(2015年度~2017年度)(PDF:834KB)

中期経営計画
(2015年度~2017年度)
2015年3月
株式会社東京商品取引所
経営戦略
1. 外部環境に左右されない構造的に安定した経営基盤の構築
早期の黒字転換と外部環境に左右されない安定的な収益基盤の構築を最優先課題と位置付け、その実現に
向けて、市場別・市場参加者カテゴリー別に取引高増加に資する市場活性化策を迅速かつ確実に実行
 2015年度に上場予定の「金限日取引(仮称)」について、積極的な市場振興策を講ずることで、初期の市
場流動性の基盤を固め、将来の収益源として育成
 「オプション市場」を次の成長市場と位置付け、JPXの次期デリバティブシステムの共同利用における金オプション
の商品設計の見直し、石油・ゴム等のオプション取引の開始など、市場設立及び育成に向けた取り組みを強化

2. 総合エネルギー市場創設に向けた取組みの推進

原油、ガソリン等の石油市場に加え、電力やガスの小売り自由化を見据えた電力先物市場の創設、 OTC市
場での取引実績を踏まえたLNG先物市場の創設に向けた準備・検討など、「総合エネルギー市場」の整備に向
けた取り組みを推進
3. 他取引所との連携強化
⑴ JPXとの連携強化
2016年中のJPXの次期デリバティブシステムの共同利用開始を契機として、市場参加者からみたワンストップ
の取引環境の整備を行うなど、JPXとの更なる連携を進める
⑵ 海外取引所との連携強化
市場の国際化及び活性化に向け、CMEやSGXとの連携を強化すると共に、中国本土の取引所とも積極的
な連携を行う
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重点施策
経営戦略1:外部環境に左右されない構造的に安定した経営基盤の構築
1. 収益拡大に向けた施策
⑴ 取引高増加に向けた取組み(フローベースでの拡大)
① 多様な市場参加者獲得のための活動

個人投資家の市場参入に向けた施策の実行
新たな市場仲介者及び他社清算参加者の獲得
新たな投資家層(証券投資家、FX投資家等)の獲得
海外市場参加者に対する国際営業の強化
証券会社、機関投資家、当業者等の取引拡大に向け、市場別の特性・ニーズに応じた活性化策の立案・実施

新たな商品の上場

オプション市場の活性化に向けた取組み




② 上場商品ポートフォリオの充実
• 「金限日取引(仮称)」の上場
• ゴム(TSR20)の上場に向けた検討
• 次期システムの稼働にあわせ、金オプションの商品設計をヨーロピアンタイプかつ現金決済型(日経平均オプションと
同様)に変更
• 当業者ニーズの高い石油、ゴム等のオプションについて積極的に検討
③ 利便性及び信頼性向上のためのインフラ・制度整備
立会時間の拡充に向けた検討
 長期限月(石油市場等)の提供に向けた検討

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重点施策
経営戦略1:外部環境に左右されない構造的に安定した経営基盤の構築
1. 収益拡大に向けた施策
⑵ 取組高・預かり資産増加に向けた取組み(ストックベースでの底上げ)


当業者のヘッジ取引拡大に向けた取組み
当社上場 商品を原資産とした金融商品の設定及び設定残高増加に向けた取組み
⑶ 戦略的な手数料体系の構築
2. JPXの次期デリバティブシステムの共同利用によるシステムコストの削減

2016年中のJPXの次期デリバティブシステムの共同利用により、システムコストの大幅な削減を図る。
3. コスト削減に向けた取組みの継続

グループ内の人的資源の有効活用等によるコスト削減等、一層の取り組みを図る。
4. 商品先物取引の認知度及びイメージ向上に資する広報活動の強化


関係団体と連携の下、商品先物取引の認知度・イメージ向上に向けた取組みを実践
商品先物業界と連携の下、商品先物取引のアンテナ施設(TOCOMスクエア)を設置し、個人投資家向けセミナーの
開催など情報発信と商品先物取引業者の営業支援を実践
5. 利便性及び信頼性向上に向けた取組み

当業者のヘッジ取引にあたってのヘッジ会計及びヘッジ税制の適用方法について、普及啓発を推進
6. リスク管理に係る規制強化に向けた取組み

欧米の規制当局によるグローバルなリスク管理規制強化への対応
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重点施策
経営戦略2:総合エネルギー市場創設に向けた取組みの推進
電力・ガスの自由化の方向性を見据えて以下の取り組みを実践
1.
2.
3.
4.
電力市場の創設に向けた検討
LNG先物市場の創設に向けた準備
石炭、LPG等の上場に向けた研究
JOE(Japan OTC Exchange)市場の活性化
経営戦略3:他取引所との連携強化
1. JPXとの連携強化

2016年中のJPXの次期デリバティブシステムの共同利用を前提に、金融・証券プレーヤーの参入促進による
顧客基盤の強化や当社上場商品を原資産としたETF/ETN等の設定・残高増加に向けた連携を図る
2. 海外取引所との連携強化

