疲れ特性

プラスチツ 砂寄動特性1の
誠験法と評価締果
.!
〈 〉
安田 武夫*
2.プラスチックの各種試験方法(続き)
意味での疲れ限界が存在しないことが多いので,JIS
K7118■1995・2〕(硬質プラスチック材料の疲れ試験方法
2−4.機械的性質の試験・評価方法(4)
通則)では,繰返し数(N)が!07の点の応力の上限値
2−4−12.疲れ特性
をもって疲れ限度としている。
①はじめに
②疲れ特性の測定方法
材料に外力が繰返しかけられ,それによって応力(ひ
JIS規格では,前述のJIS K7ユ18−1日95とJIS K
ずみ)が多数回繰返して発生させられると,材料の劣
化が促進され,ついには破壊する。このときの応力は,
71!9一’雪72(硬質プラスチック平板の平面曲げ疲れ試験
方法)の2規格が規定されている。本稿では,前者に
引張特性や曲げ特性の測定時の破壊応力より,小さい
ついて紹介したい。
場合でも破壊する。このような現象を材料の疲れ
この規格で規定している各種応力をつぎに示す。
(fatigue)と呼ぶ。ナイロン製の歯車のように曲げ応力
・両振り引張圧縮応力 ・片振り引張応力
が繰返してかけられる品物やポリプロピレン製ヒンジ
・片振り圧縮応力 ・回転曲げ応力
のように数十∼数百万回も繰返して広角度の曲げ外力
・両振り平面曲げ応力 ・片振り平面曲げ応力
を受ける品物については,「疲れ特性」はとくに重要で
・両振りねじり応力 ・片振りねじり応力
ある。また,プラスチックの重要な応用分野である自
・部分両振り応力 ・部分片振り応力
動車分野でも,振動が絶えず発生するので疲れ特性は
試験機は,試験目的に応じて上記のような応力がか
重要な特性となっている1〕。
かるような適当な疲れ試験機を用いる。試験機には応
疲れ特性は,繰返し試験において応力をいろいろ変
力振幅一定形またはひずみ振幅一定形試験機があり,
えて,各応力における繰返し数(W)を求め,図1のよ
作用する応力の種類によって,・引張圧縮疲れ試験機,
うに縦軸に応力(∫)を横軸に繰返し数(w)をとって
回転曲げ疲れ試験機,平面曲げ疲れ試験機,ねじれ疲
∫一〃曲線を描き(一般に繰返し数は対数目盛で表示),
れ試験機がある。
これを材料の疲れ特性の目安とする。疲れを与える繰
試験片,試験片の状態調節などは規格を参照願いた
返し応力の大きさがある限度以下では,無限回数応力
を加えても疲れによる破壊の発生しない限度の応力を
疲れ限度または疲れ限界(fatiguelimit)と呼び,材料
の破壊時までに受ける応力回数を疲れ寿命と呼んでい
.40
≡
る。
さ
図1は金属材料の疲れ破壊の∫一W曲線の一例であ
るが,この図の鋼の場合には,繰返し回数がある点か
20
R
迫
らは曲線が横軸に平行になっており,疲れ限界が明ら
かに認められる。しかし,プラスチックでは,厳密な
}Takeo YASUDA,安田ポリマーリサーチ研究所所長
〒168−O082東京都杉並区久我山4−24−7
Vo1.51,No.11
l01。
繰返し数〃(回)
図1金属材料の疲れ破壊別∫一〃曲線1〕
93
^ 15
試験片1Wiedema㎜一B副1dwin製SF−02−U形万能疲労試験機
試験条件120℃,65%RH ASTM D671−63method B
試験速度:30Hz
吻竈
冒
只o 10
迫曽
」当
黒自 5
冒
轄
5
10‘ 10‘ 101
図2
只
;鳶撃葵…1ソ ㌔. 塩化ピニル樹脂
迫
s−w線図
凄
㌔ メタクリル樹月旨
R
繰返し数〃{回)
{
・、 POMコポリマー
冒
ふ
僅
ポリアミド ポリカーボネート
10]
104 105 10缶 107
繰返し数〃個)
図4各種プラスチックの疲れ特性の∫一w曲線による比較
PE,PP,PS,PMMA,PVC,PA,POM
疲れ限度線
磐
蝉
只
追
只
邊
米
蝿
降伏限度線
60
/
ぐ5 POMホモポリマー 50
降伏限度線
ノ・哨祀・1
平均応力 最小応カ
図3疲れ限度線図
昌 (30Hz,23℃.lOO%RH〕
董・“イ。ンプ猟畜ト ・・
R (20H・・22℃
追3 25%含水) 30
量 フエノキシ樹脂/徽二、。)
繋2 20
(20Hz,22℃)
ど
ε
只
違
」
璃
蝶
1 10
い。操作は,以下のとおりである。
10ヨ lO・ 1Oヨ 10・ ’ 10・
1)試験片は扁心のないよう,かつ,試験中緩まない
繰返し数〃(回)
ように試験機に取り付けなければならない。
図5各種プラスチックの疲れ特性の∫一W曲線による比較
2)試験の開始に当たっては,試験片に衝撃を与えな
PA,PC,POM,HPVC,フェノキシ樹脂
いよう,かつ,速やかに所定の試験条件にしなければ
7)試験機の運転休止は試験結果に影響があるので,
ならない。
規定の試験条件で連続運転させなければならない。
