【働くということ】

【働くということ】
阿部 春美
「先生は、なんで先生になろうと思ったの?」
よく、生徒から聞かれる質問。そんな時は必ずこう答える。
「笛を吹いていれば、お給料がもらえると思ったから・・・。」
小さなころから体を動かすことは大好きだった。学校から帰ると、ランドセルを放り出し、町中を駆け
ずり回り、木に登り、近所の友達と暗くなるまで遊んだ。少しの時間もじっとしていられない子供だっ
た。そんな私を心配した母は、ちょっとの間でもいいから、静かに座っていてほしいと習字の習い事まで
させた。(あまり効果はなかったが・・)
体育は得意教科だった。走ったり、泳いだり、大抵のことは好んでやった。授業が1時間目から6時間
目まで体育でもいいと思うような時もあった。短気で負けず嫌いだったこともあり、様々な大会や授業
のゲームで負けたりすると機嫌が悪くなることも多く、今思えば、扱いづらい、いやな子供だっただろう
なぁと思う。
私が先生になろうと思ったきっかけは、高校で出会った体育の先生である。
今思えば大変失礼なことではあるが、高校生の私にとって、彼女はいつもホイッスルを吹いて指示を
出している印象だったのである。これが前述した「私が先生になろうと思ったきっかけ」である。だっ
て、私は運動が好きだし、一日中体育ができるし、できない種目は笛を吹いていればいいのだから・・・
と。
しかし、これは言うまでもなく大きな誤りであることに気付く。仕事をするようになって初めてわか
ったこともある。
一口に先生といっても、教科の授業を教えるだけでなく実に様々な仕事をこなさなければいけない。
また、専門の教科を教える際にも、子供がどうしたら興味を持って取り組めるか、どうすればわかるよう
に教えられるかなど悩みは尽きない。特に子供たちは一人一人個性があり、得意不得意、好き嫌いがあ
る。すでに何百人もの卒業生を出しているが、私のせいで体育嫌いになった生徒はいなかっただろうか
と心配することも多々ある。今は体育の教員ではなく、特別支援の教員をしているので、体育を教えてい
た頃と悩みの内容は変わったものの、本質的なことは何も変わっていない。日々精進の毎日である。
世の中には色々な仕事があり、たくさんの人々が働いている。私のように甘い考えで仕事をし、挫折を
味わうことになる人もいるだろう。「やめたい」と漏らしながらも周りの人に励まされて仕事に向かう人
もいるだろう。仕事をする上で悩んだり、心が折れそうになることはよくあることだ。
この夏休み、2年生の職場体験が各事業所で行われた。5日間の体験で何を感じ、何を得ただろうか。
東京都新島村立新島中学校 広報誌 みやつか 平成 27 年度 9月号
新島中学校HP http://www.niijima.com/niichu/
みやつか9月
号
新島村立新島中学校
広報誌
平成27年9月10日(木)発行
新島の星
校長
清水
実
今年は 45 日間という長い夏休みでしたが、9
油井さんは長野県川上村という山の中のや
月 1 日の朝にはやはり「夏休みはいつも終わっ
はり星のきれいな土地で育ちました。高原レタ
てしまうとあっという間ですね」という生徒のつ
スを作っているお父さんに、夕方、山まで車で
ぶやきが聞こえました。楽しい時間は早く過ぎて
送り届けてもらい、天体望遠鏡で一晩中星空を
しまいますが、始業式に並んだ顔からは、それぞ
眺め、天文学者や宇宙飛行士になる夢を育んだ
れに思い出いっぱいの夏休みを過ごしたことが
といいます。中学生のころには「火星にコケを
伺えました。
生やせれば人類が住めるようになるかも」と熱
夏休み前の終業式では、命を大切にしてほしい
く語っていたそうです。その後は、自衛隊のテ
という話をしましたが、8 月に入り、子どもの自
ストパイロット等を経て宇宙飛行士という夢
殺が一番多い日は 9 月 1 日だというニュースに
を実現させました。日本では自衛隊のパイロッ
触れて、緊張感を覚えました。幸いにも新島中学
トから宇宙飛行士になったのは油井さんが初
校の生徒たちは皆、元気に 2 学期を迎えること
めてです。いうなれば、油井さんがたどった宇
ができましたが、この夏休み中も事故や事件でか
宙飛行士への道のりは一般的なものではなく、
けがえのない命を失った人がたくさんいました。
大きな回り道であったのです。そのせいで中年
