絶滅のおそれのある野生生物 植物編(通称:レッドデータブック)

Ⅰ
絶滅危惧ⅠB類
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
ナガホノナツノハナワラビ
評価理由
シダ植物
ハナヤスリ科
20 地点中 16 地点で生育が確認されたが、いずれの地点も株数は
少ない。保護体制の整った場所に生育することは少なく、人間活動
の影響を受けやすい。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 D
産 地 数
自然遷移、森林伐採、踏み付け
主な危険要因
20
山林に生育する場合が多く、林床へのササや低木の侵入のほか、伐
採、踏み付け、作業道の設置などの影響を受ける。
現 存
不 明
絶 滅
16
4
0
県内分布状況
特記事項
コハナヤスリ
シダ植物
ハナヤスリ科
絶 滅
(1)
評価理由
野生絶滅
(2)
3 地点中 2 地点で生育が確認された。分布域、分布面積ともに小さ
い。平野部の河川など開発されやすい地域に生育するため、絶滅リ
スクは高いと考えられる。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 ACD
産 地 数
湿地開発、その他(自然災害)、河川開発
絶滅危惧
Ⅰ 類
主な危険要因
(3)
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
3
河川開発と集中豪雨によって産地が消失した。現存する生育地は開
発や改修工事の影響を受けやすい立地にある。
現 存
不 明
絶 滅
2
0
1
県内分布状況
基本変種ハマハナヤスリとの区別が難しく、本県でもハマハナヤス
リに同定しうる株もみられるが、これらを含めて内陸に多いコハナ
ヤスリとした。
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
準絶滅
危惧
(6)
情報不足
(7)
ヒメイワトラノオ
評価理由
シダ植物
チャセンシダ科
7 地点中 6 地点で生育が確認された。生育地の規模は小さい。比較
的安定した環境に生育するが、工事により破壊された生育地も存在
する。
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
道路工事、森林伐採
主な危険要因
特記事項
146
今回評価
岩上のコケの間に生育するため、伐採によって直射日光があたると
乾燥して枯れる。また、道路擁壁や拡幅工事によって生育地が破壊
されることがある。
7
現 存
不 明
絶 滅
県内分布状況
6
1
0
Ⅰ
イチョウシダ
評価理由
5 地点 4 地点で生育が確認されたが、別の 1 地点では石灰採掘によっ
て絶滅した。現存する産地でも株数は少なく、岩隙に残るのみであ
る。園芸目的の採取圧が高い。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 ACD
産 地 数
園芸採取、踏み付け、石灰採掘
主な危険要因
5
生育立地は特殊である。一部では登山ルート沿いで踏み付けの被害
も認められる。
現 存
不 明
絶 滅
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
シダ植物
チャセンシダ科
4
0
1
県内分布状況
特記事項
シダ植物
オシダ科
イワヘゴ
群馬県(2001)
希少
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 D
産 地 数
森林伐採
2
0
0
県内分布状況
(2)
主な危険要因
2
分布域が狭い上に生育地はスギ植林地である。皆伐された場合、そ
れが原因で絶滅する危険性がある。
現 存
不 明
絶 滅
(1)
野生絶滅
2 地点で生育が確認されているが、いずれの地点も生育面積は小さ
い。一方の生育地では増加傾向にあるが、森林の皆伐による絶滅リ
スクが高い。
絶滅危惧 IB 類
絶
滅
評価理由
今回評価
絶滅危惧
Ⅰ 類
(3)
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
2 地点で生育が確認されている。1 地点ではまとまって生育してい
る。保護されている生育地はなく、環境の変化に対しても脆弱であ
ると考えられる。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 D
産 地 数
森林伐採、その他(砂防工事)
主な危険要因
特記事項
森林伐採による直射日光の到達と乾燥化が最大の危険要因と考えら
れる。また、大規模な生育地では砂防工事が行われる可能性がある。
2
(6)
現 存
不 明
絶 滅
(7)
情報不足
評価理由
シダ植物
オシダ科
準絶滅
危惧
キヨズミオオクジャク
2
0
0
県内分布状況
分類がやや難しい種で、オオクジャクよりはむしろイワヘゴと混同
される。表側で葉脈が著しくへこむことが特徴で、イワヘゴより湿
潤で暗い環境に生育する場合が多い。
147
Ⅰ
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
ワカナシダ
評価理由
シダ植物
オシダ科
1 地点のみで生育が確認された。生育環境が特殊なことに加え株数
が減少している。環境変化次第で絶滅リスクが高まることが懸念さ
れる。
今回評価
群馬県(2001)
希少
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 ACD
産 地 数
園芸採取、自然遷移、特殊分布
主な危険要因
絶滅危惧 IB 類
1
高い採取圧を受けてきた。また、湧水量の変化や乾燥化が進み、生
育地の一部で遷移が進行している。
現 存
不 明
絶 滅
1
0
0
県内分布状況
特記事項
ホソバイヌワラビ
シダ植物
メシダ(イワデンダ)科
絶 滅
(1)
評価理由
2 地点で生育が確認されているが、いずれの地点も生育面積は小さ
い。植林地に生育しているため、皆伐による絶滅のリスクが高い。
野生絶滅
(2)
