としての都市化及び都市の撤退現象を時系列的に土地利用デー
タを分析することにより定量的に把握することを目的としている。さらに、道路網及び鉄道網についても時系列的にネット
ワーク的な視点から分析することで、その場所の持つ都市構成上の位相的位置関係及びその変化を捕捉することを目
的としている。また上記2点より、都市化及び都市撤退の傾向を明らかにするとともに、特に都市撤退の生じやすい場
の特性と都市撤退が生じにくい場の特性についての基礎的知見を得ることを目的としている。
提供可能な設備・機器:
名称・型番(メーカー)
ArcGIS (Spatial Analyst, Network Analyst, 3D Analyst) (ESRI)
SPSS (Statistics, Amos) (IBM)