わたしがまとめた 朝日町の財政分析

わたしがまとめた
朝日町の財政分析
朝日町議会議員
野呂
トオル
報告にあたって
平成16年の住民投票により、朝日町は単独町政を選択しました。
前回、議員の一人として町民の意志にそって進んでいけるよう、みえ・市町財政を考える会に
参加して、財政分析の勉強をしました。平成16年度までの20年間の朝日町の財政分析をし、
他市町の財政分析と合わせて『三重県の市町村財政分析』(発行:東海自治体問題研究所)とし
て出版されました。
今回、単独町政を推進してきた田代町長の退任を機に、その後の財政状況分析と町政の課題を
提起しました。
ぜひ一読され、ご感想・ご意見をお寄せください。
目
Ⅰ
朝日町の紹介
Ⅱ
単独行政を選択してからの経過
Ⅲ
財政状況の分析
Ⅳ
今後への提案
Ⅴ
おわりに
次
・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
・・・・・・・・・
2
・・・・・・・・・・・・・・・・
3
・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
Ⅰ、朝日町の紹介
1、町の概要
朝日町は、三重県北東部に位置し、名古屋市、四日市市・桑名市といった中核都市に接し、
旧東海道や国道1号、JR関西本線、近鉄名古屋線が通り、さらには伊勢湾岸自動車道路みえ
朝日ICを有し、交通利便性のよい緑と水の自然環境が身近に感じられる快適な生活空間を有
するまちです。
これからのまちづくりにおいて、まちの特性やこれまでのまちづくりの成果などの地域資源
を最大限に生かし、朝日町らしいまちづくりを進めることが重要です。こうした町の代表的な
特性を整理すると以下のとおりとなります。
町は、中部圏の中心である名古屋市まで25km ほどの距離にあり、県内でも中核的な都市で
ある四日市市、桑名市に隣接し、国道1号や伊勢湾岸自動車道とともに北勢バイパスが整備さ
れ、みえ朝日ICが設置されています。また、町内には、JR関西本線、近鉄名古屋線が走り、
交通の利便性が高いまちとしての特性を有しています。
町には、緑豊かな丘陵地帯に残る里山をはじめ、町境を流れる朝明川と員弁川(町屋川)など
水辺空間に恵まれています。また、東部から南部一帯の平坦地に農業地帯が形成され、美しくの
どかな田園空間が広がり、水と緑の自然環境が身近に感じられるまちといえます。
(朝日町ホームページから)
2、町のあゆみ
明治22年4月1日、町村制施行により、縄生・小向・柿・埋縄の四カ村が合併し「山添村」
と名づけましたが、村用係(当時の村会議員)たちが将来の発展性に乏しいとして「朝明村」に
するよう申請しました.しかし、郡長は郡名と同じであるとして許可されず、坂部(現四日市市)
の国学者に相談したところ、天武天皇が迹保(とほ)川を越て、縄生・小向のあたりで朝日を拝
まれたという故事にあやかり「朝日村」が誕生しました。
昭和29年10月17日、町制施行により現在の「朝日町」となりました。当時の人口は5,
012人、世帯数1,004世帯。古くは尾張・三河への戸船場として栄え、後に東海道沿いに
街村として発達し、昭和3年には伊勢鉄道(現在の近畿日本鉄道)、昭和7年には国道1号が開
通しました。
昭和13年には芝浦製作所(現在の東芝三重工場)の誘致があり、工業の町として発展してき
ました。昭和58年 には国鉄関西本線(現在のJR)朝日駅が設置され、平成15年には伊勢
湾岸自動車道みえ朝日インターの開設、北勢バイパスの一部開通により、交通の利便性は極めて
向上しました。現在はかつての企業城下町の面影はありませんが、住宅地に隣接した医療を含む
事業所がつくられており、既存の事業所の発展と合わせて、新たな商工業施策が課題となってい
ます。
また丘陵地の住宅開発により人口が飛躍的に急増し、平成25年4月8日に人口1万人に到達
し、昨年町制60周年となりました。(朝日町ホームページから)
1
Ⅱ、単独行政を選択してからの経過
1、田代町政の成立と住民投票
平成13年、平成の大合併が大きな問題になってきて以降、各自治体は合併か単独かの選択を
迫られました。朝日町も同様でありました。
平成15年の町長選挙は30年ぶりに合併と単独町政を訴える候補者の選挙となり、町民の声
を二分するものとなりましたが、単独町政を公約に掲げた田代兼二郎氏が当選しました。
合併問題は決着したわけですが、町長は議会や町民の声を考慮し、改めて合併の意思を問う住
民投票を平成16年1月18日に実施し、わずかの差でしたが「単独でのまちづくり」を住民が
選択しました。
2、財政状況
(1)出発点
平成15年の税収は前年度から約2億円落ち込み、落ち込みは3年余り続きました。それと三
位一体の改革と相まって状況は厳しくなり、早速経費削減に着手しました。
職員には管理職手当の削減、出張手当をなくす、掃除も自分たちでするなど自ら率先して改革
に取り組み、加えて補助団体への補助金軽減、議員定数2名削減など行政・住民・議会が一体に
なっての努力がされた。
財政状況に鑑みて予算も身の丈の収入に見合った予算を基本に「第一次自律計画」が策定され
たのです。
(2)状況の変化
朝日町を前進させた要因は二つあります。ひとつは既存工場が投資をしてくれたこと。もう一