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 ACD
産 地 数
その他(希少)、森林伐採
絶滅危惧
Ⅰ 類
主な危険要因
(3)
A
2
分布域が狭い上に生育地はスギ植林地のため、皆伐された場合はこ
れが原因で絶滅する危険性がある。
現 存
不 明
絶 滅
2
0
0
県内分布状況
絶滅危惧
Ⅰ 類
県 内 に お け る 初 記 録 は 2001 年 で あ る( 証 拠 標 本:GMNHJBP-405)。
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
準絶滅
危惧
(6)
情報不足
(7)
シダ植物
メシダ(イワデンダ)科
ナヨシダ
評価理由
5 地点で生育が確認されているが、いずれの地点も株数が少ないか、
生育地の破壊が懸念される場所にある。
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 D
産 地 数
道路工事、自然遷移
主な危険要因
特記事項
148
今回評価
4 地点では株数が少なく、上層木や周辺の草本の成長によって衰退
するおそれがある。残り 1 地点では道路工事により生育地が破壊さ
れるおそれがある。
5
現 存
不 明
絶 滅
県内分布状況
5
0
0
Ⅰ
オオヒメワラビモドキ
評価理由
2 地点で生育が確認されているが、分布が局地的な種である。いず
れの地点も生育面積は小さく、災害の影響を受けやすい。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
その他(自然災害)、森林伐採
主な危険要因
2
生育地は地形的に水害や土砂災害の影響を受けやすい。また、生育
地だけでなく上流部の伐採によっても影響を受けると考えられる。
現 存
不 明
絶 滅
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
シダ植物
メシダ(イワデンダ)科
2
0
0
県内分布状況
特記事項
ミョウギシダ
シダ植物
ウラボシ科
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
評価理由
18 地点中 11 地点で生育が確認された。もともと生育環境が限定
されることに加え、園芸採取によって減少傾向にある。
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 ACD
園芸採取、その他(植林)、特殊分布
11
1
6
県内分布状況
(2)
主な危険要因
18
園芸採取による減少が懸念される。一部の産地では植林による被陰
の影響で絶滅した。
現 存
不 明
絶 滅
野生絶滅
産 地 数
(1)
絶
滅
環境省(2007) 絶滅危惧 IB 類
絶滅危惧
Ⅰ 類
(3)
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
15 地点中 4 地点で生育が確認された。地点あたりの株数は少ない
場合が多い。減少傾向にあると思われ、絶滅のおそれが高まってい
る。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
道路工事、園芸採取
主な危険要因
園芸採取や擁壁工事が主な減少要因と考えられる。
15
(6)
現 存
不 明
絶 滅
(7)
情報不足
評価理由
シダ植物
ウラボシ科
準絶滅
危惧
イワオモダカ
4
7
4
県内分布状況
特記事項
149
Ⅰ
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
ヤエガワカンバ
評価理由
被子植物・双子葉類
カバノキ科
13 地点中 11 地点で生育が確認された。1 地点あたりの生育面積は
狭い場合が多い。伐採や二次林の遷移などで減少傾向にある。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007)
準絶滅危惧
環境庁(2000)
絶滅危惧Ⅱ類
適用基準
定量 ACD
産 地 数
森林伐採、土地造成、自然遷移
主な危険要因
13
西部地域や東部地域では森林伐採や二次林の遷移、吾妻地域では別
荘地の造成が最大の危険要因と考えられる。
現 存
不 明
絶 滅
11
1
1
県内分布状況
県内では隔離的に分布し、それぞれ生育環境も異なっている。
特記事項
ツクバネガシ
被子植物・双子葉類
ブナ科
絶 滅
(1)
2 地点中 1 地点のみで生育が確認された。本県では希少性が高い。
評価理由
野生絶滅
(2)
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
森林伐採
絶滅危惧
Ⅰ 類
主な危険要因
(3)
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
2
もともと個体数が少ない上、民有地にあるため伐採されるおそれが
ある。
現 存
不 明
絶 滅
1
1
0
県内分布状況
県植物誌(1968)及び県植物誌改訂版(1987)には妙義山に記録
があるが、その後の記録はない。沢沿いの急斜面に多いため、まだ
気付かれていない生育地が残っている可能性もある。
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
準絶滅
危惧
(6)
情報不足
(7)
ホザキヤドリギ
評価理由
被子植物・双子葉類
ヤドリギ科
6 地点中 5 地点で生育が確認された。樹上に寄生する種のため発見
が難しいが、分布域は狭く分布密度も低い。
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
森林伐採、その他(剪定)
主な危険要因
特記事項
150
今回評価
過去に森林伐採によって減少したと考えられる。現在も剪定や倒木・
落枝に伴って減少することがある。
6
現 存
不 明
絶 滅
県内分布状況
5
0
1
Ⅰ
マツグミ
4 地点で確認されているが、分布は散発的で個体数も少ない。
評価理由
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