中学生が事件に巻き込まれ、命を落とした報道が
の星になったわけですが、少年の頃の夢をいつ
連日のように流れることもありました。改めて、
までもあきらめずに、ついに実現させた生き方
子どもたちをご家庭や地域でしっかりと見守っ
は見習いたいものです。
てくださったことに感謝申し上げます。
新島中学校の生徒たちも夏休み中は、豊かな
さて、自然が豊かで夜は星空が美しい新島です
自然の中で、また温かい人情あふれる地域の中
が、その星々を貫くように地球の周りを飛んでい
で、心に残る体験をたくさんしたことだと思い
る人工衛星があります。国際宇宙ステーション
ます。特に 2 年生は職場体験で日頃はできない
「ISS」です。そこにこの 7 月から日本人と
貴重な活動をさせていただきました。生徒たち
して 10 番目の宇宙飛行士となった油井亀美也
が、こうしたふるさとでの体験を積み重ね、夢
さんが乗り組んでいます。油井さんは2009
を育み、いつしか新島の星になってくれること
年、JAXAが10年ぶりに宇宙飛行士候補者を
を願ってやみません。
募集した際に、963人の応募者から、過去最年
長の39歳で選抜され、宇宙飛行士になりまし
た。現在 44 歳の油井さんは、自分のことを中年
の星と呼んでいます。
Niijima Star
7月19日(日)に都大会に出場しました。1回戦の相手は昨年と同じ大島(合同)中で、結果は
11対0(3回コールド)と惨敗でしたが、選手たちは今大会に向けてとてもよく頑張り、成長した姿
を見せた都大会遠征となりました。
大会の約1ヶ月前、野球部員は6名しかいないため、バスケ部員の力を借りて10名で練習を開始し
ました。最初は声かけがなく、チームとしてばらばらな状態でした。村の方々や高校生と練習試合を組
み、アドバイスをいただいたり、何度もミーティングを開いたりしてチーム力を高める努力をしてきま
した。その結果、都大会ではお互いを鼓舞し、思いやる声がたくさん聞こえ、チームが1つになってい
ました。そして、次の日の練習試合では見事勝利を手にすることができました。
今大会に向けて、本当に多くの方々にお世話になりました。
練習試合をしてアドバイスを下さった村の方々、球場まで足を
運んで温かい応援をし、お世話をしてくださった保護者の方々、
その他野球部の都大会遠征にご協力いただいた方々、本当にあ
りがとうございました。今後も野球部の応援をよろしくお願い
致します。
平成27年度東京都中学校新人テニス選手権第1ブロック大会
☆女子シングルス
・浦野 倫・・・予選決勝進出(予選ベスト32)
・岩本 優海、山口 優菜・・・3回戦進出
・梅田 澪、北村 杏沙、青沼 葵、藤井 晴、前田 愛礼・・・2回戦進出
・梅田 野々花、前田 遥香・・・1回戦敗退
☆女子ダブルス
・岩本・浦野ペア・・・予選決勝進出(ベスト16)
・梅田(澪)・山口ペア・・・4回戦進出(ベスト32)
・北村・藤井ペア、青沼・梅田(野)ペア、前田(愛)・前田(遥)ペア、川島・梅田(妃)ペア・・・1回戦敗退
9月の予定
10日(木)生徒会役員選挙
18日(金)各種委員会
11日(金)式中合同授業
24日(木)中央委員会
12日(土)新島高校文化祭
28日(月)生徒朝礼(認証式)
13日(日)新島高校文化祭
30日(水)運動会予行練習
「働く」とはどういうことかを知るための職場体験、地域の事業所の方々にお時間を頂き、全21名の生
徒が職場体験を終えることができました。今年度は13の事業所にお世話になりました。働くことについて
考え、働く人を間近に観察し、自分たちが地域の主軸となる時に、どのようにありたいかを考える良い機会
となりました。にいじま漁業協同組合、新島陸送サービス、池太商店、郵便局、七島信用組合、間々下温泉、
渋谷区青少年センター、モヤイズキッチン、商工会、JA島しょ、老人ホーム、保育園、ブルーベリー農園、
村役場の皆様をはじめご支援頂いた保護者・地域の皆様、本当にありがとうございました。これから、体験
をまとめる行程を通し、自分たちの住む地域の未来を深く見つめていきたいと思います。
モヤイズキッチン
郵便局
老人ホーム
JA 島しょ
ブルーベリー農園
モヤイズキッチン
商工会
商工会
池太商店
池太商店
七島信用組合
老人ホーム
渋谷区青少年センター
にいじま漁業協同組合
間々下温泉
新島陸送サービス
保育園