つは地権者による土地区画整理組合の丘陵地開発が進められたことです。
とりわけ、丘陵地開発による住宅建設は、上下水道などのインフラ整備と合わせて、若い人を
ターゲットにした「医療費を修学前まで無料にする(現在は中学校卒業まで)
」、もう一つは「3
年間固定資産税を半額にする」という「定住奨励条例」がつくられ、税収が増えることにつなが
ったのであります。
(3)主な政策
町長は単独町政の実現と住民参加によるまちづくりを目標としていましたので、約2年かけて
まちづくり条例(平成19年4月1日施行)をつくりました。
子どもの急増には小学校東角形校舎建て替え(平成18年)、幼保一体化施設あさひ園の建設
開園(平成21年)、仮設校舎の建設、小学校体育館建設・プール建設(平成27年3月完成)
などを進めてきました。
その他では住宅リフォーム制度(平成11年6月議会予算化)、学校図書館専任司書配置(平
成12年度より小・中学校兼任)
、学童保育所(平成15年4月で3か所)増加などがあります。
2
Ⅲ、財政状況の分析
1、「やりくり」の状況
税収は増加してきていますが、企業の償却資産の動向で変化する部分があり、安泰というわけ
にはいきません。歳出も増加してきており、年度初めに基金を取り崩し、年度末に戻すという状
況がずっと続いています。
財政規模は平成21年度以降大きくなっています。人口増による税収増と国庫支出金が前年度
の9300万円から21年度には4億5300万円と大きく伸び、その後も高水準で推移してい
ること、地方交付税が平成22年度以降4億円台であることも要因です。決算収支の推移では平
成19年度以降は黒字が基調となっています。民生費の増加はあるものの、土木費と公債費の減
少が改善の要因です。
歳入総額と歳出総額の推移
百万円
4,500
歳入総額
4,000
歳出総額
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25年度
2、決算収支
決算収支の推移
百万円
400
実質収支
300
単年度収支 実質単年度収支
200
100
0
S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
▲ 100
▲ 200
▲ 300
3
(1)形式収支
①平成24年度に歳入が40億円を超えました。人口増による税収入によるものですが、そ
れに対応した歳出も増えています。今後も規模は大きいまま推移すると思われます。
②投資的経費は施設建設等必要なものに限られておりますが、老朽化した庁舎改築や施設の
補修がでてきますので、大きくは減少しないと推測します。
(2)実質収支・・一貫して黒字になっていますが、できるだけ次年度に繰越したいという思い
があります。不用額も推定して予算額がつくられています。
(3)実質単年度収支・・赤字を計上している年度は、年度当初に基金取り崩しにより、残高が
減少するため、年度末で積立額が少なくなっているためで、やりくりの財政運営を示していま
す。
単位:百万円
H20
H21
H22
H23
H24
H25
A歳入総額
3,152
3,980
3,918
3,880
4,107
4,014
B歳出総額
2,936
3,769
3,734
3,672
3,899
3,688
216
211
184
208
208
316
5
5
6
24
27
62
211
206
178
184
181
253
93
−5
−28
6
−3
72
154
250
633
357
420
211
0
0
0
0
0
0
60
245
325
280
340
330
187
0
280
83
77
−47
区分
年度
C歳入歳出差額
A-B
D翌年度繰越金
E実質収支
C-D
F単年度収支
E-前年度E
G積立金(財調)
H繰上償還金
I積立金取崩額
J実質単年度収支
F+G+H−I
3、歳入
百万円
歳入決算額の構成額の推移
2,500
地方税
地方消費税交
付金
2,000
地方交付税
1,500
国庫支出金
県支出金
1,000
繰入金
繰越金
500
地方債
0
年度
S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
4
その他
町税と普通交付税の推移
百万円
2,500
普通交付税
2,000
固定資産税
1,500
法人市町村
民税
個人市町村
民税
1,000
基準財政収
入額
500
基準財政需
要額
0
S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
(1)歳入構成・・
①地方税が常に最大の構成比を示しているが、最近は50%に届いていません。
②地方交付税はここ4年約10%を占めています。歳入を補うものとして繰入金が平成24・
25年度は3番目になっていることが特徴です。
(2)地方税・・個人町民税は人口増とともに増加していますが、最大の財源は固定資産税です。
住宅の増加によるものと企業の償却資産で安定的財源です。
平成19年は税源移譲による増、22年・23年は景気悪化による個人町民税の減、24年は
震災特需により法人税増がありますが、平成25年には実効税率引き下げで大きく減っていま
す。
(3)地方交付税・・ここ4年は10%台で推移しており、地方税につぐ柱となっています。
単位:千円
区分 年度