その他(自然災害)、その他(剪定)
主な危険要因
4
樹上に寄生する種のため、寺社林内でテングス病が発生した際に病
枝とともに取り除かれてしまう。
現 存
不 明
絶 滅
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
被子植物・双子葉類
ヤドリギ科
4
0
0
県内分布状況
特記事項
ミヤマツチトリモチ
15 地点中 4 地点で生育が確認された。森林伐採や踏み付けによる
林床の荒廃により発生が途絶える場合がある。
今回評価
群馬県(2001)
希少
環境省(2007)
絶滅危惧Ⅱ類
環境庁(2000)
絶滅危惧Ⅱ類
適用基準
定性
4
11
0
県内分布状況
(2)
主な危険要因
15
森林伐採による生育環境の破壊のほか、林床の踏み付けによる環境
悪化、キノコ採りの誤採や収集家による採取によっても減少してい
ると考えられる。
現 存
不 明
絶 滅
(1)
野生絶滅
産 地 数
森林伐採、踏み付け、園芸採取
絶滅危惧 IB 類
絶
滅
評価理由
被子植物・双子葉類
ツチトリモチ科
絶滅危惧
Ⅰ 類
(3)
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
6 地点中 4 地点で生育が確認された。もともと分布が限られ、開発
の影響を受けやすい種である上、1 地点の株数は 100 未満だった。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007)
準絶滅危惧
環境庁(2000) 絶滅危惧 IB 類
適用基準
産 地 数
管理放棄、河川開発、農薬汚染
主な危険要因
河川敷の開発や湿性草地の管理放棄で生育地が減少したほか、近年
は河川改修や除草剤散布による局所的な消失も認められる。
(6)
6
(7)
定量 D
現 存
不 明
絶 滅
情報不足
評価理由
被子植物・双子葉類
タデ科
準絶滅
危惧
ホソバイヌタデ
4
0
2
県内分布状況
特記事項
151
Ⅰ
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
ヌカボタデ
評価理由
被子植物・双子葉類
タデ科
7 地点中 1 地点で生育が確認されたが、残り 6 地点では 2000 年以
降に行われた調査で確認できなかった。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007)
絶滅危惧Ⅱ類
環境庁(2000)
絶滅危惧Ⅱ類
適用基準
定量 D
産 地 数
湿地開発、池沼開発、その他(公園整備)
主な危険要因
7
湿地開発によって生育環境が消失した。調査間中に新たに確認され
た場所以外で過去に記録がある産地では発見されなかった。
現 存
不 明
絶 滅
1
0
6
県内分布状況
特記事項
カワラアカザ
被子植物・双子葉類
アカザ科
絶 滅
(1)
評価理由
16 地点中 5 地点で生育が確認された。河川開発や外来種との競合
によって分布域が縮小し、生育地あたりの株数も少ない。
野生絶滅
(2)
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 ACD
産 地 数
河川開発、外来種競合・交雑
絶滅危惧
Ⅰ 類
主な危険要因
(3)
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
16
河道の安定化による礫河原の消失と、シナダレスズメガヤをはじめ
とする外来植物の繁茂により、稀にしか出現しないレベルまで減少
した。
現 存
不 明
絶 滅
5
5
6
県内分布状況
Flora of Japan ではマルバアカザ(情報不足:250 ページ)と同一
の分類群として扱っている(Clemans 2006)。しかし、カワラア
カザは礫質の河原に生育し、本来海岸や河畔の砂地に生育するマル
バアカザとは生態的に異なる。このため、本書ではいずれも独立し
た種として扱う従来の見解に従った。
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
準絶滅
危惧
(6)
情報不足
(7)
キタコブシ
評価理由
被子植物・双子葉類
モクレン科
5 地点で生育が確認された。分布面積は広いが、分布密度が低いた
め株数は少ない。一部で伐採やリゾート開発の影響を受けている。
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 D
産 地 数
森林伐採、土地造成、分布限界
主な危険要因
伐採により減少したと考えられる。リゾート開発によって生育地の
破壊が一部みられる。
県植物誌改訂版(1987)には記録がない。コブシとは分布域が異
なる。
特記事項
152
今回評価
5
現 存
不 明
絶 滅
県内分布状況
5
0
0
Ⅰ
キタザワブシ
評価理由
5 地点中 3 地点で生育を確認できた。ただし、
シカによる食害によっ
て株数が減少していることに加えて、矮小化したために開花株の減
少はさらに著しい。
今回評価
主な危険要因
特記事項
群馬県(2001)
指定なし
絶滅危惧Ⅱ類
環境庁(2000)
絶滅危惧Ⅱ類
適用基準
定量 ACD
5
本県は分布域の北限。生育地は国立公園内にあるが、シカの食害の
激しい地域である。
3
2
0
県内分布状況
被子植物・双子葉類
キンポウゲ科
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
7
主に保護体制が整っていない地域に生育しており、主な減少要因で
ある湿地開発や園芸採取への対策が十分とられていない。
3
4
0
県内分布状況
(2)
野生絶滅
湿地開発、土地造成、園芸採取
現 存
不 明
絶 滅
(1)
絶
滅
7 地点で記録されているが、生育が確認できたのは 3 地点だけであ
る。
今回評価
産 地 数
主な危険要因
現 存
不 明
絶 滅
県植物誌改訂版(1987)には記録がないが、本県側を含め日光連
山に分布する(Kadota 1987)。猛毒であるにもかかわらずシカに
よる高い摂食圧を受け、防鹿ネットの外で開花株をみるのは困難な