3)試験応力の段階は試験目的により異なるが,疲れ
やむを得ず運転を休止した場合は,試験結果に記録し
限度を求める場合には,なるべく小さいほうがよい。
ておく。
普通,S−W曲線で相隣る点の応力の比は,1,02以上
8)とくに積層プラスチックでは,ひずみ振幅一定形
1.5となるように選ぶとよい。
試験機と応力振幅一定形試験機とは,試験結果に差が
4)プラスチックの疲れ強さは,試験速度に大きく依
生じる場合があるので,使用した試験機の種類を報告
存するので,一連の試験は同じ速度で行うのがよい。
5)試験を打ち切る時期として,通常つぎの三つがあ
しなけれぱならない。
試験結果の取り扱いは,以下のとおりである。
ユ)応力は最大応力を生じる面にっいて計算し,呼び
る。
i)繰返し数107回未満で破壊したとき
応力で表す。その計算方法は明示しておくのがよい。
ii)繰返し数107回未満で剛性保持率非が一定値ま
2)応力は,MPa{kgf/mm2}の単位で示し,JIS K
で低下したとき
8401によって小数点以下1桁または有効数字3桁に
iii)繰返し数107回までに,i),ii)の条件を満た
丸める。
さなかった場合は107回
3)破壊までの繰返し数は,操作の5)i)またはii)の
*:試験最終の剛性〔物体の荷重に対する変形抵抗(詳
条件が成立するまでの繰返し数とする。操作の5)ii)
細は規格参照)を初期剛一性で除した値の百分率
の条件による場合は,破壊の時期とみなした剛性保持
6)一度ある応力で試験して破壊しなかった試験片
率を明示しなけれぱならない。
は,その後他の応力で試験すると・初めから後者の応
4)繰返し数は,10肥の倍数で表す。たとえば,2.34x
カで試験した場合と結果が異なるので,破壊しなかっ
108のように有効数字3桁に丸める。
た試験片は再使用してはならない。
5)普通S−W線図は横軸に繰返し数を対数目盛で,
94
プラスチックス
縦軸に応力振幅または最大
表1各種FRPと熱可塑性樹脂の疲れ強さ(片持ち両振り平面曲げ)
応力を等問隔又は対数目盛
107回の疲れ強さ
樹脂名
で描く。点が重なった場合
(k9/mm2)〔MPa〕
疲れ強さ
引張強さ
疲れ強さ曲げ強さβ
α
は,重なった点の数を付記
不飽和ポリ
朱子織ガラス布(52)
9.0〔88〕
0.22
■
する(図2)。
エステル
平織ガラス布(40)
7.0〔67〕
0.33
一
ガラスマット(22〕
3.O〔29〕
0.47
なし
1.6〔16〕
O.4
’
ユ2.0〔118〕
0.31
一
太糸綿布
2.5〔25〕
0.33
一
紙
2.5〔25〕
O.29
一
6)∫一〃線図において破
壊しなかった試験片に示す
点には,右向き矢印を付け
る(図3)。
熱
硬
化
性
樹
脂
朱子織ガラス布(54)
フェノール
樹脂
一一
7)プラスチックは,繰返
エポキシ
朱子織ガラス布(57)
15.O〔147〕
O.37
’
し数107圓までに疲れ限度
樹脂
1方向ロービング
25.O〔245〕
O,44
■
ユ.6〔ユ6〕
0.27
一
脂
1.7〔17〕
O.29
O.15
脂
1.02〔10.O〕
O.41
0.20
脂
1.13〔11.1〕
O.24
O.ユ9
ン
1.20〔11.8〕
O.22
〇一24
ン
1.12〔ユ1.0〕
O.50
〇一40
ト
1I00〔9.8〕
0−15
O.09
注型
に達しないことが多いの
塩
で,疲れ限度の代わりに,
通常107回の時問強さを求
める。
8)疲れ限度線図(時間強
さ線図)は,縦軸に応力振
熱
可
塑
性
樹
脂
化
ビ
ス
チ
繊
維素
二
レ
ポ
リ
ボ
リ カ
樹
ン
誘
体
導
樹
口’
イ
ナ
樹
ノレ
チ
工
レ
ボ
一
ネ
一
ポ
リ
プ
口
ピ
レ
ン
1.12〔11.0〕
O.34
0.23
メ
夕
ク
リ
樹
脂
2.83〔27.8〕
O.35
0.22
て表すか,または縦軸に最
ル
ア
セ
タ
ル
樹
脂
2−74〔26.9〕
O.37
O.25
大応力,横軸に最小応力を
ABS
一
脂
1.2〔1ユ.8〕
O.30
一
幅,横軸に平均応力をとっ
樹
とって表す(図3)。
③各種プラスチックの疲
れ特性
表2各種GFRTPと金属材料との疲れ強さ比較
要 項
プラスチックの疲れ特性
10〒回における
疲れ強さ
静的引張強さ
疲労試験の種別
疲れ強さ
静的引張強さ
(kg/cmつlMPa〕 (k9/cm2)lMPa〕
特性は,文献3)に数多く掲
材 料
載されているが,ここでは,
ボリカーボネートGC壬0%
471〔46.2〕
ユ,475〔145〕
O.3ユ9
ポリアセタールGC40%
ポリアミド66GC40%
ポリプロピレンGC40%
ポリエチレン(低圧)GC40%
436〔42.8〕
985〔96.6〕
