取引先の売り上げが38%、粗利は44%向上 アサヒビールがビッグデータ

データ分析編 国内企業インサイド | Inside
売れ筋飲料や容量、購入地を時間帯で分析
自販機データでヒット連発のJR東ウォーター
2月、飲料水「From AQUA」のCMに出演している乃木坂46が広告ジャックした山手線が走った。乃木坂メンバーが広告で
手にしているペットボトルは、
「落ちないキャップ」を採用。駅ナカ自動販売機の販売データを分析して開発したものだ。
料自販機ビジネスを取
と考え、顧客視点のマーケティング
で購入するとポイントが貯まる
り巻く環境は厳しい。
で飲用シーンを徹底的に分析してき
「Suicaポイントクラブ」の会員から
日本自動販売機工業会
た」と説明する。分析する材料とな
は、性別・年代、郵便番号から居住エ
の統計によると、清涼飲料の自販機
ったのが、年間2億本に上る販売ビ
リアを購入商品と紐づけて取得でき
設置台数は2009年の214万8000台
ッグデータだ。
るようにした。なお現在、設置自販
から2 0 1 4年は2 2 0万3 0 0 0台と2 . 5
かつて同社自販機の販売データ
機約1万台のうち新型Suica決済機
%増えているが、売り上げは1 兆
は、乗降客数の少ない駅ともなると
は約8 0 0 0台。S u i c a決済の割合は
8 7 9 5億円から1兆8 7 2 5億と微減。
週次でしか売れ行きを確認できなか
55%に達し、Suicaポイントクラブ
つまりこの5年で1台当たりの販売効
った。2009年の暮れ、新型Suica決
の会員数も昨年3月末に2 0 0万人を
率は大きく低下している。
済端末「VT-10」を導入し、自販機か
突破している。
一方、同期間(年度)のJR東日本
ら単品別の時間帯売り上げや購入場
これによって、
「商品Aは先週○本
ウォータービジネス(東京都渋谷区)
所などのPOSデータを取得できるよ
売れた」という販売データだけでは
は、設置台数が9 3 8 2台から1万5 3
うに変えた。そして利用者がSuica
見えなかった飲用シーンが見えてき
台に7.2%増えたのに対し、売り上げ
決済したものについては、カード1枚
た。データ分析で分かった購入傾向
は2 3 6億2 4 0 0万円から2 7 4億7 6 0 0
ごとに割り振られている番号「IDi」
から商品開発につながったケースを
万円に16.3%の伸びを見せた。
から購入商品の履歴を取得し、購入
いくつか例示する。
JR駅構内という恵まれた立地だけ
商品群やリピート購入の傾向を把握
まず、時間帯×商品カテゴリー分
では、逆風下でのこの大幅増収は説
できるようになった。
析。自販機全体では通勤・通学中の
明がつかない。同社取締役営業本部
さらに駅ナカの売店「KIOSK」や
朝8時台が売り上げのピークで、大半
長の本間雅人氏は、
「自販機を小売業
コンビニエンスストア「NewDays」
のカテゴリーがこの時間帯に午前の
飲
山を迎える。だが、朝は低調で夕方
30000
(百万円)
12000
(台)
売り上げ(百万円)
設置台数(台)
から夜にかけて売り上げがピークを
迎える異質な動きをする商品群があ
った。甘味性の高い おやつ飲料 と
20000
10000
呼んでいるカテゴリーだ。しかも「女
性が中心かと思いきや属性分析して
みると、30∼40代の男性の購入割合
10000
8000
が高かった」
(本間氏)
。
この結果から、帰宅の時間帯に
「リラックスニーズ」と、冬場は「あ
0
2006
年度
07
08
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10
11
12
13
14
自販機設置台数は微増ながら売り上げを大幅に伸ばしたJR東日本の駅ナカ自販機
18
6000
ったまりたいニーズ」があると踏み、
2011年10月、ホット果汁飲料「青森
ぬくもりりんご」を発売。翌年10月