状態になっている。
エンコウソウ
評価理由
絶滅危惧 IB 類
環境省(2007)
産 地 数
動物食害、分布限界
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
被子植物・双子葉類
キンポウゲ科
絶滅危惧
Ⅰ 類
(3)
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
被子植物・双子葉類
キンポウゲ科
6 地点で記録されているが、このうち 5 地点で生育が確認された。
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅱ類
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
森林伐採、湿地開発、ゴルフ場
主な危険要因
やや湿った陰地の林床に生育するため、伐採などにより林床が明る
くなると消失する。
6
(6)
現 存
不 明
絶 滅
(7)
情報不足
評価理由
今回評価
準絶滅
危惧
イヌショウマ
5
1
0
県内分布状況
特記事項
153
Ⅰ
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
ミヤマハンショウヅル
評価理由
被子植物・双子葉類
キンポウゲ科
7 地点中 5 地点で生育が確認された。遷移進行や登山道整備に伴う
除伐などによって減少傾向にある。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
自然遷移、園芸採取、その他(登山道整備)
主な危険要因
7
遷移進行に伴う林縁群落の変化が最大の減少要因と考えられる。こ
のほか登山道整備や園芸採取の影響も考えられる。
現 存
不 明
絶 滅
5
2
0
県内分布状況
特記事項
チチブシロカネソウ
被子植物・双子葉類
キンポウゲ科
絶 滅
(1)
評価理由
5 地点で生育が確認されているが稀である。さらに近年株数が大幅
に減少している。
野生絶滅
(2)
今回評価
群馬県(2001)
希少
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
森林伐採、その他(自然災害)、園芸採取
絶滅危惧
Ⅰ 類
主な危険要因
(3)
A
絶滅危惧 IB 類
5
分布地が限定され、園芸採取が最大の減少要因である。過去には自
然林の伐採によって減少した。
現 存
不 明
絶 滅
5
0
0
県内分布状況
近年の山野草ブームによって採取圧を受けている。
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
準絶滅
危惧
(6)
オオイチョウバイカモ
被子植物・双子葉類
キンポウゲ科
情報不足
評価理由
群馬県(2001)
希少
環境庁(2000) 絶滅危惧 IB 類
適用基準
産 地 数
河川開発、土地造成、ゴルフ場
主な危険要因
生育地は分譲地内にあるものが多く、河川改修や分譲地造成による
生息地の破壊が危惧される。
同定のポイントである浮葉が出ない場合も多く、同定には長期の観
察が必要である。
特記事項
154
絶滅危惧 IB 類
環境省(2007) 絶滅危惧 IB 類
通常バイカモが分布する地域から、6 地点で生育が確認された。
(7)
今回評価
6
定性
現 存
不 明
絶 滅
県内分布状況
6
0
0
Ⅰ
オゼキンポウゲ
評価理由
4 地点で生育が確認されたが、それらは同一地域内に位置する。生
育環境は限定的で、1 地点あたりの株数も少ない場合が多い。
今回評価
主な危険要因
特記事項
群馬県(2001)
指定なし
準絶滅危惧
環境庁(2000) 絶滅危惧 IB 類
適用基準
4
生育地は災害の影響を受けやすい。分布域にシカが侵入しているが、
有毒であるためか食害を受けた形跡はない。
現 存
不 明
絶 滅
4
0
0
県内分布状況
被子植物・双子葉類
キンポウゲ科
群馬県(2001)
希少
環境省(2007)
絶滅危惧Ⅱ類
環境庁(2000) 絶滅危惧 IB 類
適用基準
4
生育地の岩石の風化による遷移進行と、外来種の侵入が認められる
ほか、生育地に人が立ち入った形跡がある。
(1)
定量 ACD
現 存
不 明
絶 滅
3
1
0
県内分布状況
(2)
野生絶滅
外来種競合・交雑、踏み付け、自然遷移
絶滅危惧 IB 類
絶
滅
4 地点中 3 地点で生育が確認された。生育面積は極めて狭い上に、
生育地は自然遷移や外来種の侵入が認められる。
今回評価
産 地 数
主な危険要因
定性
生育地はすべて国立公園内。北海道に分布するシコタンキンポウゲ
と同一とする見解もあるが、Flora of Japan などでは地域固有の変
種としている(Kadota 2006、加藤・海老原編 2011)。環境庁レッ
ドデータブック(2000)及び環境省レッドリスト(2007)ではシ
コタンキンポウゲとして評価された。
イワカラマツ
評価理由
絶滅危惧 IB 類
環境省(2007)
産 地 数
その他(希少)、分布限界
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
被子植物・双子葉類
キンポウゲ科
絶滅危惧
Ⅰ 類
(3)
A
他種との競争が少ない岩場に生育する。競合する外来種はメリケン
カルカヤ及びタカサゴユリである。
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
現存 2 地点のものはツルダシアオイの特徴をもつ。稀少であり、常
に園芸採取の危険にさらされている。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
園芸採取、森林伐採
主な危険要因
特記事項
カンアオイの仲間は古典園芸の対象の一つであり、園芸採取される
危険性が高い。
4
(6)
現 存
不 明
絶 滅
(7)
情報不足
評価理由
被子植物・双子葉類
ウマノスズクサ科
準絶滅
危惧
ツルダシアオイ(ソノウサイシン)
2
2
0
県内分布状況
ツルダシアオイは葉表面の毛や花の形態からミチノクサイシン
(var.
