Study Guide for English Phonetics 2 英語音声学2・スタディガイド

Phonetics File
Study Guide 2
このスタディガイドは、英語調音音声学(後半)の各トピックに関して学ぶべき主要な点を問題形式で
列挙したものである。ひとつひとつ丁寧に解答していくことによって、理論的な理解だけでなく、実践的
な発音のコツがつかめるであろう。なお、(~で記された単語・音)の部分はさまざまな語や音が入る部
分である。(注意)「~を説明しなさい」とある時は箇条書きではいけない。また、「~を例をあげて詳
しく説明しなさい」とある時は、例をあげなければ全く意味をなさない場合がある。いずれにせよ、きち
んとした日本語で、誰が読んでもわかるように書かなければならない。
機能語の弱形と弱音変化について
1) 内容語と機能語の違いを品詞とその品詞に属する単語の例をあげて簡単に説明しなさい。
2a)(スペリングで記された単語) がアメリカ英語(GA)で発音される時、その弱形を示す IPA を次の
選択肢の中から選びなさい。解答は一つとは限らないので注意。
2b)(IPA で記された音) はアメリカ英語(GA)による機能語の弱形を表している。各 IPA が表す機能
語を次の中から選び番号で答えなさい。解答は一音につき一語とは限らない。すべての語を選びなさ
い。
3a) 機能語であっても強形が使われる主な場合を4つあげ、それぞれ例文を書いて詳しく説明しなさい。
3b)機能語であっても、①強調、②対比のために強形が使われる場合の例文をそれぞれ一つずつ示し、強
形で発音される機能語に下線を引きなさい。
4) 次の例文で want to に弱音変化が起こり得る場合と起こらない場合について、文の意味・構造の違い
から説明しなさい。Who do you want to help?
5) 弱音変化して(IPA で記された音)のように発音される語句を書きなさい。
同化と二次調音について
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二次調音とは何か。例を一つあげて詳しく説明しなさい。
二次調音のうち、唇音化について例をあげて詳しく説明しなさい。
二次調音のうち、硬口蓋音化(口蓋化)について例をあげて詳しく説明しなさい。
二次調音のうち、軟口蓋音化について例をあげて詳しく説明しなさい。
二次調音のうち、鼻音化について例をあげて詳しく説明しなさい。
(スペリングと IPA で記された単語)では二次調音の現象が生じる。下線部ではどのような二次調音
が生じると考えられるか。その名称(~化)を書き、それによって変化した音を IPA(補助記号
使用可)を使って [ ] 内に記しなさい。例)ski [ski] 硬口蓋音化  [kʲ]
音の同化とは何か。簡単に説明しなさい。
調音点の同化とは何か。進行同化の例、逆行同化の例を、語句と IPA を使って説明しなさい。
調音法の同化とは何か。語句と IPA を使って例をあげて説明しなさい。
相互同化とは何か。語句と IPA を使って例をあげて説明しなさい。
発声の同化とは何か。語句と IPA を使って例をあげて説明しなさい。
17)talk
to me [t k tə mi](などスペリングと IPA で記された語句)の下線部では同化の現象が起きる。
①それぞれの下線部ではどの音がどの音に変化するか。IPA(と必要なら補助記号)を使って記しな
さい。(進行同化や逆行同化の場合は x  y のように書き、相互同化の場合は x + y  z のように
書くこと。)また、②その同化の種類 <調音点か、調音法か、発声か> と、同化の向き <進行同化
か、逆行同化か、相互同化か> を答えなさい。例)talk
続する to の破裂音
to me ① k → k ([解説] talk の [k] が後
[t] の影響で不破裂化した [k ] になっている。)② 調音法の逆行同化([解説]
talk の [k] に関して、調音点は本来の軟口蓋のままであるし、発声のしかたも本来の無声音だが、調
音法だけは本来破裂するはずが不破裂化しているから。)
18) (スペリングと IPA で記された単語)に関して、英語の音変化パターンに従って、各語の IPA を補
助記号などを使って精密表記に書き換え、その変化がどのようなものかを「~化」という形で記し
なさい。なお、変化が2つ以上ある場合はそのすべてを IPA に含め、「~化」もすべて記すこと。
(注)この問題では Phonetics File 13「英語の音変化パターン」の(例)を除く項目が参照できる。
19) VOT とは何か。pin と bin を例にあげて詳しく説明しなさい。
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音節について
20) 音節 (syllable) とは何か。考えられる定義をひとつ書きなさい。
21) 英語の流音の4つの例を IPA で記しなさい。
22) 音節数を調べるために「聞こえ度の序列」(sonority hierarchy) を使うことがある。単語例を一つあ
げて IPA を記入し、対応する棒グラフを描いて、どのように音節数がわかるのかを詳しく説明しなさ
い。
23) (IPA で記された単語) に関して、その IPA を書き写し、その上部に「聞こえ度」を棒グラフで示して
から、その語が何音節語かを答えなさい。「聞こえ度の序列」を縦軸左側に必ず記入すること。
24) (IPA で記された母音と子音) を「聞こえ度」の大きい順に、間に>を記入して並べ替えなさい。
例) i > b > k など
25) 音節主音になり得る音を「聞こえ度」による分類に従って~音という形ですべてあげ、それぞれの音