2,ユ80〔214〕
590〔57−9〕
795〔78.0〕
O.443
O.228
〃
O.412
O.288
〃
2,500〔245〕
5,300〔520〕
0.472
曲げ(室温)
5,060〔496〕
13,500〔1,320〕
O.376
1,480〔145〕
2500〔245〕
4,500〔441〕
4470〔438〕
O.329
0.559
その一部について紹介した
い。
図4,5は各種プラスチッ
クの疲れ特性の∫“曲線
による比較を示す。また,
表1∼3は,各種プラスチッ
軟鋼
^金ステンレス鋼
層アルミニウム合金24S−T3
純チタン
492〔48.2〕
243〔23.8〕
229〔22.5〕
両振平面曲げ
(23℃)
〃
〃
両振平面曲げ
(室温)
〃
〃
クや金属の疲れ強さの比較
を示したものである。
表4は,各種熱可塑性樹脂の成形加工品の疲れ特性
低めである。
を表示した。また,表5∼7は,各種熱可塑性樹脂,熱
これらのデータは,試験時の応力のかけ方が異なる
硬化性樹脂,FRPおよび金属の疲れ強さと静的強さの
ので,同一基準で比較はできないが,実用に近い条件
比較を示した。
での結果を参考にすべきと恩われる。
これらの図,表より,’プラスチックの疲れ強さは静
上記に示したように疲れ強さは,静的強さの10数
的強さの10数∼約50%となっている。比較的疲れ特
∼約50%になるので,このような環境下でプラスチッ
性が良好な材料は,POM,PMMA,PE,PP,各種強
クを便用する場合,十分にこのような状況を考慮に入
化熱硬化性樹脂等である。比較的疲れ特性が低いもの
れた材料の選定をする必要がある。
は,PVC,PC等である。
つぎに,疲れ特性の環境の差による影響を記す。
しかし,GFを強化するとこれらの序列は異なった
ものとなることも示されている。プヲスチックの疲れ
図6に,各種FRPの疲れ特性への温度の影響を示
特性である疲れ強さと静的強さの比は,金属より若干
静的強さが温度とともに減少することと同一の現象で
VoI.51,No.1ユ
す。疲れ特性は,温度の上昇に従い減少する。これは,
95
表3各種FRPの静的強さと両振り平面曲げ疲れ強さ
強化材
樹脂マト
重量含量
成形方法
リックス 種類]j(プライ数〕
不
飽
和
ポ
リ
工
スー
PWC
SWC
SWC(28)
SWC+CM+
PWC
PWC+CM+WR
十CM+PWC
曲げ強さ
σ咀_f
σ邊_凸
107回の
比重 疲れ強さ
(mm)
¢/ρ
の/σパ土
4σ蛆一占
σ∫
(MPa)
(MPa)
54.5
プ レ ス
3.0
264
370
1.7
44
25.9
O.167
O.119
21.5
プ レ ス
1.2
63
167
1.6
29
18.ユ
O.469
O.117
45.0
プ レ ス
2.5
206
285
1.7
69
40.6
0.333
O.241
52.2
プ レ ス
3.O
348
450
1.7
88
51.8
O.254
O.196
59.3
真空パック
8.O・
305
380
1.8
69
38.3
O.225
O.18ユ
35.O
ハンドレイ
ア ツ プ
2.5
81
ユ53
1.7
34
20.0
0.422
O.224
5.6
74
106
1.7
26
15.3
0.360
O.250
3.O
39
107
1.1
ユ4.3
O.400
0.147
131
O.272
■
31.O
O
ハンドレイ
ア ツ プ
注 型
ア
なし
ノレ
UFW
73.O
CFW(1:1〕
75.O
CFW(2:1〕
66.0
FW
FW
SWC(12)
PWC(15)
63.0
樹
脂
FW刮
3.O
1,Oユ0
(MPa)
(MPa)
■
2.1
15.7
275
■
2.ユ
118
62
O.267
■
一
1.9
!62
85.3
0.252
1.8
98
■
’
54.4
O.244
1.7
69
■
■
40.6
0.197
■
■
1.6
44
27.5
O.474
一
3.O
441
3.0
642
プ レ ス
3.0
402
57.0
プ レ ス
3.O
348
CM(3)
30.O
プ レ ス
3.O
93
SWC
SWC
54.0
プ レ ス
6.4
289
382
1.8
ユ18
65.6
O.406
0.311
44.O
プ レ ス
3.O
219
355
1.7
69
40.6
O.314
O.193
CF(細糸)
3.0
75
123
1.3
24.5
18.8
0.329
O.202
ル脂
■
プ レ ス
CF(太糸〕
プ レ ス
3.7
72
123
1.3
24.5
18.8
0−343
O.200
(PH)
P
SWC
SWC
■
■
プ レ ス
3.0
91
119
1.3
24.5
18.8
0.269
O.207
57.O