fauriei)と区別されている(Sugawara 2006)。本種(2n=36)は、
花付きが稀で野生のものはないとされる。逸出も知られるが本県の
ものがそれに該当するのか否か、また、染色体数も未知である。県
レッドデータブック(2001)ではソノオサイシンとして評価された。
155
Ⅰ
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
ツルキケマン
被子植物・双子葉類
ケシ科
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅱ類
環境省(2007) 絶滅危惧 IB 類
評価理由
10 地点中 7 地点で生育が確認されている。利根沼田地域では動物
による食害が深刻である。釣り人やハイカーによる踏み付けが目立
つ自生地もある。
環境庁(2000) 絶滅危惧 IB 類
適用基準
産 地 数
動物食害、踏み付け
主な危険要因
特記事項
10
水需要の変化により、ダム計画を免れた自生地もある。一方で、シ
カによる食害が新たな脅威となっている。
被子植物・双子葉類
ベンケイソウ科
絶 滅
(1)
1 山域のみで記録があり、今回も確認された。踏み付けや園芸採取
が危惧される。
野生絶滅
(2)
絶滅危惧
Ⅰ 類
主な危険要因
7
2
1
県内分布状況
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
その他(希少)、特殊分布、園芸採取
(3)
現 存
不 明
絶 滅
過去に本種とされた標本の多くはナガミノツルキケマン(準絶滅危
惧種:235 ページ)の誤認であった。本種は分布地点が少なく、生
育環境も限定される。
ホソバイワベンケイ
評価理由
定量 ACD
1
収集家により採取されるおそれがある。自生地の性質上急激な環境
の変化は考えられない。
現 存
不 明
絶 滅
1
0
0
県内分布状況
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
準絶滅
危惧
(6)
情報不足
(7)
シラヒゲソウ
評価理由
被子植物・双子葉類
ユキノシタ科
過去の記録が 2 地点と限られる上、産地の基岩採掘により生育面積
が縮小したほか、園芸採取により減少し、現存個体数は少ないと思
われる。
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
石灰採掘、園芸採取
主な危険要因
産地が限定されているので、基岩採掘面積の拡大により、生育面積
は縮小する。山野草ブームによる園芸採取も脅威となる。
現地では圃場での栽培が試みられているが、産地の基岩採掘は継続
して進められており、本種の野生種の生育地は徐々に縮小している。
特記事項
156
今回評価
2
現 存
不 明
絶 滅
県内分布状況
2
0
0
Ⅰ
ヤワタソウ
評価理由
16 地点で生育が確認された。西部地域と東部地域に主な生育地が
あるが、吾妻地域でも見つかっている。1 地点あたりの個体数は少
なく、地質が古い地域に局在している。
今回評価
主な危険要因
特記事項
群馬県(2001)
希少
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
16
生育立地の特性から流失する危険性がつきまとう。園芸採取、森林
伐採、堰堤工事、さらに上部にゴルフ場がある生育地では、農薬の
影響も危惧される。
16
0
0
県内分布状況
被子植物・双子葉類
ユキノシタ科
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007)
準絶滅危惧
環境庁(2000)
絶滅危惧Ⅱ類
適用基準
定量 ACD
10
3
0
7
県内分布状況
(2)
野生絶滅
池沼開発、河川開発、自然遷移
低湿地の攪乱地に生育するため、河川敷や湿地の開発・工事、さら
に遷移による大型草本の繁茂が危険要因になる。
現 存
不 明
絶 滅
(1)
絶
滅
10 地点中 3 地点で生育が確認された。開発や自然遷移によって減
少し、現存する生育地の中にも生育状況が劣悪な場所が含まれる。
今回評価
産 地 数
主な危険要因
現 存
不 明
絶 滅
ヤワタソウ属は、本種(関東・中部地方の 8 都県)とワタナベソウ(四
国・九州地方の 4 県)の 2 種が知られているが、
いずれも稀少である。
その中でも本県は最も多く分布すると思われる。本種は日本固有と
されてきたが中国福建省崇安に隔離分布することがわかっている。
タコノアシ
評価理由
絶滅危惧 IB 類
環境省(2007)
産 地 数
園芸採取、自然遷移、森林伐採
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
被子植物・双子葉類
ユキノシタ科
絶滅危惧
Ⅰ 類
(3)
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
6 地点中 4 地点で生育が確認されている。もともと生育地が限られ
ている上に管理放棄や道路工事によって減少し、生育地点の半数は
シカによる食害が認められる。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
希少
環境省(2007)
絶滅危惧Ⅱ類
環境庁(2000)
絶滅危惧Ⅱ類
適用基準
定量 D
産 地 数
管理放棄、道路工事、動物食害
主な危険要因
草地の管理放棄や道路工事が衰退の主要因である。加えてシカによ
る食害が発生している。
6
(6)
現 存
不 明
絶 滅
(7)
情報不足
評価理由
被子植物・双子葉類
バラ科
準絶滅
危惧
チョウセンキンミズヒキ
4
2
0
県内分布状況
特記事項
157
Ⅰ
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
ブコウマメザクラ
被子植物・双子葉類
バラ科
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007) 絶滅危惧 IA 類
評価理由
12 地点中 11 地点で生育が確認された。局所的な環境に依存する
と考えられ株数が少ない。過去に石灰採掘により最大の生育地が失
われた。
環境庁(2000) 絶滅危惧 IA 類
適用基準
産 地 数
石灰採掘、踏み付け、自然遷移
主な危険要因
特記事項
12
過去に最大の産地において石灰採掘が行われ、壊滅的に減少した。
局所的な環境に依存し、遷移の進行や根元の踏み付けによる枯死が
減少要因となる。
被子植物・双子葉類
バラ科
絶 滅
(1)
野生絶滅
(2)
6 地点で生育が確認された。生育環境が限定され株数は少ない。分
布域は法令によって規制された地域内にあり、近年目立った減少は
ない。
絶滅危惧
Ⅰ 類
主な危険要因
A
11
1
0
県内分布状況
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
