日本科学哲学会年次大会シンポジウム 「異分野融合の科学哲学」

日本科学哲学会年次大会シンポジウム
「異分野融合の科学哲学」
日時:
11 月 21 日(土)14:15〜16:45
場所:
首都大学東京南大沢キャンパス 6 号館
オーガナイザー:
菅原裕輝(国立循環器病研究センター)
講演者:
丸山善宏(京都大学白眉センター・文学研究科)
宮野公樹(京都大学学際融合教育研究推進センター)
戸田山和久(名古屋大学情報科学研究科)
討論者:
佐倉統(東京大学情報学環)
タイムテーブル:
14:15 - 14:30 趣旨説明 菅原裕輝
14:30 - 15:00 講演(1)丸山善宏「インターサイエンス:間主観性と間学術性」
15:00 - 15:30 講演(2)宮野公樹「異分野融合、実践と思想のあいだ。」
◆◆ 休憩 5 分 ◆◆
15:35 - 16:05 講演(3)戸田山和久「TBA」
16:05 - 16:20 討論 佐倉統
16:20 - 16:45 パネル・ディスカッション
講演の持ち時間:
・各講演者の持ち時間は30分とし、質疑応答の時間はそれぞれの発表で確保する予定です。
講演時間は25分、質疑応答は5分を目安に進めていただきたいと思います。
シンポジウムの趣旨:
知の細分化や知の断片化が進むにつれ、知の越境や知の総合を推進させようとする動き
が至る所で起き始めている。「異分野融合」を鍵概念に掲げた政策的提案や学術的活動も
数多くなされているが、肝心の「異分野融合」自体が何を表すのかや、「異分野融合」を
実際どのようにして実現させるかは依然として漠然としており、異分野融合の実像を捉え
られていないように見受けられる。
「異分野融合」という概念に対する理解は、科学に対するより良い理解を目的としてい
る科学哲学の観点から分析することによって深められると思われる。一方で、科学哲学の
観点から異分野融合について分析することにより、科学哲学自体も、現在主流となってい
る単一の科学の分析を主とする「個別科学の哲学」から、複数の科学(あるいは科学全体)
に跨がった分野横断的な「総合科学の哲学」へと緩やかに変容して行くと考えられる。
本シンポジウムの目的は、「異分野融合とは何を意味し、異分野連携とどう異なるか〈異
分野融合の定義〉」、「異分野融合はなぜ行われ、何を目指しているか〈異分野融合の目
的〉」、「異分野融合は実際どのように進んでおり、今後どのように進ませるべきか〈異
分野融合の実際と理念〉」、「異分野融合により生み出される知識は個別科学が生み出す
知識が生み出す知識とどう異なるか〈異分野融合の認識論〉」といった異分野融合をめぐ
る問いについての知見・考えを共有し、異分野融合の概念的基盤を整備することにより、
異分野融合の実像を捉えることである。そのためにまず、知の細分化と断片化をこの現代
において乗り越えるための方途としての異分野融合を数理科学の視点から考究する研究
者(丸山善宏氏)、異分野融合の実践と思索を往復する研究者(宮野公樹氏)、俯瞰的な
視座から科学全体を見渡しつつ、異分野融合を科学者と共に推し進めている研究者(戸田
山和久氏)にそれぞれ話題提供していただいたうえで、〈人間と自然の橋渡し〉や〈人間
と機械の橋渡し〉に関する異分野融合を実践している研究者(佐倉統氏)を討論者として
迎え、参加者を巻き込む形で議論を深めて行く。