プ レ ス
6.9
328
394
!.8
452
84.4
O.464
O.886
58.O
プ レ ス
8.0
348
435
1.8
88
48.9
O.254
O.203
70.O
プ レ ス
2.6
558
1,OO1
2.O
24.5
0.439
0.245
注 型
3.O
59
!08
1.2
!5.7
13.1
O.267
0.145
射 出
5.O
76
ユ10
1.5
31−4
20.9
0.416
O.285
(UP)
FRP
フ樹
工
ノ
1
工樹
ボ
キ
シ脂
(EP)
FRTP
CM(ユ)
引張強さ
ρ
(%)
CM
板圧
ポリアセ
タール
SWC+U W R
十SWC
なし
GC
O
30.0
123
注)1)強化材の略号1CM(チョップドストランドマット〕,PWC(平織ガラスクロス〕,SWC(朱子織ガラスクロス),WR(ロービン
グクロス〕,UFW(1方向フィラメントワインディング),CFW(直交フィラメントワインディング,括弧内の数字はたて糸の打込
比を示す〕,CF(綿布),P(紙),UWR(1方向ロービングクロス〕,GC(ガラスチョップ〕
2〕FW(フィラメントワインディング)
ある。表8は,各種環境条件下のプラスチックの
表4各種熱可塑性樹脂の成形加工晶の疲労特性
10〒回疲労強さ
疲れ限界値を示したが,吸水性の少ないPOM,
PCは湿度の影響を受けないが,吸水性をもつポ
疲労強さ
曲げ強さ
疲労強さ
曲げ弾性率
190〔ユ8.6〕
0.178
0.O058
160〔15.7〕
0.160
O.O050
100〔9.8〕
O.093
O.0043
したクリープ現象と同様に,材料を選定するとき
O.128
O.O041
にこのようなことを十分考慮して行うことが肝要
ABS樹脂(射出・切削)
150〔14.7〕
120〔118〕
アセタール・コポリマー
240〔23.5〕
0.463
0.O107
2−4−13.摩擦・摩耗特性
300〔29.4〕
O.442
O.0086
①摩擦と摩耗
240〔23.5〕
O.353
0.0069
種別(加工法〕
メタクリル樹脂
(注型・切削〕
硬質塩化ビニル
(圧縮・切削)
ポリカーボネート
(圧縮・切削)
AS樹脂(射出〕
(射出・切肖咀〕
アセタール・ホモポリマー
(射出)
アセタール・ホモポリマー
(押出・切削〕‡
(kg/cm’)〔MPa〕
静的強さよりかなり低い値で破壊する。前回記述
である。
注)板圧3mm(*印のみ約5mm〕で平面曲げ
(瀬田 他 プラスチックガイド/材料編,p.ユ99,工業調査会(1975)〕
‘瀬田 榊.1プラスチックガイド/材料編.D,199.工業調杏会f1975〕〕
96
リアミド,ABS樹脂は,湿度の影響を受けている。
このように,疲れ現象により,プラスチックは,
軸(シャフト)と軸受(ベアリング),車軸とレ
ールあるいはカムとカムとローラなどのように二
つの物体が互いにその表面を接触しあって相対運
プラスチックス
表5各種プラスチックの疲労強度(107回〕および瀞的強度との比(熱可塑性樹脂〕
疲労強さ
種 類
商品名
塩化ビニル樹脂
スミライトVS−9200
コウペポリシートS−1
ポリスチレン(HI)
ポ リ ア ミ ド
(ナイロン6〕
ポリエチレン(高密度)
ポリカーボネート
メタクリル樹脂
ポリアセタール
ポリプロピレン
綴姜(・〕
(k9/cm2),〔MPa〕
スタイロン475
トップアミド1031
東レナイロンCMユ03ユ
コウベポリシートEL
ハイゼックス5000
パンライトK
アクリライト
デルリン150
コウベポリシートPP
モプレンAD30
疲労強さ引張強さ(%)
170〔16.7〕
15.9
29.7
102〔1O.O〕
20.8
41.8
!20〔11.8〕
24.5
22.6
110〔10.8〕
40.O
50.7
100〔9.8〕
9.3
283〔27.8〕
274〔26.9〕
22.3
25.6
35.2
37.4
112〔ユ1.0〕
23.3
34.!
15.ユ
表6各種プラスチックの疲労強度(107回)および静的強度との比(強化熱硬化性樹脂)
材 料
(MPa)
ガラス繊維
樹脂名
不飽和ポリエステル
ガ ラ ス マ ッ ト
〃
朱子織ガラス布
両振平面曲げ
片振平面曲げ
81.4
両振平面曲げ
マット平織ガラス布
〃
フェノール樹脂
エポキ シ樹脂
朱子織ガラス布
〃
〃
不飽和ポリエステル
〃
エポキ シ樹脂
〃
TACポリエステル}
〃
耐熱フェノール樹脂
〃
耐熱エポキシ樹脂
〃
応力形式
62.8
275
朱子織ガラス布十ガラス
〃
疲れ強さ(MPa)
引張強さ
417榊
573帥
446榊
361
337
320
294
330
107回の値
疲れ強さ
引張強さ
29.4
O.469
108
34.3
97.!