SGX、CME及び中国の取引所と、相互の市場の活性化に向けて連携強化を図る。
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(参考)2015年度事業計画
経営戦略1:外部環境に左右されない構造的に安定した経営基盤の構築(1/3)
I. 収益拡大に向けた取組み
1. 取引高・取組高増加(市場活性化)に向けた取組み
⑴ 市場横断的施策(市場参加者属性別施策)
市場参加者の属性別(個人投資家、市場仲介者等、海外市場参加者、当業者)にプレーヤーの多様化・拡
大に向けた取組みを行う。
① 個人投資家向け活動
• 勧誘規制の見直しを踏まえ、個人投資家の市場参入を促進するために、商品先物取引業者及び関係団体
(日本商品先物振興協会、日本商品委託者保護基金、日本商品先物取引協会)との連携の下、商品先
物取引情報発信のためのアンテナ施設であるTOCOMスクエアを設置し、商品先物取引の認知度及びイメージ
向上を目的とした広報活動を関係団体と連携して行う。
② 新たな市場仲介者・清算参加者等の獲得に向けた活動
• 当社市場参加者の多様化と拡大を目的として、JPXの次期デリバティブシステムの共同利用を機とする新たな
市場仲介者及び海外投資家及びプロ投資家にとって新たな受け皿となる他社清算参加者の獲得を図る。
③ 海外市場参加者の獲得に向けた活動
• 制度面(海外規制当局による当社へのDMA許可、マーケット・メーカー制度、インセンティブ制度)及びインフ
ラ面(シカゴ・東京データセンター間の高速回線の提供等)でのアクセシビリティの向上を通じて、市場の流動
性提供者となり得る潜在的顧客(国内外のプロップハウス・HFT等)を獲得するため、海外営業を強化する。
④ ETF/ETNを組成する金融機関に向けた活動
• JPXとの連携強化を図りながら、金融機関に対し、働き掛けを実施する。
⑤ 当業者取引拡大に向けた活動
• 市場利用事例集等を用いた当業者向けセミナーの開催、ヘッジ会計及びヘッジ税制の適用方法についての普
及啓発活動を行う。
⑥ 大口の投資家及び当業者の利便性向上に向けた活動
• 大量の注文を一本値で約定させたいニーズを持つ投資家や当業者を取り込むため、会員制掲示板(TOCOM
ウィンドウ)を設け、また、利便性の高い制度設計への変更により、立会外取引の活性化を促進する。
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(参考)2015年度事業計画
経営戦略1:外部環境に左右されない構造的に安定した経営基盤の構築(2/3)
⑵ 市場別施策
• 市場別(貴金属市場、石油市場(中京石油市場含む)、ゴム市場、農産物市場)に部署横断のプロジェクト
チームを編成し、金限日取引の上場など市場活性化に向けた取組みを行う。
⑶ その他(中長期的事項)
① JPXの次期デリバティブシステムの共同利用に向けた取組み
• 2016年中のJPXの次期デリバティブシステムの共同利用に向けて、JPXと連携しながら準備作業を進めるとともに、
円滑なシステム移行の実現に向け、取引参加者等に対して適時・的確な情報提供を行う。
② ゴム(TSR20)の上場に向けた検討
• 次期システム稼働時(2016年中目途)におけるTSR20上場に向けて、商品設計の検討、市場ニーズの調査
等を行う。
③ オプション市場の活性化に向けた取組み
• 次期システム稼働時の変更に向け、金オプションの市場設計について、取引参加者及び潜在的に市場参加が見
込まれる日経平均オプションの市場参加者に対するヒアリングを実施、早急に市場設計を確定の上、取引参加
者へ周知する。
• 同じヨーロピアンタイプのオプションである日経平均オプションの経験者の取込みを図る。
• 石油、ゴム等の当業者に対しヒアリングを実施し、次期システム稼働後早期のオプション市場の創設に向け、準
備・検討を進める。
④ 利便性及び信頼性向上のためのインフラ・制度整備
• 次期システムの稼働時における立会時間について検討を行う。
• 石油市場等について、3年物、5年物等の長期限月の提供に向けた調査・検討を実施する。
2. 戦略的な手数料体系の構築
現行の商品別設定方式を見直し、戦略的な見地から「商品別・限月別」、「自己・委託別」などの手数料体系の導
入に向けた検討を行う。
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(参考)2015年度事業計画
経営戦略1:外部環境に左右されない構造的に安定した経営基盤の構築(3/3)
II. コスト削減に向けた取組みの継続
グループ内の人的資源の有効活用等によるコスト削減等、一層の取り組みを図る。
III. リスク管理に係る規制強化に向けた取組み
欧米の規制当局によるグローバルなリスク管理規制強化への対応を図る。
経営戦略2:総合エネルギー市場創設に向けた取組みの推進
1. 電力市場の創設に向けた検討
• 2016年度における電力自由化を踏まえ、早期の電力市場の創設に向けた検討を実施する。
• 諸外国における電力取引所における収益費用分析等のビジネスモデルについて調査研究を行う。
2. LNG先物市場の創設に向けた準備
• 電力自由化の流れを踏まえ、LNG先物市場の創設に向けた準備を進める。
3. 石炭、LPG等の上場に向けた研究
• 一般炭、LPGやバンカーオイル等その他のエネルギー商品についての調査・研究に着手する。
4. JOE(Japan OTC Exchange)市場の活性化
• LNGについて、先物市場創設の前提となるOTC市場活性化に向けた働きかけを行う。
経営戦略3:他取引所との連携強化
1. JPXとの連携強化
• 2016年中のJPXの次期デリバティブシステムの共同利用を前提に、金融・証券プレーヤーの参入促進による顧客基盤
の強化や当社上場商品を原資産としたETF/ETN等の設定・残高増加に向けた連携を図る
2. 海外取引所との連携強化
• SGX、CME及び中国の取引所と、相互の市場の活性化に向けて連携強化を図る。
Copyright 2015 Tokyo Commodity Exchange, Inc. All rights reserved.
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