マンション価格上昇、高額物件好調!!

KOBAKANニュース
2015 年 7 月 29 日
VOL.72
株式会社アプレイザル総研
大阪市北区西天満 1-10-16
TEL:06-6315-5111
FAX:06-6315-5125
文書:小林
穂積
この KOBAKAN ニュースは、㈱アプレイザル総研・小林穂積とお名刺交換、ご縁を頂いた方にお送りしています。
1.マンション価格上昇、高額物件好調!!
近畿圏のマンション価格が上昇しています。不動産経済研究所が 7 月 14 日発
表した 2015 年上半期(1~6 月)の、1戸当たりの平均価格は、前年同期より
84 万円(2.4%)高い 3634 万円でした。00 年以降では最も高い水準です。建築
費の上昇に加え、都市中心部の高額物件が人気で価格上昇をけん引しています。
一方、郊外の割安物件は苦戦が続いています。景気回復とともに二極化が鮮明
になってきました。
新規販売戸数は前年同期比 16%増の 1 万 102 戸でした。首都圏は 7.1%減だ
ったので近畿圏の好調さが目立ちます。
平均価格を押し上げたのが富裕層が買い支える都心部の高額物件です。積水
ハウスの「グランドメゾン京都御池通」
(京都市中央区)は平均価格が 7 千万円
を超すが、1 期 42 戸は即日完売しました。購買の約7割の富裕層(積水ハウス)
という。
大阪屋京都の都心部にある物件には、投資目的の資金も一部流入しています。
一方で郊外物件は苦戦が続く。4 月には約 11 年ぶりに奈良、滋賀、和歌山の 3 県で新規の販売がなかった。交
通の便の悪い物件も敬遠されており、兵庫県宝塚市郊外で最寄駅から遠い物件は、販売初回は契約率が 2 割と低
迷した。
人手不足などで工事単価は全地域で上がり郊外の割安感は薄れている。
15 年通年で見ると、供給戸数は前年比 12%増の約 2 万 1 千戸が見込まれている。地価が徐々に上がっており「販
売価格の先高観はまだ続く」
(同)とみられる。平均価格は、ファミリー層の購入の上限とされる4千万円を超え
る水準まで上がるかが焦点となる。
(2015 年 7 月 15 日 日本経済新聞)
2.戸建て住宅不振が鮮明に!!!
首都圏の中古物件で戸建住宅の需要不振が鮮明になってきた。投資用需要も多いマンションは値上がりが続い
ているのに対し、戸建ては値動きが鈍い。実需がほとんどの戸建ての不振に対し、市場関係者からは「住宅の需
要は依然として弱い」との声があがる。
不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)によると、6 月の首都圏(東京都、
神奈川県、千葉県、埼玉県)の中古戸建て価格(木造、敷地面積 100~300 ㎡)は平
均 2952 万円だった。前月比で 3 か月ぶりに下落した。この 1 年はおおむね 2900 万
円前後の値動きが続く。
戸建て住宅の購入者は大半が自身が住むことを目的とする。国内消費者の住宅取
得意欲は高まっていないようだ。東日本不動産流通機構によると中古戸建ての成約
件数は 2013 年 10~12 月から 15 年 1~3 月まで 6 四半期連続で前年同期を下回って
いた。4~6 月は前年同期比で 11%増加したものの、一般消費者の手が届きやすい
3000 万円台半ばまでの物件も多い首都圏郊外地域の戸建ての値動きが鈍い。価格も
「ほとんど上昇しておらず、一部では値下がりしている地域もある」
(野村不動産ア
ーバンネットの神園徹執行役員)。
対照的に中古マンションは値上がりが続く。大和総研の長内智エコノミストによ
ると、実質的な現金給与の総額は 2 年以上前年同月を下回る。
「実体経済の弱さが戸建て価格の伸び悩みにつなが
っている」
(長内エコノミスト)と分析する。
(2015 年 7 月 17 日 日本経済新聞)
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3.最高路線価下落なし!!