希少
環境省(2007)
絶滅危惧Ⅱ類
環境庁(2000)
絶滅危惧Ⅱ類
適用基準
定性
産 地 数
園芸採取、特殊分布、自然遷移
(3)
現 存
不 明
絶 滅
環境省レッドリスト(2007)の評価は絶滅危惧 IA 類だが、その後
複数の新産地が見つかった。最大の産地は石灰採掘に先立って調査
が行われ、本種の存在も把握されていた。鉱区内で系統保存が行わ
れている。
キンロバイ
評価理由
定量 ACD
6
園芸採取によって減少したと考えられる。生育立地は特殊で株数が
少なく、局所的な環境変化により消失する可能性がある。
現 存
不 明
絶 滅
6
0
0
県内分布状況
生育地の大半は県自然環境保全地域か国立公園内にある。
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
準絶滅
危惧
(6)
情報不足
(7)
カワラサイコ
評価理由
被子植物・双子葉類
バラ科
13 地点中 3 地点で生育が確認された。遷移進行や外来種の侵入に
よって衰退し、確認困難になっている地点が多い。
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
河川開発、外来種競合・交雑
主な危険要因
特記事項
158
今回評価
河原の開発とシナダレスズメガヤをはじめとする外来種との競合が
危険要因である。
本種の生育には増水による土砂の運搬・堆積が必要と考えられる。
都市近郊の河原に生育する場合が多く、本県の場合、このような場
所の調査が進んでいない。また、自然度の高い山岳域などと比べて
関心が低いことも問題である。
13
現 存
不 明
絶 滅
県内分布状況
3
8
2
Ⅰ
アオナシ
評価理由
10 地点中 9 地点で生育が確認された。個体密度が低く、1 地点あ
たりの株数は少ない。森林伐採や自然遷移のほか、観光開発によっ
ても消失している。
今回評価
主な危険要因
特記事項
群馬県(2001)
指定なし
絶滅危惧Ⅱ類
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
10
カラマツ植林のため伐採されたと考えられる。近年は観光開発に
伴って除伐される場合が多い。
被子植物・双子葉類
バラ科
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
6
1
0
県内分布状況
(2)
野生絶滅
7
草地や林縁に生育するため、遷移によって衰退しやすい。また、分
布域は観光開発によってゴルフ場、キャンプ場、スキー場などになっ
た。
現 存
不 明
絶 滅
(1)
絶
滅
7 地点中 6 地点で生育が確認された。いずれの生育地でも局所的で
株数が少ない。自然遷移やリゾート開発によって減少している。
草地開発、自然遷移、土地造成
(3)
絶滅危惧
Ⅰ 類
A
本州では本県のほか長野県、岩手県のごく一部に分布が限られる種
で、北海道東部を除いて極めて絶滅リスクが高い種であると考えら
れる。
(4)
絶滅危惧
Ⅰ 類
特記事項
9
0
1
県内分布状況
産 地 数
主な危険要因
現 存
不 明
絶 滅
東北地方に分布するミチノクナシの変種とされる。本県ではミチノ
クナシや東海地方・長野県南信地域に分布するマメナシと混同され
てきた。
カラフトイバラ
評価理由
絶滅危惧 IB 類
環境省(2007)
産 地 数
森林伐採、自然遷移、土地造成
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
被子植物・双子葉類
バラ科
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
関東・中部地方の太平洋側山地に分布するが、県内ではごく限られ
た地域で、稀に見られる種である。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
希少
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
踏み付け、自然遷移
主な危険要因
自然遷移に伴う生育環境の変化に加え、道路整備により伐採される
おそれがある。
2
(6)
現 存
不 明
絶 滅
(7)
情報不足
評価理由
被子植物・双子葉類
バラ科
準絶滅
危惧
カナウツギ
2
0
0
県内分布状況
特記事項
159
Ⅰ
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
モメンヅル
評価理由
被子植物・双子葉類
マメ科
11 地点中 1 地点で生育が確認された。草地や河川敷に生育するが、
管理放棄や開発のため相次いで絶滅した。過去 10 年間でも減少傾
向にある。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 ACD
産 地 数
管理放棄、土地造成、草地開発
主な危険要因
11
草地の管理放棄や開発、その後の駐車場、リゾート施設の造成によっ
て相次いで生育地が消失した。
現 存
不 明
絶 滅
1
1
9
県内分布状況
もともと分布域の多くがリゾート地や都市近郊の公園に位置してい
た。結果的に本県で開発により減少した種の代表格となった。
特記事項
ジャケツイバラ
被子植物・双子葉類
マメ科
絶 滅
(1)
評価理由
野生絶滅
(2)
8 地点で生育が確認できたが、道路や施設の工事により株数が大幅
に減少した。都市近郊にしか分布しないため、絶滅危惧種であると
いう認識が低い。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
土地造成、道路工事
絶滅危惧
Ⅰ 類
主な危険要因
(3)
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
8
丘陵地のみに分布し、自然度の高い山地にはないため、かえって稀
少種の認識が低い。道路工事や各種施設造成のための除伐が主な危
険要因である。
現 存
不 明
絶 滅
8
0
0
県内分布状況
道路沿いにまとまった生育地があったが、拡幅工事のためその大部
分が消失した。また、つるが伸びて絡まり、さらに鋭いとげをもつ
ため、路傍では刈り取られることもある。
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
準絶滅
危惧
(6)
情報不足
(7)
被子植物・双子葉類
マメ科
サイカチ
評価理由
14 地点中 6 地点で生育が確認されたが、株数は少ない。河畔の開
発により減少し、外来種の侵入によって新規の定着が難しくなって
いると考えられる。
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
河川開発、森林伐採、外来種競合・交雑
主な危険要因
中流の河川敷の開発や河畔林伐採とともに、河川高水敷ではハリエ