の例を IPA で書きなさい。例)高母音 [
i ],流音 [ ɹ , l , ɫ , ɾ ] など
26) 音節主音的子音(成節子音)の例として3音を補助記号付の IPA で書きなさい。
27) (スペリングと IPA で記された単語) はそれぞれ何音節語か。また、それに対応する日本語の外来語を
カタカナで書き、そのモーラ数を答えなさい。例)potato 3音節/ポテト 3モーラ
28) 音節数に関して、secondary, secretary, dormitory はイギリス英語話者とアメリカ英語話者で音節
数に違いがある。どう違うかを説明しなさい。( Phonetics File 5「GA と RP の母音」参照)
29) (スペリングと IPA で記された単語) の音節構造 (Onset, Coda, Nucleus, Rhyme, Syllable) を、最初
に IPA を書き写してから樹形図を使って明示しなさい。(O, C, N, R, σ のように略記すること。)
30) 英語の頭子音の最大可能数とその音の種類の組み合わせパターン全部について、単語例をあげて詳し
く説明しなさい。現実に組み合わせのないパターン3つも明示すること。
31) 英語の音素配列上の制約 (phonotactic constraints) とは何か。例を1つだけあげて詳しく説明しなさ
い。
32) 英語において「音素配列上の制約に合致した基準」および「頭子音を最多にする基準」の両方に従っ
て(スペリングと IPA で記された単語)を分節しなさい。分節には IPA の [ . ] (dot) を使うこと。
33) 英語の音節 (syllable) と日本語の拍 (mora) の違いについて、英語の stop [stɑp] と日本語の外来語
「ストップ」を使って詳しく説明しなさい。音節数・モーラ数を示し、それぞれの言語のアクセント
の種類についても言及すること。
34) 日本語母語話者が英語の子音の発音で気をつけるべき点は何か。日本語になった外来語「ストップ」
とそれに対応する英単語 stop
[stɑp] を例にあげて詳しく説明しなさい。
アクセントについて
35) 英語は強勢言語 (stress language) と言われるが、その特徴のうち、1つを述べなさい。
36) プロミネンス (prominence) とは何か。簡単に述べなさい。
37) 単なる名詞句と複合語を比較すると、意味が異なるとともに強勢の位置も異なる。(スペリングで記
ストレス
された一組の名詞句と複合語)の意味を記し、それぞれ適切な母音字上に第一強勢記号を付けなさい。
ストレス
38) (スペリングで記された単語) に関して、①強勢記号を母音字上に付けなさい。また、②これらの語を
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名詞形にしたとき強勢位置は変化するか。与えられた各語の名詞形の母音字上に強勢記号を付け、強
勢位置の変化の有無(有の場合はどの音節からどの音節へか)を例のように述べなさい。
例)① able ② 名詞形 ability(強勢位置は第一音節から第二音節へ移動)
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39) (スペリングで記された単語) の各語は、語形は同じでも、名詞として使う場合と動詞として使う場合
ストレス
ストレス
で強勢位置が異なる。名詞の場合と動詞の場合それぞれに単語を書き、母音字上に強勢記号を付けな
さい。
ストレス
ストレス
40) 句と複合語の場合での強勢位置の違いによって意味が異なる語句を3組あげ、それぞれの強勢位置と
意味を書きなさい。例)black board <黒い板> と blackboard <黒板>
41) 英語の強勢等時性とは何か。例文を書いて詳しく説明しなさい。
42) 英語の強勢移動はどのような場合に起きるか。語句の例をあげて詳しく説明しなさい。
43) (スペリングで記された二組の語句) で強勢移動が起きるのはいずれか。また、強勢移動が起きる理由
を簡単に説明しなさい。
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イントネーションについて
44) イントネーションとは何か。その定義を書きなさい。
45) 音調核とは何か。簡単に説明しなさい。
46) (スペリングと IPA で記された文) はアメリカ英語(GA)の発話で、一つの音調句からできている。
そのイントネーションの構造を音節点で表す方式で記しなさい。イントネーションの高低に従って音
節一つにつき一つの点(強勢音節は大きい黒丸・弱音節は小さい黒丸)を付け、pre-head, head,
nucleus, tail の部分を表示すること。ただし、それらが必ずあるとは限らない。
( Phonetics File 21「音調句」参照)
47) 音調核が音調句の最後の内容語でない(つまり「核の移動または消失」の)例を一つあげ、詳しく説
明しなさい。
48) 同一の付加疑問文で、その核音調が下降調と上昇調の場合における意味の違いを説明しなさい。付加
疑問の例文を一つあげ、核音調の型(下降調か上昇調か)を示してから意味の違いを記すこと。
49) 下降上昇調の核音調は、単なる下降調の場合と比べて意味が異なる。単なる下降調の場合の意味と、
下降上昇調で①言外の意味を付け加える場合の意味と、②部分否定を表す場合の意味を、それぞれ例
文をあげて詳しく述べなさい。
50) (スペリングで記された発話) をそれぞれ2通りの音調句に分け、それによって生じる意味の違いを詳
しく説明しなさい。
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