〇 10年超保有の場合の軽減税率との併用 10 年超保有の場合の軽減税率は、売却した年の 1 月 1 日時点の保有期間が 10 年を超えるマイホームの譲渡益の うち 6,000 万円までについては所得税 10%、住民税 4% の合計 14%の税率が適用できるというものです。6,000 万円を超える譲渡益に対しては所得税・住民税合わせて 20%の税率が適用されます。(復興特別所得税もかかりま す。) 3,000 万円控除はこの軽減税率と重複して適用できる ため、売却時の収入金額から、取得費と譲渡費用を控除し て求めた譲渡所得から 3,000 万円を控除でき、課税対象 となる譲渡益自体を少なくすることができます。 C B } 9,000万円超 所得税15% 20% 住民税 5% 6,000万円 所得税10% 14% 住民税 4% (※20.315%) } 6,000万円まで A 3,000万円 非課税 A. 譲渡益3,000万円まで 非課税 所得税10% 14% 住民税 4% (※14.21%) 3,000万円 非課税 B.譲渡益9,000万円まで 3,000万円を超える部分に 計14%課税 (※14.21%) (※)平成25年から平成49年まで2.1%の復興特別所得税(国税)がかかります。 46 } (※14.21%) 3,000万円 非課税 C.譲渡益9,000万円超 Bに加え、さらに 9,00 0万 円を 超える部分に 計20%課税 (※20.315%) 3,000 万円控除 10年を超えて所有する自宅の売却の税額計算例 30年前に3, 00 0万円で買った自宅を1億8, 00 0万円で売却 したときの、譲渡所得税・住民税を計算してみましょう。 ●所有期間=30 年 所有期間30 年 ●取得費=3,000 万円(※1) ●売却代金=1億8,000 ●譲渡益=1億5,000 万円(※2) 万円 自宅 (※ 1):取得費には購入代金のほか、仲介手数料、改良費などを含みますが、ここでは 計算を簡略化するために省いて考えます。また、建物の減価償却も考えに入れ ないことにします。 (※ 2):譲渡に要した仲介手数 料なども譲渡費用として売却代金から差し引けますが、 取得費と同じくここでは考えに入れません。 1 まず、譲渡益から3, 00 0万円特別控除を差し引いて課税 譲渡所得を出します。 (譲渡益) (特別控除額) 課税譲渡所得=1億5 ,00 0万円−3, 00 0万円=1億2, 00 0万円 2 課税譲渡所得のうち、6, 00 0 万円以下の部分についての税額を計算します。 ●この部分に対する税率は、所得税10%(復興特別所得税込みで10.21%)、住民税4%です。 6, 00 0万円に対する所得税 =6, 00 0万円×10.21% =612.6万円…① 6, 00 0万円に対する住民税 =6, 00 0万円×4% = 240万円 ……② 3 課税譲渡所得のうち、6, 00 0万円を超え る部分についての税額を計算します。 ●課税譲渡所得のうち6, 00 0万円を超える部 分の額は… (課税譲渡所得) 1億 2, 00 0万円−6, 00 0万円=6, 00 0万円 ●この部分に対する税率は、所得税15%(復興特別所得税込みで1 5. 315%)、住民税5%です。 6, 00 0万円に対する所得税 =6, 00 0万円×1 5. 315%=918.9万円…③ 6, 00 0万円に対する住民税 =6, 00 0万円×5% = 300万円 ……④ 4 合計税額を出します。 ① ③ 所得税=6 12.6万 円+9 18.9万 円=1,531.5万円…⑤ ② 住民税= 2 40万円+ ④ 3 00万 円=54 0万円 ………⑥ ⑤ 譲渡に際しての税額合計=1 ,531.5万円+540 ⑥ 万円=2,071.5万円 47
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