ンジュと生育環境が重なり、影響を受けていると思われる。
有用樹として利用され、一部では野生か植栽かの区別が難しくなっ
ている。
特記事項
160
今回評価
14
現 存
不 明
絶 滅
県内分布状況
6
7
1
Ⅰ
マルバヌスビトハギ
評価理由
5 地点中 2 地点で生育が確認された。管理放棄とともに、丘陵地の
開発によって生育地が減少してきたと考えられる。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
管理放棄、土地造成、
主な危険要因
特記事項
県内分布状況
被子植物・双子葉類
フウロソウ科
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007)
準絶滅危惧
環境庁(2000) 絶滅危惧 IB 類
適用基準
現 存
不 明
絶 滅
2
1
5
県内分布状況
(2)
(3)
絶滅危惧
Ⅰ 類
A
牧野改良や草原へのササの侵入によって大幅に分布面積が減少して
いた。道路に近い位置にあった生育地では、過去 10 年間に警備上
の理由で除草剤が散布されて消失した。
(4)
絶滅危惧
Ⅰ 類
特記事項
8
自然遷移や草地開発によって減少した。過去 10 年間には除草剤に
より生育地の 1 つが完全に消失した。
定量 A
野生絶滅
自然遷移、草地開発、農薬汚染
(1)
絶
滅
8 地点中 2 地点で生育が確認された。過去 10 年間にも主要な生育
地が除草剤散布のため消失した。
今回評価
産 地 数
主な危険要因
2
3
0
丘陵地を主な生育地とするため稀少な分類群という認識がなかった
と思われる。また、ヌスビトハギと混同され、開発や工事の際の事
前調査でも注意が払われてこなかった可能性が高い。
アサマフウロ
評価理由
5
丘陵地に分布が限定され、生育地が公園などの公共用地やゴルフ場
に転用されたことに加え、里山の管理放棄により急減したと考えら
れる。
現 存
不 明
絶 滅
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
被子植物・双子葉類
マメ科
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
2 地点中 1 地点で生育が確認された。分布面積は狭く、人為的な影
響を受けている。管理放棄によって消滅する危険性が高い。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007)
準絶滅危惧
環境庁(2000) 絶滅危惧 IB 類
適用基準
産 地 数
管理放棄、農薬汚染、踏み付け
主な危険要因
特記事項
管理放棄や植林によって被陰される危険性がある。一部で踏み付け
や除草剤散布の影響も考えられるが、春植物の本種への影響は小さ
いと考えられる。
(6)
2
定量 ACD
現 存
不 明
絶 滅
(7)
情報不足
評価理由
被子植物・双子葉類
トウダイグサ科
準絶滅
危惧
マルミノウルシ
1
0
1
県内分布状況
花期や結実期が早く、除草剤散布や人の往来が頻繁になる時期と外
れている。早春季の日当たりを利用するため、ササの侵入や常緑針
葉樹の植林は壊滅的な影響を及ぼすと考えられる。
161
Ⅰ
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
フユザンショウ
評価理由
被子植物・双子葉類
ミカン科
3 地点で記録があるが、1 地点は現在石灰採掘が行われ立ち入りが
禁止され、現状は不明である。生育地には単木または 2、3 本しか
ない。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
その他(崩落防止工事)
、その他(除伐)、石灰採掘
主な危険要因
3
道路斜面の吹きつけ工事や除伐、石灰岩の採掘によって絶滅するこ
とが懸念される。
現 存
不 明
絶 滅
2
1
0
県内分布状況
県植物誌(1968)には記録がない。県植物誌改訂版(1987)では、
4 地域の分布が記されている。
特記事項
シバタカエデ
被子植物・双子葉類
カエデ科
絶 滅
(1)
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
希少
環境省(2007) 絶滅危惧 IB 類
評価理由
野生絶滅
(2)
3 地点で生育が確認されたが、それらは同一地域に存在する。カエ
デ科にしては巨大な高木で、株数が少ない。環境の変化により減少
する危険性がある。
環境庁(2000) 絶滅危惧 IB 類
適用基準
産 地 数
その他(希少)、自然遷移
絶滅危惧
Ⅰ 類
主な危険要因
(3)
A
3
株数が少なく、特定の植生に依存するため環境の変化により減少す
る危険性がある。
定性
現 存
不 明
絶 滅
3
0
0
県内分布状況
生育地はすべて国立公園内にある。
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
準絶滅
危惧
(6)
情報不足
(7)
ワタラセツリフネソウ
評価理由
被子植物・双子葉類
ツリフネソウ科
2 地点のみで生育が確認された。分布域が極めて狭いことに加えて、
生育地は開発を受けやすい場所にある。
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 D
産 地 数
河川開発、池沼開発、湿地開発
主な危険要因
特記事項
162
今回評価
低地の河川や湿地に限って生育する。本種の生育地は河川改修や公
園造成の対象になりやすい。認識が低い種のため、開発の事前調査
で見逃される危険性もある。
2009 年にツリフネソウ類似の新種として記載された(渡邊・芹沢
2009)。本種の分布は関東地方の海抜 40m 未満の低湿地に限られ
(渡邊・芹沢 2009)
、普通種ツリフネソウに類似するため注意が必
要である。
2
現 存
不 明
絶 滅
県内分布状況
2
0
0
Ⅰ
オオツルウメモドキ
3 地点で生育が確認されているが、分布限界のため個体数が少ない。
評価理由
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
その他(希少)、自然遷移、分布限界
主な危険要因
特記事項
過去には本種が分布していない地域で記録されたり、生育地域で本
種がツルウメモドキに誤認されている場合があるので、同定には注
意が必要である。
被子植物・双子葉類
スミレ科
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 D
4
4
0
0
県内分布状況
(2)
野生絶滅
踏み付け、動物食害、園芸採取
釣り人によって踏み荒らされている可能性がある。また、生育地で
はシカの食害によって林床土壌の崩壊が起きつつある。園芸採取も
懸念される。
現 存
不 明
絶 滅
(1)
絶
滅
