直列に接続した絶縁型 µModule コンバータによる 出力電圧範囲と出力電流範囲の増大 Jesus Rosales 450 400 OUTPUT CURRENT (mA) リニアテクノロジーの絶縁型 µModule® コンバータは、グランド・ルー プを断つための小型のソリューションです。これらのコンバータは、 最大出力電流が入力電圧と出力電圧に応じて変化するフライバッ ク・アーキテクチャを採用しています。出力電圧範囲は最大 12V に 制限されていますが、出力電圧範囲または出力電流範囲は広げるこ とができます。このソリューションで必要なのは、 2 つ以上の絶縁型 µModule コンバータの 2 次側を直列に接続することだけです。 350 300 250 200 2.5V 3.3V 5V 7.5V 10V 12V 150 100 50 UL60950 規 格 認 定 済 み の AC 2kV 絶 縁 流要件を満たすには、1 個の LTM8057 では 型 µModule コ ン バ ー タ LTM®8057 お よ 不十分であることが分かります。 び LTM8058 を 使 用して、この 設 計 手 法を ただし、1 個の LTM8057 が 20V 入 力で 5V 実 例 で 示 しま す。この 手 法 は LTM8046、 0 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 23 24 28 30 VIN (V) 図 1.標準的な最大出力電流と入力電圧 出力から 300mA を供給できることに気づけ LTM8047、および LTM8048 にも応用でき ば、解決策は明らかになります。出力電圧は入 ます。20V の入力から 10V/300mA の出力を 力から絶縁されているので、5V に設定された 得ることが目的であるとします。図 1 の最大出 2 つの LTM8057 の出力を直列に接続して、 力電流曲線を検討すると、この条件で出力電 10V/300mA(図 2)の出力を実現できます。 12V より高い電圧が必要な場合は、図 2 に示 すのと同じ回路を使用して出力電圧範囲を広 げることもできます。帰還抵抗を調整して 7.5V の公称出力電圧にすることにより、複合出力電 圧は 15V まで増加しました。15V の出力電流 能力は、 7.5V µModule レギュレータの個々 VIN 5V TO 28V + GND CIN1 10µF 35V VIN RUN C1 10µF 50V C4 4.7µF 50V C6 0.1µF 25V R2 6.98k 1% C3 10µF 50V C8 4.7µF 50V 図 2.出力を直列に接続した 2 つの LTM8057 µModule レギュレータ。 20V 入力で 10V、300mA 出力の アプリケーションをサポート。 C7 0.1µF 25V R4 6.98k 1% VOUT VOUT– BIAS VOUT C210V 22µF 16V の出力電流能力と同じです(図 3)。 U1 LTM8057EY SS ADJ GND VOUT VIN RUN BIAS VOUT– C5 22µF 16V RTN U2 LTM8057 SS ADJ GND 図 3.出力を直列に接続した 2 つの LTM8057 µModule レギュレータが、12V 入力、 15V 出力時に 160mA を超える電流を供給します。 24 | 2014年10月: LT Journal of Analog Innovation 設計上のアイデア 絶縁型 μModule コンバータを 1 個以上追加し、出力を直列に接続することにより、絶縁型 μModule コンバータの出力供給能力を高めつつ、出力ノイズ特性を維持できます。 図 2 に示す回路は、共通帰線を備えた正と負 VIN 5V TO 28V の出力を実現する 3 番目のオプションも実現で きます。両出力の帰線ノードは、出力スタック GND の中間にある共通接続点です。この方法によ + CIN1 10µF 35V C1 10µF 50V 1210 C4 4.7µF 50V り、図 2 の回路の出力は 5Vと –5V になります。 各コンバータの出力電圧は別々に決まるので、 C6 0.1µF 25V 出力はそれぞれ異なる大きさにすることができ ます。 R5 5.9k 1% 低出力ノイズの直列接続コンバータ LTM8058 と内蔵の LDO ポスト・レギュレー という利点は、出力を直列に接続する場合に C14 4.7µF 50V も維持できます。LDO の出力である VOUT2 を 10V 出力と直列に接続した 2 個の LTM8058 C9 0.1µF 25V の回路図を図 4 に示します。図 5 および 6 は、 それぞれ、LDO 出力を直列に接続した場合 (図 4 の回路)と、フライバック出力を直列に R7 5.9k 1% 接続した場合に、10V/100mA 負荷の条件で C2 22µF 16V VOUT– BIAS U1 LTM8058 VOUT2 SS C5 0.01µF 25V BYP ADJ1 GND ADJ2 C3 10µF 16V C8 22µF 16V VOUT– BIAS VOUT2 10V R4 162k 1% VOUT1 VIN RUN C7 10µF 50V タが備える出力スペクトラム・ノイズが小さい VOUT1 VIN RUN U1 LTM8058 SS VOUT2 C15 0.01µF 25V BYP ADJ1 GND ADJ2 R10 162k 1% C16 10µF 16V RTN の LTM8058 の出力ノイズ・スペクトラムを示 します。 リニアテクノロジ ー の 絶 縁 型 μModule コン 図 4.VOUT2 を直列に接続して 10V 出力を構成している 2 つの LTM8058 µModule レギュレータ バータは、絶縁型電源向けの簡素で小型のソ リューションを安定化出力電圧で実現します。 ここに示す LTM8057とLTM8058 のソリュー ションは、絶縁型 μModule コンバータを 1 個 0 0 –20 –20 –40 –40 INTENSITY (dBm) 力を高めつつ、出力ノイズ特性を維持できるこ とを見事に実証しています。n INTENSITY (dBm) 以上追加し、出力を直列に接続することによっ て絶縁型 μModule コンバータの出力供給能 –60 –80 –80 –100 –100 –120 –60 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 FREQUENCY (MHz) 4.5 5 –120 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 FREQUENCY (MHz) 4.5 5 図 5.100mA、10V の出力負荷条件で LDO の出力を直列に 図 6.100mA、10V の出力負荷条件でフライバックの出力を 接続した場合の 2 つの LTM8058 のノイズ・スペクトラム 直列に接続した場合の 2 つの LTM8058 のノイズ・スペクト ラム 2014年10月: LT Journal of Analog Innovation | 25
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