〃
O.412
21.6
〃
53.9
Pusey
O.233
O.232
〃
ユ14
0.255
〃
〃
〃
〃
島 村
18.6
59.8
127
71.6
報告者
(MPa〕
0.393
〃
両振引張圧縮
疲れ強さ
比重
7.6
62.8
38.2
61.8
37.3
40.2
45.1
O.209
111
O.299
71.6
75.5
86.3
496
O.244
O.295
O.262
〃
〃
〃
Bo11er
〃
〃
〃
〃
O.376
1,324
両振平面曲げ
ステンレス鋼
62.8
ANC−5
145
〃
〃
44ユ
O.329
金属材料 アルミニウム合金24S−T3
52.O
245
438
〃
O.559
島村
純チタン
57.9
注〕ヰトリアリルシアヌレートを含む不飽和ポリエステル,榊曲げ強さ
(伊藤1プラスチックデータハンドブック,p.91,工業調査会(1980)〕
表7各種熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,FRP,および金属との疲れ特性の比較
材 料
GRTS
TS
TP
引張強さ
!0〒回疲れ強さ
ρ
σ用(MPa)
箏(MPa〕
152
比疲れ強さ
の/ρ(MPa〕
比疲れ強さ
4σ月
エポキシー朱子織ガラス(由57%)
1.8
328
ボリエステルーガラスマット(由22%)
1.6
29.4
84.4
18.4
O.46
O.47
ポリエステルー朱子織ガラス(串53%)
1.7
62.8
392
88.3
5ユー9
0.22
ポリエステル注型晶
1.1
39.2
15.7
14.2
O.40
メタクリル樹脂(注型一切削〕
1.2
63.7
!9.6
!6.3
O.31
硬質塩化ビニル樹脂(プレスー切削〕
ポリカーボネート(プレスー切削〕
1.4
5!.O
15.7
1!.2
O.31
1.2
63.7
9.8
8.2
ボリアセタール(押出一切削〕
!.4
23.5
16.8
29.4
21
!4.7
1.4
66.7
69.6
アクリロニトリルースチレンコポリマー(射出〕
1.2
66.7
12.3
0.15
O.35
O.44
O.22
ステンレス鋼
純チタン
アルミ合金(24−T3)
7.8
1,324
500
64.1
O.38
4.2
441
245
〇一56
2.7
441
147
58−3
54.4
〃 (射出)
M
比重
注〕GRTS:グラスファイバ強化熱硬化性樹脂
O.33
TS1熱硬化性樹脂 TP:熱可塑惟樹脂 M:金属鋼ヰ:ガラス含量
(伊藤:プラスチックスデータハンドブック,p.ユ91,工業調査会(1980))
Vo1.51,No.11
97
動(関係運動)をする場合に,その接触面に互いの運
とは,つぎのような関係となる。
動を妨げようとする抵抗が生じる。このような現象を
μ=F/P=tanθ
摩擦(fricTtion)と呼び,この時発生する抵抗力が摩擦
③摩耗量の測定方法
力である。物体間に摩擦が起こると,接触面における
摩耗量の試験方法には,プラスチック材料同土,あ
材料は少しずつ消耗し,いわゆる摩耗が生じる。
るいはプラスチック材料と他の材料とを接触させて摩
したがって,摩擦と摩耗は,同時に起こる現象であ
耗量を測定する方法と,砂や砥粒等の第3物質を介在
り,摩耗は摩擦に付随して起こるものであるが,その
させて摩耗させる方法(ざらつき摩耗試験と呼ぱれる)
両者の意義は異なっている。すなわち,摩擦に対する
とがある。ざらつき摩耗試験には,落砂摩耗試験法(マ
抵抗(摩擦係数)の少ないことは,滑動または摺動,
ーレジスタンス式試験法),オルゼン式試験法,テーバ
回転などの運動に要する力が少なく,したがって動き
式試験法等があるが,このうちテーバ(Taber)摩耗試
やすいことを意味する。また,摩耗は接触面における
験法はかなり広く便用されている。
材料の消耗であるから,その材料の寿命を意味するも
テーバ摩耗試験法は,ASTMD1044に規定された
のであり,材料の消耗は製品寸法の変化によって現れ,
方法であるが,JIS K7204■m95・4〕(摩耗輪によるプラス
その寸法精度の維持に関係してくる。
チックの摩耗試験方法)などにも同様な試験方法が規
②動摩擦と静摩擦
摩擦抵抗には,静止の状態から運動状態に移るとき
定されている。ここでは,JIS K7204−1995を紹介し
の静摩擦抵抗と運動中の動摩擦抵抗の二種類がある。
この試験は,図8に示すように回転する試験片上に
静摩擦低抗は,図7のように傾斜面上に物体をおいて,
一対の摩耗輪を規定荷重の下で圧着させ,摩耗輸によ
その傾斜角度θを次第に増していった
場合に,物体が滑り出し始めるときの摩
表8各種環境条件下におけるプラスチックの疲れ限界値(熱可塑性樹脂〕
擦抵抗である。この際,傾斜面に垂直に
樹脂名
働く力!⊃と摩擦抵抗Fとの比μは摩擦
係数と呼ばれ,傾斜角θ(摩擦角と呼ぶ)
POMホモポリマー
ボリカーボネート
300
30
pF(フェノール樹脂)
EP(エポキシ樹脂〕
冒
冒 20
ど
200
U P
R
迫
J
/
斜
繋
ε
ε
R
追 10
ポ リ ア ミ ド
/
(ポリエステル)
たい。
1oo
」
A B S 樹脂