国税庁が 1 日発表した 2015 年分の路線価で、府内の平均変動率は前年比 0.5%アップした。プラスは 2 年連続
で、上昇幅も 0.2 ポイント拡大した。税務署ごとの最高路線価は、下落地点がゼロ(前年 2 地点)となり、20 地
点で上昇した。ただ、都心部を中心に回復傾向が強まる一方で、南部では横ばいにとどまる地点も目立った。
最高路線価は、府内 31 税務署ごとに発表。大阪国税局によると、最も高かったのは阪急百貨店前御堂筋の「大
阪市北区角田町」で、1㎡あたり 832 万円。同局管内(近畿 2 府 4 県)で 32 年連続トップとなった。南海難波駅
前の「同市中央区難波 5」
(512 万円)
。JR 大阪駅北側の「同市北区大深町」
(482 万円)が続いた。
都心部への通勤が便利で、マンションの需要も高い、大阪市の西区や福島区、豊中市、吹田市などの北摂地域
が上昇する一方、急増する外国人観光客の恩恵が少ない堺市や岸和田市など府南部は、横ばいも多かった。
評価にあたった真里谷和美・不動産鑑定士は「大阪市中心部の上昇を受けて周辺でも住宅需要が高まっている。
円安を背景に、上昇傾向は今後も続くのではないか」と分析している。
府内や全国の路線価は、国税庁のホームページ(http://www.rosenka.nta.go.jp/)
4.続々値上げ!!管理費修繕積立金等の規定!!
都心部では驚くような価格帯の新築マンションが登場しているが、短期間に完売する物件が目立っている。そ
こから「マンションブーム」という言葉も出てきたが、現在の状況は過去の「マンションブーム」と異なる部分
がある。それは、高価格・人気物件が「都心・新築」に集中しているという点だ。郊外への波及力が弱く、中古
市場への影響も少ない。そう書くと、
「中古マンションも値上がりしているのではないか」と疑問を抱く人もいる
だろう。
確かに、中古マンションを探してみると、以前より高い価格で売り出されている物件が目立つ。しかし、この
価格は「売り出し価格」
、つまり、売り手の希望価格であり、その価格のまま成約するとは限らない。中古住宅の
価格データは常に「売り出し価格」で集計され、
「成約価格」は表に出てこない。だから、実勢価格を把握しにく
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いのが実状だ。ただし、
「売り出し価格」が上がっているのは確かだ。つまり、マンションを高値で売ろうとして
いる人が多いわけだ。しかし、希望通りの価格で売れるとは限らない。
今、東京の都心部では築 11 年から築 14 年の中古マンションが多く売り出されている。これには、2 つの特殊
事情がある。ひとつは、
「都心マンションブーム時代の物件が主体」という特殊事情だ。今から 15 年前の 2000 年
から 04 年にかけて「都心マンションブーム」という現象が起きた。当時、新橋駅近くの汐留で 3LDK が 5000 万円
台で購入でき、江東区の豊洲では 3300 万円台の 3LDK も登場し、人気を集めた。
その時期のマンションならば、外観もセキュリティも現在のものと遜色なく、
「今なら高く売れそう」と売り出
す人が多くなっているわけだ。
2 つめの特殊事情として、
「ランニングコストが上がる前に売ってしまおう」と考える人が多いことがある。
「都心マンションブーム」の主役は、当時から増え始めた超高層タワーマンションだった。そのなかには築 16
年目から毎月払う管理費・修繕積立金が増えるケースがある。
超高層タワーマンションは維持費が高くなる。たとえば、エレベーターの利用頻度が高まり、運転する電気代
がかさむ。エレベーターには特別仕様の長いワイヤーが必要で、定期的に交換する必要があり、長い分、交換費
用が高額になる。それで管理費・修繕積立金が高くなり、16 年目からさらに上昇する。そのような事情から、築
15 年目までに売却し、管理費・修繕積立金の安いマンションに移り住みたいと考える人が増え、都心部で売りに
出る中古マンションがさらに増えたのである。
こんなマンションへの住み替えが実現すれば、リタイア後の不安も減らせるだろう。問題は、都心部にある中
古マンションが希望通りの価格で売れるかだ。今後、売り物が増えれば、相場が崩れる可能性もある。
「高く売っ
て、安く買う」には、タイミングの見極めが重要だ。(月刊ウエッジ 7 月号)
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