4 地点で生育が確認されている。分布域は極めて狭いが 1 地点にま
とまって生育する傾向がある。もともと少ない上に生育環境の悪化
が懸念される。
今回評価
産 地 数
主な危険要因
3
0
0
県内分布状況
フジスミレ
評価理由
3
果実が手芸材料として採取されるため、繁殖が阻害されている。
現 存
不 明
絶 滅
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
被子植物・双子葉類
ニシキギ科
絶滅危惧
Ⅰ 類
(3)
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
5 地点で自生が確認されている。亜高山帯の林床や林縁に生育する
が、環境の変化には脆弱であると考えられる。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定性
産 地 数
動物食害、自然遷移
主な危険要因
シカの食害により林床植生が変化しており、生育環境が劣化してい
る。
5
(6)
現 存
不 明
絶 滅
(7)
情報不足
評価理由
被子植物・双子葉類
スミレ科
準絶滅
危惧
ヒメスミレサイシン
5
0
0
県内分布状況
最も多い集団でも 30 個体程度確認されているにすぎない。閉鎖花
による種子生産も可能だが、近交弱性を招きかねない。
特記事項
163
Ⅰ
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
ホソバアカバナ
評価理由
被子植物・双子葉類
アカバナ科
1 地点で生育が確認されたが、同一地域の湿原には分布している可
能性が高い。生育地はシカによる攪乱を受けている。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 D
産 地 数
特殊分布、動物食害
主な危険要因
1
シカの直接的な食害はないが、生育地の裸地化により消失する場合
がある。湿原全体で包括的なシカの個体数管理が望まれる。
現 存
不 明
絶 滅
1
0
0
県内分布状況
生育地は国立公園内にある。
特記事項
ホタルサイコ
被子植物・双子葉類
セリ科
絶 滅
(1)
評価理由
15 地点中 11 地点で生育が確認できた。しかし、管理放棄により
環境が劣化し、株数が減少している生育地が多い。
野生絶滅
(2)
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 ACD
産 地 数
管理放棄、ゴルフ場、土地造成
絶滅危惧
Ⅰ 類
主な危険要因
(3)
15
管理放棄による草地の二次遷移の進行に伴って減少している場所が
多い。
現 存
不 明
絶 滅
11
1
3
県内分布状況
A
絶滅危惧
Ⅰ 類
(4)
特記事項
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
準絶滅
危惧
(6)
ハコネコメツツジ
被子植物・双子葉類
ツツジ科
5 地点で生育が確認された。生育地が一つの地域にまとまっている。
情報不足
(7)
評価理由
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007)
絶滅危惧Ⅱ類
環境庁(2000)
絶滅危惧Ⅱ類
適用基準
定量 ACD
産 地 数
園芸採取、分布限界
主な危険要因
特記事項
164
今回評価
園芸店で増殖品が売られていることもあり、園芸採取があとを絶た
ない。生育地の崩落によって個体数が減少する危険性もある。
生育地は比較的安定しており、1992 年から 1994 年の間に行われ
た調査時と個体数の大きな変動はないと思われた。危険を伴う場所
のため登山者が少ないことも幸いしているが、大規模な園芸目的の
採取が懸念される。フォッサマグナ要素の植物であり 8 都県で分布
が確認されているが、そのうち 2 都県で現状不明となっている。
5
現 存
不 明
絶 滅
県内分布状況
5
0
0
Ⅰ
ノジトラノオ
評価理由
14 地点中 3 地点で生育が確認されている。河川や湿地の開発で分
布地点が激減し、残った生育地も工事や除草剤散布により生育環境
が悪化している。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅰ類
環境省(2007)
絶滅危惧Ⅱ類
環境庁(2000) 絶滅危惧 IB 類
適用基準
産 地 数
湿地開発、土地造成、農薬汚染
主な危険要因
特記事項
14
平野部の湿地や河畔に生育するため、開発の影響を受けやすい。水
路改修や農地周辺の除草剤散布も大きな減少要因である。
被子植物・双子葉類
サクラソウ科
3
2
9
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
絶滅危惧Ⅱ類
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 ACD
17
0
2
県内分布状況
(2)
野生絶滅
19
一部で開発の影響もあるが、明らかに園芸採取が最大の危険要因で
ある。
現 存
不 明
絶 滅
(1)
絶
滅
19 地点中 17 地点で生育が確認されているが、園芸採取のために
株数が極端に少ない地点や、既に開花株がみられない場所が多い。
園芸採取、スキー場、湿地開発
(3)
絶滅危惧
Ⅰ 類
A
山草園芸対象の代表格で、古くから園芸採取が問題になってきた。
一部で監視が行われているが、全体的には園芸採取のために株数が
減少した生育地が多い。シカの分布域にも多いが、シカは本種を忌
避する傾向がある。
(4)
絶滅危惧
Ⅰ 類
特記事項
現 存
不 明
絶 滅
県内分布状況
産 地 数
主な危険要因
定量 C
県レッドデータブック(2001)発行後に新たな生育地が見つかっ
たが、減少傾向は続いている。低地にしかない上に、形態が普通種
オカトラノオに酷似するため、希少な種であるという認識がされて
いない。
クリンソウ
評価理由
1 2 3 4 種の解説
Ⅱ
被子植物・双子葉類
サクラソウ科
B
絶滅危惧
Ⅱ類
(5)
1 地点のみで生育が確認された。分布域が狭く特定の立地に依存す
ることに加え、シカによる食害も近年報告されている。
今回評価
絶滅危惧 IB 類
群馬県(2001)
指定なし
環境省(2007)
指定なし
環境庁(2000)
指定なし
適用基準
定量 ACD
産 地 数
自然遷移、動物食害、園芸採取
主な危険要因
特記事項
遷移により高茎草本が侵入すると消失する。ただし、現在ではシカ
によって他の群落構成種とともに食害を受けている。また、園芸採
取された形跡がある。
1
(6)
現 存
不 明
絶 滅
(7)
情報不足
評価理由
被子植物・双子葉類
リンドウ科
準絶滅
危惧
トウヤクリンドウ
1
0
0
県内分布状況
生育地は国立公園内だが、今回の調査では園芸採取の跡が確認され
た。また、個体数の多い状態が続いているシカについて対策が必要
である。
165