ボリプロピレン
斜
蟻
S1(シリコーン〕
温度
湿度
目F〔℃〕
(%RH)
疲れ限界
Psi〔MPa〕
73〔22.8〕
50
5,000〔34〕
73〔22.8〕
100
5,000〔34〕
73〔22.8〕
50
2,000〔14〕
73〔22−8〕
100
2,OOO〔14〕
73〔22.8〕
50
3,000〔21〕
73〔22.8〕
100
73〔22.8〕
50
73〔22.8〕
100
73〔22.8〕
50
73〔22.8〕
■
3,000〔21〕
2,000〔14〕
2,500∼3,000〔ユ7∼21〕
1OO
■
‘目月 :高分≒芹. 11 f126〕. 613 {1962〕〕
(日月 高分子,11(126〕,613(1962)〕
各種積層品
O 100 200 300
摩耗粉吸入装置
温度(℃〕
塵耗輸の重さ相殺用軸
摩耗粉吸入孔の位置
図6各種FRPの疲れ特性への温度影響
塵耗粉吸入アーム
ホース
/回転円板
\
試験片
摩耗輸取付け
アーム
⑥
⑥
■†
P1摩擦 に対して直角に加わる力
F’1⑧⑲間に相対運動を起こさせる力
F:摩擦面における抵抗力(唆擦力)
図7静摩擦
98
試験機本体
回転計 摩耗輸 おもり
図8テーバ摩耗試験機
プラスチックス
って試験片を摩耗させる方法である。
2)試験片を試験機の回転円板に取り付ける。
試験片は,図9に示す回転円板の圓転軸中心線と摩
3)摩耗輸の外周をダイヤモンドドレッサでドレスし
耗輪取付け位置との距離ムとLおよび回転中心線
た後,摩耗輪取付け軸にはめ込み,取付けねじで固定
と摩耗輸取付軸の中心線との距離/は,つぎのように
する
決める。
4)試験片の上に摩耗輪を静かに降ろし,試験機を始
動させる。
五FL2:39.4±O.3mm
5)1枚の試験片に対して,試験回数は連続1000回と
1=19.0±0.2mm
回転円板の回転速度は60土2m■ユ(60±2rpm)とす
る。試験片に加える荷重は2.45N(250gf),4.9N(500
する。
6)つぎに試験機から試験片を取り外して,清浄な布
gf),または9.8N(1gf)とする。
で摩耗粉などの異物を試験片から除去し,試験片の質
摩耗輸の形状と寸法は,図10に示すとおりとする。
量を1mgまで正確に測定し,試験前の質量の差から
試験片は,厚さ1∼5mm,直径約ユ20mmの円盤状ま
摩耗質量を求める。
たは試験に支障のない形状で,ほぼ同じ大きさのもの
計算は,以下のとおりである。
とし,その中心に直径6.5mmの穴をあける。
試験操作は,以下のとおりである。
2)試験結果は,摩耗質量(mg)を密度で除した摩耗
ユ)試験片3枚の摩耗質量の平均値を求める。
1)試験片の質量は,試験前にユmgまで正確に測定
量(mm3)で表すことを原則とするが,摩耗質量をも
って表すこともできる。
する。
④各種プラスチックの摩擦・摩耗特性
摩耗粉吸入孔の位置
図11は,山口らの実験結果によるものであって,各
回転円板 摩耗粉吸入アーム
種プラスチック材料の静摩擦係数をその大きさの順に
!イ試験片
配列したものである。同じプラスチック材料であって
も,その材料同土の摩擦係数やこれと鋼材と組み合わ
図9試験片の
取付け図
ム■l L。
…⇔一・ モ
一一一 外径(D)=50而m
内径(H)三15.88rnm
厚さ (τ)=13mm
■ 試験片
/
図10摩耗輸の形状
回転円板
H同一材料の組み合せ
同一材料聞
O.6
録
蜂
蜂 O.4
魁
巌
O.2
// (上〕ポリアセタール
(下)各種ブラスチック
、、冬、\
0.6
図11各種プラス
チックの静摩
擦係数
H下部デルリン,
蜂 O.4
蟄
爾
上部各種プラスチック
デルリン対 同一材料
/
他材料
O.2
ぴべげ レ〆 ・
σ一一屯上部デルリン,
下部各種プラスチック
燕
撃
\ ム
泌・△ ’o’ 瓜一一
(上〕各種プラスチック
(下〕ポリアセタール
ナアAポポア塩ポエフポポユメ四
イルBリリク化リポエリリリラふ
ロミSカスリビプキノエアアミつ
ンニ樹iチルニロシ1チセ樹ン化
ウ脂ボレ樹ルピ樹ルレタ脂樹エ
ム ネン脂樹レ脂樹ン1 脂チ
1 坦旨ン 月旨 ル レ
ト ン
Vol.5ユ,No.11
アポ鋼ポフボ塩Aポユポナメ四(
クリ リエリ化Bリリリイラふテ
リス カノブビSアアエロミつフ
セ
ルチ l lロニ樹タ樹チンン化口
樹レ ボルピル脂1脂レ 樹エン
脂ン ネ樹レ樹 ル ン 脂チ)
図12各種プラス
、チックの動摩
擦係数
1岨旨ン脂 ^ レ
ト デ ン
ル 樹
呈 脂
99
表9各種プラスチックの動摩擦係数と化学構造(特言己しないものγ=6.2cm/s,P=81kPa)
動摩擦係数μ
種別
ホ
jレ
マ
プラスチック名
フェノール樹脂
(PF)
∫〃
〃∫
平均
O.468
0.524
O.496
0.453
O.711
0.582
化学構造(モノマーの構造)
小種別 大種別
平均
平均
リ
ン
系
^セ
ユリア樹脂
(UP)
NH…CH−NH
一CO〈 1 〉CO
0.568
CH−NH凹NH
NH・、C−NミCバH・
jレ
熱
硬
化
性
口
1
ス
充
狽)
メラミン樹脂
(MF〕
l l
N㌔ヂN C
0.567
O.686
0.626
一
NH!