H20
H21
H22
H23
H24
H25
個人住民税
520,483
541,754
525,646
523,251
584,687
614,895
法人住民税
299,934
134,687
147,474
174,178
254,354
123,122
(住民税計)
(820,417)
(676,441)
(673,120)
(697,429)
(839,041)
(738,017)
固定資産税
1,197,026
1,218,814
1,129,392
1,066,838
1,102,781 1,094,882
(償却資産)
(537,912)
(574,607)
(465,687)
(391,043)
(442,037)
(428,163)
173,120
178,051
404,980
465,784
447,158
422,841
歳入合計
3,152,103
3,980,265
3,918,318
3880,603
4,107,986 4,014,385
標準財政規模
2,397,256
2,523,636
2,576,582
2,612,379
2,697,223 2,771,475
地方交付税
5
(4)地方債・・毎年発行されていますが、2009年幼保一体化施設事業等に426,50
0千円発行されているのを除き臨時財政対策債の発行が大部分を占めています。
単位:千円
区分
地
年度
方
債
【臨時財政対策債】
H20
H21
H22
190,300
517,100
122,000
190,000
H23
H24
H25
326,000
329,200
335,400
316,700
326,000
323,000
281,000
252,000
4、歳出
(1)目的別歳出
目的別歳出構成額の推移
百万円
1,500
総務費
民生費
1,250
衛生費
1,000
農林水
産業費
土木費
750
消防費
500
教育費
250
公債費
年度
0
その他
S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
民生費、教育費、土木費で60%前後を占めています。子ども人 口の増加と高齢者を含む福
祉費の増加でありますから当然といえます。今後も3経費の比率は変わるかもしれませんが、
傾向は続くと思われます。
(2)性質別歳出
性質別歳出額の推移
百万円
人件費
1,500
扶助費
1,250
公債費
1,000
物件費
補助費等
750
繰出金
500
積立金
250
年度
0
S60S61S62S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10H11H12H13H14H15H16H17H18H19H20H21H22H23H24H25
6
投資的経
費
その他
人件費、物件費、繰出金で約5割を占めています。
①人件費・・行政改革大綱の実施により、平成15年度以降は減少しており、25年度に1
5年度の水準に戻ったにすぎず、人員不足は嘱託・臨時職員で補っている状況です。
②物件費は保育園等の臨時職員の増加に伴い、賃金が増加しています。当分続くと思われま
す。
③繰出金は下水道への公債費財源を主としていますが、国の補助金が削減されてきており、
国保会計、後期高齢者事業会計、介護保険事業会計への費用増に財政の影響を受けています。
④扶助費は年少人口の増加によるものであり、公債費は年々減少傾向にあります。
(3)繰出金の推移
単位:千円
区分
年度
H20
H21
H22
H23
H24
H25
393,500
424,514
373,000
373,000
366,116
352,000
国民健康保険事業会計
45,147
43,934
43,895
47,238
46,863
41,480
老人保健医療事業会計
14,706
1,582
後期高齢者医療事業会計
58,577
62,897
68,359
68,342
74,032
78,849
介護保険事業会計
76,347
65,955
77,549
76,527
84,315
97,706
基金
554
4,656
400
165
158
399
合計
588,831
603,538
563,203
565,272
571,484
570,434
下水道事業会計
(4)児童福祉費と教育費
子育て支援は政策の大きな柱であります。子どもの増加により児童福祉費と教育費が増大
するのは当然の結果で、歳出総額に対する割合が30%を超えてきています。児童福祉費
は国・県の支出金があり、充当一般財源歳出における割合は30%以下で推移しており、
財政を圧迫するものでありません。
充当一般財源の推移
単位:千円
H20 年
比率%
児童福祉費
175,518
6.87
216,564
7.58
236,959
7.46
教
362,815,
14.19
215,415
7.53
384,877
12.12
2,555,890
21.06
2,857,340
15.11
3,175,865
19.58
育
費
歳出合計
国・県支出金
100,926
H21 年
比率%
112,501
H22 年
比率%
159,154
単位:千円
H23 年
比率%
H24 年
比率%
H25 年
比率%
児童福祉費
280,674
8.98
280,730
8.59
310,901
10.24
教
587,146
18.77
629,251
19.26
387,366
12.74
3,126,788
27.75
3,266,994
27.85
3,038,649
22.98
育
費
歳出合計
国・県支出金
284,404
257,527
7
263,985
5、諸指数
(1)財政力指数・・0.9台が続いたが、最近は0.8前後で推移している。
「基準財政需要額」「基準財政収入額」「標準財政規模」の推移
百万円
3,000
2,500
普通地方交付
税額
2,000
基準財政需要
額A
1,500
基準財政収入
額
1,000
標準財政規模
500
A+臨時財政対
策債発行額
0
S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度
区分
年度
H20
H21
H22
H23
H24
H25
3年度平均指数
0.92
0.95
0.90
0.84
0.80
0.81
単年度指数
0.95
0.93
0.81
0.78
0.80
0.83
(2)経常収支比率・・2013年度は87.6%になっているが、義務的経費と物件費で5
8.1%を占めているからと思われる。すでに50%を超えており、この状況は続くと思わ
れる。
単位:%
区分
H20
年度
H21
H22
H23
H24
H25
経常収支比率
79.5
92.2
90.2
89.7
87.9
96.7
臨時財政対策債等を加えたとき
75.5
84.6
79.2
79.1
79.2
87.6
(3)積立金残高・・平成25年度で現在高は1,667,669千円です。そのうち財政調
整基金は962,191千円となっています。標準財政規模に対する比率は40%に達して
います。行政は10億円前後を最低目標にしています。
積立金の経年的推移
百万円
2,000
1,500
積立金現在高
うち財政調整基金
1,000
500
年度
0
S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
(4)地方債残高・・平成25年度で3,411,723千円となっています。そのうち臨時
財政対策債が2,171,804千円で63.6%を占めており、臨時財政対策債が借金なの
か議論が分かれるところです。
8
地方債現在高・地方債発行高・元利償還金
百万円
4,000
3,000
地方債発行高
元利償還金
地方債現在高
2,000
1,000
0
S60 S61 S62 S63 H1
H2
H3 H4 H5 H6
H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 年度
H25
Ⅳ、今後への提案
平成16年1月18日の住民投票で合併しないで単独町政を選択し11年経過しました。田
代町政の12年間はまもなく幕を閉じますが、この間の成果と教訓を踏まえて、次へステップ
へと進む必要があります。
(1)子育て支援と教育
この分野は引き続き行政施策の重点であることは変わりありません。子どもは小学校、中学
校、高等学校と進んでいきますが、朝日町で子ども時代を過ごしてよかったと振り替えられる
ような18歳まで責任を果たせる展望を持った子ども施策をつくっていくことが必要です。
当面の施策は
①小学校・中学校教室のエアコン設置
②中学校の完全給食の実施
③障がい児保育・教育の充実
④遊び場の確保
(2)高齢者施策
平成26年1月1日現在人口10,184人、65歳以上人口1,887人(18.53%)、
75歳以上人口875人(8%)ですが、高齢化は確実に進んでいます。現実には対応が十分
であるといえません。一例を挙げるならば、27年度スタートの介護保険要支援1・2の保険
給付停止に対する受け皿はできていません。
高齢者の健康維持、医療・介護・認知症への対応などが大きな課題となっています。
当面の施策
①社会福祉協議会を福祉活動の拠点として役割が担えるよう、行政あげての抜本的強化をはか
る。
②高齢者自身が生きがいをつくっていくため自主的活動ができる組織づくりを援助する。
(3)安心・安全のまちづくり
災害に強い、高齢者をはじめ町民が安心して歩ける町をつくっていく。
当面の施策
①地区の自主防災組織を運営していくリーダーの養成
9
②旧東海道を安心して歩けるよう整備する。
(4)農業・産業施策
小規模な水田の集積が始められていますが、後継者の発掘と養成、農業だけでは生活できな
いので兼業事業の検討が課題となっています。
企業誘致が考えられますが、水田の活用までには必要手続きを3年要しますからあまり期待
できません。既存の事業所、商店の経営安定化のためにサポートする。
Ⅴ、おわりに
12年間を振り返ってみますと、単独町政を選択したのは正しい方針であったことに確信を持
つことが必要であると思います。
引き続き課題としては、
①縦割り行政ではなく、横断的に施策を検討していく体制づくり。
②情報公開は進んでいますが、発信の範囲は行政の裁量のなかにあり、町民の立場での努力が
求められる。
③今後も様々な課題が出てくるでしょうが、住民が主体的に町づくり関わっていかない限り解
決ができないという認識をもつことが必要です。
発行者
野呂
朝日町議会議員
トオル(徹)
平成27年 3 月
10