O.504
プ
一
不飽和ポリエステル
フ
ス
(UPE)
O.48
O.46
O.47
O.43
0.37
O.40
・卜廿ト
チ
ツ
ク
無
充
損
備考
エポキシ樹脂
(EP)
ポリイミド
/、 ノ、
一〇一C−R1……RダC■C
一・/:1な:l/・一・一
0.47
’
0.47
メタクリル樹脂
(PMMA)
O.568
O.385
O.476
ポリスチレン
0.368
{PI)
O O
0.446
y=4工om∫s
P1830kPa
HH
l l
一C−C一
l l
HC−O…CHヨ ll HN
C ll ■暗
(PS〕
熱
可
塑
性
プ
ラ
ス
O.442
O.422
ABS樹脂
(ABS)
非
結
晶
性
0.517
塩化ピニル樹脂
(PVC)
0.366
O.376
O.371
O.219
0.216
O.217
ポリエーテルサルホン
ツ
(PES)
舳ド昧;L
HH
チ
ク
鰯
O.22
0.45
O.33
O.328
l l
0.352
一C−C」
l l
HC1
㈱
V=62cm∫s
P=3,100kPa
○削冊・一
■
CHヨ
ポリアリレート
{Uポリマー)
一
O.41
一・・O/−1冊。一・
0.41
V=35cmノ宮
P=1,400kP副
CHヨ
CHヨ O O一・・O−1冊・一と灯と一
ポリカーボネート
(PC)
O.302
O.362
O.331
CHヨ
0.285
ポリフェニレンサル
フアイド(PPS)
ポリブロピレン
(PP)
熱
可
塑
性
プ
ラ
ス
0.2I6
一
O.216
O.300
O.316
0.308
◎ト・一
㈱
γ=38cm/s
P=280kPa
HH
「 ;
一C−C一
l l
HCH]
結
ナイロン6
(PA)
O.192
0.129
O.148
ポリアセタール
O.129
O.180
O.154
目
日目
性
{POM)
チ
0.151
仲
O.197
㈱
H■
一C−O一
■
H
HH
HH
ツ
ク
ポルエチレン
(高密度)(PE)
ポリ四ふっ化エチレン
{PTFE)
O.i39
0.177
0.109
O.IOO
O.124
O.108
H H H H H
l l l l l
PE−C−C−C■C■C’呈ymm副r}
l l l l !
H H H H H
l l
一C−Cu
l l
0.116
鰯
F F
l l
一C−O■
FF
l l
PS
H H H H
i l l l
C C C C
l l l l l
㌣
m;ymmelr}
H C H C H
l l
H㌔C・C㌔C.HH,C#C㌔C・H
l ll l ll
・’C㍉’・㌔・・’C㍉一C㌔・
PE{対称性)とPS(非対称性)の分子構造
100
H H
プラスチックス
摩擦面の潤滑剤の有無やその種類により著しく異な
る。また,図12は同じ資料による各種プラスチック材
表10ブレンド,アロイ化による摩擦特性の改良例
化代表的なボリマー添加剤〕
ポリマー添加剤
ポリテトラフルオ
POM,PA,
潤滑フィルムの形成
ロエチレン
摩擦・摩耗特性の改良
(PTFE〕
PBT,PPS,
PETなど
ポリエチレン
POM,PA
潤滑フィルムの形成
油の保持効果
ある。ここでは,その一部を紹介したい。
について示す。この表では,動的摩擦係数は,小さい
順(滑りやすい順)に示すと,以下のようになる。
摩擦・摩耗特陸の改良
など〕
〔熱可塑性樹脂〕結晶性・完全対称構造〉結晶性樹脂・
PTFE,PPSなど 熱特性の改良
準対称構造〉結晶性・亜対称構造〉非晶性・非対称構
造〉非晶性・高非対称構造〉〔熱硬化性樹脂〕無充填〉
耐摩耗性の改良
イル(POB)
球状フェノール
また,文献5)には多くの摩擦・摩耗特性が掲載して
表9に各種プラスチックの動的摩擦係数と化学構造
(PE,UHMWPE PBTなど
ポリオキシベンゾ
料の動摩擦係数を示すものである。
特徴・効果など
適用プラスチック
PA,PBT,
熱特性の改良
ホルマリン系(セルロース充填)
PTFE,PPSなど摩擦・摩耗特性の改良
ポリイミド
原典を参照していないので,このような整理をした
熱特性の改良
PTFEなど
背景はわからないが,各種プラスチックの動的摩擦係
物陸の改良
(PI)
耐摩耗性の改良
数の一つの傾向を示す表として参考に紹介する。
表10には,ブレンド,アロイ化による摩擦特性の改
シリコーン化合物
POM,PA,
摩擦・摩耗特性の改良
(油状∼レジン〕
PBTなど
物性の改良(IPNの生成
良例を示す。どのようなポリマーを添加すると摩擦特
など)
性が改良されるかがわかる。
ポリオレフィン系
POM,PA,
摩擦・摩耗特性の改良
図13は,各種プラスチックの摩擦・摩耗特性に及ぼ
共重合体
PBTなど
アロイ化による物性の改良
すカーボン繊維の効果を示す。プラスチックにより差
はあるが,摩擦・摩耗特性はかなり改善される。
せた場合の摩擦係数がいずれも異なった値を示してい
図14は,各種摩擦材が軸受に用いられる場合の軸圧
ることは,とくに注目すべきことである。
と温度限界について示したものである。この図は,軸
動摩擦抵抗は,滑動(摺動)あるいは回転運動中に
起こる摩擦抵抗であって,摩擦面力の圧力,摩擦速度,
最後にテーバー摩耗試験による摩耗量について,
受材の選定の参考となるであろう。
摩耗量(cm3/cm・kg)
10−11 I0■10 IO■o lO一宮 10■7 10■喧 O
摩擦系数
0.2 0.4 0.6 0.8
ABS樹脂
フリーデルクラフト樹脂
塩化ビニル樹脂
四ふっ化エチレン樹脂
三ふっ化塩化エチレン樹脂
塩化ビニリデン樹脂
塩ピー酢ビ共重合樹脂
ポリプロピレン
エポキシ樹脂
メチルメタクリレート樹脂
ポリエステル樹脂
ポリスルホン
ポリフェニレンオキシド
ポリカーボネート
フェノール樹脂
ポリアミド(ナイロン66〕
ボリエチレン(低密度〕
アセタール・コポリマー
ポリイミド
一一一一樹脂のみ
一炭素繊維20㌔30wt%添加
アセタール・ホモポリマー
ポリエチレン(高密度)
図13各種プラスチックの摩擦・摩耗特性に及ぽすカーボン繊維の効果
Vo1.51,No.11
101
材
区分
A
B
C
D
E
F
×105
10ヨ
1,000
ぐ
ξ
l oo
島
5
出
韓
10!
∼\、L\ 、 MP \
10
、
F
E
、
、
、
N
O
A
1
1
\
800℃、
1,OOO℃
T
D
』
;)
10
S
J K
^
o.1
W
Q
1
G
H
I
出
轟
J
K
L
0.1
M
0 100 200 300 400 500 600 700
N
平均軸受湿度(℃〕
O
P
図14各種摩擦材の軸圧と温度限界
Q
テーバー摩耗
K7000
FR−PP V7000
E7000
E7000
荷重11⑭CS−17輪
(舟)
19
PP(タルク入り)
ABS樹脂
22
21
PPO
14
13
17
ナイロン6
フェノール樹脂
テフロン
超高分子量PE
ナイロン6(GF30%〕
ポリカーボネート(GF30%〕
ポリアセタール(GF20%)
O.ユ5∼O.4
充填材入りPTFE
0.05∼O.32
ブロンズ,鉛,PTFE入りエポキシ
ブロンス,鉛,PTFE入りエポキシ
O.08∼O.3
充填材入りポリイミド
0.15∼0−5
ブロンズ入りPTFE
PTFEファイバ基材の材料
0.04∼O.25
O.04∼O.25
カーボンーグラファイト
電気グラファイト
Ni一グラファイト,鉄一グラファイトと
0.15∼O.4
0.1∼O.4
O.08∼O.3
O.08∼0.3
O.1∼O.2
Ta−Mo−MoS。,複合材
0.2∼O.8
0.2∼O.4
ハードメタル
コバルトペース合金
コバルトで結合されたタングステンカーバイト
熱硬化性樹脂で結合した固体潤滑剤フィルム
ポリイミドで結合したMoS./Sb,O茗フィルム
0.25∼O.4
O.05∼O.25
O.05∼0.25
ケイ酸ナトリウムで結合したMoS筥,グラファ O.1∼0.4
イト,金混合物
W
0.ユ∼O.4
O.2∼O.5
O.2∼0.5
グラファイト
45
50
37
ポリカーボネート
ポリアセタール
充填材入りナイロンとポリアセタール
充填材入りフェノール
34
PP
AS樹脂
O.06∼O.3
R ガラスで結合したMoS。,グラファイト銀混合物
S セラミックで結合したふっ化カルシウム
T Pb0 SiO≡結合フィルム
U MoS望
V WS。
表11摩耗量の比較
樹脂名
摩擦係数
料
HDポリエチレン
5
47
14
3
12(絶乾時〕
38
等
荷重:1,OO09
回転数:5,000rpm
一〇
罧 富
O.15
一
目□
CS17H22
(砥石〕
o
ぐ
冒冒
3
嘱
嘱
撲
撲
蟄
蟄
ゆ
ゆ
峠
図15 テーバー式摩〕
図15
耗試験機による= ω
耗試験機による=
ω
摩耗ランキングU
摩耗ランキングU
寸
o
o
■
⊂≡
N N
o
心
→
】
等
コ
畠 含
9 9
o
9 d o
O
s
d
回閨
撲
蟄
竃
①
巴
O.05
1.O
10
O
o
3
9
o
O.1
01
s
匡
o o
o
表11に示す。非強化では,PE,PA6などが低く,こ
0
れにPTFE,POM,PC,PPEなどが続きABS,AS
ポ撫ユ ポエポ
ポポ塩ユポエポ
ポ
メ
ア
フ
ポ
リ化 リポリラクェリ
リ ピリカ ア ノ
樹脂は,さらに大きい。また,強化材や充填材を加え
ェ 1キ ミリ ス
ア ニ ア セ 1
チ ボシ ンル チ
ると摩耗量は大幅に増加する。
次回からは,熱的性質について述べたい。
9
萬
o9
が,それは,最後にまとめて行いたい。
昌
s
40
図15には同様に各種プラスチックのテーバー摩耗
試験機による摩耗量を示す。表1ユと似た結果である。
以上,今回は機械的特性の最後として疲れ特性,摩
擦・摩耗特性を取り上げた。これらの機械的特性の強
化材やポリマー添加剤などの影響についても述べたい
ぐ
0.lO
o
1.5
15
一
凄
9一
峠テーバー式摩〕 {
一
旧η
1レ為樹†樹1樹樹姦レ
ドン児旨坦旨ト皿旨ル皿旨脂坦旨ン
2〕JIS K7118■岨明・(硬質プラスチック材料の疲れ試験方法通
則〕
3)「プラスチック・データブック」p.ユ37,旭化成アミダス㈱ノ「プ
ラスチックス」編集部共編,㈱工業調査会1999年12月1日
初版第1刷発行
4)JIS K7204−1・舳(摩耗輪によるプラスチックの摩耗試験方
<参考文献〉
1)「成形加工技者のためのプラスチック物性入門」廣恵章利,本
吉正信共著 1996年1月3!日第3版第1刷発行(日刊工業
新聞社)
102
法〕
5〕「プラスチック・データブック」p.154。旭化成アミダス㈱/「プ
ラスチックス」編集部共編,㈱工業調査会ユ999年12月1日
初版第1刷発行
プラスチックス